呪詛師になる?俺を見てまだそんなことが言えるのか?   作:Wi-Fi

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気付いたら1か月以上過ぎてました。
理由としては、懐玉・玉折編までの間が思い付かなくて時間がかかってしまいました。
あと2.3話くらいで原作に入ると思います、多分。
投稿ペースを戻せるよう頑張りますのでよろしくお願いします。


第30話

 

「なぁ誠也って彼女とかいないの?」

 

 久しぶりの休日(仕事がないだけで学校はあります)なので2年の教室でお昼を食べてたら1年が凸って来た。めんどくさい懐かれ方をされたかもしれない。

 

「意外、五条ってそう言う話するんだな」

「俺だって健全な男子高校生ですぅ~」

「健全な男子高校生の癖に女子会みたいな話題だな」

 

 健全な男子高校生って実際どんな話してたっけ? 精神年齢×呪術師生活のせいで性欲がほぼ消え去った俺は健全とは言えないのかもしれない。

 

「お前らこそ恋人いないのかよ、美男美女ども」

「命か子供狙って来る奴は彼女に入る?」

「長続きする恋愛はしたことないんですよね」

「よし、お前ら一回だまれー」

 

 ツッコミづらいよ、健全な男子高校生は多分もっとマイルドな話すると思うよ。クラスのかわいい子ランキングとか、今思うとあれかなり性格の悪いランキングだよな。

 

「彼女は作ったことないな」

「出来たことないって言わないあたりお兄さんも大概ですよね」

 

 家入って言葉の端にナイフ忍ばせることあるよね。刺さってる刺さってる。

 

「昔から呪術師生活だからなー」

「あれ? 冥さんと付き合ってなかったっけ」

「おいバカ鏡香」

 

 それも誤解を生む言い方をするなよ。付き合ってない、ただ経歴を買ってるだけなんだから……この言い方だと犯罪臭がするな。

 

「なにそれ詳しく」

「あれ、お金の関係なんだっけ」

「先輩、もっと詳しくお願いします」

「鏡香一回黙ってろ」

 

 後輩二人に詰め寄られる。家入は何となく誤解なことを察してるらしく携帯を眺めて、おいコラ写真撮ってんじゃねぇよ。悪用する気だろそれ。

 

 てか抱きつくな五条、この前のツンツンはどこへ行きやがった。傑は笑顔で近づくな怖いわ、詰め寄り方が不良のそれだぞ。

 

「聞いたとおり、面白そうな状況だね」

 

 聞き覚えのある声が聞こえ、入り口を見ると噂の冥さんが立っていた。家入の奴が呼んだのか? 

 

「ちょうどよかった、こいつらの誤解を……」

「冥さん!! 誠也と付き合ってるって本当?」

 

 うるっさ!! 人が喋ってるのを声量で遮ぎってんじゃねぇよ。

 

「うーん、付き合う。交際関係にあるかと言われれば違うね」

「なんだよ、つまんね」

「ただ、彼が私との関係を買ったのは本当だよ」

 

 変にノリの良い冥さんのせいで数十分誤解が解けず、結局お昼を食べきることは出来ませんでした。

 

 

 ●●●●●

 

 

 歌姫先輩から若干脅し気味に相談に乗ってくれと言われ都内のカフェに来ているのだが。

 

「アイツらに口論で勝つ方法ないの!!」

 

 なんでだろう。説明があまりにも少ないのに何があったか容易に想像できる。

 

 あと個室じゃなくて仕切りのついているだけの席だからもう少し声量下げてくれない? あと帰っていい? 

 

「アンタ頭いいでしょ。何かいい案ないの?」

「そういうところじゃないですか?」

「どういう意味よ!!」

 

 語彙力の問題じゃないんですか、なんて素直に事実伝える勇気は持ち合わせてないんだな、これが。

 

「えっと、俺個人の考えですけど、口論に勝つための技術が三つあります。どれかひとつでも極めれば勝率はぐんと上がります」

「そうよ! そういうの求めてたのよ!」

 

 こういう単純な所が敗因なことに気付ければまだマシなんだろうけど、言って直るようならもう直ってるか。

 

