虹ヶ咲ヒーローorナイト&キング 作:コントラポストは全てを解決する
スゥーーーーー(ヘリウム吸引音)
好き(ミッキーボイス)
「あの……茜丸。イス3つ並べて突っ伏すのやめてください。一応ここ私のクラスなので……」
「かつて、最果ての国の騎士が言った。騎士は騎士である前に国を守る
「えっ……クッソ痛いですね……」
「璃奈りー好き……」
「アマチュア作家のシリアス展開だ」
「その例えそこそこ危ないから他所で使うなよ」
「いきなりシラフにならないでください」
『脈絡がない』を最低な例え方で言って来たぞこの女。着々とボク色に染まってて草も生えないんだが?
これじゃあかすみさんを狙ってた同じクラスのAくんがガン萎えしちゃうじゃないか。上手いことかすみさんを押し付けられないかなって画策してたのに。たくさん悪態ついて恨みポイントも貯めたのに無駄になっちゃった。
「で、はい。りな子が好きって?ビジネスだのなんだの言ってたのにいきなり過ぎません?」
「まだ普通にビジネスパートナーだよ」
「その割には急に思い入れ強くなりましたね……そういえば土曜の夜に連絡取れなくなりましたけど何してたんですか?いつもは寝てたとしても1回起きて『寝てる』ってメッセ送って来ますよね?」
「璃奈りーの家泊まったじゃん?」
「はい。でもりな子と茜丸なら一緒にゲームしてますよね?」
「休めって言われて携帯取り上げられロック付きケースに封印されたあと、ボク自身も璃奈りーにロックオンされ寝るしか無かった」
「…………添い寝したんですか?」
「したよ。逃げられなかったから」
朝起きたらなんか璃奈りーを抱き枕にしちゃってたしさー。とりあえずオネショと夢精してなくて良かったとは安心したけど。
でもなんか女の子と同じ布団で1夜過ごすのすごい……あの、あれ、罪を犯してる気分。昔万引き癖がある友達をどうにかしてくれって頼まれて、一緒に犯罪未遂した事あるけどその時より罪悪感すごい。
これで1歩間違たら璃奈りーとドッキングONしてたんだよな。危ない。精通してたら襲う確率上がってたかも。
「りな子がそんな無知なわけないですし……ワンチャン狙ってたり……?」
「分からない……ボクに身体の大事さを教えるために自分の身体を張って来て『ヤられても文句は言わない』って顔してたけど分からない……なんも分からん……」
「あー……茜丸って肉体酷使が酷いですからねー。自分に厳しいっていうか……いや他人にも厳しいですけど。私も早死だけはして欲しくないって思いますし。なるほど……身体を張れば茜丸は止まる、と」
「いや……そんな出川さんバリに肉体根性出さなくても……」
「確かにだいぶ貞操賭けたギャンブルですが……仮にえっちで茜丸に勝てるならそれはそれで良いかなーと」
「ボクを分からせるのに命賭ないでください……」
なんだこの女、アイドルの処女を軽く見すぎだろ。処女って公言したアイドルと彼氏いるのがバレたアイドルじゃCD売上に10倍の差が出るんだぞ。
「さすがに本番は怖いですが……ほら、茜丸言ってたじゃないですか。男は前なんとか線を4時間責められれば勝手に泣き出すって」
「イメ損が過ぎる……オタクに都合の良い純情美処女のキャラクター価値とオタクをなんだと思ってるんだ……」
「割と茜丸も酷い事言ってると思いますけど」
「酷いと言うか事実だし。ボクですらツイドリの扱いあれなのに、かすみさんがイケメン男と関係持ってるとか知られたらどうなると思う?相変わらず痴漢はあるし女が犯人だと裁判行こうとする時に死ぬほど泣くし駅員同情してるし。示談にしても何故かこっちが譲歩してくれってなって平均40万しか慰謝料取れない。フェミとフェミ騎士がいなけりゃもうちょいマシになるのにね」
「あー…………いっそのこと女性専用車両乗っちゃうとか……?」
「1回やった事あるけど香水の臭いキツ過ぎて無理だった。色んな匂いが混ざって芳香剤効かせた汚い公衆便所みたいな臭いがする。無理」
「香水ダメな口でしたか……」
食べ物だけじゃなくて匂いも混ぜればうんこになるんだって学んだ。いらない脳への刺激。男のワキガと加齢臭もあれだが女も大概だった。いや、外付けであの異臭出してる分女の方が酷いかもしれない。
ボクのばあちゃんはニューズの美容シャンプーと普通のボディソープだけで匂い完結してたのに。どうしてあんな臭気が酷い物つけるんだ。
男に見せるとかどうでも良いにしても自分の魅力下げてる事には気づけよバカ。お前の匂いはお前をメインにしなきゃ始まらないだろ。というか美の研鑽が女のオシャレの華なのになんでウンコ纏うんだ。あれか?心がぴょんぴょんしてる人達?
