虹ヶ咲ヒーローorナイト&キング   作:コントラポストは全てを解決する

7 / 75
7.かすみんのパーフェクトかすかすダンス教室

 

 土日が同好会メンバーとの交流で終わってしまった。おかしい……あのトンチキクラブには関わらないと決めていたはずなのに何故こんな有り様に?

 いや原因は菜々ちゃん先輩でありボクから絡んだ訳じゃないからセーフ。今日から璃奈りーだけを見る方向にシフトすれば良いし失敗したならその後どうするかを考えば良いだけじゃないか。

 

「茜丸、ちょっとツラを貸せ」

「喧嘩売買は商談契約の契約書を破ってこそ味が出るってもんよ。お分かり?かずみんさん」

「かすみんです。あと買取契約破棄って事は商談失敗なので敵対するしかないですよね。だったらもうポケモンバトルですよ」

「かすみさんチンポないやん」

「隠語の方のポケットモンスター持ってこないでください。普通のポケモンバトルに決まってるじゃないですか。ゲームとかアニメの」

「手持ちポケモンは?」

「拳」

「スーパーマサラ人がよぉ……」

 

 ほっっっっっんとに同好会の三バカはさぁ…………(クソデカため息)。極力関わりたくないって何度も言うたやん。

 ボクは別にラノベとかギャルゲの主人公みたいなうっすい理由で平凡主義掲げてる訳じゃないんだよ。女としてスクドルやりたいからなるべく荒れないように正体隠してるだけなの。

 

 今の夕雲ひまりでシコってるノンケがボクの正体知ったら確実に荒れるぞ。昔の美人声優結婚騒動かアストルフォ並に荒れるぞ。なんなら過激なやつは貢いだ金返せとか言ってくるぞ。

 

「まずボクとかすみさんがバトる理由がどこに?」

「乙女の初デートを汚した罪」

「解離性障害っすか。父さんに頼んで良い病院紹介して貰いますね」

「妄想じゃないですよバカ。かすみんは茜丸とデートした記憶なんてないです。せつ菜先輩の初デートをよくもぶち壊したなって話ですよ」

「ちゃんと時間通り集合したし代金も男らしく全部出したぞ。表面上は問題ないはずだが?」

「ではデート翌日のせつ菜先輩が哲学書をググっていた事について説明をお願いします」

「本当に申し訳ない」

「メタルマン博士になれば良いという話でもないです」

 

 すっかりかすみさんにもツッコミキャラが定着してしまった。最初はイタズラするタイプのボケ担当だったのにどこで道を間違えたのか。これもトンチキ集団に関わった影響……?怖ぁ……。

 

「時間かかるけど良い?」

「なるべく手短に」

「パイセンが『茜君って哲学好きそう』って思ったらしくて、それで復讐に関して話振って来たんだよ」

「なるほど。どうせ茜丸のことですし復讐賛成派に一票入れたんですよね?」

「なんでそんな不満顔なん」

「可愛くないなーって思いまして」

「可愛い人間は何してても可愛いから良いんだよ」

 

 おそらくボクなら人を殺しても「許せなくて復讐したかった」って泣きながら言えばワンチャン示談狙えるぞ。殺人に示談があるのかは知らんけど。

 

「相変わらず酷い性格してますね。他の人に言ったら嫌われますよ?」

「理解者とか求めてないからそれで良い。そろそろかすみさんも普通の生活に戻ったらどう?ボクといたって無駄でしか無いしボクからしても無駄な時間だし」

「その嫌われ文句聞き飽きたのでそろそろ他の用意してくれません?」

「そのひっつき虫の原因は何」

「可愛さ研究」

 

 ボクじゃなくて夕雲ひまりを見ろよ。男から学べることなんて何もないでしょ。それともかすみさんは男装する計画でも立ててるの?