「一つ目、正論を見極める洞察眼と知識。傑の得意分野です」

「二つ目、掻き回す力。論点をずらしたり内容を自分の土俵に引き込む力です。五条がたまにやります」

「最後に、大前提として負け戦には巻き込まれない立ち回りをする。勝てる勝負だけしとけば負けません。家入とか引き際うまいですよ」

「な、なるほど」

 

 アイツら3人は別のベクトルで口論がうまい。特にクズ二人は才能がある分口論で切れる手札が多いから揚げ足が取れない。

 

「ちなみに先輩はどれも向いてないです」

「え?」

 

 勝ち誇っていた顔が一瞬で真顔になる。

 

「正論は知識量が大事です。今からどうにかなる内容じゃないですし」

「あと先輩は煽られたらすぐキレるじゃないですか。煽りとか駆け引きとか向いてるタイプでもない」

「三番目は今回の悩みでは使えない」

 

 真顔のままどんどん顔色が悪くなっていく。ウケる。

 

「じゃあどうしたらいいのよ」

「……ガンバ p(・-・)q」

「んあああぁぁぁぁ!!!!!」

 

 うるさいから耳元で叫ばないで欲しい。

 

「お客様、お声を落としていただけると幸いなのですが……」

 

 ごめんなさい

 

 

 ●●●●●

 

 

「準備いい?」

「僕はいつでも…」

「俺は納得してないけどね」

 

 俺の前に同期二人が並んでこちらを向いている今日この頃。

 

 久しぶりに全員で再会したと思ったら「私たちがどれだけ成長したか教えてあげる」だそうだ休ませろバカ。

 

 そして涙は「2対1はかわいそうじゃないかな」じゃないんだよ、まず止めろよ。

 

「やってやらーとか言ってたお兄さんも大概じゃないですか」

「後輩の正論は心に染みるな、家入」

 

 校舎のほうからやじが飛んでくる。

 

 いやね、同期と言えどほぼ弟子みたいだった奴ら相手に余裕を見せたいのは男子のさがだろ。

 

 2対1とはいえ手数の多い俺の術式は見せてない技も多いし何とかなるだろ。たぶんきっと。

 

「前代未聞ですよ、準一級対一級術師二人って」

「ちょっと待てや」

 

 まだ半年しかたってないんだけど一級になってるのはどういうことだってばよ。努力しすぎじゃないか? 先生泣いちゃうよ、別の意味で。

 

「やめますか?」

「えーんーいや、たぶん問題ない」

 

 一級になったなら単独任務を軽くこなせる技が増えてるかも、それか他に手数が増えたか。それを加味してもギリいけると思う(希望的観測)

 

「傑どっちにかける?」

「先輩に10」

「じゃあ俺夜蛾センに止められるに100」

 

 片方賭ける金額がおかしいだろ、てか金額揃えなきゃ賭けにならないだろ。あとせめてどっちが勝つかで考えろよ。そしてポップコーンを食うな。

 

「問題ないなんて舐められてる?」

「いんや、正当な評価」

「事実ボコられた過去があるからなんとも言えないね」

 

 2対1なので大振りで隙の多いハルバードはなし。涙は得物持ってないし鏡香は持っててもリーチがあるものは使わない。術式と体術でどうにかする。

 

「そんじゃ合図するぞ、傑が」

「おい」

 

 ため息の後、よーいという声が響き全員が体勢下げる。そしてはじめの合図と同時に全員の呪力が弾ける。

 

「"具現・土星"」

「"反鏡転身"」

「"式・解邪水魚"」

 

 土星と式神がぶつかり相殺される。術式を相殺できる涙が防御を削って近接が得意な鏡香が攻める。前と変わらない連携スタイル。

 

 視界の隅で距離を詰めようと足を前に出した鏡香をとらえ、追撃を警戒した瞬間。踏みしめた大地を伝って空間が歪み黒い稲妻が駆け巡る。

 

「嘘だろ」

 

 眼で追えるギリギリの速度。もう目の前で次の拳を構えている。最初の一歩で生まれた黒閃、多分偶然じゃない。

 

 もう避けれる距離じゃないが次も黒閃だった場合下手したら絶命する。

 

 迫る右ストレートを呪力を集中させた右手でそのまま掴むように捕らえる。このままでは右腕が綺麗に吹き飛ぶので相殺された土星の残りパーツから引力を使い、無理やり右腕を後ろに引っ張り威力を逃がす。