「茜丸からするライムみたいな綺麗な甘い匂い、素で出てたんですね」
「柔軟剤とかボディシャンとか体臭とか色々合わさった結果生まれてしまった……正直ちょっとチョコみたいな匂いの方が子供ウケ良いのかなって考える時がある」
「良いじゃないですか。サッパリした香りでリラックス出来ますし。アロマオイルだって基本はオレンジとかの柑橘系です。それに匂い変わったらストレス解消効果が薄れて侑先輩がおかしくなるのでそのままでいてください」
「ボクを犠牲にして送る侑先輩とのきららライフは楽しいか……香澄智乃ォ……」
「茜丸がアロマの効果を越えちゃったんですから仕方ないじゃないですか。それと侑先輩言ってましたよ?『茜の抱き心地って最高でさー。やめられないんだよね……』って。あと私の名前香風みたいに使わないでください」
「言い方ぁ……」
ボクもうただのダッチワイフじゃないか。相手の鬱憤と欲望解放のために異性とベッドインだぞ。これを援交と呼ばずしてなんと呼ぶ。侑先輩はぬいぐるみ抱いてるのと一緒って主張して正当性出してるけどさ、それソープランドのグレー経営法と理屈同じだからな。たまたま嬢が風呂に入って来たのと、自分好みのぬいぐるみを抱いているだけ。
とりま侑先輩の湿気で濡れる時が来たらぶっ叩くって決めてる。ぬいぐるみは愛でるものであり鬱憤を吐くものじゃない。
ベッドの上で抱かれるとちょうど頭が先輩の鼻に当たるんだ。そこさえどうにかすればなんとか。2cm……2cmっていう絶妙な差を片付ければ歩夢先輩に抱き枕の命が継承されるはず……あと侑先輩は早くポム先輩を抱け。
いつもボクが抱かれる度にサンリオ先輩はスペースキティーしてるんだぞ。お願い♡マイメロディに手を出して取り返しがつかなくなる前に侑先輩が手を出すんだ。本気で頼むぞ。平穏とかそんな軽いものじゃなくてボクの人としてのプライドと人間としての生命活動が賭かってる。
だから頼むぞ。愛に震える心があるなら平和を求めて翔べよ侑コーンガンダム。
「茜丸っていつもどこで侑先輩に抱かれてるんですか?」
「誤解生むからもうちょい言い方どうにかなりませんかね……はい。いつ嗅がれているかについては……あんまり決まった場所はないです。侑先輩の家に呼ばれて1日中吸わせたり、学校で廊下歩いてる時不意打ちで後ろから吸われたり。この間は部室誰もいないから来てって言われて嫌々行ったら入場早々吸われました」
「茜丸ってすごい部室来るの渋りますよね。もしかして電車みたいな匂いしてましたか?」
「いや、高確率で侑先輩にエンカするから渋ってる。吸われるか抱きつかれるかの2択だからあんまり会いたくなかった。会いたくない理由としてポム先輩の前でも浮気が如く吸い始めるから怖い。いつかボクが刺されるんじゃないかって」
「侑先輩が嫌で部室来なかったのに侑先輩に呼ばれて部室行ったんですか?矛盾してません?」
「先輩がボクでストレスを発散する。やる気が上がって良い曲作る。皆がその良い曲を使って気持ちの良いパフォーマンスが出来る。その皆には当然璃奈りーも入ってるのでボクは推しのレベル高いライブが見れて心が潤う。一時を我慢すればボクが得出来るから行った。けどやっぱり少しだけ辱めを受けてるみたいで恥ずかしい」
