虹ヶ咲ヒーローorナイト&キング   作:コントラポストは全てを解決する

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5.トンチキスペック主人公先輩は重い視線を送るヤンデレズ予備軍幼なじみに気づかない

 

 悪いことしてないのに菜々ちゃん先輩がボクを売ったせいで高咲ハウスに行く事になってしまった。

 あの先輩の家に1人で行くとか怖すぎるんだが。トキメキ神経刺激したら終わりだし普通に怖い無理。

 しかも話によると親は共働きで夕方の5時辺りにならないと帰って来ないらしいしさ。くっ……共働き社会がよ……。中年が精神論とかいう教育ファッションで若人を鬱らせたりしなきゃこんな事には……

 

 話が逸れた。

 

 とりあえずプリン先輩がいますようにプリン先輩がいますようにプリン先輩がいますように(×1000)。

 

「侑先輩、こんにちは」

「うん!いらっしゃい!」

「歩夢先輩います?」

「いるけど……なになに?2人きりが良かった?」

「いえ、安心しました」

「ひど!」

 

 よし、プリン先輩がいるなら侑先輩を止めてくれる。ポムポム先輩がいない時にエンカするとめちゃくちゃ抱きついて来るからなこの人。おそらくボクの事をデカいテディベア程度にしか見てないぞ。

 せめて侑先輩より身長高かったら多少は変わったんだが……。姉さんは先輩と同じ156cmだったし。今だけボクの身体を触媒に姉さんを憑依召喚させられないだろうか。システムさえあれば後はボクの愛情パワーでなんとか出来るのに。

 

「あっ、茜くん。いらっしゃい」

「お邪魔してます。せっかくの休日にすみません。菜々ちゃん先輩が暴走いたしまして」

「あはは……災難だったね……」

「あの人ほんとボク達への執着エグいんすよ。この間なんか百合営業しようぜとか言って来ましたし。信じられます?」

「じょ、冗談だったんじゃないかなー……なんて。あはは……」

「せつ菜ちゃんとひまりちゃんの百合営業!?やろうよ!」

「嫌です」

 

 やめろ。あんたとバ菜々コングが結託したら誰も止められなくなる。確実にかすみさんも乗って来るから収集がつかん。残りの同好会メンバーは知らんがおそらく止めるって言う選択肢は取らないだろうし。

 

「あ、そうだ。これお土産です。侑先輩が食べたいって言ってたエルミ製菓の塩クッキー」

「やった。ありがとね茜」

「えっ……ゆうちゃんそんな高いもの頼んだよ?ダメだよ、茜くんだって私達と同じ学生なんだし……」

「これ高いお菓子なの?菜々さんがよく食べてるから普通のお菓子だと思ってた……ごめん、茜」

「別に高いって言っても輸入いちごとあまおうくらいの差しかないし大丈夫っすよ。一般人が催事とかでちょっと贅沢する日に買うって程度の菓子ですし。金持ちのティースタンドに乗るほどの物じゃなくこういう時に買うのがベストな品なので」

「いや……それでも十分ダメだと思うよ……」

「ポムちゃんセンパイは気にしすぎですよ。ボクも姉さんも金持ってたところで納税の時に徴収れて終わりですし、どうせ貯めた所でHPの意見BOXに『稼いでるんだからもっと金使えっておじいちゃんが言ってました』とかお気持ちご意見来るんで。ツイで土産買ったって散財アピできたから助かってます。端的に言えばWinWinというやつなのでお構いなく。老害がよ……

「わっ、毒吐いた」

 

 なんで結婚とか親の葬式とか息子娘のこれからのために金貯めなきゃいけんのに浪費しなきゃいけないの。老害の方が金持ってるしお先短いんだから孫にやる分残してラストブッパで良いじゃないですか。それとも詐欺で持ってかれたん?