 

 ついでに左手で右肩を殴って肩を外しさらに威力を分散させる。

 

「マジかよ!!」

「"具現・水星"」

 

 氷壁で鏡香を吹き飛ばし、距離を取りながら防護壁を建てる。ついでに攻撃を食らった腕を冷やしておく。バカみたいに痛い。

 

「常時黒閃ってどういう理屈だよ……」

「それを初見で防ぐお前もバケモンだけどな」

 

 壁越しに文句を言われた。正直危なかった、片腕逝ったし防いだと言えるのか微妙だけど。後ろから呪力を感じて頭を下げると刀が通過する。おい待てそれどっから出した。

 

「お前手ぶらだったろ涙!!」

「僕の式は対人に弱いからね、武器は持つべきだと」

「そこじゃねーよ!!」

 

 氷壁を壊した鏡香と刀を持った涙が左右から同時に攻めてくる。片手が使えないので星雲を使い、避けることを優先する。

 

 黒閃お化けが速いのはわかるけど涙の太刀筋も異常に速いのはなんでだ?とりあえず距離を取りたいのだが術式を使っても涙の術式に中和される。

 

「呪力は温存したいんだけどな!!」

 

 諦めて簡易領域を使い星雲による速度強化を最大にする。

 

 残り呪力も考え今回は2秒間だけの発動。二人の間を抜けるように避け、ついでに脇腹に一撃ずつ蹴りを入れておく。

 

「痛った!」

「"解邪水魚"!!」

 

 涙の式神が星雲を消していく。術式ではなく呪力を中和するからか縛りによる不干渉が効かなかったらしい。厄介だな。

 

 今のところ負けてる部分は体術、術式、手数。こっちが勝ってる部分は……よし2対1は無理やな!! 

 

「"具現・水星"」

 

 氷壁を張り直すが先程とは違い2人を分断するように縦に氷を造る。さらに鏡香の周りに閉じ込めるように氷壁を増やし閉じ込める。

 

 術式を封じられるのは厄介なので先に涙から潰す。

 

「"式・水鯨沫"」

 

 範囲攻撃を警戒してかカバー範囲の広い式神を選んできた。塞がれるとわかっててそういう技は選ばないけど。

 

 範囲が広い分、強度は下がっている。呪力出力の高い一点突破なら中和効果を越えられる。

 

「あれ、俺って範囲攻撃ばっかじゃね?」

 

 このタイミングで衝撃の事実が発覚してしまった。恒星なら突破できるかもしれないけど呪力の大半を消耗するし涙が死ぬ。

 

「"具現・火星"」

 

 火星をいくつか打ち込むが式神に防がれる。術式勝負じゃ崩せないけど刀の違和感が消えない限り下手に寄りたくない。星雲も消されるわけだし。

 

「いや、逆か」

 

 鏡香が合流するまで時間がないわけで取っ掛かりがないなら作るしかない。

 

 リスクから眼をそらして術式なしの呪力強化だけで突っ込む。刀を見てから避けてたら間に合わないので予備動作と勘で避ける。やっぱり動きに違和感が消えない。

 

「おいおい刀に振られてるぞ、相当のじゃじゃ馬みたいだな」

「! そんなこと……」

「遅い、表情に出てる」

 

 加速の原因は刀、呪具の影響ってことだ。刀を振り切る前に手首を押さえ蹴りを入れるが式神を盾に防がれる。

 

「何で防いだ、その速度が出せるなら避けれるだろ?」

「さ、さあね」

「無理やり表情を押さえてるのがバレバレだ。駆け引き向いてねーな」

 

 加速には条件がある。てかもう思い出したわ、その刀。

 

 対策は覚えてる。あとはタイミングと術式にさえ注意すれば……

 

「やっと壊れた!!」

 

 後ろで氷が砕け散る。やっぱり黒閃相手に時間稼ぎは難しかったか!! 

 

「涙、合わせろ!!」

「わかった」

 

 ここの対策は思い付いたけど、2対1でその状況に持ち込めるか。

 

「「打倒占星誠也!!」」

「お前らそれまだ言ってたのかよ!!」

 





主人公の戦闘シーンがワンパターンになりがちなのはどうしたら良いんだろう。強化イベントまで持つかな、作者の想像力。
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