虹ヶ咲ヒーローorナイト&キング   作:コントラポストは全てを解決する

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59.冥土main do メイドon

 

 夕雲茜は悩んでいた。このままでは栞子が特に変化のないまま、挫折だけして普通の人間に落ちぶれてしまう事実に。

 思想はアレだが栞子の人を見る目は確かなのだ。今から適当な会社に人事として派遣したとしても、研修無しで無双すると確信できるくらいには卓越している。だから思想をどうにかしたかったのだが如何せんブレーキがデカい。一般思春期メンタルなら殴りかかっているであろう侮辱でさえ、栞子は大人の物真似で耐えてしまう。耐えようとしてしまう。

 

 予定ではあそこで本気になった栞子が適正とは何かを真面目に考え、自分の意志のもとに信じた道を突き進む手筈だった。だが、どうやらやり過ぎてしまったらしく、彼女はヤケクソの道に進んでしまったのだ。本当に申し訳ない。

 

 これは早急なるケアが必要なのだが、栞子が友人といるところを見たことがなかった。なので頑張って茜がフォローをしようと画策を練り、実行の道に入ろうと意気込んでいたのだが…………いざ事に入ろうとしたら余計な茶々が入ったのだ。

 

 そう、皆大好き(茜は嫌い)でおなじみ、顔と身体だけは100点満点のヤマアラシがタンクトップタックルしてきたのだ。

 

 なんの比喩でもなくタンクトップを着ている。文化祭のイベントで必要らしい。

 そんな些細な問題は吹き飛ばし、クラスのメイド喫茶で必要な衣装を試着したまま学校中を逃げ回った茜。最終的に生徒会室へと辿り着いてしまった。

 

「生徒会業務が忙しい中無礼を承知で失礼する!緊急自体故しばしこの部屋をジャックさせていただきそうろう!」

「えっ、あの……茜さん……であってますか……?」

「こんな西洋コスが似合う可愛い日本人とか世界漁ってもボクくらいしかいないでしょ」

「あぁ……茜さんですね。なんの衣装なんですか?」

「ジャンヌダルク」

「狐の耳がついてますけど」

「ただのジャンヌじゃ味気ないから学校の備品漁って貰ってきた。それがこれ」

「なるほど」

 

 やっぱり妖怪じゃないかと栞子は呆れながら、部屋の隅をよじ登る蜘蛛男を見上げた。いくら小さくて軽いと言えど資料棚の上は危ないから降りて欲しいのだが。

 そもそもこの男はどの面下げて栞子の前に出て来たのかという話である。

 

「それで、ご要件は?」

「緊急警戒態勢レベル7──来るぞ栞子!」

「えっ──」

「アカネ!今日こそ嵐珠の部に入ってもらうわよ!」

「えっ……嵐珠……?」

「あっ、栞子!ちょっとそこの男捕まえて!!!」

 

 栞子は混乱を極めた。

 

 茜はマコト兄ちゃんが襲って来た時のタケル殿みたいな顔をした。

 

 嵐珠は茜を地に落とすために手頃な棒でイカロス狩りを始めた。

 

 3つのカオスが蠢きあうこの世の終わりみたいな空間を前に、3人は意思の疎通を諦めた。

 

「え……あの……なぜ嵐珠が……」

「話は後!とりあえずアカネは降りてきて!!!」

「にんげん……かえれ……」

「野生帰りしたってアタシは退かないわよ!」

「ついに生徒会の権力を暴虐に使いだしたな諸悪の根源め!!!そんなに恥に埋もれたいならハンドルRCレーシングでもやってれば良いだろばーかばぁーーーか!!!」

「相変わらず人を苛つかせる時だけ秘孔ついたみたいになるわねこのクソ狐!!!!!!!!」

「誰がエキノコックスだッ!!!」

「そこまで言ってないわよッッッ!!!!」

 

 栞子の混乱はピークに達し目眩を錯覚した。目の前でぴーぎゃーぴーぎゃー騒ぐガキンチョとガキンチョ帰りした幼なじみを前に大きなため息を吐きながら、嵐珠からイカロス棒を奪い取って茜へと向ける。

 

「とりあえず茜さんは降りて来てください。危ないので」

「かの偉大なる会長殿がそこの経営下手くそCE王に味方すると申すのか。余の国に邪道は不要。許すは王道のみ……」

「良いからさっさと降りてください。倒れたら誰が後始末すると思ってるんですか」

「うい」

 

