呪詛師になる?俺を見てまだそんなことが言えるのか? 作:Wi-Fi
ギリギリ滑り込みました。
一週間早くない?
「失礼します」
「あぁ帰ったか占星」
荷物を部屋に置いた後、報告のため職員室に来た。夜蛾先生久しぶりに会ったけど、若干やつれてるように見える。
「お疲れのようですね」
「あぁ今年の1年は問題児が多くてな」
「合計3人で多いなら少なくとも2人は確定じゃないですか」
夜蛾先生は教師の中でもトップクラスであり次期学長にもなる人だ。その先生をこんだけ困らせるとは……。あの2人を相手にまともに担任できる教師なんてそうそういないと思うけど。
「定期報告書の方はこちらでまとめておいた。最終報告書はいらない、しっかり休め」
「じゃあお言葉に甘えて」
「それと、疲れてるな。向こうで何を見た?」
「…なにも、呪術師なら誰もが知ってる変わらない光景ですよ。失礼します」
はぐらかそうとしたつもりがむしろ意味深になってしまった。やっぱり疲れてるな俺。
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夜蛾センは何となく気づいてるっぽいな、廊下を進みながら前の教室に向かう。学年が上がり置いていた荷物がそのままになっているので回収しなきゃいけない。
「そういやそろそろか」
予備の携帯を開きながら周りを確認する。……あの人のカラスはどこにいるかわからんからな。
「もしもし、さっき帰国した。この携帯海外用に持ってたやつだし足が残らないよう消しとくぞ」
「…」
「OK、それとだいたい後一年だろ。コンタクトを取りたい奴がいる」
「…」
「そうそう、こっちでも少し根回ししておきたい。意外と乗り気? ふざけんな。うざったい縛りがなきゃやんねーよ」
「…
最後に向こうがなにかしゃべっていたが気にせず電話をぶち切り、引力で丸めて高温で溶かしてしまう。
……後一年、ついに始まるのだ呪術廻戦が。
一瞬だけ思考にモヤがかかる。こっちに帰ってきて傑と会ったときに気づいたのだが、昔の事や前世のことを思い出そうとするとたまに思考がぶれることがある。
前に九十九由基が言っていた縛りの副作用が出てるのか、前世の記憶と言うイレギュラーが修正されてるのか正確なところはもう今の俺ではわからない。
「目的さえぶれなきゃいいと思ってた」
記憶の影響から思想がぶれているのかそれとも思想がぶれたから記憶に影響しているのか。どちらにせよ変わっていないことはちゃんと存在する。
「あれ? 先輩どうしたんですか?」
「チッまたこいつかよ」
「どちら様?」
1年の教室に入り後輩の顔を眺める。俺はこいつらの未来を変えたかった、そしてこの世界の未来を変えたかった。この2つは変わってない。……たぶんね。
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教室では一年生が全員揃っており茶髪の女の子は珍しそうな顔で五条はうざったそうな態度を取りながらペン回しをしている。
「去年の荷物を取りに来たんだよ、ロッカー1つ占領しちゃってたでしょ」
「あれ、テメーのかよ」
「じゃあついでに自己紹介をちゃんと済ませちゃいましょう」
やっと後輩全員と顔合わせだ、3人だけど。ちゃんと喋ったのだって傑と荷物を運んでるときくらいだし。はいそこの白髪嫌そうな顔しない。
「そうだな、今年の1月から海外に遠征に行ってた2年生の占星誠也です。階級は準1級」
「んだよ雑魚じゃん」
そこのお坊っちゃんはいちいち悪態つかないと会話出来ないんですかねぇ。
「どーも1年の家入硝子です。よろしく先輩」
「家入さんね、よろしく」
「別に呼び捨てでいいですよ」
「じゃあいらないと思うけど、同じ1年の夏油傑です」
わざわざ傑が挨拶してきたのはお坊っちゃんも挨拶しなきゃいけない空気感をつけるためだろ。相変わらず頭が回ることで。
「……1年、五条悟」
「うん、よろしく。今年の一年は実力者ばかりと聞いていたけど想像以上みたいだね」
知識としては知っていたけど目の前に立たれると五条悟の異常さがよくわかる。今は気が立ってるからか呪力量と質の高さが隠しきれてない。傑の呪力もそこまでじゃないが悪くない、家入は流石に直接反転術式見るまでなんともいえないけど。