 うちのじいちゃんとか85歳超えた辺りで艦隊哨戒ってゲームにドハマりして年200万課金してたし、提督歴3年目で運営に栄誉元帥賞状とかいう重課金者向けの感謝状貰ってた。秘書官はずっと暁だったらしい。なんならユニティーだかで艦船メンテできるゲーム作ってたからな。

 

 ご意見BOXに孫使って意見ぶっ込んだで来た老害はうちのじいちゃんを見習った方が良い。苦情入れるにしても自分だけで解決させるだろ普通。どうせローマ字とかパソコン分からないからって孫に泣きついてやらせたんだと思うけどさ。学習意欲を無くした古い価値観に囚われ続ける守銭奴懐古厨がよ。

 こっちの爺は誰にも文句言わずに現代の技術を1人で学び続けて全部己の力で解決したぞ。で、貴様は?(過激派)

 

「茜ってひまりちゃんのサポート全部1人でやってるんだよね?やっぱりアイドルやるとひまりちゃんレベルになっても変な人湧くの?」

「姉さんに来るのはせいぜい厄介なガチ恋勢くらいしか。この間なんかは手作りのモンブラン貰って普通に捨てましたし。何入ってるかわかったもんじゃ無いので怖いんですよねあれ。強いていうとするなら侑先輩が想像するような輩はボクの方に来ます。何かあるとすーぐ裏方」

「裏方ってどんな感じのアンチが来るの?」

「例えば知名度が中の下くらいのアイドルに曲作ったとして、それが爆死したら悪評とか責任全部作曲者に行きます。成功しても金貰ったんだから当たり前だろって言うのが基本スタンスなのでお金入る以外はこれと言って得はないですね。あっ、もちろん大多数の人はちゃんと平等に見てくれますよ?なんならこのアイドル微妙だなって普通に判断も下して行きます。ただほんとに一部の火力が強すぎる」

 

 たまに中堅スクドルの名声使って甘い汁啜ろうと企む無名のライターがいるから、一概に裏方全員が無実とは言い難いけど。

 でも曲の数字が振るわなかった時の信者はだいたい作った側を叩くんだ。3chスレッドとかツイドリ問わず叩きまくるし本人凸するやつも見たことある。

 

「その……茜くんは大丈夫なの?あんち?とかにちょっかいかけられたりしてない?」

「今の所そういうのは。ボクはまだまし方なので他アイドルの強火ファンからあの子の曲を作れとか私の好きなアイドルのダンス指導しろ(無償)とかで済んでます。初手から態度と主語がデカいやつがよく来るのは嫌ですが……よく考えると姉さんが有名になったら夕雲ひまり専用サポートマシンのボクまで知られるの不思議ですよね。作詞作曲の人ってそんな気にします?」

「あー……私はあんまり気にしないかも。でも茜の曲だけでひまりちゃんは有名になったんだし、皆その力を借りたくなっちゃうんじゃない?」

「ボクが良い料理作ったところで結局食レポするアイドルがダメならそのアイドルの評判は変わらんと思うのですが」

「ほら、たまにあるでしょ?上手くいかないと自分以外に原因探しちゃうこと。限定セールがなかったら余計な物買わずに済んだのにーとか、テスト期間中に好きなゲームの新しいソフトが出ちゃって勉強に集中出来なかったーみたいな。それと似てるというか……逆?茜の曲ならちゃんとウケるかもって夢見ちゃったり。自分磨きが行き詰まったりした時についつい考えたりしてさ」

「なるほど」

 

 まとめると『今まで私が有名になれなかったのは曲とダンスがダメだったせいであり、ちゃんとした人に作って貰えればしっかり輝けた』ってことだな。バリくそに責任転嫁で草。

 自分にできる事やりきった結果他所に原因探し始めたんだろうけど、一応真面目に活動した上で魅力や実力や知名度が上がらなかったわけでしょ?ならそれはもうその程度の頭しかなかったってだけで上に行くのは無理だと思うぞ。頭悪いやつがどれだけ勉強しても東大行けないみたいに人には限界があるんだから。

 侑先輩の育ちが良くて大分耳あたり良くなってるけど、辛口評論アイドルのセキ キアラ に同じ内容言わせたら挫折決めるレベルでぶった切られる話題だよこれ。

 あの人普通にブサイクとか才能なしとか言ってくるし、『千頭しずかのファンはガイジが多い』とか『鉄道アイドルのレェル・ユナは本人とファンのオタク共々アスペ』とかすごいあれな発言するからな。辛口と悪口の区別がついてないアホなのになんで活動出来てるんだろう。

 だからこそ侑先輩の優しさが染み込んでくる。

 

「ボクの曲なら輝けるかもって言われても、こっちは姉さんの歌詞とそれを参考に打ち込みながら本人の意見とボクの修正案を照らし合わせてやっと完成させているのですが。だから他所の人には合わないと思います」