「まあ、侑先輩って茜丸のこと同性の友達みたいに思ってますし。というか茜丸を純粋に男として見れる女の子が何人いるか……」
「ひっで」
一昨日の璃奈りーもレズセする感覚で誘ってたのか?確かに創作界隈的にも夢モノじゃない限りは女の子同士の方がウケ良いっ言うし、どうせ女と見間違うほど可愛い男を侍らせるなら百合路線で行った方が良い。だってこっちなら厄介オタクにガミガミ言われないもん。それどころかATMにさえなる。
上手く言語化して記憶出来なかったけど、女性声優やアイドルの百合営業やガチ百合気味のネタは喜ぶのに、熱愛でノーマルラブになった瞬間荒れる昔のオタクの心理が感覚的にわかった気がする。
レズもノーマルもイチャついてるのには変わりなくねって思っていたが…………ここら辺は他所で言うなって鈴木に注意されてたんだっけ。閉廷。
「本当に嫌な時は断っても良いと思いますよ?侑先輩ならちゃんと分かってくれますし、切り替えだってできます」
「それは知ってる。ただまあ……あの時行った1番の要因はさ、7月頭の暑い教室でクーラー無しの環境と死ぬほど頭使う補習やった結果バテたからでして。割と緊急事態だったから連絡貰ったあとポカリ投げつけてやらー!って部室凸ったんだよ。吸引云々関係なく。実際行ったら思ったより元気でそのまま無事クワガタの顎で捕縛された」
「…………せつ菜先輩の時もそうでしたけど、茜丸って誰かが具合悪いって連絡入れたら容態どころか真偽関係なく突っ込んで行きますよね」
「ウイルス界隈も細胞異常界隈も常に進化してるからね。どうせ仮病だろってスルーしてたら相手が入院してそのまま臨終……とかなるのアホくさいでしょ?仮病なら少し疲れてたんだなで閉廷。ガチだったら早く見つかって良かったねで閉廷。思いやりだの助け合いだの貴方の味方がどうだのホザくならこれくらいの配慮は持っていて欲しい。というか一般教養では?」
「言ってる事は正しいと思いますけど……それずっとやってたら疲れちゃいません?気張り続けるのって大変だと思うので」
「風邪になる可能性を潰すんじゃなくて風邪になったあとに対処してるだけだから平気。あとこういう軽い不調を気合いで乗り越えさせようと怒鳴りつけて動かし続けた結果が昔の学生にあった熱中症での死亡事件だし。動かないのが一番ゴミ」
ボクが学んだ人への寄り添い方の答え。頑張れば昭和生まれの駄目教師くらいなら黙らせられると思う。
「身体の不調ならいくらでも助けると」
「精神不調でも助けるぞ。仲の良さと得があるなら」
「りな子に結構ドライな対応取ったのにですか?」
「あれ別に精神不調っていうか人間関係で悩んでただけだし、普通に成長イベだから璃奈りーの未来を考えて厳しく当たっただけだよ。その結果電光りなちゃんボードとか言う魔王アイテム出されて分からされたけど。あと剣になった」
「えっ、あれ剣になるんですか?タッチペン出すみたいに護身用の小さなナイフが入ってるとかではなく?」
「違う違うそうじゃない。剣になったのはボク」
「???????」
一瞬で宇宙猫になってて草。いやよく考えると何も知らない人が聞いたら訳わからん内容だなこれ。というか事情説明してもちゃんと理解できる人がいるかさえ怪しい。簡潔に話すにはどうまとめれば良いんだ?