 茜は思い出した。この世にガチギレした女ほど怖いものはないのだと。本気で怒った璃奈やかすみ、そしてしずくや歩夢に勝てた試しがない。

 そうしていそいそ棚から降りた茜は床に正座をし、その綺麗な所作を前に栞子は一瞬だけ怯んでしまった。御神体を思わせる綺麗な正座。これで性格も綺麗だったら……栞子はいらない事を考える。

 

「まずは状況確認をさせてください。嵐珠はなぜ茜さんを?」

「前に言った部に入れたい人がアカネなの。なのにずっと逃げられてて」

「……茜さんにそこまでの能力が?」

「茜の曲だけでひまりはあそこまで行ったのよ?絶対役に立つわ」

「なるほど……意外とすごい人だったんですね。ただ思考がズレてるだけの人かと」

「世界を動かして来たのはいつだってボクみたいな"ズレた"人たちだ。常人とは違う見方をしてるからこそ見えないものが見える。見えないものを掴んだ結果過去の偉人達は世界を動かせた。だからボクも崇め奉られるべき。丁重にもてなせ。余は王ぞ」

「何か成し遂げたなら像くらいは建てといてあげますよ」

「まっ?約束ね」

 

 実際今の衣装姿を元に石像を建設し、そこに適当な文を載せれば何も知らない人くらいは騙せるだろう。栞子も茜の持つ絵画的美麗さは認めているのだ。中身がクソほど酷いだけで。

 

「ボクからも聞きたいんだけど、もしかして栞っちと嵐タマってグルってるの?」

「ただの幼なじみです。人聞きの悪い事言わないでください」

「ホントでござるかぁ?同好会潰しっていう共通の目的があるんだし、実際は1割くらいズブってるパターンでしょ。ボクのデータは騙されないぞ」

「アカネはデータキャラ向いてないラ」

「証拠を出してから言えルン。論より証拠ルン」

「はぁ……少しお待ちください」

 

 そうして栞子は嵐珠とのLINE履歴やアイドル部から受け取った費用申請書の控えを提示した。いたって普通な部と生徒会のやり取り。ラインだって私生活に関しての話題しかない。どこからどう見ても他と変わりない友達関係なのは一目瞭然。文句のつけようがないだろう。

 

「うーむ……なるほど」

「誤解、解けましたか?」

「うん。ごめん、ボクの思い過ごしだった。あと先月申請の書類だけどコピー紙の部数ミスってるよ。合計はあってるからちゃんと打ったあとになにか誤操作があったっぽい。承認印まだだし今直しとく?」

「あっ、すいません。部に訂正書類送っときます」

「こういう書類って問題が起こった後にミスった書類をお出しすると一気に不利になるからねぇ。同好会引き入れる時は気をつけるんだよ」

「その知識ランジュ達が使う事あるの?」

「弱小ドル事務所界隈は悪徳が稀にいる。脳死で契約書書いたら後が面倒だぞ。法はかじっとけ」

「気が向いたらね」

 

 こいつ勉強しないなと茜は察した。痛い目見ても知ーらね。

 

「アタシも聞きたいんだけど……アカネと栞子はどういう関係なの?すごい仲良いわね」

「金と体の関係どすえ」

「こんな人として終わってる発言をする人とは相容れないです」

「その割には距離が近いと思うのだけど」

「モテる男は辛いっすねー」

「気のせいですよ」

 

 いくら仲の深い大切な幼なじみといえど、この金を稼ぐこと以外の全てを捨てた終焉人間と仲が良いと言われるのは耐えられなかった。

 そもそもの話、どこをどう見たら仲が良さそうに見えるのか甚だ疑問である。

 

「私にとってのこの男はただの利害関係に過ぎないですよ。初めて会ったのだって先月ですし、仲良くなる理由だってない」

「されど二人はお義父様公認の仲であり、将来を誓いあった関係でもあった」

「誤解生む言い方しないでください!婚約なんてしてません!!!」

「公認なのは間違いじゃないの?」

「いや、あの……公認というか……父が勝手に認めてるだけというか……。それに認めてるのは人柄じゃなくて実績の方で……」

「つまり政略婚させるには持って来いの大玉ってわけルン」

「えっ。あっ……その……んん゛!すぐそういう方向に話を持っていくのはどうかと思います」

「なんで今政略婚でトキメイたん?特殊性癖?」

「トキメイてません!!!」

 

