なんか先生拾ったんだが……   作:紫彩

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原作者様の新作が出る→先生が傷つく→私が仲間になりそうな子が減っていくのを見て頭を抱える

つまり、この作品は実質ワイ曇らせ作品なんや!


第九話

「すいませーん回復おなしゃーす」

「分かった。……あ、黒服、先生のカバーを」

「はい、こっちに来てください」

「……」

「露骨に嫌そうな顔を……勝手に引き寄せますが」

 

私は今、先生、黒服さん、マエストロさんと一緒にゲームをしていた。タンクだけど暗黒柔らかくね?かっこいいから問題ないけど。

ついでに悩んでいた。

それは、ワカモさんのことだ。

だってぇ……このままじゃあの人会わんでしょ……別に襲ってないなら胸張って来たらいいじゃん。

なーにが七囚人じゃ。好き勝手暴れてた頃のお前はもっと輝いていたぞ!

 

「うーん、どうしたもんかなぁ……」

「何が?レアドロ全然出ないこの状況が?」

「本当に、申し訳ございません。んやそうじゃないんすけど……やべっ」

「蘇生」

「はやっ、あざます……ワカモさんのことなんすけど」

「ぶふぉ!?」

 

誰かが噴き出す音が聞こえた。

びっくりしてその音の方を見てみれば、先生だった。

 

「ど、どうしたんです!?大丈夫ですか!?」

「げほっ、げほっ……い、今なんて……」

「え?ワカモさんのこ……と……」

 

……やっちゃったZE!

 

 

もう、一から百までの勢いで説明をした。

出会いから、会話まで。もう正座よ正座。おいそこのファンクラブ、何呑気にお菓子食って見てんだ。関係ない?それは……そうなんですが……

先生からしたら、裏切り行為に見えるんじゃなかろうか。そう思えば、ワカモさんの気持ちも分かる。めんご……

 

「……だから、そのーですね、ワカモさんは悪くないと言いますか……」

「うん、分かってるよ」

「ですから……へ?」

「ワカモが、私を襲ってなかったのも、知ってる。だから、会うべきだったよね……分かってたはずなのに」

 

おろ?おろろ?

 

「ホントですか!?」

「うん、出来ることならまた、会いたい」

「ですってワカモさん!良かったですね!」

 

ポケットから取り出したスマホに向かって、そう叫ぶ。

 

『ぶん殴ります』

「あっ決定なんすね」

『感謝だけはしておきます』

「素直じゃないなー」

『蹴ります』

「私でコンボ確認するつもりか?」

「もうそんな仲良しなんだ……ワカモにも、そういう子ができて嬉しいな」

「暴力振られそうになってんだけど?……そういや、何で会わなかったんですか?」

「別の、襲ってこない子がいたんだけど、その子を頼ってたら、後々その子にも」

「ワカモさんといつ会います?今の内に決めときましょか」

 

もはや地雷で殴ってきてね?それを引き出したのは私なんだけどさ……

 

 

 

 

 

そして次の休みの日。

お昼からとある場所で会うことになってるんで、予定の時間の五分前に私達は来ていた。

 

「はふっ、はふっ……美味いっすね」

「……いやなんで焼肉屋!?」

「個室がここしかないからですって。お金はファンクラブが出してくれるんですしいいじゃないですか」

「……まあ、そうかな……」

 

ご飯もう一杯頼も。

そう思ってタブレットを取ろうとすると、個室の扉が開いた。

 

「まだ頼んでないのに!?」

「誰が店員ですか」

 

入ってきたのは、ワカモさんだった。

今日のファッションは……ジャージにスカート?不良かな?不良だわ……

 

「なんだ……超能力でも持ってる店員がいるのかと……あ、ライス一つ」

「手元のタブレットを使いなさいど阿呆」

 

そう私に暴言を吐きながら隣に座ってくる。

 

