なんか先生拾ったんだが……   作:紫彩

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本格的戦闘回!かも?

ps.こっそり変えちゃったとこあるけど許して


第十一話

「……先生、分かってほしい」

「……」

 

ホシノの言葉は、壁を背にして座ってる私に飛んでくる。

でも、私は反応しない。

 

「……ご飯、置いとくね」

 

そう言ってホシノはご飯が乗ったお盆を机に置いて、部屋から出ていった。

私は部屋から完全に出ていったホシノを見てから、椅子に座る。

……なんだか、慣れないな。ずっと、畳で過ごしてたからか、椅子はなんか、気持ち悪く感じる。

部屋は綺麗だけど、窓が無いから何処か分からない。

……お鍋、食べたいな。

 

 

 

 

 

部屋を出て、皆のところへ行く。

そこでは、シロコちゃんとセリカちゃんが武装の整備、ノノミちゃんが先生の部屋の監視カメラを見ていて、最後に残ったアヤネちゃんはタブレットを弄っていた。

私はそのアヤネちゃんに声を掛ける。

 

「どう?アヤネちゃん。システムに異常はない?」

「はい、半径25㎞のオートマタ、ドローン、タレット、全て問題なく稼働しています」

 

そう言ってもらえると、嬉しいな。でも……

 

「なんだか、不安そうだね?」

「不安というか……やっぱり、来るんでしょうか」

「来るよ。絶対ね。……ゲヘナもトリニティも、どっちもこっちに気付いた様子はない。今の問題は、彼女達だけだよ。ま、私達とこれだけの兵器があれば、問題は無いと思うけどねー」

 

私は確信に満ちた声でそう答える。

 

「……そう……ですね……」

 

それでも、アヤネちゃんの不安そうな声は消えない。

……分かってるよ、これが正しいか、でしょ?

 

正しいわけないじゃん。

 

でも……狂ってしまった歯車は、変えない限り、回らない。

なのに、回ってしまったのが、私達なんだよ。

だから……進むしかない。

 

私はそんなことを考えていると、突然アヤネちゃんが大声を上げる。

 

 

「こ、高速で動く物体が接近してます!速すぎて、正確に捉えられない!?……!?う、嘘……

 

時速、300、いえ、400㎞以上……?」

 

 

……え?

 

 

 

 

 

『……では、作戦前のブリーフィングを開始します。前線に出るのは、モブ子さん、ワカモさん、そして私、黒服の三人です。オペレーターはゴルコンダ。

まず最初の行動ですが、兎にも角にも近づかなければ話になりません。近づくためにはこの広大な砂漠を時間をかけて、尚且つ仕掛けられているであろう罠を越えなければいけません。

ですが、それの解決策はすでに用意してあります。それは――』

 

 

 

「――その策が、これ、と」

「はい」

 

見たことあるー。このクソでかたくさんブースター見たことあるー。

 

「……これさぁ、人じゃなくてロボにつける前提のやつでしょ?」

「原作では、そうですね」

「使ったら死なないこれ?」

「安心してください。風圧、人体に掛かるG、その他諸々……全て解決してあります」

 

そりゃサイコー……

 

ぶ、VOBだこれー!?

 

「違いますそっくりさんです」

「あんたさっき原作って言ったろ!……なんでこれ作ろうと思ったの?」

「フォーアンサーをファンクラブの皆でしたら楽しくて……」

「意外と暇なんですねあんたら……待て、これ全員で作ったの?」

「はい」

 

やり口がネットでたまに見る謎の天才のそれ。

 

「実際、面白そうと思い、作った訳ですが、原理や構造は違います。見た目も違うでしょう?」

「……っすね……」

「ツッコミ放棄……これを使って、敵陣まで突っ込む……のでしたわね」

「はい、前にコックピットがありますので、我々はそこに乗り、突っ込みます」

「脳筋すぎませんか?」

「前あんた仲間集めて敵ぶっ倒すって言ってたんですよ」

「でもこの作戦の一部を考えたのはあなたですよ?」

 

なんてこったここには脳筋しかいねぇ!