「先輩と夏油と知り合いらしいね、さっきちょっとだけ聞きました」
「昔同じ格闘技を習っていたからね。中学生からあってないから3年以上前の話だけど」
「3年って言われると長いですね」
「こう見ると昔と比べて……でかくなったな……」
さっきから喋るとき見上げないと目が合わないだよコイツ。前髪引っ張って視線下げるぞこの野郎。
「そうですね、これで体格有利はこっちのものですね」
「元々なかったろそんなの」
「いやいや、あの年の子供にとって数cmの差は大きいですよ」
「あってもなくても結果は変わらないさ」
「なら、それが本当か試してみませんか?」
久しぶりに再開してその当日から戦り合うつもりはなかったんだけど、向こうはそうでもなかったらしい。荷物の手伝いをしたのも時間を作るためか。
「校庭にちょうど良い場所があります」
「一応ルール確認」
「必要ですか?」
「一応って言ってるだろ」
お互いに懐かしい会話で笑みがこぼれてしまう。だがそのタイミングで傑の後ろからバキバキッと大きな音がする。あーシャーペンがあられもない姿になってらっしゃる。
「……俺がやる」
「へ?」
「俺がやるって言ってんだよ」
「さ、悟?」
椅子から立ち上がり俺の目の前に立つ。うわコイツもでかいなおい。てか呪力を落とせよ怖いわ、ホントにちゃんと威嚇してくんな。
「お前、傑より強いんだろ? なら受けるよな」
「いや、昔の話で今は条件が違うというか」
「なに、逃げんの?」
そんなわかりやすい挑発には乗らないよ? 絶対体術戦だけじゃ済みそうもないしそうなったら死ぬもん俺!!
「いや、逃げないよ、先輩は」
「おい夏油傑くん? 勝手に何を」
「先輩は私の前を歩いててくれるんですよね?」
くそ、過去の俺を殴れる手段がほしい。
● ● ● ● ●
「昔と違って硝子がいるからある程度の怪我はどうにでもなります。なので特に制限はありません。範囲は高専内で降参・戦闘不能で負けが決まります」
「ホントにルール確認いらなかったな」
「あと今回は術式は禁止で」
お互い校庭で距離を取り合図を待つ。審判として傑と家入が上から呪霊に乗っている。なにそれ俺も乗ってみたい。
「傑、俺たちは二人で最強だよな?」
「え? うん、そうだけど」
「だよな二人で最強なんだ。だからお前が認めても俺が認めるわけにはいかねぇんだ」
……もしかしてだけど、相方が自分より強いと認めてる奴がいて気に入らないってこと?
「けど、近接だけならまだ分があるし」
「それと俺、別にルール守るなんて言ってないんだけど」
「え?」
コイツ嘘だろ。まさかホントにガチでやりあう気じゃないよな。
「フフッそれじゃあ始め!!」
「それじゃあじゃないわ!! おい! ちょっと待て!!」
「"蒼"」
このクソガキふざけんな!!
「"具現・
とりあえず加速して蒼の範囲から離れる。初手の牽制だから回避できたけどこのまま何回も回避するのは正直微妙。
「ほら、鬼ごっこを始めようか」
「じゃあ鬼は俺だな」
この半年間、五条悟対策をいくつか考えてきたがどれも現実身がない方法ばかりだった。そのなかで唯一届きうる可能性のある作戦。
「"引"」
右手を部屋の方に向け術式を使う。その後窓が割れる音と共に得物が手元に届く。
「戦斧?」
「ハルバードだよ。日本語に訳すなら斧槍か槍斧」
両手が塞がってしまうので術式と相性が悪いけど使っていて一番しっくりきたのがこれだった。どうせここからは近接主体になるので得物を使わせてもらう。
「先輩、もしかして五条の術式知らないの?」
「いや、初手の蒼に反応したのを見るとそういうわけではないはず」
「じゃあ何か考えがある?」
斧を右手で持ち左手を寄せてしゃがみ、刀の居合のような体勢になる。そのまま踏み出すと同時に二つの術式を起動する。一つ目は新技、星雲の常時発動。そしてもう一つは
九十九由基直伝
「"シン・陰流 簡易領域"」
自身を中心とした領域を広げながら
次回、独自解釈のタグが火を吹くぜ
ちなみに主人公の得意武器ががハルバードなのは教師の影響です。