虹ヶ咲ヒーローorナイト&キング   作:コントラポストは全てを解決する

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いつも平均5000文字とかいう読むだけで疲れる文章を読み終えた上に評価やお気に入り、栞の操作が出来るのすごいね。おじさんもう体力ないから読んだらぺージそっ閉じだよ。

変大ありがとうございます。感謝の極みです。



29.ツナガル・ヒロガル・コネクティング

 ライブ……皆に支えられながら頑張ってここまで来れた。受験で言う大学に入学できた段階だしお疲れ様って言いたいところだけど、ここは一区切りであってゴールじゃない。未来が本格的に動き出すスタート地点に立っただけ。

 

 私がやりたいアイドル。緊張もあるけど、愛さんや侑さんと話して落ち着いた。心との繋がり方を少しだけ理論化することも出来た。

 1人ずつ少しずつ、色んな人から感情を学んで心を繋ぐ。きっと一気に知ろうとしたら粗が出ちゃって皆も不満やマイナス感情が溜まるからダメ。それにそんな大量に情報仕入れたら脳がパンクする。

 

 どれだけ時間が掛かっても良い。私の知りたいもの、皆が見たいもの、1つずつゆっくり。双方両得の上でやるならこれが最善。なにかあっても私には大切な剣がある。

 

 失敗したって考え方や活かし方で経験になることを愛さんが教えてくれた。全力でやったけどダメダメで、それでバッシングされるなら一緒にそいつら斬ろうって茜くんも言ってくれた。だから大丈夫。

 

 今日より1歩進んで繋いでいくための初めの歩み。私は最初の1歩は茜くんが良い。きっかけは愛さんに言われたからだけど、今は自分の気持ち全を部ぶつけたいって感情でいっぱいだから。

 

 私はまだ茜くんに持ち主認定されただけで持ち主らしいことをしてない。だから、ちゃんと茜くんを使いこなせる価値を証明できるように頑張る。

 違う、頑張るじゃなくて確実に証明する。茜くんは自分の価値を見せてくれたから。応えなきゃフェアじゃない。

 

 

 ◇

 

 

 夕雲茜は人間の可能性不信だが、個人を信じることは出来る。得意なこと、好きなこと、苦手なこと、嫌いなこと、性質。ここらをまとめて相手の能力を信じる。

 相手は人間なので失敗するのは考慮済み。考慮というか知ってることが大前提の常識。だから損無しの結果は期待してない。

 

 だが、こいつなら窮地になったら根を上げてくれると信じる事は出来る。相手の技量を見極めないで期待だけ押し付けるのは無能のする事だから絶対しない。

 

 そもそも信じるとは自分の中で完結するものだし、相手を測れる観察眼があるならだいたいの結果は予想できる。そうして事前に心持ちを固めるのはアンガーコントロール……マネジメントの基礎だと本に載っていた。

 

 期待の意味の詳細に関しては叡智の電子板でググっていただきたい。知識のない赤ちゃんは頭が出来上がってからググろう。令和生まれだからしょうがないね。ママのおっぱい飲んで立派な大人になるんだよ。

 

 ──

 

 こんな風にめんどくさい理論を乳首オナと同レベルでこねくり回しながら中学をイき抜いた茜。期待というコマンドは選択肢になる事すらなかった。

 当然今もしてない。だってこの世には姉の下位互換しかいないから。1部技能を信用することは出来ても、期待とかいう4歳児以上使用厳禁オーラを放つおこちゃまムーブなぞ出来ようがなかった。

 強いてあげるなら、グレグレ時代に担当していた料理当番をサボった際、『父さんなら許してくれるよね……』と期待したくらいか。

 しかしあれは期待という名の皮を被った言い訳と逃避だったため、『期待』より醜い罪だと自負している。だから今もその贖罪に身を燃やしているのだ。

 そんな『期待は論外、信用は能力的に』を座右の銘フォルダ内の6番目辺りに保存して生きる茜。

 

 

