なんか先生拾ったんだが……   作:紫彩

66 / 92
いつも誤字報告感想評価ここすき(デビルマン)していただきありがとうございます。
個人的に聞きたいことあるんですけど、感想評価お願いしますってどういう風に見えますかね?がめつく見えない?(考え過ぎちゃう人)


第六話

ワカモさんに連れられて来た場所は、外と空が見える開放的な場所だった。

つまり屋上っぽいとこ。まだ上の階があるから屋上ではないはず。じゃあ何て言うのここ?

 

「何て言うのここって考えてる場合じゃないでしょ」

「そっすねー……ナチュラルに心読まれたな。で、ワカモさん?なんでここに?飛び降りて逃げるとしたら私無理よ?アサクリ履修してないもん。Dishonoredはやったけど」

「ジャンルどっちかというとメタルギアじゃないそれ?」

「なんの話をしているんですか……まだ敵は混乱状態になっていますから、協力者と落ち合うのです……が……」

 

その口ぶりからして遅れてるのか?

いったい誰だろなーと考えてると、何かが近づいてきた音がした。

 

「……来ましたか」

「失礼、飛んでこようかとも思ったのですが、意外に重く……」

 

扉から現れたのは、二つの影。

 

仮面とアリスさんだった。

 

「なんかキャラ被りしてません?てかだ……あっ、慈愛の……」

「お初にお目にかかります、私の名は慈愛の「勇者!」……は?」

「慈愛の怪盗。違法取引された芸術品だけを盗む、七囚人だよ」

「鋼鉄の方か」

「もうツッコミませんわよ」

 

急いでるって言ってるのにこのくだりいらんだろ。元凶わたしや。

 

「と、悪いっすね、怪盗さん。私はモブ子です。こっちが地味子」

「どうも」

「……少し、面食らいましたが、改めて。私の名は慈愛の怪盗。先生という美術品を保護するために参上いたしました」

「そっすか。私が言うのもあれですけど、詳しい話は後にしましょう」

「本当にね」

 

だまらっしゃい。

今は……こっちかな。

 

「アリスさん」

「……モブ子さん。本当、なんですか?」

「ええ。本当ですよ。先生の居場所を知っています」

「なら……!」

 

「魔王を押さえ込めますか?」

 

「ぁ……」

 

私はアリスさんの目を見る。

もう一度試す、その覚悟を。

 

「……分かりません。ですが……」

「……」

「……ですが……!」

 

 

「見つけたわ!」

 

 

見つかっちゃった。

次々と現れるメイドと太ももとロボット。オートマタっていうやつ?ヘリまで来やがった。

あ、開発部のやつもいんじゃん。

時間が無いな。

 

「アリスちゃん……話は後で聞くわ。だから、そいつを捕まえて」

「ゆ、ユウカ……」

 

「さあどうする!今こそ決断する時だ!」

 

「……モブ子さん……」

「あっちについて、楽に先生を奪い取るか!私達について、苦しみながら、友と戦うか!自分の心に感じたままに、物語を動かす時だ!」

 

さあ、どうする勇者!

 

「……アリスとモブ子さんは、仲間です。仲間は、間違いを止めてくれますか?」

「当たり前だ」

 

「なら、お願いします。先生を傷つける時は、仲間として!」

 

よっし任せろ!

 

「ワカモさん!」

「分かりました!」

「何をする気、逃げ場は――撃って!」

 

遅いわバーカ!

私の視界はすぐに暗闇に落ちていった。

 

 

 

 

 

「ファンクラブ制作、ワープ装置……わりと大人数運べるの便利ね……」

「さらに、使用者の意思によって選べるように改良しておきました」

「ヒュー、後付けみてぇ」

「それより退いてくれない?私一番下で重いんだが?つーかなにこの重さ?三桁以上ない?」

 

私達は雑に重ねられたように倒れていた。大人数だと不具合起きんのね。

ところでファンクラブ見てないで助けて?

 

数分掛かってやっと抜け出せた……背中いてぇわ。

ここ、リビング……あっ、やっと分かった!居間だ!居間にいるのは、私、地味子、ワカモさん、怪盗さん、アリスさん。ファンクラブは他の用事……時間稼ぎとか買い出しに行った。

 

「さて、やることが多いけど……まず、重要人物を呼ばなきゃ話にならないか。二人とも、覚悟はよろしくて?」

「……はい」

「いつでもどうぞ」

 

私は立ち上がって廊下に出て、先生を呼びに行こうとする。……どこいんの?

