なんか先生拾ったんだが……   作:かわいそうはかわいい

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うわあああん!遅れてごめんなさあああい!
アークナイツに浮気してました。とりあえず今は短いのを!ごめんなさい!

お詫びとして本編に一切出てないカヤが腹を切ります。


ショートネタ:強者達の休日

スマホを見ながら、私は駅の前で待っていた。

時々来る視線には気にしない。多少は目立つことは理解してるから。

 

「なんでゲヘナの風紀委員長がここに?」

「デートじゃね?」

「先生に十万」

「賭博罪じゃねーか」

 

ただ、これから来る二人も追加されると、もっと目立つんだろうな「ヒナ」「ヒナさん」……想像は、当たったらしい。

 

「……私の目がおかしくなってないなら、あれ正実の委員長と謎の美女に見えるんだけど」

「おらっ、十万寄越せ!」

「急にお金せびるのは人としてどうかと思う」

「ハァ?(うさぎ)」

 

「すいません、ツルギさんの服で手間取りまして」

「……は、恥ずかしいし……」

「かわいい系だけど、似合ってるわね。服の良し悪しとか分からないけど」

「あ、ああ、ありがとう……」

「あと流されそうになったけど、ワカモは仮面外してきたの?」

「あなた達なら見せても良くなったので。それとも捕まえますか?」

「ここにいるのは、謎の人間のワカバ。でしょ、ツルギ」

「ああ」

「ふふ、そうですか」

 

そう、今日私は友人と遊ぶ日。

そしてその友人はツルギと、ワカモ。

 

……縁って、不思議ね。

 

 

 

私はとりあえず話し合う。特にプランもないし。

 

「そういえばお二人は休日どこに遊びに行くのですか?」

「寝る」

「……ツルギさんは」

「……れ、恋愛画……

「「……」」

 

私達はツルギの頭を撫でる。高い。

 

「なぜっ!?」

「じゃあ今日は映画を見ましょう」

「ですが恋愛映画となると、結構時間が後になりますわね、どこで時間を潰しますか?」

「……休日に友達と遊んだりとか、ほとんどないから分かんない」

「ほ、ほとんどハスミが決めてくれてた……」

「……腹ごしらえに、カフェでも行きますか」

 

 

 

というわけで、三人でカフェに来た。

 

「何食べましょうか」

「コーヒー」

「他は?」

「コーヒー」

「二杯飲んでくださいね」

「冗談よ」

「分かりづらい」

「私は……ストロベリーパフェがいい」

「じゃあ私はバナナ、コーヒーも一つ」

「分かりました。すいません!」

 

ワカモは三人分の注文を手っ取り早く終わらせる。

 

「意外とそういうこと出来るのね」

「注文ぐらい普通にしますわよ……高圧的な態度は、面倒ごとを解決する時だけです」

「凄い……私がすると、どもる……」

「ども……?ああ……はい……」

 

奇声の間違いだとかは言わない。優しい。

そうして三人で喋っていると、三人分のパフェが来た。

私がバナナに、ツルギがストロベリー、ワカモは抹茶にしたらしい。

 

「あら、想像以上に美味しそう」

「適当に入ったのが功を奏しましたか」

「早速食べよう」

 

いただきます、と言って食べ始める。

 

「うん、美味しい」

「見た目だけではなく、中身もいい。まるでわたくしみたいですわね」

「は?」

「は?」

「おいしい」

 

……ちょっとこの状況はカオスね。

パクパク食べていると、ツルギの方から視線を感じる。

 

「どうしたの?」

「いや……なんでもない……」

「あれじゃないですか?一口交換的な」

「!?」

「あー。いいわよ。食べる?」

 

私は一掬いして、ツルギの口に向ける。

ツルギはあわあわするけど、覚悟を決めたのか、勢いよく食らいついた。

 

「スプーン折れませんかそれ?」

「……」

「幸せそうな顔ね、良かった」

「……こういう、普通の友達みたいなこと、ほとんどしたことなかったから楽しい」

「……」

 