「一緒に作ったからひまりちゃんに1番合うものができるって事?」

「家族だから出来てる技です。お互いが愛し合ってるからこそ出来るパーフェクトパフォーマンス」

「もしもひまりちゃん以外で同じ様に作るってなったらどうするの?例えばだけど私の曲作るってなったら?」

「曲が完成するまで侑先輩の家に泊まって、侑先輩と意見交換と要望を共有をして、1から100までネチネチ練り上げてアイドルソングの全てに巻き込みますが。相手の願望を徹底分析して曲にするのがボクのやり方なので。そのためには少しでも一緒にいて話を聞かないと駄目です」

「なるほど……泊まり込みしてくれるんだ。…………良し」

「侑ちゃん……?」

 

 おいやめろ。歩夢先輩の前で男を家に泊めようとか考えるんじゃない。あんた百合ハーレムの王じゃないんか?それとも可愛けりゃ誰でも良い口か?

 というか侑先輩は同好会のサポーターだから表には出ないって菜々ちゃん先輩が言ってたんだが?

 

「念の為言っておきますが同好会に手を貸す事はしませんからね。そもそも誰の味方もしないって決めてますし。あと姉さん一筋がボクの主義であり信念であり正義なので」

「でも璃奈ちゃんにひまりちゃん紹介してあげたんでしょ?教えるの上手で親しみ易くて優しい人だったって璃奈ちゃん言ってたよ?」

「……………璃奈りーって同好会メンバーだったんですか?」

「そうだけど……もしかして知らなかった?」

「あー……」

 

 なんとか見て見ぬふりをしてたけど潮時が来ちゃったみたいだ。いやだってアイドルやりたいってなったら普通は同好会行こうってなるじゃん。菜々ちゃん先輩とかボクみたいな特殊な事情が無い限りは。だから分かってたよ。

 分かってたけどさ、認めたくない現実ってあるじゃん?推しの死とか国民的アイドルの引退とか。

 

「同好会の手伝いしちゃったけど……どうする?うち来る?私と一緒にサポーターやるのはどう?マネージャーでも良いよ?」

「主人公の邪魔はしない主義なんで良いっす……。あー……同好会の会員なのかぁ……なんて言うかこう……馴染めてます……?」

「めちゃめちゃ過保護な璃奈ちゃんオタクだね。元々好きだったの?」

「いえ、4日前に同じクラスだったって気づいたくらいには無関心でした。まあその……色々あったんですよ。それでズルズルと」

「茜くんは璃奈ちゃんの事どう思ってるの?」

「姉さんのファン……後は……友達……友達?友達か……?」

 

 分からない……姉さんがいれば友達とかいらね〜wwwとか思ってたし菜々ちゃん先輩にも啖呵切ったし実際今も考えは変わってない。

 だけどなんというかこう……璃奈りー見てると応援したくなるでしょ。最初はろくでもない厄介発明女が来たなって思ってたけど、事情知ったら普通に受け入れることができちゃったし。

 あと菜々ちゃん情報網で嘘が効かないって知れたのと、璃奈りーが口硬そうって主観で思えたのも受け入れた理由の一端。

 それとやっぱあれよ。オタクなら見たくなるじゃん?無表情で寡黙な美少女が笑うとこ。

 

 だから……うん、そうだね。普通に友達じゃなかったわ。

 

「璃奈りーガチ恋オタクか厄介ファンだと思っていただければ。はい」

「菜々さんが聞いたらキれそうな発言だね」

「優木せつ菜はちょっと……いやかなり範囲外でして」

「『茜君が全然心開いてくれない』って菜々さん落ち込んでたよ?」

「だって怖いんですもん。姉さん共々引きずり込んでやるって目をしてますし。どこに引きずり込みたいのかは知りませんけど」

「な、菜々ちゃんはただ茜くんと友達になりたいだけなんじゃ……?」

「めちゃくちゃ狩人の目してるのにですか?」

「か、狩人の目……」

 

 あの狩猟本能が恋愛とか性欲に繋がるなんて事が起こったら確実にボクは終わる。恋は脳内CPUをおかしくさせるバグプログラムなんだぞ。あと熱愛報道が命取りになるアイドルにとって異性愛は敵。

 