 ここまで言えばお察しの通り、こいつには家族以外に信頼出来る人間がいなかった。そりゃ家族への情は強い。恩という家族から借りた時間という名の借金は確実に返さなければならないのだ。自分が迷惑という罪をかけたなら死を持ち出してでも償う義務がある。

 

 しかしどこかの家庭では恩より害を与えられた事例もあるため、そこのお子さんに関してはなるべく法的措置で相手を潰して欲しい。

 どのみち後悔はするのだ。どうせなら『あの時ちょっとやりすぎた気もするけどもっと酷い事されてたしスッキリ脳汁フィーバーもできたからヨシ!!!』となった方が良い。

 やられたら等倍でやり返す。正当防衛は裁判でも加味してくれる立派な権利だ。

 

 だからバカ親毒親モンペ持ちのご子息様御一行には親の手足を縛ってゲジゲジ50軍のいる部屋に放置するくらいの実行権はある。口を開放しとけば後はそこにサイコロステーキとパンを置いて食わせるだけで良いので管理も楽。ゲジゲジも食ったって害はないし無問題。水はストローであげれば溺れる事もないだろう。

 

 人生というストーリーを頼んでもないのに落書きと加筆調教でめちゃくちゃにされた子ども達の復讐案サンプルは一旦置いておき、茜は親と姉に特大のクソデカ恩情を持っている。

 やはりというかなんと言うか、家族に比べると赤の他人など将棋の歩程度にしか思えないのだ。上手く付き合って行きたいとは思うけど、別に相手に奪われようがどこから音も無くやってきた猫に連れて行かれようがどうでも良かった。自分という王含め、銀金、飛車辺りに利益を運んでくれるならそれで良いとさえ思っている。

 当たり前だが有能な駒が奪わるか失われそうになったら誰だって焦る。大好きな友達が交友グループを移動したら嫌だし、それが嫌いなDQNグループだったらそこそこ必死になって止める。恋人と別れる事になったら交際してるという見栄ステータスが無くなるし、自分にとって妥協点程度に都合が良い相手がいなくなるので生活水準や性欲関連で大損。

 逆に話した事ないクラスメイトが志望校落ちたり行けない大人遊びをしていても関係ないし関心も覚えない。特にそれを止めて何か良い思いが出来るわけじゃないから。

 

 打ち明けると茜の交友関係は味方が歩、敵が逃げ上手の玉というクソみたいにカッッッスイ戦況だった。

 姉がいなかったら家に引きこもって永遠に文を書き続けたあと、ラノベ賞に応募して短編作品辺りを出版しているところだった。

 味方がいるだけありがたいとは思えるのだが、それでもやっぱり香くらいは欲しい。

 

 そんな記念日に手作りのペンダントやピアス、ヘアゴムなどの女子アイテムを2年間贈り続けた重すぎない程度の愛を誇りに持つ究極キチスペ病デレ弟。変態と天才は紙一重とはよく言ったものである。

 

 そんな姉愛に生き姉愛に死ぬ彼だが、高校進学と同時に無事その唯一神とも引き剥がされてしまった。

 最初の一ヶ月は何をすれば良いか分からなかった事もあり、料理と世界への鬱憤を曲にしたあと『月猫ナンバーズ』というファイルに保管した。女は厨二なると高確率で月と黒猫にハマるらしい。ペガサスやドラゴン、ドラゴンカーセックスのような物だと思えば納得は出来る。

 現在は封印中しているのだが、その中で1番痛さが弱い曲に『エンドロールヒーロー』と名付けデビュー後に披露した後、それが3日でオリ曲再生数トップに上り詰めた時は衝動でパソコンを庭に埋めかけた。1mほど穴を掘ったところで虚無と化し活動を停止したのは幸いか最悪か。ついでにブラック企業の新人研修を受ける新卒は偉大であると学んだ。

 

 やはりあんな〇社創立20周年とか言う犯罪歴を誇りに掲げるクソ企業とか潰すのが最適なのでは?別にこの企業なくても社会回るし、倒産後にお局とトップを『採用時は経歴要確認』的なハロワのブラックリストに入れて路頭に迷わせれば良い。

