なんか先生拾ったんだが……   作:紫彩

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ショートネタ:とある少女の一日

「――おはようございます!」

 

お布団から起きて、わたしはそう叫ぶ。

ちょっとあくびをした後、完全にお布団を出て、リビング……?居間……?に行く。

 

「……ん、おーおはよー」

「おはよーございます!」

 

そこには、ママがいて、ご飯を机に並べてた。

 

「今日の朝ごはんなに?」

「ハムエッグとみそ汁とご飯」

「さいこー!」

「だよねー!」

 

いえーいとハイタッチして、机の前に座って、いただきますって言って食べ始める。

 

「今日はお母さん早く終わるってよ。迎えはお母さんな」

「ホント!?やったね!」

 

お母さんは仕事が忙しいから、たまにしか来てくれない。夜も、毎日は会えない。

だからとっても嬉しい。

 

「……んぐんぐ、ごちそうさま!」

「よし、着替えてこーい。洗いもんしてまってるから」

「はーい」

 

言われた通りに、服を動きやすい服に変えて、ママのところに行く。

 

「完璧です!」

「よし、あとはハンカチティッシュ、ポッケにいれた?」

「どこ!?」

「玄関のとこ」

「じゃあいれるのまだじゃん!」

「まだだよ?」

 

そんな朝のルーティーンをしながら、歯を磨いて、ハンカチティッシュをポッケにいれて、よし!

 

「フルアーマー完了!……なんでごちゃごちゃつけたの!」

「使いきったらパージして捨てろ~、っと私もよし。んじゃ行くか」

「うん!」

 

 

 

「……着いちゃった」

「喋りながらだとすぐだなー。じゃ、保育園行ってらっしゃい。()()()

 

手を振って、ママは帰っていった。よし、ママもお母さんもタカキも頑張ってるし私も頑張らなきゃ。頑張ること無いけど。

 

「おはようございます~」

「先生、おはよーございます!!」

「元気ね~。お友達待ってるから行きましょうか」

「そのお友達って言うのやめませんか?友達いない子とかだったらどうするんですか」

「確かにそうね~……お友達いないの?」

「片手じゃ足りないくらいしか」

 

そんな感じで教室に入る。

 

「!ワカバちゃん!おはよう!」

「おはよー!なにして遊ぶ~?」

「結婚ごっこしよ!」

「待って!私としようよ!」

「私と!」

「わ、わたしと……」

「いっぱいいるからホウジョウエムゥ!ごっこしようぜ!」

「「「「「「いいよ!」」」」」」

 

保育園だと、こんな風に皆と一緒に遊んだり、

 

「ほら、お昼ごはんですよ~。ワカバちゃん、あーん……」

「自分で食べれますけども?」

「キョウコ先生!お仕事が残っていますよ!ここは任せて処理してきたらいかがですか?」

「あら~、それは後回しでいいものですよ~?」

「にしては園長先生がお困りの様子でしたが?」

「「……」」

「お箸返してくれない?」

 

ごはんを食べ……食べたり。

 

そんなことをしながら、夕方まで過ごす。

 

 

 

夕方になると、お迎えが来る。多分、あと少し……

 

「ワカバちゃん。お迎えですよ~」

「!お母さん!」

 

わたしは走って外まで行く。

そこには、お母さんがいた。

 

「ワカバ。お帰りなさい。いい子にしていましたか?」

「うん!多分!確証はない!」

「誰に似てそんな口調に……」

「とてもいい子にしていましたよ。もう、本当に……」

「そうでしたか、それはよかった。では、帰りましょうか」

「へい!」

 

「わたくし達の子に手を出そうとしたら命はありませんよ」

「!?」

 

何かお母さんが先生に言った気がするけどヨシッ!

手を繋いで帰る。

 

 

 

「ただいま!」

「ただいま」

「お帰りー」

 

家に着くと、ママが玄関までやってくる。

 

「保育園どうだった?」

「んー……普通!」

「そら最高。ほら、お母さん上着。ついでに二人で風呂入ってこい」

「はーい」

「はいはい……ちゅ

「?お母さんママに何かした?」

「何も?」

 

なにか聞こえたような……

 

 

身体を洗って、お母さんと一緒に湯船に浸かる。お母さんはわたしの()()()を撫でてくれる。

 

「きもちぇ~……」

「妙におっさん臭いというか……誰に似たんだか」

「そういえば、聞きたいことがあるの」

「なんでしょう?」

 

「昨日の夜になんでママと裸で抱きしめあってたの?」

「ぶふぉ!?」

 

「うぉびっくり」

「げほっ、げほっ……い、いつの間に……」

「なんかうるさかったから……」

「……子どもにはまだ早い」

「えっ?」

 

結局、話してくれなかった。

 

 

お風呂から出ると、もうごはんが並んでた。

 

「ほら、ハンバーグ。いや、ハンブルク……」

「なんですかそのムカつく言い方……美味しそうですわね」

「うまそうな作り方見ちゃったから、作ってみた。じゃ、食べますか」

「「「いただきます」」」

「はむっ……おいしい!」

「それは良かった。お母さんは?」

「……ん、美味しいです」

「……良かった」

 

……なんか、言い方違う?

 

 

ごはんを食べ終えて、お母さんと一緒にmoonを遊んで、歯を磨く。

もう、寝る時間……

 

「……くぅ」

「子どもらしく、体力無いですねー」

「あなたはどうだったんですか?」

「省エネで生きてたからそこまで、かな」

「想像できますわ。寝かせてきます」

「ママ……お母さん……」

「ん?どーした?」

「また……あしたね……おやす……」

「……ああ、おやすみ」

 

ママがわたしのほっぺにちゅうして――うむぅ……

 

 

 

 

「……もう寝てしまいました」

「久々にお母さんと遊べて嬉しかったんでしょ。いつもよりハイテンションだったし」

「なるほど……」

「さて、後は大人の時間……ワカモさん、いいお酒、買ってきましたよ」

「いただきましょう」

 

 

「く、くくくっ……ワカバがそんなことを……」

「誤魔化すの大変でしたわよ?次からは気を付けないと」

「私があの頃は子どもの作り方くらい知ってたけどなー」

「あなたは無駄に大人でしたものね」

「無駄にってなんだよ。……私も聞かれたらどうしよ。コウノトリとキャベツがまぐわってできるって言お」

「その場合ストライクじゃなくてデッドボールですわよ」

 

 

「そういえばワカモさん、この上着に入ってたのは……」

「……そ、それは……」

「ラブレターですかー?いいねー、羨ましいなー」

「……」

「冗談。私のこと好きだもんねー?」

「……そうです」

「ふふっ、酔いすぎか?……でも、あのワカモさんが先生、ね……」

「誰かさん達みたいに、自分を傷つけてばかりですから。止めなければ、ね?」

 

 

「んー、お腹いっぱい。じゃ、お皿下げますね」

「……ん」

「なになになに、後ろから抱きついてきて……

……今日も、する?」

「…………あ、あの……その……それだけではなく……」

「…………二人、目?」

「…………はい」

「……うん、いいよ」

「……で、では……」

 

 

 

「やっぱり何かしてる!」

 

 

 

「げほぉ!?」

「……んふふふ、あっはっはっ!」

「なに笑ってるんですの!」

「絶対に暴いてやるっ!」

 

ママにコウノトリとキャベツが何かとか、その途中でお母さんがママに何かしたりとか、今までで一番、騒がしい夜になった。

 

これが、わたしの家族。とても、楽しい。




持病のワカモブがぁー!

すいません、また本編は遅れそうです……()
投稿ももしかしたら遅れるかも……次回は地味モブかな……?

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