 

「ここだよ」

 

そう聞こえた方を見ると、先生がいた。びっくり。

 

「アビドスの方にお邪魔しててね……直通のワープも作ってもらったから」

「私の家がどんどん魔改造されてくことにツッコミいる?……先生、行けるようになったんですね」

「……ちょっと怖がりながらだけどね」

「それでも偉い」

 

頭を撫でる。ちゃんと成長している……

と、それより……

 

「先生、行ける?」

「……うん」

 

先生の手を引っ張って、居間まで戻る。

 

戻れば、そこにいる人の視線が先生に集まる。

 

「先生……」

 

一番最初に声を出したのは怪盗さん。

 

「……久しぶり、だね」

「……はい」

「ありがとう、モブ子達を助けてくれて……」

「いえ、先生に会うためならこのような些細なこと……これ以上、話を長くするのも良くないでしょう。先生、私は一つ提案を――」

 

「私を連れていく、でしょ?」

 

「……さすが先生。よく、お気付きで」

「あ……怪盗は、優しいからね。私を、守ってくれようとしてるんでしょ?」

「私は、価値の分からないものに、美術を独占されたくはありません。ここで、あなたを守れるのでしょうか?……問題を解決するまで……」

 

「うへ、止めといた方がいいよ」

 

さらに現れたのはホシノさん。んぐんぐ……どんどん来るな。チョコうめぇ。

 

「先生がそれで心が安らぐと思う?体を守れても、心は守れないよ、それじゃ……少なくとも、無理矢理じゃないから私達よりマシだけどねー」

「分かっています。それでも、心安らぐ場所なら」

「無理だよ、ここ以外。……ちょっと言い方を変えると、モブ子ちゃんがいないとね。後は畳かなー……君頭良さそうだし、多く言わなくてもいいでしょ?」

「……今は、諦めましょうか」

「ニュータイプの会話かよ」

 

もっとちゃんと会話しろよ。

まあいっか、次だ次。

 

「次は……アリスさん、今のところどうです?」

「……大丈夫、です」

「そうですか……ほら、一緒に行きましょ」

 

そう言って私はアリスさんに手を伸ばす。

アリスさんは手を取って、ゆっくりと先生に近づく。

 

「……先生」

「アリス……」

「ごめんなさい!アリスが……アリスが、先生を傷つけなかったら……先生は……」

 

頭を下げるアリスさんに、先生は

 

抱きしめた。

 

「せ、先生……?」

「ううん、アリスは、悪くないよ。もちろん、ケイもね」

「でも、震えて」

「はい、話はここで終わり!……モブ子なら、そういうでしょ?」

「私はな。先生はどうなんです?」

「……気持ちが伝わったから」

「……そうか」

 

私は空いてる手の方で先生の頭を撫でる。

先生がいいなら、文句はないよ。本心ならね。

 

「……」

「何だよ」

「別に」

 

どうしたんだよ地味子~、嫉妬か~?

……そういえば。

アリスさんの手を放し、先生の頭を撫でるのを止める。

 

「地味子」

「……なんで、知ってるか、でしょ?」

「……」

「分かってる、言うよ……私は「苦しそうだな」え?」

「嫌なら言わなくてもいい。重要でも、お前が言える時にでいい」

「モブ子……」

「包み隠さずいるんじゃなく、隠し事をしていても許せる。

 

それが、親友、だろ?」

 

私は拳を突き出す。

地味子はクスッと笑い、拳を合わせた。

 

「……」

「何すか」

「別に」

 

どうしたんだよ先生~、嫉妬か~?

あっ、地味子が先生の前に立った。

 

「……はじめまして。親友の、地味子です」

「……知っての通り、シャーレの先生だよ。先生って呼んでね。今はモブ子の同居人だけど」

 

なんやこいつら。

 

「あの方私達七囚人より罪じゃないですか?」

「あら、意外と上手いこと言いますね」

「ある意味先生に似てるよね」

 

そこの仮面二人ロリ一人、追い出すぞー。

 

 

よーしよし、これで問題の大半は解決したな。

後は……

 

「ミレニアム、か……」

「そ、そういえば追われていました!追放イベントです!」

「追放イベでイメージするのって例えば?」

「なろう」

「14」

「なるほど、じゃあ私はカーパルス占拠かな」

「それは……騙して悪いがだから違くね?」

「三人とも何の話をしてるの」

 

先生は普通にオタクタイプよねー。地味子も強いよなサブカルチャー。

私?最近新作来るからそれ思い浮かべちゃうんだよね……ともに壁越えと行こうじゃないか。

 

「……ともかく、今はファンクラブや私以外のアビドスの皆が時間稼ぎしてくれてる。先生のタブレットさんにも協力してもらってるしね」

「二人がいれば、電子戦で負けないはずだからね」

「へー。凄かったんだあの人ら。人か知らんけど」

「……えっ、会話したことあるの?」

「チャット形式ですけどね」

 

というか話せるようになったんすね三人とも。相談受けてたし、良かった良かった。

ワカモさんは咳払いをして、人差し指を立てる。

 

「じゃあ、どうするか、ですが……思いつくのは二つ。まず一つが逃げる、です。急なこととはいえ、こういうこともあろうかとファンクラブとわたくしが既に目星をつけています」

 

次に中指を立てる。

 

「二つ目は、ここで防衛するか。こちらのテリトリーですし、いくつかの罠さえあれば、出来ないこともないでしょう……あなた様が指揮できるのであれば、が付いてしまいますが……」

 

私達は先生を見る。

先生は瞼を少し閉じ――

 

 

「三つ目。攻めよう」

 

――目を開いてそう言った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。