「なぜ隣……」

「先生にとってわたくしはいつ襲ってくるか分からない獣ですよ?近くにいてほしいと思いますか?」

「そういう人を思いやる気持ちあるんすね、知らなかったです」

「そういえば殴るんでしたね」

「後にしません?先生おろおろしてるんで」

 

誰のせいで……とか聞こえるけど気にししししません。痛くないといいなぁ……

 

「おほん……先生、お久しぶりです」

「うん……ひ、久しぶり……」

「……やはり、怯えていらっしゃいますね……モブ子様、隣へ」

 

ワカモさんに促され、先生の隣に座る。

先生はすぐに私の袖を掴む。そうすることで、多少楽になるんだろう。

 

「……申し訳、ございませんでした」

 

ワカモさんは頭を下げる。もう机に付きそ、いや付いてるわこれ、ちょっと上げて髪の毛大変なことになるよ?

 

「傲慢な考えですが、わたくしがお守りできなかったこと、そして、あなた様を傷つけた子ども達の代わりに、お詫びします」

「……頭を上げて、ワカモ」

「ですが」

「ワカモは、違うでしょ?それに私……皆のこと、嫌いになってないから。だから、上げて?」

「……」

 

ゆっくりと頭を上げるワカモさん。その顔からは、困惑が伝わる。

 

「嫌いになっていない……というのは?」

「どっちかって言うと、私、皆のこと好きなんだ。怖いとは、感じちゃったけど……一番悪かったのは、私が、否定できなかったこと。私が……弱かったから……だから……」

「……ズズッ」

 

まーた、この……さぁ……優しいな。

 

「いえっ、あなた様は傷つけられた側なのです。怒っても、わたくし達を傷つけても良いので――」

「たとえ良かったとしても、私はやらないよ。したく、ないから」

「……モブ子様」

「私は意見尊重するタイプ~」

「……そうですか」

「でも、償いが欲しいなら、守ろうとするしかない。じゃないと、絶対自分では止めらんないでしょ。先生自身が言ってたけどさ」

「それは……ええ、分かっています。いえ、分かりました」

「先生も、自分を追い詰め過ぎないように」

「……うん」

 

先生はそれがな……拒否の姿勢は見せるけど嫌う姿勢は見せないから、相手に伝わってないみたいなんだよなぁ……それでちゃんと無理って言えなかった自分が悪いってなるタイプみたいだし……

 

……よしっ、今回の目的はワカモさんに合わせることだし、とりあえずだけど、いいと思う。

じゃあ食べよ食べよ!と声を掛けようとする。

 

「もう少し、よろしいでしょうか?」

 

が、ワカモさんに止められる。そろそろ食べるの再開したいんだけど?

 

「……実は、もう一人、会ってほしい方がいます。ですが、事前の知らせも無しでしたので、今回でなくとも……」

「私は、大丈夫だよ」

「先生がいいなら」

「……では」

 

ワカモさんはスマホをいじって誰かを呼んだみたい。

あっ、ご飯頼むの忘れてた。今のうちに頼んどこ。

 

「……失礼するわ」

「まだ頼んでないですけど!?」

「店員じゃない」

 

そう扉を開けた小柄な少女は言った。

……

 

「見たことある気がするんだけど。気のせい?」

「一度会ったことがあるわね」

「やーん運命……」

 

空崎、ヒナ。

ゲヘナの超強い人だったよね……そういや前味方って言ってたわワカモさん。

 

「こちらへ」

「分かった……先生、久しぶり」

「うん……久しぶり」

「ねぇこれ繰り返しになんない?」

 

また同じこと言うのめんどいよ?