 

 話が逸れたが、茜という合法どーべるショタには死ぬほど注力出来る間柄の人間がいなかった。そもそも周囲と同じ不完全タイプの人間である茜は人間である自分自身は嫌いだし、願う事なら姉の手で地獄へ飛ばして欲しいくらいには自己評価が低い。

 

 今だから打ち明けるけど、正直璃奈があそこまで茜を押す理由がさっぱりわからないのだ。そこまでの価値が自分にあるのかと何度も首をひねった。

 

 茜からすれば平凡一般の人間が学生社会を黒歴史にしないために編み出した究極の社交辞令コマンド『友情』を自分は否定してるのに、何故か好意的になり続ける璃奈の存在が本当に分からなかった。

 

 大人しい女ではあるが積極性の化身で明らか青春を大事にしてそうなのが璃奈という少女。だが青春三大キラキラ欲求である友情・努力・セックスの1つである友情を否定されても付いてくる。

 

 他クラスや他校の登下校を観察した程度だが、この上っ面コンテンツが青春?と何度も首を傾げてしまうのだ。

 アオハル=根性罵倒程度の解像度しかない茜にも問題がある事は十分承知している。

 

 

 しかし『青春は嘘の塊って思ってるタイプ?』という問いを鈴木から貰った時も思ったが、いくら考えても皆の中にある青春への印象が想像できないのだ。

 

 

 そもそも学生社会自体が大人社会の悪いところをなるべくデチューンした社会の歯車運営戦争の公式二次創作ゲームなのに、嘘もクソもあるのかと首を傾げた。

 ゲームの中のメインコンテンツではあるとは思うけど、結局ゲーム内の話なので虚構である。

 確かに学生からすれば『ある』のは認めるし、茜とて誰かの青春を邪魔する気はない。青春が『ある』と設定された世界にいるうちは享受するべき。そっちの方がゲームを楽しめる。

 しかし大半の人はこのゲームのノリで社会に出るから就活時点で躓く。みんな言ってるけど家庭科で税金と保険料と学校システムの事くらい教えて欲しい。家庭に関わる大事なポイントなんだぞ。

 

 さらに言えば何をトチ狂ったのか、先代の開発者達はこのゲームに『夢』とか言う搾取ビジネスにしか繋がらなさそうなゲームオリジナル要素を生み出してしまった。

 夢を諦めた大人と夢の現実に後悔する大人しかいないのにそれを見せて何がしたいのか。情報商材?と、先人達に聞きたいと茜は何度も思う。

 

 ドリームや一発逆転とかいうデカいリターンをチラつかせて、保険要素の概念も知らない学生に専門道路や狭き門を潜らせる。結果として知名度や憧れなどの承認欲求を餌にされた子供は大事な学習時間を減らす。

 

 正直下積み貧乏のシンデレラ型王道芸人を見ていても思うのだが、『バイトして飯食って休日は家で惰眠を貪るだけの切羽がお風呂の排水口に詰まった若者』に死ぬほど売れる斬新なネタが思いつくとは思えない。

 相当な才能や頭の良さがない限り"お笑い失敗したら終わる……!"って言う余裕がない状況でインスピぶち上がるかと問われれば、茜は『無理』と返さざるを得なかった。

 乙梅太公望だってアパート経営しながら芸人して生計立ててるし、厚ハムジャックだって資本金10億あるIT会社の幹部をしている。

 命綱つけてカイジの鉄骨渡りをするのと、元祖そのまま劇中再現するのとじゃ前者の余裕がダンチだろう。命綱があるから少しふざけた姿勢で渡るし、そのトンチキな光景が笑いとなる。結果視聴率に繋がりまた番組に呼ばれる。以降繰り返し。

 それが保険。心の余裕と平穏度が桁違いであり、創作においても『楽しい』という基礎の感情を高めてくれる最重要因子。

 ただそれだけの事にすら気づけない大人がワンサカいるのに、精神未熟な未成年に夢を見せるとか何を考えているのか。

 そんなIQ5.55を誇る茜でさえ理由も狙いも分からない酷いコンテンツだった。

 

