虹ヶ咲ヒーローorナイト&キング   作:コントラポストは全てを解決する

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第一幕 正真正銘フィクションアイドル
1.スクールアイドルなんて可愛ければ男でもなれる。だって客は顔と体しか見てないから


 

 ゲーム、バンド、スケボー、DJ、戦車道。時代と共にサブカルが流行し進化して行く中、ただ1つアイドルというジャンルだけは昭和初期からずっと続く最強のコンテンツだった。

 平成初期や中期なんかにデビューしたアイドルは男女問わず伝説世代と呼ばれ、ライブを開けばチケットが怪しいサイトで転売されまくりグッズは中国人爆買いの如く即品切れ。

 ライブ参戦のために移動する費用がかかるので交通産業の利益にもほんのちょい貢献した。なんなら推しのアイドルに会えるからと正装してオシャレする人もいたため、ファッションブランドにも少し利益が出た。ブランド会社も便乗してオシャレな灰色パーカーとか出してたと先人は語る。

 陰キャって羽織ものはパーカーを選ぶことが多いし色も灰色か黒か白のどれかだから良い采配だと思う。

 

 そういう訳でアイドルはいつの時代も華だった。特に1996年から2002年辺りはアイドル最盛期と言われて、今で言う『ビー作家』の小説が乱雑にアニメ化されるみたいにテンプレアイドルがソロやユニット問わずポンポン生まれた。

 どこを見ても似たような顔とキャラをしたアイドルがわんさか蔓延っていたんだぞとクラスのドルオタが自慢げに語ってたっけ。

 

 で、はい。2003年後期を皮切りにアイドル業界の勢いが半分くらいに落ちた。 半分落ちたというか最盛期前の売上に落ち着いたと言う方が正しいかもしれない。原因はマンネリ。多すぎるしどれも似てるからファンが飽きた。

 テレビからは鬼の様に連発されていたアイドルのレギュラー番組が消え、バラエティは流行りのアイドルを1人2人呼んで後は芸人さんが仕切るオールドスタイルに戻った。

 正直ボクの記憶にあるテレビ番組はこのスタイルに戻ったあとだったからテレビ=お笑い芸人の印象が強い。

 

 ただ、それでもここ近年はまたアイドル熱が再燃している。ブーム衰退から再加熱までのインターバル短過ぎんだろとは誰もが思ったはず。というかスレで散々ネタにされてるし。

 しかも今度はスクールアイドルとかいう無理ゲーが始まった。

 

 企業事務所のサポートを受けずに作詞作曲編曲ダンス振り付けその他全部をアイドル側に任せるクソゲーが。それが我らのスクールアイドル。

 扱いとしては部活らしいけど普通に部費が足りないから自腹で賄うのが基本とされている。

 

 学生側のアイドルだけで解決するならそれで良いし、出来ないなら曲作る人やダンサーに振り付けや作曲を依頼しろと来た。費用はアイドル側負担で。

 フリーでやって売れれば事務所入れてプロデビューって言う仕組み。バンドかよ。これで得するの育成費浮かせられた上に既に知名度を獲得した人気アイドルを引き込めたアイドル事務所だけじゃね。

 

 

 学生は学生側で学業と両立でやるの無理過ぎんだろ……ってよく思っていたのだけど、なんか結構増えた。確か最初のスクールアイドルが出たのが2010年。そこから増え続けて今じゃ有名無名問わずグループ数は100を超えてたはず。やばいね現代。

 過去にスクールアイドルが熱い!ってニュースが流れ始めた時期なんかは『これからはJKアイドルから作曲関連の仕事舞い込みまくるからDTMやっとけ』って情報商材まで出てきたっけ。

 ツイドリとかだとボカロPになろうとイキがってソフトを買ったは良いけど、結局3日で飽きた押入れ行きみたいなオタクが無名アイドルの垢にDMで凸る事がたまにあった。曲作ってやるから会わないかみたいな感じの。オタクPは晒されて無事炎上したぞ。草。

 

