私はその日、救われた。殺そうとした……いや、殺さないといけなかった相手に。
私が小学校に上がっすぐ、両親は死んだ。私には5歳年上の兄がいて、家が無くなり頼れる人が居なかった私たちは、借金をし、更にはそれを返せずにいた。その結果、私たちは廃墟で住むことになった。最初は支えあって生きていた。だけど、小学3年生になったあたりから兄は、私に暴力を振るうようになった。殴る蹴るは当たり前で、暴言や存在否定、ただでさえ少ない食べ物を取られる事もあった。幸い、性的暴力は無かったが、それでも、トラウマになるには充分だった。
そんなある日、私たちは能力を得た。兄は『テケテケ』で『速』という字が右の手のひらに浮かび上がっていた。
私は『
そんなある日、組織からまた命令が来た。命令の内容は簡単で、ある女子高生を始末しろというものだった。最初は私が相手を見て来て、見つかっても油断した所を攻撃、という作戦だったが一瞬で形勢は逆転し私と兄が劣勢になった。私は捕まり、兄は半殺しにされ逃げた。が、その数分後、何処からか兄の断末魔が聞こえ、相手が能力を解除したあと、私の足下におそらく兄だった物と、そこから流れ出た血が広がっていた。
兄の死体を見て、
と思ったが、何故かその女の人は私を殺さなかった。私が、家が無いことを知ると、家まで提供してくれた。女の人達の暖かみに触れ私は大泣した。その日、私はこの人達のために生きようと決めた。
怒気を孕んだ声が電話越しに聞こえた。
通話は切られた。
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次回から新章突入!