「ベルゼブブ」
「…分からない、けど…魔無香の過去について、少し調べてきた」
「ベルゼブブに2つ、聞きたいことがある」
「じゃあ」
「最初に、昨日私は、魔無香の小学校の同級生に会いに行った。その人から魔無香が今、表に出てこないであろう理由を聞いた。そこで一つ目の質問。魔無香が出てこないのは、目の前で周りの人が死んだから?」
「じゃあ次の質問、……
「貴方?」
昨日の話を聞いて、少し考えた。事件を起こしたのは人間なのか。人間が、ほんの一瞬で上半身が無くなった死体なんて作れるのか。…出来るはずがない。だが、『能力』、しかも能力元の怪異は強力な悪魔。この条件なら、できるかもしれない。だけど、私は実際にそこに居たわけじゃない。だから今、ベルゼブブにその真相を聞く。
「………」
正直言うと信じられない。あの条件下では、できるのはベルゼブブだけだ。
?
「どういうこと?」
能力暴走……確か、竜爺が前に教えてくれたっけ。自分の能力を制御できずに周りに害を与えるようになる状態。これが起きる条件は2つ、1つは怪異の力が強すぎて持ち主の身体を乗っ取る。もう1つが他の、能力ではない怪異、つまりは本来のメリーさんの様に、縛られていない怪異に能力の怪異が怯えて、能力を制御するためのストッパーが一時的に無くなる。そして1つ目を『
ベルゼブブの場合、ほとんどの怪異はベルゼブブよりは弱いだろうから前者だと思うんだけど…
「能力暴走って、なんで?」
…ってことは後者?
あんな圧を出せるベルゼブブがここまで言う『神』、……死の具現化。
脳裏に浮かんだ死を司る神の名
ー『イザナミ』ー
「!…なんで、そう思うの?」
!……表情に出てたか…。
心を落ち着けて話し出す。
「まぁ、会ったこと、というか……見たことはある」
確かに、イザナミはベルゼブブが放っていた圧が小さく見えるくらいには恐ろしかった。今死ぬだけでなく、この世から存在が消される気さえした。