 最近はもう遠慮すらなくなって来たしさ……いや遠慮は最初からなかったな。

 

「ボクをモルモットにしてかすみさんは何を得る」

「最強の可愛いに必要な最強の素材」

「私利私欲じゃん」

「じゃあ茜丸に憧れてるって猫なで声で擦り寄ってあげましょうか?」

「えっ、キッショ」

「なんか無性に腹立って来ましたね」

 

 手持ちポケモンを構え始めたかすみさんから逃げるため、席を立って逃亡しようとしたら首の襟を掴まれて捕縛された。ヤクザの裾クイ怖ぇ〜。

 

「こういう汚いエゴこそ正義だって前に話してたじゃないですか」

「それで皆が幸せになれるならって話だよ。今回はボクが幸せじゃない」

「では交換こをしましょう。茜丸が欲しい幸せってなんですか?」

「同好会の部員が関わって来ない生活」

「今の私はただの一般生徒Cなので問題ないですね。アイドルしてないので同好会成分はありません」

「その屁理屈どこで身につけてくるの?」

「茜丸の隣」

 

 最近のJKのトレンドが屁理屈なのかと思ってたけど違った。ボクのせいなのか。

 

「性格最悪で悪いことしか起きないからやめたほうが良いよ。誰からも好かれない。かすみさんに近寄る人がいなくなるから夢も叶えられなくなる」

「切り替えできますし茜丸といられるのでこれで良いです」

「特殊性癖?」

「落ち着くんですよ、茜丸の隣って。目に見える範囲ならだいたい察してくれるので着飾らなくて良いですし」

「人から嫌われる事にトラウマでもあるの?」

「こだわりが強いから全部わからせなきゃ気がすまないと言いますか」

「ああ、自己顕示欲ね。オーライオーライ」

 

 そんな手間を踏んでまでして見せる可愛さに意味はあるのだろうか。やばいヤツらに目をつけられる未来しか見えなくて怖い。飛び火して来そう。

 さすがのボクでも誘拐されたかすみさんを見つけ出すのは無理だからな。自己責任で頼むぞ。

 

「2人にはないんですか?夢とか目標」

「スクールアイドルやプロアイドル問わず全てのアイドルを蹴散らすこと」

「ひまり先輩個人の夢は?」

「ヒーローになること」

「素敵で良いじゃないですか。茜丸の夢は?」

「姉さんの存在をこの世全てに刻みつけること。名前も影もオール轟雷」

「ヒーローですし勝手に轟きそうですけどね」

「手段は問わない」

 

 自慢の姉だぞ世界に自慢するに決まってるだろ。誰にもやらんけど。

 事が起こった時の選定条件にだって『ガナニーとブラギガニーを体験済み』っていうのがあるからパンピーにはまず無理だよ。

 

「それで、茜丸の名前は?」

「いま茜丸って言ったやん。人の名前忘れるなんてサイテー」

「そういうギャグは良いですから。茜丸の名前はどうやって残すんですか?」

「無理くない?裏方だぜ?ニュースで特集組まれてやっと10年残るって塩梅では」

「なんでそんなに自己顕示欲が薄いんですか?」

「姉さんが偉大すぎて欲が埋もれる」

「怖っ……」

 

 仕方ないやろ姉さんだぞ。弟のためだけにお菓子作りを始めちゃう出来た偉人だぞ。誰だって頭を焼かれて脳みそがカメラのフィルムになってしまう。ちなみにボクの頭は12TB500円SSD。

 

「茜丸はそれで良いんですか?」

「悪いがボクはスーパーフィクションランドで魔王をやってた人間なんでね。虚構に実態はいらない」

「虚しくないですか?」

「空虚や虚空は虚構冥利に尽きるってもんよ。ただの舞台装置が爪痕や足跡を遺す必要なんてないしね。いつかの子供が想像力を膨らまして楽しむ事が出来る痕跡だけ残して置けばいい。陰謀論は最強の小学生コンテンツだし」

「分かりにくいので一行でまとめてください」

「悪目立ちしたくない」

 

 死んだあとの同級生取材で性格があれでしたとか暴露されるの最高に恥じゃん。生き恥が未来永劫語り継がれる歴史になるとか嫌すぎる。

 なら最初からやるなって意見は御尤も。嫌味をやめて勉強してれば今頃東大飛び級生。

 

「たまに出てくるその回りくどい言い方何なんですか。古文みたいで分かりにくいのですが」

「源氏物語はエロ同人だからスラスラ入ってくるよ。特に光る君が幼女をレイパーGOするシーンは激アツ」

「いくらその成りでもロリコンとレイプ癖はアウトだと思います……」

「ボクは法の許したロリとしか交際しないと決めている」

「対応が難しいのでもうちょい普通の好みを語れませんか?」

 

