なんか先生拾ったんだが……   作:紫彩

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前回(プロフィールを退けて)の話の最後に文を追加しました。じゃないと繋がりあれだなっと思って……
良ければ申し訳ありませんがそちらの方を先に読んでいただけると嬉しいです。

今回は、イチャイチャが選ばれました。のでイチャイチャ回だぞぉ!
ま、曇らせしないとは言ってないんですけどね(暗黒微笑)


第七話

「ん……ふぁあ……」

 

よく寝たぁ……

スマホの時計を見てみれば午前七時。まあまあ早いんじゃなかろうか。

布団から出ようとすると、何かに服の裾を掴まれる。

 

「……んぅ……」

 

先生の手だった。いつまで同じ布団なんだ……いいって言ったからいいけどぉ……

朝ご飯を作らなきゃいけないので無理矢理剥が、剥が……もういいや脱ぐ。

上半身下着のみという姿で台所まで行き、卵焼きとインスタントの味噌汁を作る。

あっ、これ有名なとこのちょっとお高いやつじゃん。えーっと、マエストロさんからか、後でお礼用意しとこ。

お味噌汁のグレードが上がったことに喜びながら作っていく。ご飯はすでに炊いてあるから大丈夫。

炊いたご飯を食べれるようになったとは……感慨深いな……炊飯器買ったの最近の話だけど。

 

二人分のご飯を机に置く。

その頃には先生は起きてくる。

 

「……ぉはよ」

「おはようござーす。ご飯できますから食べましょ。あと服返せ。風邪引くぞ」

「はーい」

 

なんで私の服着てんだ。着てもいいから脱いだわけじゃねーよ。

返してもらった服を着て、いただきますと言って食べ始める。

 

「このお味噌汁美味しいね」

「ちょっとお高いやつです。マエストロさんからいただきました」

「ふーん捨てていい?」

「それしたらご飯抜くからな教育者」

「今は違うもん。捨てないけど」

 

そんな感じで喋りながらご飯を食べていく。うまうま。

数分もしたら食べ終わり、二人で食器を片付けていく。

その間に今日の予定を考える。……先生にも聞いておくか。

 

「今日は休日なんでちょっと買い物してきますけど、来ます?」

「うん、やることもないしね」

「ゲームあるじゃないっすか」

「モブ子と一緒じゃなきゃ嫌かな」

「そっすか」

 

片付けを終わらせ、着替える準備をする。

先生も行くならと先生の分も準備を開始しておく。ヘイロー偽装装置にーウィッグにー。

 

「もう行くの?もう少し休憩してからで……」

「準備だけですよ。行くのは午後です」

 

その時、黒い空間が出てくる。

 

「二人とも、起きていましたか。どうです、体調は?」

「好調ー」

「キレそう」

「それは上々」

 

大きな紙袋を持って現れたのは黒服さん。

 

「どしたんです、それ?」

「先生のウィッグや服です。多い方が楽しめるでしょう?」

 

そう言って中を見せてくれるけど、多種多様なものが結構な量入ってる。

 

「結構かかったんじゃないんすかこれ」

「いえ、これくらいなら大した金額ではないですよ」

「……下着も入ってるのはどういうこと?」

「着けていない状態を続けるのはいけませんからね、用意しておきましたよ。もちろん、サイズは合って」

「ふんっ!」

「危なっ!?」

「馬鹿だろお前」

 

どうして嬉々として言うんだよ……

先生が投げたはさみはギリギリ回避され、壁に刺さる。

 

「どっちでもいいんで修復してくださいねー」

「……じゃーんけん」

「「ぽん!」」

「ホントは仲良しだろあんたら」

「勝ちました」

「負けた……」

 

ぶつくさ言いながらも壁の修復に取り掛かる先生とじゃんけんに勝ちつつもそれを手伝う黒服さんを見ながら、私はその間に準備を進める。

スマホが鳴った準備させろや!

渋々見てみるとワカモさんからだった。

 

『今日はこの辺にはほとんどいません。好きに行動しなさい』

『うーっす。まだ決心はつきません?』

『何のことです』

『分かってるくせに……』

 

それ以上は返ってこなかった。会いたいなら会えばいいのに……

 

 

 

 

 

時は進んで午後、現在スーパー。

ただし、いつも使っているスーパーじゃなくて、今日はちょっと大きいスーパーに来ていた。

適当に食材とー、あ、マエストロさんのお礼買っとこ。クッキー缶でいっか。そんな風にかごに入れてく。

先生は大人しく私の服の裾を掴みながら後ろに付いてくる。

やっぱ外はちょっと怖いか。

あっ、お菓子売り場。

 

「先生、好きなだけ持ってきてくれます?ここで待ってるんで」

「分かった、絶対に動かないでね?」

「待ちますって」

「一コンマも動かないでね?」

「サイボーグにでもなれってか?」

 

小走りでお菓子を取ってくる先生。急がんでも行かねーよ。

先生はチョコやらポテチやら両手から零れそうなほど持ってくる。意外とお菓子好きだよね先生って。

しかし……背が低めなのもあるかもだけど子どもっぽい……よくて中学生だな。私もちょっと大きいくらいだけど。

 

