呪詛師になる?俺を見てまだそんなことが言えるのか? 作:Wi-Fi
原作読見返してて「うちの主人公の天敵は五条でも羂索でもなく陀艮なんじゃ」と最近気付いた作者です。
「あー頭の頭痛が激痛で痛い」
「元気そうですね」
目が覚めると保健室のベッドの上だった。隣には家入が座っている。反転術式を回してくれてたのかな?
「どうですか、呪術界最強枠に勝った感想は」
「あれは勝ちに入るか?」
こっちは殺す勢いでいったけど向こうは完全に手加減してた。それに最後、落花の情を使ってたならハルバードは防がれてた。
「五条はなんて?」
「本気なら俺が勝ってたって」
「……ならいっか」
本人が負けだって言ってるなら俺の勝ちでいいや。正直頭が回ってない。
「飴とか持ってない?」
「タバコならありますよ」
「いや怪我人に進めんなよ」
てか保健室でタバコ吸っていいの? いや大前提未成年が吸うなって言われたらなんも言えないわ。
「おーい生きてる?」
「先輩お疲れ様です」
おーおールールも守れない坊っちゃんと止めなかったヤンキーじゃないですか。
「ほら、これいるだろ」
「なんでスティックシュガー?」
「ナイス、助かる助かる」
ご厚意に甘えて2.3本をまとめて開けて口のなかに突っ込む。クッッッソ甘ったるい。
「先輩!?」
「加速中に脳に呪力回してたせいで糖分足りてないでしょ」
「荒療治にも程があるでしょ」
「欲を言うならコーヒー飴がよかった」
家入が俺と五条を交互に見て引いてる。待て、確かに甘いものは嫌いじゃないがこいつと違って普段からこんなことはしない。うげぇ口の中がじゃりじゃりする。
「なるほど思考能力を上げてるからあれだけの同時処理が出来てたんですね」
「いや、思考速度を上げてもマルチタスクはできねぇよ。脳みその使ってる部分が違う」
思考速度を上げたのはあの速度の中まともに動く判断力と反射神経の底上げのためだけ。
「肉体的には回避と攻撃。術的には領域の維持しかしてない」
「あの光ってる奴は?」
「最初の設置以外は全部自動」
星雲を設置し起動した後に対象と出力の操作を肉体の動きに合わせて自動化することで呪力の燃費を良くしてさらに脳のリソースを空けてる。
「術式の自動化って簡単に言ってるけどどうやってるんですか?」
「あぁ彫った」
「何に?」
「外に見えない所には大体」
「……ちょっと上着脱いで貰えます?」
傑に言われたとおり上着やネクタイを外してく。
「
「正確には呪印ね」
「ハハッちゃんとイカれてんね」
陀艮の領域展開を思い出して考えた方法で呪力を込めた刺青を体に入れて呪印を入れることで呪力を流すだけで術式が使えるようにした。容量の問題で星雲しか使えないけど。
「魔改造しすぎじゃないですか?」
「先輩、まさか他にも何かしてるんですか」
「ナニモシテナイヨ」
「悟」
「左目」
おいバラすなクソガキ。傑も寄ってくるな、昔手袋で詰められた時を思い出すだろ。
「こんなこと昔もあったな」
「左手の時ですね。今思うとそれも任務でやったんですか?」
「硝子が消せるか試してみれば?」
六眼で怪我を見破ったらしくそんな提案をしてくる。便利だなそれ、呪力の流れで体の形を見破ってんのかな? 俺の義眼はボヤけちゃってそんなこと出来ない。
「んじゃ先輩見せてください」
「いやもう何年も前の怪我だし」
「先輩?」
「ハイハイわかりましたよ」
傑の後ろにオ◯カバトル並みのゴゴゴ……が見えた気がするので諦めて提案を受ける。とりあえず手袋を外して左腕を差し出し昔とあまり変わらない見慣れた火傷跡を見せる。
「その間に今回の事と先輩の刺青のこと先生に報告してきます」
「いってらー」
「悟も行くんだよ」
「ゲ、マジかよ」
あの初対面の方と急に二人っきりにするのは気まずいのでやめていただきたいのですが。てか待って刺青の報告するの?
