虹ヶ咲ヒーローorナイト&キング   作:コントラポストは全てを解決する

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3.友達は0だがその場のノリで付き合うくらいのやつはいる

 

 とりま昨日家帰ってから璃奈りーの表情訓練メニューを作った。今日の放課後にでも見せてメニュー確定させるか聞こうと思う。

 やる事は終わったし今日も元気にDK営業。

 

「ムビショッパーってなんなん?」

「唐突だね、スズキさんや」

「人の曲使っておいてムビショッパーの曲だ!はダメでしょ」

「収益の何割かは本家に行くし良いんじゃない?」

 

 最近よく話かけてくれるオタク男子君。名を鈴木 御四季(すずき みしき)。生粋のサブカルオタクでありアニメゲームボカロ、果てはビー小説&ラノベからジャンプ漫画まで全てのコンテンツを愛する猛者。

 推しアイドルは声優アイドルの桜坂美香さんらしい。スクールアイドルだと最近はJET Angelの丹田 霧香という子が気になっているとのこと。

 本人も創作する人であり、将来の夢は漫画家か両刀ラノベ作家。好きなものはプレイヤー干渉型の美少女ソシャゲで推しのファンアートをPixult検索するのが趣味。

 学校と毎日5時間のバイト、授業の予習復習を1時間やって資金や成績を維持しており、毎日遅くても26時には寝る。筆が早いのが自慢。

 ボクが知ってる鈴木の情報だとこれくらい。あとは友達同士っていう設定がある。

 

「あとLouTUBEで広告か賽銭つけるやつ。規約見ろ。ひまりんを見習え」

「ルール守るのとリスペクト大事ってことだね」

「それ。あと、本家が流行ってる真っ最中の曲を歌うのもやめて欲しい。その歌を広めたいなら許可取って動画を引用するとかURL載せるとかにして……いや、正直歌うこと自体は良いと思ってる。趣味の範疇だし。ただ人気Vとか歌い手が歌うと本家より再生数稼いで検索トップに来ちゃう事あるからさー。なんならGooqle検索でトップにポップアップされるのが歌ってみた動画になったりするからクソ。ボカロとかでよくこれが起こる。いやこれ悪いのGooqleだな」

「夕雲ひまりの曲もたまにトップ出ちゃわない?LouTubeもGooqleも」

「だってひまりんの歌う曲って昔の曲だったりマイナーな曲だったりで、スターファンドにさえ配信されてないレベルの曲をガチで布教して来るじゃん。時代の経過と一緒に忘れ去られた曲。ほら、5月の14日にさ、ハルティグっていうビートクラブ題材にしたアニメのOPカバーを上げた時あったじゃん?あれでOPだけそこそこ認知されたから、それがきっかけでスターファンドで配信されたんだよ。マイナーアニメ過ぎて公式発売のCDでしか聞けなかった曲。お前の姉ちゃん音楽の好みすごいよな。利益も度外視」

「早口すげー」

「言っちゃあれだがなんであんなマイナーな歌ばっかなんだ?ロストディーバのキャラソンとかもはや存在しない扱いなのに」

「姉さんはディーバのハヤテが好きなんだ。あと単純にホカノが推しだから使いまくってた」

「へー、ゲームだとホカノ好きなんだ。3からハマった?」

「いや、2のラストで顔出しされた時に一目惚れしたらしい」

「…………あれ2から3まで5年くらい期間あるぞ?」

 

 姉さんはなんか知らんがアニメのopedよりキャラソンや挿入歌を好きになることの方が多かったんだよな。あと覇権流行りアニメよりかはマイナーアニメにハマりがちだった。人気アニメで好きになったのってボク達が小学生の頃に見たアイドルヒーローだけだったはず。

 覇権への逆張りに見えるかもだけど、『あんな1発屋みたいなアニメの何が良いの』的な流行りものをバカにしたりは絶対しない。むしろ公式サイトであらすじとキャラ紹介見るくらいはしてた。ただストーリーが刺さらなかっただけで。

 

「まあ、そういう訳で姉さんはカバー曲選ぶってなると他とはズレた曲を選ぶんだ。ぶっちゃけ布教もあるけど歌った曲の保存目的でLouTubeに上げてる。端末問わず聞けるようになるしね。あとはアイドルやってるし公開しとくかって感じだったかな。ここまで反響あったのは正直予想外」

「むしろひまりんの知名度なら他から外れたカバー歌うのは戦略じゃね?投稿数多い曲みたいに検索埋没する事ないし。独断場じゃない?なんなら無名が便乗する時あったじゃん。だいたい再生数爆死して終わるけど」

「教訓にはなっただろうし別に良いんじゃない。人気が軌道に乗るまでは流行り曲じゃないと見て貰えないってわかっただろうだし。ほら、知名度0の絵描きが短期間でのし上がる方法に流行りジャンルのFA描き続けるってやつあったでしょ?やっぱり流行りは正義なのよ」

「まあ……ね。経営戦略としては良いと思うよ」

 

 どこの界隈も世知辛い部分はあるんだね。もう匿名SNSなんて月額制にした方が平和になるのでは?