 なんじゃいその微妙な顔は。法も自分も満足してるならそれで良いじゃないか。ロリコンだのペドなの自分の好みを押し殺して適度な体系で妥協した付き合いなんて愛じゃない。

 

「良いじゃんどうせロリと歩いたって姉妹と間違われて終わるんだから。絵面が良いなら誰も文句は言わん。この世は見た目。セカンドステージでやっと優しさとか勤勉さとかマネー面を見て貰えるんだぞ」

「茜丸って幸せも愛も金で買えるって思ってそうですよね。リアリスト?みたいな」

「金で買えないものとは?」

「家族団らんとか」

「そのステージに行くまでにバリクソ収入が必要じゃん。かすみさんってサンタ信じてる人?」

「これが無知のピュアなら世の人全員幼児脳って事になりますけど。茜丸が夢を見なさすぎなだけでは」

「夢と現実のギャップで一番酷い事例をお出しされた事があるから心持ちを固めてるだけだよ。あと世の奴らは夢を見てるんじゃなくて心酔して溺れてるだけ。泥酔」

「バッサリ……。それ他所で言った事ありますか?」

「ないよ。忙しすぎて人と話せるほどの時間を作れなかったから」

「じゃあこれは私だけに留めておいてください。強烈過ぎて他に言ったら殴られます」

「一応頭に入れとく」

 

 創作から生まれた概念を勝手に真似して勝手に潰れた先方が100%悪い気がするけど、それに気づける頭があるならそもそも創作モノの綺麗事なんかに溺れないか。

 世の人間ってかすみさんほど頭良くないんだなぁ。肝心のかすみさんは勉強が出来ないだけでバカバカ言われてるけど。不思議な世界だねぇ。

 

 

 

 ────

 

 

 

 かすみさんと井戸端してたら日が沈みかけてた。これ特売間に合うか?

 ……走ればワンチャン、タクシーで6割って感じだな。よし、運動がてら走るか。

 

「あ、茜くん……今、平気……?」

「んぇ?あぁ、ベリーMaxに時間あるから平気へーき。どしたん?」

「LINE……こ、交換してなかった、から……その……」

「ちょっと待って──あー……ごめん、普通に交換した気になってた。ちょい待ち」

「う、ん……大丈夫……」

 

 連絡取れずにどう予定を組めと。脳みそくんは知らないだろうけど人間はテレパシーなんて使えないんだぞ。

 璃奈りーには不便な思いをさせて……その割には緊張しかしてなかったな。不満とか「こいつ大丈夫か?」みたいな不安もなさそう。交換したあとも嬉しそうってだけだし。

 この程度の不祥事はミスにもならないと。御心広すぎんだろ歩夢先輩か?

 

「ほんとにごめんね。テストメッセ届いた?」

「うん……大丈夫……。ありがと……」

「あはは、真面目だねぇ璃奈りーは」

「茜くんは、予定とか……なかった……?」

「大して?今日はお一人帰宅して終わる予定だったからねぇ」

「そ、そっか……」

 

 前髪いじって何かを言いたがってる璃奈りー。これあれかな、一緒に帰ったほうが良いやつか?璃奈りーハウスで練習することも兼ねて住所知っといた方が良い感じのあれ?

 迷惑云々考えたけど別に断られても何か失うわけじゃないし良いか。ここで聞かねば一生の恥。武士の誇りと中折れぜよ。名折れだ間違えた。

 

「夕飯の買い物あるけど」

「…………ぁ、うん……そっか……」

「だから帰りも遅くなっちゃうし、もし門限的な物があったら教えて欲しい。合わせる」

「……ぇ、あっ……だ、大丈夫……!」

「なら良かった」

 

 一瞬しゅん……って落ち込んだのはなんだったんだ?璃奈りーママって個数制限の卵とかに命かけてるタイプなのか?お使い完遂出来ないくらいでここまで落ち込むってことはヤベー母親なんだろうな。

 娘の知り合いすら利用するのは中々にエグい主婦魂だと思う。そういう我欲大好きだからもっとくれ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。