 無名とは言えアイドルやる選択が取れるくらいに顔は良いからその選択を取るのは分かる。曲提供って言う強カードで枕営業出来るかもと妄想するのは誰だってするさね。ていうかその題材のエロ同人がこの時期は死ぬほど出てたし。だからアレなオタクが夢見ちゃうのも仕方ないと言えば仕方がない。

 普通にしてたら絶対起こらない『美少女JKとお近づきになれた挙句曲あげれば良い感じになれるかも』と言う可能性が提示されればそりゃ男は普通に燃える。

 

 思ったんだけどキャバクラ行った方が早くないこれ?若さ?確かに中学卒業した男女なんてぶっちゃけジジイババアと変わらないのは分かる。だってこの辺から急に心が成長するから初々しさがないんだもん。

 

 まあ長々語ったが、結局なにが言いたかと言うとスクールアイドルは今を生きるJKの最先端ってことなのじゃ。

 ちやほやされたいって始める人もいれば、高校進学で離れ離れになったからアイドル活動で一緒にいれる時間を作ろうとか、母校が廃校しそうだから学校起こしにアイドルで有名になるとか、人によって様々。

 

 そんでボクもやってる。アイドルを

 

 姉譲りで顔と声かわいいし背も154cmしかないから普通にJKアイドル名乗れた。なんか知らんが骨格というか体格もめちゃくちゃJKだし。細めのJK。

 よくネットで絶壁とかいじられるけどチンコと違って小さくても価値あるから気にしてない。そもそもボクは男なんよ。

 

 

 学校では虹ヶ咲学園の情報処理科1年に通いながら、『スーパーヒーロー断崖絶壁美少女アイドル夕雲ひまり』の弟として過ごしてる。肩書長げーな頂き女子かよ。

 

 学校での役割は夕雲ひまりへのプレゼント受け渡し係。男女関係なくプレゼント渡してくれってよく頼まれる。

 男の場合は高確率で連絡先入ってるからこういうところで男女の差を感じられて結構面白いよ。皆もやろうネカマアイドル。

 

 して。

 

 当然というか当たり前というか、活動は完全ソロでやってる。曲関連もダンスもステージ確保もイベ申し込みもその他諸々全部ワンマン経営。

 男だってバレたらスクールアイドルできなくなるし、ボクは女の子としてアイドルをやりたいからこの選択自体に悔いは無い。

 

 でもぶっちゃけると過労で死にかける事が稀によくある。

 けどまあ、アイドルの景色が見れたならいつ死んでも良いやって言うのが本音だから別に気にしてない。

 

 

 

 そんな訳でボクは完璧に夕雲ひまりと夕雲茜を使い分け正体を隠し2面性スペクタクルでパーフェクトDKライフを過ごしてた。

 

 過ごしていたはずだったんだ。

 

「夕雲くん……ううん、夕雲ひまりさん……あなたにお願いがある……」

 

 はぁ?(IQ5)

 

 発端は今朝。下駄箱に手紙がぶち込まれていた事に機縁する。夕雲ひまりへのファンレターなら直接ボクに渡すはずだから、この手紙はボク宛だと理解し教室で開封。

 

 要約すると『放課後のHRが終わったら屋上に来い』って書いてあった。

 

 夕雲茜に手紙を出すなんて変わった相手だなと思いつつ、おそらく恋愛関係では無さそうだったので無視を決め込むつもりでいた。一軍女子が出てきて強盗強奪系の犯罪に巻き込まれたら嫌だし。それにこんなモブFに手紙送るとか絶対イタズラだろって思った。

 けど、かつて姉さんが言った『イタズラでもオフザケでも、相手は茜に何かを伝えようとしてるんだしちゃんと顔出して話し合うべきだよ。人の心にはしっかり向き言わないとね』って言葉が脳をよぎり結局来てしまったのだ。

 

 で、その結果がこれ。

 

「えーっと、ごめんね?夕雲ひまりはボクの姉で……とりあえずボクは姉さんではないんだ。伝言があるなら何か紙に書いてくれると……メモ帳出すからちょっと待ってて」

「違う……私はあなたに話がある……」

「いや姉さんに話がある言うたやん」

「夕雲ひまりは……あなたでしょ……?」

 