 

「嫌いなタイプに限ってブロックしても湧いてくるからなー。もうブロック数500超えたしツイドリやったのは失敗だったかもしれんわ。ただひまりんとミカミカと丹田ちゃんのツイート追えなくなるのが辛い……複垢作ったらそのアカウントが永久凍結されたってツイ未だに見るし」

「LouTube解説だと垢消してから一ヶ月後にそのメアドと電話番号で新垢作れば凍結しないで生き続けるらしいよ。複垢は無理だけど鈴木の場合なら大丈夫じゃない?」

「そうなん?なら今日垢消すわ」

「時間かけて稼いだフォロワー捨てられるの中々メンタル座ってるね」

「前に万垢捨ててる絵師見たことあるぞ」

「……oh.ビューティフォ」

 

 すごいねその人。ボクは絶対できない。あと多分垢消したらアフィカスがテキトーな陰謀論とか業界闇ネタで炎上反感衝動稼ぎして金儲けするだろうから絶対消したくない。

 

「やっぱり垢の売買依頼とかくる?」

「たまーに。夕雲は?」

「たまーに」

「だよなー」

「ねー。ダルいよねあれ」

 

 ここ数日鈴木と話してて思ったけどなんかめちゃくちゃ話合うんだよな。類友っやつか。

 まあ、ボクみたいなやつに絡む特殊人種とかなにかしら他と違う経験積んでないとその考えに行きつかないし……結局類友で片付くわ。

 

「そういえばツイドリで言ってたゲームソングのカバーってどうなったんだ?」

「デルシータviのオープニングで許可取った」

「…………あれ原作エロゲだぞ?」

「VITAでエロゲはできんぞ」

「移植ってやつだ。R18版からえろCGとストーリーを健全向けに書き換えた後、だいたいCEROをCかDに変更して携帯ゲーム機用で出すんだよ。人気エロゲがよくその道を辿るしPSPから続く伝統だ。多分夕雲が見たのはそっちだと思う」

「そうだったのか……」

 

 ボクがもっと物語を読みたいと言ったばかりに姉さんは健全版エロゲを……どうしよう、さすがに嫌だったよね……。帰ったら謝ろう……。

 

「ていうか夕雲姉はギャルゲまでやるのか。それにあのゲームって4年前のやつだぞ?」

「opと宙ってキャラが好きらしくて」

「良いのか?多分変な荒れ方するぞ」

「騒ぐバカが悪いだけで物に罪はない。そこら辺突き詰めると風俗街は水道とかガスの工事が受けられなくなる」

「確かにそうだが……まあキャンセルもできんし仕方ないか。そもそもシータのあれは移植兼リメイクだからほとんど別物だしな」

「ギリギリセーフ?」

「割と普通にセーフ」

 

 良かった。というかよく考えたら未成年にエロゲの歌を歌わせる企業とかないか。セーフ。

 仮にガチエロでもここではボクが姉さんだからどうでもいいのだけど……でもそうなったら姉さんと距離おかなきゃだからやっぱり嫌だわ。ありがとう原作会社。

 

「案外許可ってすぐ取れるもんなんだな。ちゃんと会社に出向いて頭下げなきゃダメだと思ってた」

「LouTubeで活動するアイドルが増えた恩恵だね。全国にネットアイドルがいて、その中の何割かは直に権利持ってる会社に許可取りに行くから。ただ会社が東京でアイドルが九州住みだと予定合わせるの無理じゃん?交通費もバカにならんし、会社側も申し訳ないし。だからメールとか電話だけで解決出来ることが増えた。そのうちSNSのDMで完結する日が来るかもね」

「そういうもんか。でも許可取りも予定調整もカバー音源作るのも、あとは編曲?と動画編集だって全部夕雲がやってるじゃん?ライブなんて曲作りに振り付け考案、プラスして場所抑えから広報まで全部担当だし。あとスケジュール管理。見返りちゃんと貰ってる?」

「まあ、姉さんなら利益配分7:3くらいで7の方をボクに渡して来る人だけど、ボクあんまりお金使わないし。姉さんのために使って欲しい」

「愛〜……。多分夕雲は身長175超えてイケメンだったら確実にモテてたぞ。好きな相手には一途すぎるし、芸達者過ぎてスクールアイドルにモテまくってただろ。それと多分あれ、好きな女がレクサス欲しいって言ったらポンって渡しそう」