 ドラ嵐の優しく暖かい目に見届けられながら、栞子は全力をもって茜への好意を否定した。確かに最初は茜が好きだったけど、今は紛う事なき完全なまでの嫌悪を持っているのだ。だからトキメク訳が無い。

 

「やっぱり仲良いのね。栞子が素で怒ってるところなんて久しぶりに見たわ」

「ち、違くて……そうじゃなくて……!嫌いが行き過ぎて逆に仲が良いように錯覚させてるだけで……!!!」

「嫌いが行き過ぎて好きに帰ってきたってこと?」

「そうじゃなくて……!その……こう……なんというか……あるじゃないですか……!!!」

「不懂ラ。ランジュも栞子もアカネが好きなら3人一緒に仲良くすれば良いじゃない」

「余は貴殿が嫌いでおじゃる」

「なら栞子とも仲良く出来ないわね」

「栞っちに免じて好意を持ってやる。ありがたく思え」

「だって」

「いや……その……」

 

 絶賛喧嘩中の相手に好意云々を語られると調子が狂ってしまう。昨日の呆れと失望の籠もった顔で、栞子の過去を地味と語った茜はどこへ行ったのか。

 

「栞子はアカネのなにが嫌なの?」

「で、デリカシーの無さ……とか……。昨日喧嘩したばっかなのに、今はこうやって友達みたいに接してくるスカした雰囲気とか……」

「ボクは喧嘩なんてした覚えないけど」

「い、いや、私の過去が普通とか地味とか色々言ったじゃないですか……すごい呆れ顔でしたし……」

「別に過去云々は事実を述べただけだよ。だから特段気に触ったりはしてない」

「なら、なんであんな顔をしたんですか……」

「全部終わって出来上がった三船栞子という人間のデカさ。それが嫌だった」

「意味がわからない……」

「栞子だってまだ子供なのよ?未熟なのはしょうがないでしょ。ランジュも子供。アカネだってそう」

「この世で不完全が許されるのは可能性の不確定さから生まれる不安定だけだよ。苦労に嘆くのは無能がすること」

「言い過ぎよ。アカネだってたくさん苦労して来たのに」

「死ぬほど大変でめんどくさい道は辿ったけど、苦労したとは思ってない」

「それって本当に大変な道だったの?」

「さあ?ボク主観の話だから知らん。まあ、世間一般の感性じゃ遊びに感じるかもしれないね」

 

 栞子は迷いと戸惑いの海に沈んだ。嵐珠と茜のやり取りが昨日の自分達に似ていたから。過ごした苦労を大した物じゃないと罵られ、それに応える。栞子の答えは反論のない静かな怒りだった。そして茜が出した答えは……気にもとめない無関心。

 

「…………しょうがないので茜さんに付き合う権利をあげます」

「風向き変わりすぎちゃう?」

「無理しなくて良いのよ?アカネはランジュが監視しておくし」

「大丈夫です。そこまで深く踏み込む気はないので。茜さんもそれで良いですよね?」

「そっちの方がやり慣れてるからお好きにどーぞ」

 

 栞子は過去を地味だと言われキレた。

 

 茜は嵐珠に過去の苦労が大した物じゃないかもと言われ、無関心で流した。

 

 冷静に思い起こせば茜は栞子の昔を知らない。栞子だって茜の昔を知らない。嵐珠も知らない。

 そしてそんな茜が知らないとは言え嵐珠に侮辱されてもまったく怒らず、ただの事実として受け取った。茜の中では本当に事実を陳列したに過ぎなかったのだ。

 

 おそらく栞子よりきびしい世界を経験した茜がこう語るのなら、それが大人に近い反応なのだろう。それにここで自分だけ酷い目に合ったと主張しても、きっと被害者ヅラをしているとしか思われない。というより栞子自身も同じ気持ちを抱いてしまう。

 なのでそこを考慮して少しだけ茜を信じる事にした。どのみち嵐珠と栞子のやりたい事には必要な人材なのだから。

 

「じゃっ、協定結んだわけだし作戦会議でもすっかー。嵐珠の部室に作戦ボードとかない?」

「あるわよ。取ってくるわね」

「いってらー」

 

 相変わらず同好会の廃部に積極的な姿勢を見せる茜。そろそろ何を考えているのかくらいは聞き出せるだろうか。

 

「あっ、栞っち。会議の前にちょっと良い?」

「はい。何でしょうか?」

「昨日は言いすぎた。ごめんなさい」

「えっ。あ、はい。私の方もムキになりすぎましたし、お気に無さらず──」

 

