怪異の力で生きる道   作:牧葉

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九話:悪魔の娘の真実

 「ベルゼブブ」

 

月夛(つきた)さんから話を聞いた翌日の放課後、数日ぶりにベルゼブブに会いにきた。話を聞いた後、家に帰って自分の部屋で少し考えてみた。今日はその考えが合っているかをベルゼブブに聞きにきた。

 

「やあ(ベルゼブブ)、夜鈴」

 

「この(ベルゼブブ)前の言葉の意味、分かったのかな?」

 

「…分からない、けど…魔無香の過去について、少し調べてきた」

 

「そう(ベルゼブブ)、で?」

 

「ベルゼブブに2つ、聞きたいことがある」

 

「いい(ベルゼブブ)よ、僕が答えれることなら」

 

「じゃあ」

 

「最初に、昨日私は、魔無香の小学校の同級生に会いに行った。その人から魔無香が今、表に出てこないであろう理由を聞いた。そこで一つ目の質問。魔無香が出てこないのは、目の前で周りの人が死んだから?」

 

「……(ベルゼブブ)そうだよ。この()はクラスメートと家族が目の前で死んだ。それが原因で今、僕が魔無香の代わりに身体を動かしている」

 

「じゃあ次の質問、……それをしたのは(周りの人間を殺したのは)

 

「貴方?」

 

 昨日の話を聞いて、少し考えた。事件を起こしたのは人間なのか。人間が、ほんの一瞬で上半身が無くなった死体なんて作れるのか。…出来るはずがない。だが、『能力』、しかも能力元の怪異は強力な悪魔。この条件なら、できるかもしれない。だけど、私は実際にそこに居たわけじゃない。だから今、ベルゼブブにその真相を聞く。

 

「……(ベルゼブブ)今ここで違うと言って、君は信じるかな?」

 

「………」

 

正直言うと信じられない。あの条件下では、できるのはベルゼブブだけだ。

 

「だろ(ベルゼブブ)うね」

 

「だけ(ベルゼブブ)ど、……あれをしたのは僕じゃない」

 

「正確(ベルゼブブ)に言うと、僕の力ではある。…だけど僕ではない」

 

 

「どういうこと?」

 

「僕は(ベルゼブブ)自分の意思で能力を使ったことは無いんだよ。あれはとある理由で起きた能力暴走が原因だ」

 

能力暴走……確か、竜爺が前に教えてくれたっけ。自分の能力を制御できずに周りに害を与えるようになる状態。これが起きる条件は2つ、1つは怪異の力が強すぎて持ち主の身体を乗っ取る。もう1つが他の、能力ではない怪異、つまりは本来のメリーさんの様に、縛られていない怪異に能力の怪異が怯えて、能力を制御するためのストッパーが一時的に無くなる。そして1つ目を『(つき)』、2つ目を『(かい)』という。

ベルゼブブの場合、ほとんどの怪異はベルゼブブよりは弱いだろうから前者だと思うんだけど…

 

「能力暴走って、なんで?」

 

「あの(ベルゼブブ)時、僕らよりヤバい奴の気配がしたんだよ。」

 

…ってことは後者?

 

「あれ(ベルゼブブ)は『死』の具現化だ。神の中でも最高位の存在、僕たちでも歯が立たない。」

 

 あんな圧を出せるベルゼブブがここまで言う『神』、……死の具現化。

 

 

     脳裏に浮かんだ死を司る神の名

        ー『イザナミ』ー

 

 「……(ベルゼブブ)夜鈴は、会ったことがあるのかな?あの神に」

 

「!…なんで、そう思うの?」

 

「君の(ベルゼブブ)今の顔を見れば誰でもわかると思うけど?」

 

!……表情に出てたか…。

心を落ち着けて話し出す。

 

「まぁ、会ったこと、というか……見たことはある」

 

「なら(ベルゼブブ)、あの神の恐ろしさが分かるだろう?」

 

確かに、イザナミはベルゼブブが放っていた圧が小さく見えるくらいには恐ろしかった。今死ぬだけでなく、この世から存在が消される気さえした。

 

「兎に(ベルゼブブ)角、僕の能力暴走の原因の話はここまでにして、今の話を聞いてどうやって、この娘を救ってくれるのかな?」

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