 はぁ???(IQ1)

 

 なんだこのピンク髪、難癖つけて来やがる。難癖というか事実だけど。なんでだ?どこでバレた。ボクの演技は完璧だったはず。顔のパーツ配置が似てることくらいしか夕雲ひまりとの共通点ないのに。

 いや落ち着け。まだ慌てるフェイズじゃない。ここで『……どうして気づいた?』と問いかけるのはナンセンス。ちょっと確信に近い問いをかけられたらペラペラ話し出す実力隠す気のない実力隠し系主人公と同じ轍は踏まない。

 

「まあ、姉さんとボクは瓜二つだし同一人物説唱えたい気持ちはわかる。でもその年で陰謀論にハマるのは良くないなぁっておじさん思うわけですよ」

「だったら……お姉さんに電話繋げて欲しい……」

「お便りはのツイドリのDMに投げてくだせぇ。私生活用の垢とアイドル垢は使い分けるって言うのが姉さんのやり方なんだ。ボクでさえアイドルとしての姉さんに会うには芸能用の番号使ってアポ取らなきゃいけないし。まあ、その……ごめんね。力になれんくて」

「……そっか……わかった……。最後……これだけやらせて欲しい……。ここ握って……?」

 

 ピンク髪の少女が出した謎の端末。そこに伸びるテスターの棒みたいな電極を握らされる。なんぞこれ?

 

「握りましたが」

「さっきみたいに……自分は夕雲ひまりじゃないって……言って欲しい……」

「良いよ。ボクは夕雲ひまりじゃない。ただの一般──」

 

 端末から『ピー』って音が鳴った。ほんとになんだこれ?ボクは何をさせられてるんだ?録音?帰ってひまりの声とボクの地声を合わせて音声解析するとか?声質全然違うし一致する部分があっても姉弟だからで押し通せるので無理だと思う。

 それに録音だけだったらボールペン型のレコーダーか何かでこっそり録れば良いだけだし、電極握る意味もない。はてさて一体全体なんの仕込みなのか。

 

「……うん、ありがと……」

「これってなんの検査だったの?血液型?」

「嘘発見器……」

「あぁ、ジョークグッズ?楽しいよねあれ。昔は姉さんともそういうのでよく遊んでて……ほら、引っ張るとバチンってするガム」

「これは本物……。今の音は嘘ついた時になる音……」

「納得出来る根拠を提示願いたい」

 

 はぇ……嘘発見器。刑事ドラマだけの創作マシンだと思ってたけど実在したのか。どうせ偽物だと思うけど。だいたいこんなロリが嘘発見器とかいう大層な機械持ってるはずないでしょ。

 

「もう1回……ここ握って……今度は本当の情報言って……。好きな食べ物とか……趣味とか……」

「趣味は推しのバーチャルアイドルにオレンジスパチャで長文送り付けること」

 

 嘘発見器(偽物)がまた『ピー』ってなった。この音は嘘ついてる音だっけか。確かにこれは嘘だけど多分偶然だろ。スパチャは送ったことあるけど相手はVじゃなかったし。

 こういう機械はホントと嘘が混ざった情報だと反応が鈍くなる。純度100%の嘘しか見破れないのは嘘発見機の定石だからな。

 

「…………なんで嘘ついたの……?」

「ホントのことなんじゃが?認められないなら納得するまでやればいいさ」

「……おちんちん生えてる……?」

「シュレディンガー」

「…………私のこと好き……?」

「無関心。まあ、可愛いなとは思ってるよ。彼ピッピいる?」

 

 嘘発見器(偽物率70%)は何も言わない。やっぱり発見機くんは情報が曖昧だったり本音が混ざったりするとダメらしい。これはもうボクの勝ちで良いでしょ。お風呂洗ってこよ。

 

「嘘と本当のこと混ぜたり……どっちとも取れる答え方はしないで……。この機械はそういうのわかる……」

「事実ですしおすし」

「じゃあ、最終手段…………お姉さんのこと嫌い……?」

「は?大好きですが???この次元の大きさと同じくらい大好きですが????姉さんがこの世界で1番可愛い女性だぞ。BIG BANG LOVE」

 

