いろいろおかしいけどショートネタだから気にしないでね。
「……モブ子さんはともかく、なんであなたと買い物に……」
「別にいいではありませんか。荷物持ちはいくらいてもいいですからね」
「おーい、二人ともー。ソフトクリーム買ってきたよー」
わたくしは、モブ子さんと黒服(女性バージョン)とで、買い物に行っていた。
「別にわたくしは……」
「えーじゃん私の金だし。少しくらい、いい思いしてもいいと思うぜ?」
「なら帰らしてくださいませ。先生といることが幸せなので」
「ぶれませんね……私はいただきます。はむっ」
「イチゴにしたんですけどどうです?イチゴ乗ってるバージョン」
「おいひいです」
「付いてますよほっぺに……あむ、あめぇ」
黒服の頬に付いたクリームを舐めるモブ子さん。
せっかく買ってきてもらいましたし、私も食べましょうか。
「わたくしはキウイですか……はむ……意外と美味しいですね、ありがとうございます」
「いやいや、美味しいならよかったです」
「そういえば、モブ子さんの分は見つかりませんが、買わなかったのですか?」
「?手は二つしかないすよ?」
知ってはいましたがこの人バカですね。
それを見かねたのか黒服がモブ子さんにソフトクリームを近づけて言った。
「では、一口どうぞ」
「じゃあいただきます……んむ……あまっ」
「……わたくしの分もどうぞ」
「なしてよ。もらうけど……んっ、垂れちゃった……」
モブ子さんの口の端からソフトクリームが溢れていく。
……
「…………扇情的ですね」
「別に言わなくてもいいことを……」
「何の話?」
バカ黒服……
その時だった。
「君達ぃ!モデルしないぃ!?」
「「「!?」」」
本当に突然、そんなことを言われた。
誰だと見てみれば、ロボットだ。
「なんでなんでなんで?」
「君達のそのソフトクリーム食べ差し合い……inspirationが沸いてきたのよ!でどうするのかしら!?受ける!?受けない!?」
「オカマ口調だ……」
「どうしますか?」
「私は別に。今日の買い物が早く終わったんでどっちでも」
「モブ子さんが良いなら別に私も……ワカバさんは如何しますか?」
「三人の方がいいけど二人でも構わないわ!」
……わたくしは……
不安なので行きました。わたくしから見てもかなりの問題児なので……
ということで来たのは近くの撮影所らしい場所。
「ポーズは指定するから、そこまで難しくないはずよ!行くわね!まずはそこの狐ちゃん!そこの子の顎をくいってやって!」
「えっ」
「やって!」
自分から来たため、拒否するわけにもいかないので、しぶしぶモブ子さんに顎くいをする。
「次に黒ちゃん!反対側から手を取って!」
「黒……?はい」
黒服がわたくしとは反対の方に立ち、モブ子さんの手を取る。
「最後にモテモテちゃん!そこの椅子に座って!」
「モテモテ?うす……」
「もうちょい……そうそうそうそんな感じ!いくわよ!」
ぱしゃ。
「……完璧ね……!」
「何がですか?」
「もう少しほしいわ、付き合ってちょうだい!」
何故???
その後も、次々と撮られていった。
どの内容も、まるでわたくしと黒服がモブ子さんを奪い合うような……
何故???
あれから数日後。
「なにこれ?」
「嫌な予感がしてきました」
先生が雑誌を見ながら某三人チーム制のバトロワをしているわたくし達の方に声をかけてきた。
「……なんで三人が雑誌に?」
「それはですね、モブ子さんあれローです……前にモデルをしないかと言われ……不都合もなかったので受けたのです」
そう黒服が説明する。
「おっけーやられた任せた」
「何やってるんですか???」
「へー、だから二人がモブ子をと り あ うようにして写ってるわけだ……」
地味子さんも参加してきてしまった……冷や汗が止まらなくなってきた。
「……ぷっ、あはは!ワカモさんどうしてそんな顔してるんすか」
「え?い、いや……」
「そんなことじゃ怒らないよ、頼まれてやっただけみたいだしね」
地味子さんと先生は笑いながらそう仰る。なんですか、よかった……
「もー二人とも何やってんのら、やられちったじゃん。まあ私の置いたシーラでやられたんだけど……というか何の話してんすか?」
「いや?モブ子には関係ないこと」
「?そうすか」
……ああ、良かった。キレられるかと思いました……
「ただし黒服」
「オメーは駄目だ」
「!?」
「お土産持ってきたぞ」
「マエストロ!いいところに!ガードベント!」
「は?目がぁ!?」
二人はタバスコをどこからか取り出し、黒服を追いかけ回しながら、途中でやってきた者達を含めた大乱闘が始まってしまったのだった……
ワカモ「わたくしってはたから見たらこう……?」
モブ子「何してんの?」
地味先「待てぇ!」
黒服「ど う し て」
マエストロ「目がぁ!?」
その他「とばっちりぃ!?」