 ──この人、真面目に謝ることが出来るんですね……。

 

 格好はアレだがいきなり頭を下げられ戸惑ってしまった。ついさっきまでビジネス以上の関係にはならないと決めていたのに、友達くらいなら良いかなという考えが過る。

 如何せん見た目が聖女なせいで罪悪感すら覚えてしまった。やっぱり茜の前だと調子が狂う。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 やっばー……クラスの方と恋バナすることになっちゃいました……。そういう浮いた話のネタとかないのですが……。好きなタイプなら答えられますけど、今はもう名前まで出さなきゃいけないノリなので……文化祭準備の浮かれマジックすごいですね。

 

「やっぱり身長、欲しくない?明日見くん並の」

「いやー……高望みじゃない?あれは高嶺すぎるよ」

「じゃあ鈴木くんとか?」

「落書きにガチっててなくない?見た目は良いけど……っぱ3組の江川君でしょ。ぱっと見普通だけど磨けば光るし私でもいけそう」

「地味〜」

「うっせ。かすみっちはどう?」

「えっ。あー……片隅では谷沢さんとか良いなーなんて」

「谷沢……あー、あの人かー。影でモテてそうな感じあるよね。でもなんか本命いそうな反応じゃん?誰々?」

 

 おかしい。虹ヶ咲に来るまではあんなに憧れた友達との恋バナなのに、今現在死ぬほど面倒くさく感じてる。なんかもっとこうパーティーゲームをしてる時みたいなノリになると思っていたのですが……何故か私のノリだけ異様に低い。どうしてこんな事に。

 

「えーっと……茜まr……夕雲くんが好きでして」

「おー、思わぬ刺客だー。もっとかっこいい人が好みかと思ってた」

「前はそうだったのですけど、あの人と話すのが楽しくてですね。こう……姉の付き合いでそこら辺の理解が深いから、結構思いっきりいけると言うか」

「へー、夕雲君って中身までこっち寄りなんだー。でもやっぱり男の子が理解ありすぎるのもそれはそれで怖くない?」

「私、結構ビビリなんです。だから夕雲くんレベルまで気遣ってもらって初めて上手く付き合えるので……。理想とかけ離れた人を好きになったのはホントにびっくりですが」

「相性抜群じゃん。良いなー」

「抜群っていうかもう夕雲ちゃん以外無理くない?噂レベルの夕雲ちゃんにすら勝てる男いなさそうなのに」

「あはは……」

 

 確かに噂で囁かれる茜丸は実際よりだいぶ弱体化されてますけども。買い物行ったら荷物を全部持ってくれるとか、そんな感じの段階まで。

 でも実際は「男に荷物持たせて従えてる私イケてる〜」とか思ってそうだなって萎えられるのが現実です。茜丸本人はカエルがどうとか語ってました。

 

 まあ、早い話が常識とモラルは持っとけって話に治まるのですが。

 

「そう言えば夕雲ちゃんってさ、高咲先輩と付き合ってるみたいな噂あるけど大丈夫なの?」

「えっ、私の方は上原先輩と付き合ってるって聞いたんだけど」

「上原先輩は付き合ってる風の友達らしいよ?」

「高咲先輩がそれだってミナミン言ってたよ?」

「あー…………すいません。あの人女子との付き合いが長すぎて距離感バグってるだけなんです。だからちょっとアレに見えてしまっていて」

「えっ、じゃあ今フリーってこと?」

「はい」

「衝撃の事実じゃん。皆も友達って思ってる?」

「夕雲くんが告れば多分みんなokするかと」

「やば……かすみっち大ピンチじゃん……」

 

 なんか言葉で説明すると茜丸ハーレムが出来てますね。実際は友達のじゃれ合いですし、付き合う云々も仲がもっと深まるからってだけの理由です。一応一部にガチ勢がいますけども。一部というか3年組。

 彼方先輩とかこの前の日曜日に茜丸を家に泊まらせた挙げ句、一緒に風呂まで入ったらしいですし。ハル子も一緒。さすがに水着は来たとの事ですが。

 そして話を聞いたりな子は茜丸を押し倒してました。部室で。落ち着け。

 

「一回告った方が良くない?」

「私的にはこのままでも良いかなーと考えているのですが」

「なぜに……?かすみっちこのままじゃ夕雲くん盗られて終わるんだよ?」

「でも夕雲くんにも好きな人いますし」

「「あー…………」」

 

 そんな頭を抱える程の事なのでしょうか。茜丸も人間なので好き嫌いは当然あります。むしろ恋バナってこの段階からどうアタックするかを話すものだと思っていたのですが……知らない内に時代が変わった……?