「ん?」
「どした。なんかわかった?」
「いや、変だと思って。この傷」
「変ってどういう?」
「皮膚はこんなに爛れてるのに内側は全く問題ないんです」
そういや病院でも奇跡的に機能面では問題ないって言われた。
「内と外の間に壁があったみたいに、それか後から内側だけ直したのか。なにか心当たりありません?」
「えー……あっ」
あるわ、心当たり。意識飛びそうになっててうっすらしか覚えてないけど。
「確か戦闘が終わったあと女の子がいたわ、同年代くらいの。確か窓の不手際で帳に巻き込まれててなんか軽く話してどっか言っちゃった子」
「……その子とどんな話を?」
「怪我してるけどなんかの事件って聞かれてそんな感じって返したら「なにそれウケる」って」
んでそのあとは良く覚えてない……あれ? ベットの横で座っている家入を見る。なんか似てないかこの子? 向こうも思い当たる節があるのかちょうど目が合った。
「もしかしてそれって海ですか?」
「うん、浜辺での任務だった」
「呪霊は魚みたいなやつで」
「ごめんそれあんまり思い出したくない」
アイツは完全にトラウマです。あんなのホラゲーかギャグマンガの二択でしか見ないだろ。
「てかなんで知ってるの?」
「見てたので、ちょっと離れた岩影から」
見てたって。待てよ確か女の子の特徴って大体同世代くらいで茶髪で左腕を直そうとしてくれて怪我人に「ウケる」で済ませる女の子……
「先輩がお兄さんだったんだ」
「マジか全然気が付かなかった。いや合ったことあるの数分だし仕方ないか」
あの時の子家入だったんだ。良く考えれば反転術式のアウトプットなんて出来る人限られるかそりゃもっと早く気付けよ俺。
「あの時なんであそこにいたの?」
「家族旅行で近くにいたんです。けどすることなくて散歩してたら紛れ込んだみたいで」
ホントにあの時の補助監督ハズレだったんだな、上層部の差し金なしでこれかよ。
「あの日の話、詳しく教えてもらえますか? お兄さん」
「その呼び方やめない?」
●●●●●
「注意で済んでよかったね」
「よかったじゃねーよ、なんで俺だけ」
うまい具合に責任を押し付けてたら軽い注意で済んだ。後で校舎の修復は手伝わされそうだけど
「それにしても簡易領域で無下限を突破するとは、シン・陰流は悟の天敵になったね」
「バーカ、普通は簡易領域なんかで術式の中和なんて絶対無理だよ」
「絶対?」
「ずぇ~ったい!!」
言葉と一緒に顔をこちらに近づけてくる。いや、ホントに近いって邪魔。
「簡易領域は所詮は簡易、質が違い過ぎて本物と同じ運用なんて無理」
「けど先輩は出来てたろ」
「アイツの領域はなんか、こう、変に濃いんだよ」
表現が難しいのか体を捻り悩みながら言葉を選ぶ。まだ何かしっくり来ないのか「深い? いや広い? 違うな……もっとこう染み込みやすいというか」なんて一人でボソボソ言っている。
「とりあえず人とは違うってことでいいのかい」
「多分だけど領域への理解が尋常じゃない。一度死んでんじゃねーのあいつ」
縁起でもないこと言わないでくれ。
「けど呪力の核心を掴んだって感じじゃない。それにしては呪力操作が下手すぎる」
「そこまで言う?」
「めちゃめちゃ下手くそ。術式通してないのは大体下手」
逆にいえば術式を使った術はまともに運用出来ている。確かに先輩は呪力強化は部分的に使っていたし、結界術ではなく領域で体を保護していた。近接戦闘だって術式優先だった。
「魂と肉体を別々に捉えてる?」
「……あり得ないけど、可能性はそれくらいしかあり得ない」
「わかりずらい言い回しやめてくれないか?」
魂だけ死にかけたことがあるなんて人間、そんなのこの世に存在するのか。可能だとしてもどんなシチュエーションでそんなことになるのか。魂に直接触れられる術式があるとか? (※あるけど関係ない)
「ま、多分本人も自覚無さそうだし考えても仕方なくね?」
「それもそうか、一応後で聞いてみるかい」
「いや、無自覚だからこそ成り立ってる可能性だってあるし、もし自覚してどっちも下手になったら後がダルい」
指摘されて出来なくなることは意外とある、例えば呼吸とか。今までなにも考えずやっていたのに意識してしまうと細かなことが気になってドミノ倒しに崩れていく。
「領域関係では天才ってことかな」
「結界術使えなきゃ宝の持ち腐れだろ」
あの先輩ならうまく使うだろ。なんて久しぶりに顔を合わせた相手に思ってしまう。
まぁ先輩相手だし仕方ないか。
簡易領域が箱や檻として領域展延が水とするなら占星型簡易領域は空気のような気体をイメージしてもらえるともしかしたらわかりやすいかもです。
他の二つと違って維持が出来ないので新しく張り続けなきゃいけないし出力は展延以下だしいいとこないです。生得術式が使えるけど二つの術式を同時に使うようなものなので宿儺とか五条なら出来るんじゃないですか。(適当)