「というかボクが塩いくらいで菜々ちゃん先輩が落ち込むとか考えられないのですが」

「そう?菜々さんって茜に会えたかどうかと話した時間でその日の気分が大分変わるよ?会えない日とか絶食したお坊さんみたいになってるし」

「ただただその日だけ筋トレを張り切っちゃっただけでは?」

「そういえば一昨日は茜くんとお出かけ出来るってすごいニコニコしてたね。機嫌良さそうに体揺らしてた。あと床の上も転がったりして」

「……一応聞くんですけど、同好会の部室って履き替えですか?それとも普通の教室と一緒?」

「土足というか普通に上履きで皆過ごしてるよ」

「うわ……きったね……」

 

 なんで砂埃積もる公共施設の床を転がってるんだあの先輩。サッカーコート転がるネイマールかよ。

 確かに嬉しいとつい舞い踊っちゃうのは分かる。ボクも姉さんとデートできるってなったら同じ事するから。

 でも菜々ちゃん先輩の場合推しアイドルとの接待デートだからぶっちゃけ状況的にはレンタル彼女なんだよな。だからそこまで喜べる理由がわからん。

 

「菜々さんさ、絶対に茜の事好きだよね?」

「それっぽい反応全然しませんが」

「ほら、菜々さんって好きな人の前だと気分上がるタイプだって言ってたし。だから照れるとかがないんじゃない?」

「あれは気分上がってるというか……バグってる?そもそもあの人の好きって『推し』の好きと『友達』の好きしかなくないですか?」

「そうかなー。茜が付き合ってって言ったら即OKしてくれると思うけど」

「いやぁ……姉さん以外の女性にそんな熱くなれん」

「茜くん……すごいシスコンだね……」

 

 血の繋がりがなかったら確実に交際申し込んでたし家族として出会わなくても絶対見つけ出してアイドルになるためのサポートしてた。

 というかボクは家族以外という関係で父さん達と出会っても仲良くすると言う確信がある。

 小さい頃もボクが体調崩すと母さんと二人でよく看病してくれたし、場合によっては人のために鬼を演じて子供を叱れる完璧な人達だよ。怒鳴らず人を教育できる正しき両親。

 

「茜って今もお姉ちゃん大好きっ子ですごいよね。普通なら思春期とかで嫌な気持ちになったり近寄らなくなるのに。会話も減ったりしてさ。でも茜はヒーローだって慕ってて……何か特別な意味があるの?茜とひまりちゃんのヒーローって」

「いえ、皆が認識してるヒーローと変わらないですよ。思春期の蛮行に関しては……反発するほど欠点がない人たちなので……そこから友達は良いやってなったのは悪手かもしれませんが。でもどうせ社会出たら世辞しか使いませんし」

「璃奈ちゃんとか菜々さんの事も本気で友達だとは思ってないの?」

「ぶっちゃけるとあの二人……は様子見として。ボクの知ってる有象無象って『夕雲ひまりの弟』って概念でしか夕雲茜の事見てないですし。あんま信じてない」

「と、友達ってそう簡単に気持ちが途切れるものじゃないって思うんだけどな……」

「ああ、普通の友達ならそうでしょう。ただ有名になった後に出来た知り合いってこっちの知名度下がると普通に離れて行きますよ?歩夢先輩も気をつけてくださいね。アイドルとか女優、有名人になったらなんか態度軽めの腰低いやつが最低3人は現れますので。テキトーに言い来るめて甘い汁啜ろうとして来ます。あれ買ってとか歩夢先輩7割相手3割のお金負担でどっか行ことか」

「そ、そっか……気をつけるね……」

「はい、気をつけて」

 

 姉さんに散々世話になったり姉さんの親友ポジ気取った朝森だって中学卒業した今じゃ会うどころか連絡1本良こさんし。だと思ったら高校上がって少し経ったくらいに合コン行くから良かったら来ない?1人来れなくなってさ〜とか数合わせで呼ぼうとして来たからな。

 こいつが見てたのは夕雲ひまりじゃなくて『学校でも町内でも人気者な夕雲ひまりと親友同士の自分』って言う立場。見てたって言うか酔ってた。

 

 中卒後もボク達の名前が有名になり始めた5月中盤辺りから急にLINEを送って来るようになったし、名声説は間違いではないと思う。

 なんか見たことある光景だなって思ったらあれだ。関係飽きたって理由で振った彼氏が一流企業に入ったから、復縁求めて連絡入れる元カノ。結構それっぽくて爆笑もんだね。

 