 

 そう長々と脳内で語った茜はあることに気づく。

 

 

 もしや人物問わずデカい人間が璃奈の保険になれば余裕が生まれて因子無しの時より数億倍エンゲージ&ツナガリングス出来るのでは?──と。

 

 

 矢木に電流が走る

 

 

 自分は璃奈がやりたい事をやるための剣。勇気とEmotionalとLinaちゃん可愛いでおなじみ有機EL-りなちゃんボードはバフ及び支援メカ。ならば必要だろう、盾が。

 資金援助と業界コネくらいしか茜には思いつかなかった挙げ句、生憎その要素は夕雲ひまりの担当である。加えて茜の状態で貢ぐとパパ活みたいで事案だった。故に女性かつ局務めの金持ちがいる。

 

 一応茜の頭の中に『夕雲茜のまま芸能活動』というカード自体はある。絶対やらないと決めていたし思いついた瞬間から禁書扱いだけど。しかしこの一手間で璃奈が輝いてくれるなら……と真剣に検討してしまうのだ。

 おまけに幸か不幸か、茜にはこの依頼を受ければ知名度が最低10%は上がるという依頼を保留している。保留というか断っても定期的に連絡担当を変えてメールしてくる事務所があるのだ。どっかの音楽レーベルだったはず。

 茜がアイドルをやったら確実に『お姉さんとステージ立とう!』という提案が来るので断っていた。絶対やらないと胸に刻み己がステージライトを浴びる未来を全力でマトリックスし続けていたのだが……潮時が来たのかもしれない。

 

 どうすれば璃奈に伝説の装備1式を着せられるか考えた。茜の中にある伝説の装備はかすみから教えた貰った『エクスカリバーソニック』という黄金の鎧。

 ドラクエはよく分からなかった。菜々と一緒に部費申請書の修正依頼をしにゲーム開発部まで行った際、話が終わるまで遊ばせて貰った程度の思い入れ。

 

 以前にも語ったが茜はギャルゲーと音ゲーと格ゲーと銃ゲーしかやった事がない。だからデータがないのだ。

 明後日辺りに盾の知識を求めて配信でファイナルソードをやろうと決意を固める茜。スクエラ何とかのやつ。チョコボールみたいな名前の鳥しか知らないけどおそらく客が勝手に語り出すのでその時に使えそうな情報を拾えば良い。

 

 とりあえずライブが終わったら璃奈に盾の意見を聞こうと決め、茜は推し扇と推し色サイリウムを振った。

 

 知らない機械猫耳、知らないプラグ尻尾、普段の物静かな声とは違う死ぬほど可愛い声。茜はついつい『なんだこれは……ボクのデータにはないぞ……』と口を零してしまった。ついでにバイブスBPMを1000%に増して推し活を開始。

 心の中でライブが始まった瞬間に後方様子見プロデューサー面すると確信していたが、そんな事はなく無事ライブ沼に墜落を決めこんだ。

 

 璃奈が伝えたい事、繋げたい気持ち、その他色々を全部をぶつけると言っていたが、今ぶつけられているのは『好き』という心の共鳴ただ一つ。璃奈は真面目だから自分だけではなく愛やかすみ、侑達の事も考えているのだろうと予想を立てた。

 

 ──

 

 完全に理解した面をしているが、皆さんご存知この男に乙女心をインストール隙間は無い。

 というより今のところ家族愛以上の強い感情を覚えてない重症状態のため、異性が好きとか言う日本人の男根サイズしかない感情が分からなかった。

 

 

 璃奈の雌心など露知らず、本来ならファンの鑑なのだが関係性から見ると最悪な距離感を取っている邪悪なキングソードは、『あのプラグ尻尾が刺せるコンセント穴、胸とかに増設したいなぁ。トニースタークみたいになれば行けるか……?』と呑気にテンションを上げていた。

 

 

 璃奈の婚路はクソ長いのだ。

 

 

 

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