なんか先生拾ったんだが……   作:紫彩

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第四話

私は一生に一度も付けないと決めていた手錠をじゃらじゃら鳴らしながら、物思いにふける。

そしてすぐやめた。あんまり悩んでなかったわ。

だけどただぼーっとするのもあれなんで、助手席の子に話しかける。

 

「聞きたいんだけどさぁ、私ってどういう風に見える?」

「……わ、私ですか!?」

「聞くな。犯罪者と話す必要は無い」

 

あら辛辣な運転手。

そう、私は今、トリニティの正義実現委員会さんの車で例の場所まで言ってます。何が正義だ性技だろ。

でも言いません。この子らは関係ないらしいしね。

 

「頼むよ……多分、最後の会話になるからさ。虫のいい話に聞こえるけど、冥途の土産にでも、ね?」

「……え、えっと……なんだか、優しそうな、いい人に見えます。ホントに先生を誘拐したとは思えない……」

「おい」

「あ、あぅ……」

「……ありがとう。そう言ってくれると嬉しい」

 

あらやだいい子。うーん、聞き方間違えたけど、とりあえず私のことは詳しくは知られてない、と……

さて、現在の装備を確認。

囚人服にも似た拘束具に手錠!銃はもちろんスーツすらない!

いやーピンチピンチ。

さて、もうやれることはやったし、集中するかね。

 

 

数分もすれば、件の場所についた。

トリニティの……よく分かりません!多分学校の裏口とかそこらへんだろ。だって正実っぽい人以外誰もいないし。

下りろと言われ、言われる通りに下り、私は連れられて、学校の中に入っていった。

コツコツと歩いていく。

長い廊下を進んで行けば、一つの扉が。

 

「入ってください」

 

その言葉と共に、扉を開けてくれるさっきのいい子ちゃん。

少しだけ頭を下げて、中に入る。

 

 

そこにいたのは、見知った顔(ツルギさん)と、ミカと同じような色を感じる、二人の少女。~正実委員数人を添えて~

 

 

……彼女達が、ね……

 

「直接会うのは初めてですね。……桐藤ナギサと申します。こちらは、百合園セイア」

「これはどうも、知ってるでしょうけど、気軽にモブ子って呼んでください。しくよろ~」

「……よろしくする気はありませんが……時間が惜しいので、早速本題に入りましょう。最後の慈悲として、あなたのこれからのことを「最後の慈悲なら、別のことを聞かせてほしい」……なんでしょう?」

「ミカ、あれはあんたらの差し金か?」

 

これだけは絶対に聞いておきたかった。

 

「……どうして、そのようなことを?」

「私の未来よりあいつの行動の意図を知りたくなった。それだけだよ」

「……いいでしょう。未来のことなど、話さなくてもいずれは訪れますから……

 

端的に言えば、違います。襲ったのは、彼女の意思であり、我々への恩恵はたまたま零れ落ちたものを、拾い上げただけ。ただそれだけです。

 

……これで、よろしかったですか?」

「ああ……ありがとう。

 

 

存分に暴れられる」

 

 

「っ!?、武器も無しに何を――」

 

「蒸着!」

 

私がそう叫ぶと、周りに立っていた正実が私に銃弾を浴びせる。

だが、その全ては全て落とされた。

 

「何……!?」

「蒸着のプロセスは0.05秒……常人じゃ目に見えないだろ?」

 

装備を持ち込んでないとは言ってない。

蒸着システム……まあいつもの便利組が一晩でやってくれました。

と言っても、宇宙からばーんと、装着することはしていない。せいぜい私がいるこの部屋ぐらいまでの距離に無いとできない……

そう、持ってたんだな、ツルギさんが。ちなみにスーツは隠せるように小型化可能に。ホントに何でもあり感増してきたな……

私は思い切り両腕を動かして、手錠を破壊する。

 

「……お前達ナギサ様とセイア様を」

「は、はい!」

 

ツルギさんはそう指示を出して、部屋からすぐに私以外を追い出した。

 

「……出た?」

「ああ」

「よっしゃ完璧。じゃ、第二段階にいきましょか」

 

私はそう言って、ガトリングをツルギさんにぶちまけた。

軽々と避けるツルギさんに願う。

出来れば優しく――あこれ無理だ!

 

 

 

 

 

「爆発音!?」

 

ヒナの隣にいるアコが、そう声を上げる。

 

「……トリニティが失敗したみたいね」

「ええ、やはり我々だけで進めた方が良かったでしょうね……すぐに援軍に行くよう指示を――」

「その必要はないわ」

「え?」

「ばんばーんっ」

「きゃっ!?」

 

アコと、そこにいた何人かの風紀委員が全員倒れた。

 

「これでよかと?」

 

やったのは、隠れ潜んでいた地味子だった。

地味子と私はそのまま倒した子達を拘束する。

 

「なんで訛ってるの?うん、ありがとう」

「モブ子の方行きたかった」

「まだ言ってる……」

「……連絡、取れたわ。私達も行きましょ」

 

ヒナのその言葉に頷き、私達三人は部屋を出る。

真っ向から戦っても、負けはしないだろうけど、確実にするならわざと捕まってから攻める。

私を保護するのはゲヘナの役割らしいから、私はゲヘナを担当、解決したらすぐにトリニティに行く。

……モブ子、それに……ミカ。

二人のことを考えながら進んでいると、地味子が報告する。

 