 姉さんの時だけ嘘発見器から可能性の獣が流れてきた。なにこれ?ボクの姉さん愛が強すぎて機械壊れちゃった?AIも搭載してないのに無理して人の感情図ろうとするからこうなるんやぞ。

 次は開発者にSiri程度の人工知能でも積んでもらうことだな。

 

「今の音が本音を話した時に出る音……」

「ちなみにどこを本当って判断したんだ?」

「お姉さんのとこ……」

「ふーん……手動で操作してるパターンでしょ?ボクの情報集めれば絶対嘘つけない事柄がわかるし、それ参考にして本当っぽい時に音を出す。ボクと一緒に機械持ってるのはそういうことだな?」

「なら、1人で触って……」

「おうおうやってやろうじゃないの」

 

 

 そして5分間色々吹き込んだけど、嘘の時はピーってなるし、本当の時は可能性の獣がなった。ははーん?さては遠隔操作だな?

 一緒に触ってたのはリモコン操作を読ませないためのブラフ。そういう事ね、完全に理解したわ。

 

 

「信じて貰えた……?」

「リモコンは何処?それか流行りのBluetooth?」

「諦めが悪い……それはホンモノの嘘発見器……」

「正しく機能してないみたいですが。ボクそろそろ姉さんのご飯作らないとだから帰りたいんだけど」

 

 嘘発見器が『ピー』ってなった。おうおうなんだコラ。ボクが姉さんにご飯を強請るだけの乞食だとでも言いたいのか?おん?

 人間とか言う地球の劣等種に生み出された分際で調子に乗んなよクソ機械が。

 

「そもそもお姉さん……いなかったの……?」

「はぁ?実在する人物ですけど?料理もお菓子作りも完璧で笑った顔が世界で1番可愛い女の子。笑ってなくても可愛い。声も可愛い。全部可愛い。この世に姉さんより可愛い女はいないんだぞ」

 

『ピー』

 

 さてはアンチだなオメー。

 

 人の姉さんを存在しなかった事にするとか恥ずかしくないの?人を不快にさせるジョークグッズの面汚しがよ……悔い改めて。

 こんなガラクタはぶっ壊した方が世界のため…………そういえばメカ自体はロリのだったな。勝手に壊しちゃダメだし器物破損になるから許可は取ろう。

 

「これ壊しても良いかな?」

「ダメ……」

「嫌いなんだけどこの機械。滅んだ方が人類のためだよ」

「嘘発見器だから……えっと……ごめんなさい……」

「えっ、うん。別に君にキレてるわけじゃないから破壊許可だけ欲しいんだけど」

 

 急にしおらしい態度取られると調子狂うな。他の女だったら今頃泣かしてお引き取りコースだったのに。やっぱ身体の小ささは武器なんやなー。

 

 いや確かによくよく考えたら電気ペンとかオナラクッションとかこの世から消えた方が良いジョークグッズなんて山ほどあるからそこは譲歩しよう。

 小4の頃おならクッションを仕掛けられて罠にかかった時の周囲の視線がトラウマになり、それ以降学校に来なくなった展開をアニメで見たし。それに比べればこんなジョークグッズ屁でもねぇ。

 そこら辺加味すると話くらいは聞いてあげた方が良いのかもしれない。粘着アンチになったらダルいし。

 

「…………ちなみに聞くけど、姉さんに会って何相談するつもりだったん?サイン欲しいなら貰って来るけど。それくらいなら寛容に返してくれるし」

「ううん……私、ひまりさんにアイドルの表現を教わりたかった……」

「アイドルの表現。歌?踊り?」

「表情……」

「表情」

 

 そういえばこのロリちゃん、さっきから表情だけ全然変わらないな。表情以外で感情表現してるからそこら辺全く見てなかった。

 