まあ頭使わなくていいならそれでいっか……私通常モンスターしか使えないんだ……モブ之内君……

嘘全然使えるわ。シューティングスターはいいぞ。

 

「さて、最終確認です。ちゃんと持ちましたか?」

「へいへい、持ちましたよ」

 

腰に差してあった銃を取り出しながら、返答する。

 

「ワカモさんも、大丈夫ですか?」

「ええ、ズレも無し……流石、技術だけはあると言われた存在達ですね」

 

お面を触りながらワカモさんはそう言う。

 

「そんな……強いて言うなら倫理が無いだけですよ」

「最も重要なもんが抜けてんだよ。神様が失敗したジェンガで作ったのか?」

 

締まらないなー……ま、こんな感じでいっか。

 

 

と、そんなこんなでVOB……擬きに乗って砂で埋まった建物ばかりの砂漠を飛んでいるわけですが。

 

「めちゃくちゃ撃たれてるんすけど」

「無敵バリアー」

「小学生か!もっと理知的なこと喋れるだろあんた!」

「今更では」

「……それはそうっすね」

『……そろそろ、到着です』

 

通信のゴルコンダさんの言葉で私達は気を引き締め……

 

「待ってこれどうなんの?普通に着陸すんの?」

「あっはっは、時速400㎞で動いているのが簡単に止まるわけないじゃないですか。パージですよ」

「諸々解決してねーじゃん!」

 

不意に体が投げ飛ばされる感覚に陥る。

 

が。

 

「ぐぇっ」

「よいしょ、っと」

 

ワカモさんが私を捕まえて着地してくれたおかげで、ノーダメー嘘吐きそう。

 

「今ヘロヘロになっていても仕方がありませんよ。ほら、前を見てください」

「え……?あっ、あそこにあの時の巨乳が!」

「覚え方」

 

「……やっぱり、来たね」

「誰?」

『空崎ヒナと同レベルの強者です』

『そういうこった!』

「デカルコマニーさんもいたのね。というかここどこよ」

「目的の建物の中です。この砂漠の中でも無事だった施設を極秘裏に改造していたみたいですね……やり口がどこかのカイザーとそっくりですね」

「いやー、おじさんびっくりしたよー。せっかく用意したのに、無駄になっちゃったねー」

「私はすでに建物ん中の事にびっくりしてる」

「面白い話しますね。あの人達、借金あるんですよ」

「えっ、なのにあんな数の兵器を?馬鹿じゃねぇの?」

 

銃声が響いた。

 

「聞こえてる」

「そら聞こえてるように言ってますし……」

「やっぱりこの人メンタルおかしくないですか?いつぼこぼこにされるか分からないのに」

「聞こえてるぞコノヤロー」

 

なるほどこれイラってするな。普通のメンタルの女の子って言ってるでしょ!

 

「で、いらないと思うけど。一応ね……今なら、無事に帰してあげるよ」

「返してくれるんすか?先生を」

「……なるほど、帰るつもりはないんだね……じゃあ!」

 

一斉に銃が構えられる音がした。

やーこわい。

 

だけど。

 

「っ、スモーク!?」

 

端から真面目に相手する気ねーよ。

 

「決着、つけましょうか!」

「っく……!」

「ホシノ先輩!」

 

ワカモさんが相手のヤバい人を掴んでぶん投げて、さらに飛んでった。あのマスクすげー。見えるんだね。

あのヤバい人はワカモさん一人で相手するらしい。お礼参りですって。

じゃあ残りの四人……一人はタブレットだから、三人か。

 

「右からツインテアサルト、巨乳ミニガン、狼アサルト……なんとかなるか」

「調子に乗って……!」

 

ツインテアサルトは撃ってくる。

 

「なっ……!?」

「バリア……!」

 

まあ戦えない私だから対策くらい取ってるよね……センキュー黒服さん。

三方向からボコボコ撃たれるが、特に動かない。まだかなー

 

「……モブ子さん。準備、終わりましたよ」

「おっ、じゃあ行きますね」

 

私は銃――酔狂(コンテンダー)を引き抜いて、一発、上に放つ。

 

「……なに?」

「音楽……ですか……?」

 

すると、どこからか音楽が鳴り始める。

 

 

じゃあ、歌います。

 

 

「白く、明けてゆく空に、浮かぶ、不知火~♪」

「な、何を……!」

 

どんどん撃ってくるけど気にしない。バリアさまさまだぜ!