 

「えっと……かすみー的には付き合うのと譲るのどっち取る予定?」

「譲る……というか好きな人と付き合って貰うつもりです。茜まr……夕雲くんを一番幸せにできるのはその人なので」

 

 そもそも付き合った関係自体おまけみたいなものですからね。スマホとかカバンのキーホルダーみたいな。なくても満足だけどあったら良いな的なポジション。

 

 今話すと恋バナの根底をぶち壊しちゃうので話せませんが。

 

「かすみっちはそれで幸せ?本当に大丈夫?」

「えっ、はい。夕雲くんが幸せならそれが一番だと思ってるので」

「かすみーの気持ちは良いの?後悔しちゃわない?」

「あの人が幸せになってくれるなら私は満足ですので」

 

 だってあいつ自己評価と幸せの水準がクソ低いですもん。愛先輩の話だと、友達と一緒にしたいことを聞いたらビーズ作りとお絵描きがしたいって返って来たらしいですし。それで幸せ感じるって今までの生活環境どんだけ極悪だったんですか。

 私の時だって大事な人を作るからいなくなった時に悲しい気持ちになるとか、ひまり先輩に覚えてて貰えればそれで良いとか言いますし。

 

 もしかして茜丸が無理やり良い風に脚色してるだけで、本当はヤバい家族なんじゃ?って疑いましたよ。無理やり幸せを見つけないと死んでたとかそういう事情を何通りか。人の長所を見つけるのが上手いので、ポジティブ変換機能が極まったのかなって予想も加わって余計にですね。

 実際は話通りの人たちだったってしず子から聞きましたけど。そこ以外なにも教えてくれなかったので詳しい事は分からず終いですが。

 

 とりあえず私の最優先事項は、茜丸の価値観をちゃんとさせることなんですよ。肝心な部分を全部間違えてるから教えてあげたい。恋は二の次です。

 

 本当は皆でやりたいところなのですが、正直こればっかりは茜丸成分を一番含んだ私でしか道が作れない。茜丸が辿る道は茜丸にしか作れませんが、肝心の茜丸は道の作り方を知らないくてですね。だから茜丸似の人が道を作ってあげなきゃいけない。それを辿らせて初めてまともになる。

 そのためにジェネリック人生道を10話くらいまで引いてくれる人がいるんです。今更ですがなんでこんなちびっ子があんな捻れたダーク人間になってしまったのでしょうか。

 

 あと最近の茜丸への印象が、なにかの役目に縛られて背伸びせざるを得ない子供に見えるんですよ。なんというか望まずに王の地位を継いじゃった王子様みたいな。とりあえず好きであの悪役をやってるわけじゃないってわかりました。

 

「かすみー大人だねー。私がかすみーだったら強引に付き合ってるよ。そこまで好きになった人を諦めるとか無理だもん」

「かすみっちの中では受け入れた話なんだろうけど、なんだかな〜……」

「ありがとうございます……」

 

 そんな悲しい顔するほどの事じゃない気が………いやよく考えるとなにも知らない人から見た私の印象『一番相手を愛してるのは私だけど、相手の幸せが一番だからそっと身を引く系サブヒロインの悲恋』ですねこれ。情報がちょっと欠けただけで私宛の同情ポイントがめっちゃ稼げた。茜丸の言う通り、データって大事なんだなぁ……あとでなにかに役立てられないか茜丸に相談しましょう。

 

 とは言っても、今週入ってから茜丸とあんまり話せてないんですけどね。ほんの少し見ただけですが過去一忙しそうって思えたので相当ですよあれ。多分りな子が家で無理やり休ませてるはず。

 

 一体今度は何を企ててるのかは知りませんが、アイドル起因の行動で茜丸が動く理由ってひまり先輩かりな子なので悪いようにはならないでしょう。嵐珠や生徒会長を潰すだけじゃりな子が納得しないので、そこら辺は問題ないです。

 おそらくアイドル競争を撮影したいのはサブ目標だとして……本筋は──りな子の環境を守る事、とか。

 

 やっぱり茜丸の言動を読み解くのは大変ですね。もう少し言葉にしてくれると助かるのですが。りな子への気持ちも一緒に吐き出して欲しい。難読すぎますし、夕雲検定作れるくらいにはわかりにくさが広まってますよ。取説作ってみては?

 

 

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