「わざと無表情な寡黙クールキャラを作ってるわけではなく、表情筋死んでるタイプ?」

「死んでるタイプ……。昔から顔で感情が伝えられなかったから……本心を言っても伝わらなくて……無愛想だって……それで、友達もできなくて……練習もしてるけど効果出ないから……だから、あなたに依頼したい……」

「ふーん。表情出ない程度で無愛想扱いする人なんてほっときゃ良いんじゃない?目の動きとか声の振動である程度はわかるのに、それすらしないのはあんま君のこと考えてないって事でしょ?」

「……夕雲くんは、私が何考えてるかわかるの……?」

「少しだけなら頑張ればなんとか。とりあえず話してわかったけど今の君はめちゃくちゃ緊張してる。姉さんに会うことがそんなに大事?ターニングポイントになるくらいの博打なん?」

 

 アイドルの表現ってなると、やっぱりロリちゃんはアイドル活動そのものをやろうとしてるってことだよな?

 ぶっちゃけアイドル用営業スマイルなんてそれっぽい顔してるだけで良いし、そもそも曲調によっては笑わない方がバえる事があるからなんとも。石鹸のopとか。

 

「私の目標が、スクールアイドルやって……みんなと心を繋げることで……だからそのためにどうしても必要……」

「もう少し詳しく」

「私の笑顔と、歌と、踊り……みんなの声援……頑張れって気持ちと頑張りたいって気持ち……明るく元気にみんなを照らせる……そんなアイドルをやりたい……。だから……ひまりさんみたいな可愛い笑顔を覚えたい……。あんな顔で笑ってみたい……」

「……別に姉さんじゃなくても良くないかそれ?良い笑顔する人なんていっぱいいるし」

「……個人的な好み……私はひまりさんの笑った顔が好き……」

「見る目あるじゃん」

 

 そうだろうそうだろう。なんせ姉さんは世界で一番笑顔が可愛い女としてギネスに載ったからな。ボクの心のギネス記録に。

 

「要約するとファンと一心同体の以心伝心テレパシーライブが出来るアイドルになりたいってことでおk?」

「うん……誰かは私の知らない感情を教えてくれるから好き……アイドルは私の中の知らない感情を知ることが出来るから好き……そうやって知った感情……これから知る感情……全部が溢れるライブがしたい……好きって気持ちが溢れる……皆と繋がれるライブがやりたい……」

 

 ファンと一体型のライブか。ロリちゃんの表情がひまり並に……しかも素で出せるように特訓。なるほど。

 夢壊すようで悪いけど、あの笑顔ってめちゃクソ作り笑顔なんだよな。ハリボテの笑顔で本心じゃないって知ったらロリちゃん萎えるんじゃないか?

 

 やっぱこの子の夢を守るためにもひまりはひまりとして憧れのまま生きさせた方が良いな。現実が残酷でいてくれるからこそ優しい虚構が映えるわけだし。

 

「まあ、一応姉さんに相談はしてみるよ。聞いておくけど客と笑顔で心コネクトした後は何するの?ロリちゃんの理想はそのライブが1回出来たら満足するタイプのものだから、自分の欲求満たせたので引退しますは心バッドコネクトよ?身勝手すぎる」

「1回じゃ足りない……私はずっと……侑さんや愛さん……みんなとずっと……みんなと一緒に私の夢の景色を見ていきたい……終わりのない知らない景色、みんなと一緒に……」

「そっか」

 

 景色。景色か。こりゃまた大層なこった。絶景とかよりもっと上の憧れた夢の先が見たいと。かっこよくて眩しいねぇ。キラッキラだ。

 

「そうだ、名前聞いても良い?知らないと姉さんに話せないし」

「璃奈……天王寺璃奈……」

「天王寺璃奈ね。覚えた覚えた」

 

 苗字クソかっこいいな。苗字じゃないけど優木せつ菜のせつ菜部分に似たかっこよさを感じる。男の子は刹那って言葉好きだし。セイエイとかブーストとか。

 そういうノリで天と王もかっこいい。タケル殿の苗字に通ずるものがある。

 

 なにはともあれ肝心のこれからは天王寺さんとの交流次第かなぁ……ちゃんと考えてはみるけどさ。

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