「はいっ、持ってきたよ」

「じゃあかごに入れてー」

 

一気にお菓子の山になったかごを持ってレジを通る。そして、先生と一緒に袋に買った物を詰める。

詰め終わり、小さい方の袋を持った先生が私に尋ねる。

 

「じゃあ、後はどうする?」

「んー、興味あるか分からんですけど……ちょっとあっち行ってみますか」

「あっち?」

 

先生を連れて来たのはおもちゃ売り場。プラモや変身アイテムなど、いろいろある。

あーでも、先生いい大人だし、そこまで興味ないkめっちゃ目キラキラさせてる……

 

「こ、これって、六十分の一スケールのフルクロス……!?こっちはアーリヤ!」

「え嘘、マジである……買お。先生も作ります?」

「えっ?いいの……?」

「いいっすよ。あーでも作ったの結構前だからなぁ……それ用の道具も買っとくか。あ、他に良さそうなのあったら言ってくださいねー」

 

ニッパーとかも取っとく。

 

「へ、変身ベルトも……いいかな……?」

「どんどん持ってきていいすよー。当分来ませんからねー」

「お金とか……」

「あとでファンクラブにせびります」

「じゃあいっか!」

 

 

帰る頃には結構な大荷物になっていた。おめーなこれ、車の免許取ろうかな……

 

「そういや、こういうの好きなんすね、昔からっすか?」

「うん。……シャーレで働いていた時はなかなかできなかったけど……」

「忙しいみたいですしねぇ」

「ううん、生徒に財布握られてたから……」

「人権」

「一気に使っちゃって一か月コッペパン生活になったところバレちゃったからね……」

「それはそれでどうなの?」

 

いや自分の金だから好きに使えばいいけども……

生徒さんら先生を自分達の所有物だと思ってないかい?

 

「お母さんみたいだったな、あの子……あの時までは……」

「今日の晩御飯はラーメンにするつもりなんすけど何味がいいですか?」

 

パンジャンか何か?

話変えよ話。

 

まあその次に銃声が話を変えてくれたんですけどね。嬉しくねぇ。

 

「どこからだー?これ被って」

「ひゃっ」

 

ジャケットを着てたからそれを先生の頭に被せる。

音的に……帰宅の方じゃんどうしよ。遠回りにするにも結構な距離になるからなぁ……あ。

スマホを出してモモトークを開く。

 

『今暇っすか?』

『何です?一応その辺にはいますが……』

『帰る方向に銃撃戦が始まったみたいで……ヴァルキューレ呼ぶわけにもいかないんで』

『分かりました、急ぎますので隠れててください』

 

よし、じゃあ待っとくか……近づいて来てるなこれ。

 

「先生こっちです」

 

先生の手を引いて隠れる場所を探す。

あー……あそこにするか。

 

「入って、早く」

「う、うん」

 

路地の方へ先に歩かせ、後ろからついてく。

奥まで行くと別の面倒がやってきそうだからちょっとだけにしておく。

……先生、気分悪そうだな。

 

「大丈夫です?」

「あんまり、こういう人が寄り付かないとこ得意じゃなくて」

 

後でウナギゼリーとマーマイトの刑受けるから許して。

って、もっと近くに来てんじゃん!まだか……?

 

「ひっ……」

「大丈夫」

 

銃声と怒声に怯える先生を抱きしめて落ち着かせる。どうしたもんかなぁ……!?

 

「……あ?」

「あ」

 

見つかった。

先生を隠すように立って、あからさま不良な見た目に話しかける。

 

「こんちは、どうしたんです?抗争っすか?」

「あ?ああ、あいつら、ぴょこぴょこかえる団があたし達のプリンを奪いやがったんだ!あたし達ぴょんぴょんウサギ団のプリンを!」

 

ふぁ、ファンシー!見た目と銃声さえ気にしなければ童話かな?欠点が二つしかないのにデカすぎるだろ。

 

「全部賞味期限切れのやつで、それを格安で売って儲けようとしたのを、横から搔っ攫っていきやがった!」

 

欠点が三つになったな……パズルのピースは集まるのが普通だぞ。

 

「へ、へー。後は頑張ってくださいね……」

「おう!取り返したら買ってくれよな!」

「う、うす」

「じゃあnぐへぇ!?