私達はツルギの頭を撫でる。高い。

 

「だからなぜっ!?」

 

そんなこんながありながら、三人で仲良く食べたり食べさせあったりした。

 

 

 

食べ終わり、カフェを出た。

時間を見てみると、まだあるらしい。

どうしようかと話し合うと、またワカモが提案してくれた。

 

どこかと言うと。

 

「水着……」

「ええ、夏も近くなってきたので、丁度良いかと」

 

水着専門店だ。専門店なんてあるのね。

中に入って色々物色する。けど……

 

「二人はどれか買うの?」

「えっ、ヒナは買わないのか?」

「うん。小学校の頃のがまだ入るから」

「「……」」

 

……何、その顔。

 

「か、覚悟を越えた先に希望はありますわよ」

「はったおすわよ」

「冗談はともかく、買った方がいいですわよ。水着は意外と寿命が短く、総使用時間的には一日も無いんです。まあ、ミレニアムの技術でかなり頑張っているようですが……」

「「へー」」

「ですから、泳いでいる途中で破けるかもしれないので買ってください」

 

そういうことならしょうがない。面倒だけど買いましょう。

 

「でも私に似合うようなものなんて……」

「ある。私達が見つける」

「……」

 

きゅん。なんちゃって。

 

「じゃあ色々探してみましょうか。わたくし達のもついでに」

「うん」「ああ」

 

そういうわけで、色々見たり、着たりしてみるけど。

 

「……」

「……そんなにみられると、はずかしい……」

「ああ……無いから……」

「ぶっ飛ばす」

「すいませんって」

 

知ってたけど、大きすぎない?二人とも。

 

「はあ~いいわね持つ者は。ツルギはともかくワカモもでかいわね。いつもは分からなかったけど」

「和服ですし、邪魔にならないようにしてますから」

「あっても邪魔なだけ「はぁ~?」ごめん」

 

そんな感じで皆で水着を買った。……皆で買い物、悪くないわね。

 

 

 

そして映画の時間になった。

 

「これね。……『キンコイ!~禁断の恋~』」

「面白そう……!」

「……うわぁ……ヒナさん、これ見てください」

 

小声でワカモがスマホを見せてくる。

そこには、この映画の評価が。

 

「星1.2……」

「見ずに評価するのはいけませんが、一応……」

「……ツルギには見せないでね」

 

ツルギの顔は満面の笑み。

 

「分かっていますわ……」

「行こう二人とも。いい席が取られてしまう」

「……ええ、行きましょうか」

 

チケットを買って、ポップコーンやジュースを買い、劇場に入る。

一番後ろの真ん中。左から私、ツルギ、ワカモの順で座る。

三分後には始まり――

 

 

((クソ映画だこれー!?))

 

 

――一分後には分からされた。モブ子が好きそう。

正直もう帰りたい。隣の隣からも同じ雰囲気を感じ取れる。

 

が!

 

隣はというと……

 

「わぁ……!」

 

((わぁ……))

 

凄い楽しそう。

というわけできっちり二時間見た…………長い…………

 

 

私とワカモはもう疲れきった状態だった。しんどい……

けどツルギはと言うと。

 

「面白かった!二人はどうだった?」

「……面白かったわよね?」

「え”……ええ、(恋愛映画として見なければ)面白かったですわ」

 

そう私達が言えばあらいい笑顔。何も言えない……

 

 

空はもう夕暮れ。いい時間になったため解散することになった。

 

「今日は楽しかった。ありがと」

「私も。二人と遊べてよかった」

「わたくしも。次はいつにします?」

 

次。次か……

 

「出会いは良くないものだったかもしれないけど……仲良くなれてよかった」

「次の話をしてるんですが。……でもそうですね。モブ子さんに感謝しましょうか」

「ああ。そうだな……じゃあ、海。海で会おう」

「うん、いいね。ちゃんとした日はまたモモトークで」

「ええ。では……」

 

「「「また」」」

 

そうして、私達は別れた。また会う日のために。


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