「もうすぐ接敵。美食家っぽい」

「……呼んだ憶えないのだけど」

「どーします?やる?」

「……悪いけど、ここはあの子達に任せよっか」

 

私はポケットにあるスマホのボタンを押す。

すると、空間が裂け、五人のメイドが現れる。

 

「お願い、C&C!」

「おう、任せとけ!」

 

五人はその先にいる美食家の元へ向かい、数秒後にはドンパチの音が聞こえ始めた。

 

「……ポケモン?」

「どっちかというとデジモンじゃない?」

「ギュインギュインギュイーン」

 

そんなことを喋りながら、目的の場所まで向かう。そこは……

 

「来るぞ」

 

 

「ストーップ!」

「何がしたいのか分からないけど、いかせないよ。先生」

 

 

……その前にこの子達か。

 

「便利屋、68」

 

 

 

 

 

「キィィィヒャァァァアアア!?」

「怖い怖い怖いって!」

 

バリア、回避、牽制、それらを使って接戦に見せてます!嘘超やばい!

 

「んのっおおお!?」

 

どっからかスナイパーに狙われたんだけど!?

 

「……来たか」

「ツルギ!」

「よしっ、来たkおっぱ!?お、おおおっぱ!?

 

あれもう凶器だろ!?

私が固まってる隙に、正実に囲まれてしまった。あ、さっきの子もいる。

 

「あなたがすぐに倒せないとなると、中々の敵ですね……先生を攫った、犯罪者……!」

「やーん酷い言い方」

「事実でしょう!」

「事実じゃねえよ、っと……ちょっと我慢してな?」

「っ、総員、射撃開始!」

 

私に、さっきとは比べ物にはならない程の銃弾の雨が降り注ぐ。

 

 

だが、それは私から発した光に遮られた。

そして、近くの人を含めたものは、強く押し出されるようにして吹っ飛ばされた。

 

 

「がはっ……な、何が……」

「後で話は聞く。少し寝ていろ」

「え……?ツル……ぎ……」

 

ふぅ……これまんまアサルト……まいっか。

 

「なんか、申し訳……いや犯罪者にそんなこと感じないわ。ツルギさんは大丈夫でした?ちゃんと隠れました?」

「耐えた」

「耐えた」

「……それを使うと、当分バリアが張れないと聞いた。大丈夫か?優秀なスナイパーはもう一人……」

「ん……やっておいた」

 

お、クロコさん。やめろぉナイスぅ。

 

「他もいないはず……次はどうするの?」

「正実がもし潰れてしまっても、まだ二つ、行動できる奴らがいる」

 

 

ガンッ!っと何かが落下する音が聞こえた。

 

 

その方を見てみれば……盾を持ったナースさんでした。デッ……!?

 

「戦闘能力は高くない……が、あの人は例外だ」

「……殺菌、消毒……治療を開始します」

「あれナイチン「下ネタはよくない」言ってねーよ!」

「他にも、いくつかの部が援軍に来たが……」

「そこはミレニアムの、ゲーム開発部やエンジニア部とかが何とかしてくれる、でしたよね?」

「ああ。シスターフッドも救護騎士団も、ワカモ達が相手をしている……後ろか」

 

後ろを見てみれば、シスターさんの集団が。

 

「ワカモさんが相手してるって話はどこいった」

「何人か取りこぼしたみたいだね……ここは任せて。例の場所で、受け取ってきて」

「うっす……気を付けて」

 

クロコさんは言葉を返さず、手を軽く振って答えた。

 

 

 

「なぜ、正義実現委員会のあなたが……!」

「……理由を話すのは容易い、だが……それをしないのは理由がある。先生が、言い広めないようにと頼んできたから。そして……暴れる方が得意だからだぁあ!」

「くっ、皆さん、構えて!」

 

 

 

 

 

「通信が、途絶えた……?どういうことですか!」

「そ、それは……その……」

「ナギサ、落ち着きたまえ。その子は何も知らないようだ、問い詰めても意味が無い」

「……そうですね。申し訳ありません、掴みかかったりしてしまって……」

「い、いえ、大丈夫です」

 

ゲヘナとも連絡が取れない、となると……先生の身が危ない。

仕方ありません。ゲヘナとの騒動が起こるかもしれませんが……

 

「アリウススクワッドの皆さん、出番です」

 

そう呼べば、陰から現れる四人組。

 

「……ようやくか」

「今すぐゲヘナ側に赴き、先生を確保してきてください。一刻を争います」

「分かった。行くぞ」

 

簡潔に話を終わらせ、向かわせる。

 

 

「待ってください」

 

 

ところに、愛おしい声が聞こえた。

 

「ヒフミ、さん?」

「……ナギサ様」

 

その目は、その声は、一度も向けられたことのない、とてつもない怒りと悲しみで染められていた。

 

「どうして、ここに?まさか、協力を……」

「そのような雰囲気じゃないのは見れば分かるだろう。……何の用だい」

 

ヒフミさんは瞳を閉じ、開いた。

 

 

「あなた達を、止めに来ました」




ビバ、前半戦!ビバってどういう意味!?
皆!どんどん感想で、「――出て無くない?」とか言うんだ!
高確率で作者が忘れてるからね、出た分は大体出すからね!
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