「あ、あー……」

 

何処からか来た銃弾が頭にクリーンヒットして気絶してしまった。

穏便に行くはずだったのに……ナムサン、ぴょこぴょこウサギ団……なんか違うような。

スマホが震える。

 

『退路はできましたので、急いでください。通報があったのか、ヴァルキューレが集まっていますので』

 

げっ、めんどいな……

 

「先生、もう大丈夫ですよ。ただちょっと走りますから」

「わ、分かった」

 

荷物を全部持って先生を前にして走る。後ろは気にしない、どうせ全部やってくれるでしょ。

だから大爆発も知りません気付いていません。

 

 

 

 

 

なんとか無事に家にたどり着いた。

家に入って、着替えながら先生に無事か聞く。

 

「先生、怪我とかしてません?」

「うん、大丈夫……」

 

良かった、先生はヘイローはあるように見えて、あるだけだから一発でアウトだからなぁ。怪我して無事だったとしても病院はいけないし……

シャツを着た私の肩に衝撃が。

 

「先生?」

「あ、あのね……ありがとう。かっこよかった」

「かっこよかったって、特になんも……どういたしまして」

 

分からんが、お礼なら貰っておこう。

しかし……武器無しって、結構あれかもなー。もしなんかあった時あれだし……ファンクラブに相談しよ。

そんなことを考えながら買った物を冷蔵庫やなんやらに片付けていく。時間は三時半過ぎ、ご飯には早いな……

 

「良かったらゲームしません?せっかくプラモ買いましたし、あれやりましょあれ、4」

「うん、やろう」

 

そうして二人でゲームを始める。ロケットパイルタンク使いの私に勝てるかな?アッ当たらねぇ!

たまにファンクラブの暇人達がやってきてヤジを飛ばしたり交代でバトルしたりする。

 

 

午後五時半、そろそろご飯の準備を始める。

ファンクラブの人達は今日は皆用があるらしいので帰った。クッキーは渡せたんでよし。

 

「何味にします?」

「んー、せっかくなら別々にしてシェアしない?」

「いいっすね、じゃあ醤油にしよー」

「じゃあ塩にしよっと」

 

お湯を沸かし、インスタント麺を茹で、ゆで卵や野菜、ハムを切って用意しておく。

茹でた麺をお皿に移して、粉末スープや切ったやつを乗っける。

 

「自分の持っていってくださーい」

「はーい」

 

二人で持っていき、いただきますと言って食べ始める。

 

「ズルズル……美味しいなこれ」

「こっちも美味しいよ。待ってて……ふぅ、ふぅ……あーん」

「あーん、んむんむ……んまいっすけど、取り皿持ってくれば……まあいいか。私のもいる?」

「……」

「言葉で教えなさいよ」

 

口を開けて待機してる先生。雛鳥かよ、口移しはせんぞ。食べさせるけどさぁ。

あーんする。

 

「……美味しい、モブ子が食べさせてくれてるからかな?」

「そんなこと言われてもハムしかあげませんよ」

「わーい」

 

 

そんなこんなで食べ終わり、お風呂の用意をする。

 

「今日はどうします?先、後?」

「……一緒に、とか?」

「え、狭いのに?別にいいっすけど」

「いいの!?」

「良くないと思ってたのか……」

 

別に女同士だし、気にすることでもないでしょ。この人女から襲われてるんだった……言うのやめよ。

 

「でも二人洗うスペースはないんで先に入ってきてください。先生が湯船浸かるくらいに行くんで」

「分かった、待って、るね?」

「なぜしどろもどろ」

 

いやあのカチコチ感ロボットだな。

数分は掛かるはずなんで、その間にいろいろやっておく。布団敷いたり、今日の日記を書いたり。

日記は最近始めて、先生の様子や、好きなことを書き記している。

 

「……最近どうです?先生と話せて……ないっすか。そうっすか……多分、怖がらせないようにしてたんじゃないすか?……あー、それはねぇ……いつも持ち運んでいたんですか?守れるのに?……あちゃ~、なるほどなぁ……」

 

ついでに、近くに置いてあるタブレットに話しかける。

そこには青と紫の文字が浮かんでいる。

先生が持ってた、超スゴタブレット。二つ意思があるみたいで、日記を始めた日ぐらいに初めて話しかけてきた。

この二人も、悲しんでいるご様子。できるだけ話せるように協力するつもり。

 

っと、シャワーの音が終わった。二人に別れを告げてお風呂に入りに行く。

パパっと脱いで扉を開ける。

 

「うーっす」

「ど、どうぞ!?」

 

どうぞて。お風呂の主か。

入って、頭や体をさささっと洗い、湯船に浸かる。

 

「はっ、早くない?」

「ちゃんと洗いましたけど?」

「そ、そう言う事じゃなくて……ま、まあいいけど」

「?変な……入りまーす……やっぱ狭くね?」

「……温かいよ」

 

一気にお湯が抜けていくが、先生がいいならいいんでしょう。いや狭いか聞いてんだけど。

……まあ、確かに、温かい気はする。

 

「……ありがとう、今日は。買い物とか、守ってくれたり」

「いいんですよ。先生いてくれるだけで助かるし」

「そんな……何にもしてないよ。何にも……」

 

先生は俯く。先生って意外と卑屈になりやすいというか……

しょうがない。

 

「……私、今まで一人で暮らしてきて、友達もいなくて、それでも別段悲しくもなかったんですけど……先生がこの家に来てから、一人の時と比べて楽しいっていうか、その……感謝してますよ。……結構恥ずかしいなこれ!?」

 

今度は私が俯く。どころか顔を湯船につける。あー、あっつい。

 

「……ふふっ、ありがとう」

「……こちらこそ」

 

意外と、楽しい生活が続いている。

これが、続くといいなと、窓の外から見える月を見ながら思った。

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