お返しに歌いながら酔狂(コンテンダー)をリロードしながら撃っていく。

 

「っ、避けたはずなのに……!」

「陽気な、夢に灯された、赤い、幻~♪」

 

撃った弾を避けようとしたツインテだが、不自然に曲がった銃弾に対応できず、当たってしまう。

 

「当たらぬのなら、当たるようにすればよいのです。それが、モブ子さん専用の銃弾。狙うことはしてくださいね?九十度以上は曲がらないので」

 

オッケー次からは先説明してね。相手聞いてるからね。

 

「選ビ損ネタ、モウ片方ハ♪」

「……その歌を、やめろ!」

 

狼は私じゃなく、黒服さんを狙うが……

 

「まあ、ありますよね、こちらにも」

「ちぃっ……!」

 

そっちにもバリアで防がれる。

 

「アナタガ笑ウ、ヤワラカナ旅路(ミチ)♪」

 

私は歩きながら近づき、歌いながら撃っていく。

 

「今コノ総テ、置イテイッテモ♪」

「……う、うぅ……!」

 

効いてる効いてる。

 

「届カナイ、夢ノ果テ♪」

「……っ……」

 

「教えて、あてどもなく、踏み出した足はどこへ続くの~♪」

 

「あなたを、沈めていく、虚の淵♪」

 

「ウタカタ、揺れる♪」

 

そこまで歌って、音楽はフェードアウトしていく……

 

そこで、現状を説明します!

 

こちらの状況!

私!音楽一番まで歌いました!

黒服さん!私の音楽を聴かせるようにしました!

 

相手の状況!

ツインテ!疲労してます!

巨乳!疲労してます!

狼!疲労してます!

 

以上!誰も倒せてねぇ!

 

「すいません、バリアの充電が切れました」

 

追加情報です!バリアも張れなくなりました!

 

「わーお大ピンチ。……あっ、弾切れの事も言っとく?」

「なおさらピンチ感が増しましたね」

「……なんだったの、さっきまでのは!?歌った意味ある!?」

 

「あるさ。何も感じないわけじゃないでしょ?」

 

「……」

「そこのメガネちんも、ホントはおかしいことに気づいてるはず」

「そ、れは……」

「私の勘だけどさぁ、あんたら先生のこと、好きでしょ」

「……ええ、そうよ、大好きだよ!それが何!?大好きな人を守りたいって思うことは悪い事なの!?」

「そう思うなら、お前らは一生、先生を思いやれないよ」

「……もういい、もうお前達は戦えない。負け犬の……「確かに」……?」

 

 

「私達は戦えません、が……彼女は、どうでしょうか?」

 

 

黒服さんが言い切った途端、数多くの銃弾が私達がぶち破った壁から飛んできた。

すぐに近くの壁に隠れた私と黒服さんは当たらなかったが、他の四人にはもろに当たった。

 

「誰……!?」

 

 

「……ん、久しぶり」

 

 

そう言って現れたのは、狼を大きくして黒くしたような美女だった。

 

「時間稼ぎきつかったんすけど」

『これでも急いだほうだ』

 

そう、私達の目的は時間稼ぎだった。

一人別行動していたマエストロさんは、援軍を呼びに行っていたのだ!

ただ来るかどうかは分かんないし見つかるかどうかも分かんなかったのでかなりの大博打だったみたい。運ゲーはクソゾ。

一応、プランBもあったし、大丈夫だったでしょ知らんけど。

 

「……いろいろ、聞いたし、知ってた。……一度、お灸を据えなきゃ」

「……っ、来る!」

 

そうして、狼(黒)とその他の戦いが始まった。




途中の歌は天野月子さんの『ウタカタ』だ!
名作ホラゲー零シリーズのエンディングを担当してる人と言ったら分かるかな!
せっかくなら聞いてみてね!
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