「こう……璃奈りーが悩んでて、それを解決するために皆が璃奈りーに力を貸して、それでボクのブラック労働を下し引いては関係の修復を計画したわけじゃないっすか」
「はい、それで愛先輩と侑先輩があのボード作って持たせたわけですし」
「で、まあボクも前から璃奈りーに何かしたいなーって思ってて。だけどなんか璃奈りーの周り有能な人しかいないから力になれる事がなかったんだ」
「手助けしたいけど仕事の受注が無し、と」
「はい。で、なんやかんやあって璃奈りーが調子を取り戻しジャスティスグーパンで分からされ、璃奈りーの家かつ璃奈りー監視の元ならやりたい事やって良いよって法案が可決したのよ。私が貴様の暴走を制御してやるって」
「なんかちょっと変な方向に落ち着きましたね……」
「で、璃奈りーがボクのハンドル握るって提案を出された時に辿りついたんよ。ボクが求めた推し活力学の真理。璃奈りーに使って貰えば良いって。ボクが自分のエゴを押し付けるんじゃなく相手が望んだ力になる。だから剣って言う力になって璃奈りーとボクが斬りたいものを斬るビジネス契約を結びまして──」
「…………それ、茜丸がりな子の尻に敷かれただけでは?」
「そういう事ではなく………………意外と的を射ている気がする」
困った。なんか客観的に見るとボクと璃奈りーが結婚10年目みたいな夫婦関係を築いただけに見えてしまう。母は強いと言うがそもそも母どころか付き合ってもいないのに。
もっと剣としての威厳と斬れ味を見せなくては。このままだとボクは天王寺家のパイプイスかフライパンになってしまう。
「茜丸がりな子大好きで力貸したいけどやることないから人生支えるために旦那になった。で皆に話して良いですか?」
「いや……そんな気ぶった親みたいな事されても困る……」
「茜丸がりな子の剣ならりな子は持ち主なのでしょうけど、同時に鞘でもあると思うんですよ。茜丸が収まる場所って意味で。それってもうだいぶ特別な関係だと思います。あと夜の意味でも普通にソードとソード入れる器ですし」
「この話し聞いた最後の1文がそれなの人として何か欠如してると思うよ」
人の心とかないんか?やっぱりこの人ボクから学ばなくていい所まで学んでるな?やべー……無垢な美少女の倫理観を終わらせた罪でボクが同好会に消される。
いや違うの。言い訳させて。かすみさんバカだしバカ故の影響されやすさがあるって事はわかってた。でも地頭は良いから教えれば育つ事もわかってたんだ。
だからボクという悪役で人の醜く汚く悪い部分を学ばせて警戒心を高めようとしたんだよ。反面教師で反発させようって。
だけどなんかそのまま吸収しちゃってさ。結果として人の悪意や見栄、プライドを利用する計算高いけど優しい優秀なバカへと大成した。学習はしたけど対策するんじゃなくて活用し始めちゃったんだ。何がどうしてこうなった。
このままではかすみさんがどんな人のツボでも簡単に射止めつつ個性で万人受けする無敵インビンシブルになってしまう。
「かすみんみたいな頭悪い子がそんな簡単に茜丸みたいな倫理観は持てませんよ。多分皆さんも同じことを思うはずです。だからそのドン引くのやめて」
「あっ、はい……」
「…………それで、もうかすみんアイだと茜丸はりな子と添い遂げる覚悟をしたように見えますけど、実際のところは?」
「あー……正直もう1番見たかったものは見れたから、あとは2つほど残ってるやりたい事を済ませるのと、璃奈りーの夢を叶えてもらって路地裏にポイって算段を」
「りな子が茜丸を捨てるとお思いで?」
「だよねぇ……」
ワンチャン……ワンチャン使用期限の契約書提示すればもしかしたら合意のサイン出してくれるかもしれない。多分、おそらく、月と地球の重力比くらいの確率で押してくれる。
まあ?確認するまでは確定じゃないから最悪確認しなければ良いだけですし?そうすればボクから見た認識じゃこの世界の璃奈りーはボクをちゃんと利用して捨ててくれる人になる。
これ以上は璃奈りーにわからせられる未来が見えるので終わりにするぞ。閉廷。