 

「……さっきまでの会話は聞いてた。だから、同じことを言うつもりはない……けど、謝罪だけは、させてもらう。ごめんなさい」

「ヒナ……」

「部下の……友人達の蛮行を止められなかった。……私は、この事態を解決することに尽力するつもり。それとは別に、何でも言って。……先生には、その権利がある」

「……」

「はぐっ、もぐっ……こういうのでいいんだよこういうので」

「今真面目な会話しているのに気づいていないのですか?」

 

うぇぇ、ワカモさんの目がやべぇ。真の囚人は目で殺す。

 

「先生はそういうので要求しないでしょ。それより、言うべきことがあると思うんすよ」

「何?」

「これからのこと。解決するつもり、ていうのは聞きましたし、具体的にどうするかですよ。私はともかく、先生は当事者です。なら、言っておくべきですよ」

「……そうね、その通り。……なら、まず今やってることを話すわ」

「では、その話はわたくしから。ヒナさんは風紀委員長ということもあり、大きくは動けません。風紀委員会をある程度動かせる程度なので、先生とは関係のない方へ動かしてもらっています」

「あれ?前なんか来て「……」黙ります」

「わたくしは、その間に、仲間になりそうな、人材を探していたのです。出来うる限り集め……」

 

誰かが息を呑んだ音がした。

 

 

「敵対勢力を全部ぶっ潰します」

「耳の先から尻尾の先まで脳筋すぎる」

 

 

馬鹿なの?犯罪者なの?犯罪者だった……

 

「なにそれ、聞いてない」

「ホウレンソウ食ったことあります?」

「は?」

「喧嘩は、やめて……?」

「確かに一理ありますわね……」

「手のひらが速い」

 

とりあえず、仲間を増やしてる、ってことだけは分かった。

 

「目星はついてるんです?」

「一応、ですが……先生ならお分かりになると思いますが、まず正実の委員長。これは確定と言って問題ないでしょう」

「へー、強いんすか?」

「ヒナと同じくらいかな」

「超心強い。で、他に確定しそうな人は?」

「以上です」

「……?耳、遠くなったかな……」

「以上「分かった私が悪かったです……えぇ……」」

 

うっそぉ……四面楚歌ってレベルじゃないぞ?

 

「確定でなければ、いますよ」

「あ、そうなんすか?良かった……待て、何人です?」

「……四人です」

 

ハイクソー、もうやらんわこんなクソゲー……

マジで言ってんの?相手学園×X(かけるエックス)だよ?多いよ?

 

「……やろうと思えば、先生の指揮があれば相手できなくもないけど……流石にそこまでは……」

「出来んの?0.1も可能性あんの?」

「間違いなく、ヒナさんレベルの敵も出ますでしょうし……」

「……ごめん、私のせいで……」

「ほら、さっき約束したでしょ。追い詰めない」

「……うん」

 

「……羨ましいわね……」

「そうですね……これも罰として受け入れましょう……」

 

なんでだよ。さっきから先生が近づいて来てるから?もうくっついてんだけどこっち……狭ぇ。

 

「……とりあえず、死ぬほどピンチってことは分かりました。お二人は、この先どうします?ああ、やることとかじゃなくて、先生と会いますか?」

「私は、会いたいと思ってるけど……」

「……わたくしは会いたいです」

「……ワカモはともかく、私はそう簡単に会えないから。今まで面識の無かった……えっと」

「モブ子っす」

「モブ子の家に急に何度も行き始めたら、怪しまれそうだから……」

 

そっかぁ……ん-、でもそれじゃあ……あ。

 

「先生、ファンクラブに相談してみません?」

「なるほど、確かにあいつら腕と知能だけはいいもんね」

「ファンクラブ……あの、異形達の?」

「たしか、協力者とか言う……?」

「ワカモさんの盗聴で知ってましたか。犯罪だってこと覚えとけよ犯罪者」

 

普通にビビるんだからね?

 

「うん……怪しくて、性格悪くて、ろくでなしだけど、今は絶対に裏切らないから、安心して?」

「ボロッカスに言うね」

「……ええ、分かったわ。また、何かあったら……」

「うす、これ、私のモモトークっす」

「ありがとう……ねぇ」

「?なんすか?」

「先生を……よろしく」

「もちろんです」

 

 

そうして私達は焼肉を食べ、解散した。

ヒナさんが仲間になった!ってね。

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