「姉さんが頼むなら買うけど、姉さんはそういう男を銀行のATMように扱うぶりっ子みたいな真似はしない。ちゃんと半分出すタイプだ。なんならトイレ行ってる間に会計済ましてるまである」

「そっかぁ……」

 

 姉さんの衣装作りのために生地を買いに行った時もそうだった。とりあえず合成繊維の生地で固めたけど、会計する時に姉さんがいきなり全部出したいって言って来て。

 2人で一緒に曲作ったり振り付け考えたりってやって来たから、衣装作りも生地決めから支払いに洋裁まで全部2人でやるつもりでいた。確かあの時は姉さんと一緒に全部共有しようって訴えて何とか割り勘にしたっけ。危うく姉さんの財布が空になるところだったぞ。

 

「正直ちょっと芸がある程度じゃスクールアイドルは寄ってこん。全部プロ級にできてジャケ絵作れるとかならわかるけど。というかそれで寄って来るのモテると言うよりドラえもん扱いじゃない?都合の良いコスパ最強の創作装置目当て」

「かもしれんが、実際夕雲ってめっちゃ良曲作るじゃん。強い拘りはあるけどそれがちゃんとウケてるし。姉ちゃんをライブに出せば観客いっぱいでLouTubeのは平均70万再生。サブスク系のアプリにも即行曲が入る。レーベルだっけ?事務所とか入らないのか?」

「入る必要性を感じない。事務所がスクールアイドルにしてくれる仕事はだいたいボク1人で解決するから。強いて言うならテレビ出演の交渉とか?でもそもそもテレビとかどうでも良いし」

「まあ、理論上は夕雲のやり方でも大丈夫なんだろう

 けど。でもやっぱお前のやってる事って夢物語とか現実逃避の妄想とかの領域じゃないか……?『レッスンも曲作りも予定管理も出演交渉も全部やってくれる人欲しいなー』とか冗談交じりに思うやつ。お前なんで現実でやってるんだよ」

「姉さんのために死ぬ気でやり方覚えた。愛だよ、愛」

 

 姉さんはボイトレもダンスも独学だけどアイドルの才能ありまくりだったから普通に勝てた。カラオケの採点じゃ100点しか取らないし、市内開催のダンス大会で優勝してたしマジモノのパーフェクトスターofアルティメットスターofギガンティックアイドルだぞ。ついでにそこから作曲知識つけてボクの手伝いを申し出たりする。まさに神様の生まれ変わりであり多分ジャンヌ・ダルクの生まれ変わり。セイントお姉ちゃん。

 そんな姉さんがボクだけに曲やダンスの考案を任せてくれる。普通にテンション上がって全力でパワー出すだろ。まさに人望のなせる技だ。

 

「姉ちゃんってよく周囲から嫉妬買わない?全スクールアイドルが妄想する理想のサポーター要素全部詰め込んだ弟じゃん。今更だがなんで他のアイドルに狙われてないの?」

「いや、よく夕雲ひまりのツイ垢DMに弟に仕事依頼したいですってメッセ来るよ?アシスタント契約結べませんかみたいなのも。赤の他人に時間避けないから断ってるけど。知らないアイドルに時間割くくらいなら姉さんのために1秒でも思考巡らせたいじゃん?姉さんもボクが頑張ると頭撫でてくれたりハグしてくれるんだ。あと添い寝とか。あと同じシャンプーとトリートメント使ってるはずなのにボクより良い匂いするんだよ姉さんって。優しくて……あったくて……お日様の匂い。布団干した後のダニが死んだ匂いじゃなくて、本当に陽だまりの匂い。好き(挨拶)」

「やっぱりお前と夕雲姉ちゃんってめちゃくちゃ関係しっとりしてるよな」

「失敬だね。ボク達はちょっと仲が良いだけの姉弟だよ。しっとりとか言う近親相姦を誤解させる表現は遠慮願いたい」

「はいはい。まあ、夕雲と夕雲姉の仲を邪魔する輩なんていないから好きなだけイチャつけよ。それはそれとしてずっと聞きかったんだが、お前天王寺さんに何かしたのか?さっきからずっとこっち見てるぞ?」

「…………はい?」

 

 スズキングの指さす教室の後ろ。見たら璃奈りーがいた。同じクラスだったのか……知らんかった……。

 なるほど、初対面の時からやけに慣れた対応だなと思ったら向こうは既にボクを知っていたと。ということは教室ではずっとボクのこと見てたの?怖ぁ……。

 璃奈りーは安全ってわかるけどマジマジ観察されると普通にビビるね……後で声掛けに行こう。

 

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