「侑先輩も歩夢先輩達を舞台に出すならしっかり準備はしてくださいね。設営やリハだけじゃなくて厄介客の対処とか体調不良患者の処置法とか。ライブで感極まって鼻血出す人とか一定数いるんで最低でもポケティは配った方が良いっすよ」

「うん、覚えとく……茜はさ、ひまりちゃんにアイドルやらせてる事を嫌になったりする?」

「いえ、姉さんを存在をこの世界に刻むのがボクのエゴなので。それに姉さんもアイドルになって皆も自分も笑顔でハッピーにして、世界を幸せで引っ張ることが夢ですから」

 

 姉さんのおかげで電波ソングの良さがわかってカラオケで歌うようになったとか、昔の曲カバーしてくれるから2010年辺りのアニソンを知れて自分だけじゃ気づけなかった音楽の好みを見つけたとか、趣味でダンスやってるけど姉さんのダンスが再現しがいあって楽しいとか。

 

「アイドルは立場であり力です。扱い次第でどんな可能性も開けますし、逆にその子の未来を閉じる事もあります。アイドルがアイドル志望の子を生み出すこともあれば憧れのアイドルがヤクやって逮捕とかで夢を壊すこともあります。良くも悪くも願望が広がるんです」

「対策は万全にってこと?防犯ブザーとか」

「ボイレコと監視カメラである程度は何とかなりますが……あとはダミーカメラも牽制になりますよ。最近ですと有料配信サイトで無観客の配信ライブをするアイドルもいますし、無理して外でステージやイベントをやんなくても大丈夫です。対策も大事ですが根底として『アイドルの安全第一』は絶対忘れないでください」

「私は皆を応援したいだけだからさ。茜が心配してる未来は来ないよ。絶対に」

「なら良いのですが」

 

 ボクも侑先輩なら大丈夫だとは思うけど、心持ちの確認って大事だしさ。むしろこういうのは事務所とかの方がやらかすんだよな。

 人気の新人を色んなイベントに出しまくって利益回収するけど、事務所側がアイドルの体調を見誤ったせいでその子が喉壊したりメンタル病ったりして無期限活動休止するか事務所退所するパターン。こうなるとアイドル側は夢潰れたし、事務所は所属タレントを道具扱いしたって悪評出回って評判ガタ落ち。両者デメリットしかない。

 だからアイドル第一精神は裏方も守ってくれるから活動において1番大事な指標。侑先輩が利益に走るとか全く想像できんから本当に余計な心配なんだけどさ。

 

 だけどこの人が璃奈りーをどう扱うかだけは見ておきたい。こっちが後出とは言え推しのマネが何してるのかは知っておきたいじゃん。

 上からでめんどくさいのは謝るけどドルオタなんてどこもこんなもんだし。それに思う分には自由だから。

 

「はい。二人にアイドルの良いところ悪いところについて話したわけですが……これから何します?ノープランで来たので土産以外何も持って来てないんですけど」

「せつ菜ちゃんのライブ動画を見るよ」

「なるほど。歩夢先輩は何かしたいことありますか?」

「私は二人に合わせるから大丈夫」

「り」

 

 そういうわけなので侑先輩がCDラックからせつ菜パイセンライブの録画ディスクを持ってきた。この主人公先輩、棚一段丸々優木せつ菜のライブ録画のディスクにスペースを割いてる。やばいな。

 その後パイセンは流れる様にボクをあぐらの上に座らせ、『ここがお前の定位置だぞ逃げるな』と言わんばかりに腹に腕を回し捕縛して来た。そしてそのままライブ映像を鑑賞開始。

 

 は?トンチキなのはスペックだけにして欲しいんだが?この身体はぬいぐるみじゃないんだが?

 

 まじでやめろよボクがサンリオ先輩に消されちゃうだろ。プリン先輩のポムポム団子はちぎって投げると自立可動してターゲットに寄生するんだぞ。そのまま対象がアナザープリンになるんだ。団子は瞬時に再生するからアナザープリン軍団結成とかも可能。

 

 ほら、歩夢先輩のハイライトが消えて…………なんかヤンデレ味がないな。あっ、これ違う。意識が宇宙飛んでる時のハイライトオフだ。スペースキャットでポムポム先輩が虚無虚無パイセンになってる。なんとかして対策を…………安全だしいっかぁ(思考と現実から逃げる音)。

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