なんか先生拾ったんだが……   作:紫彩

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第五話

私達の前に立ち塞がるのは、便利屋の四人。

アル、ムツキ、カヨコ、ハルカ。

ヒナと地味子が庇うように私の前に立つ。

 

「……久しぶりね、先生」

 

そう言ったのは、アル。

……とても、哀しそうな、顔をしている。

 

「うん、久しぶり。元気に……してたかな?」

「……そうね、先生がいなくて、寂しかった。そういう気持ちはあるかもしれないわね」

「思ったより、素直に教えてくれたね……ごめんね」

「世間話はこれぐらいにして、本題に入らない?」

 

カヨコがそう言って、眼を鋭くさせる。

 

「聞きたいのは、なぜ先生が動き回って、風紀委員長が暴れまわってるのか……どういうつもり?」

「……どうするの?陸八魔アル」

「わ、私?」

 

ヒナはその問いを無視して、アルに話しかける。

 

「別に、私はあなたと敵対しても構わない。けれど……それでいいの?あなたは……」

「アルちゃんに変な事吹き込まないでくれる?」

「殺します殺します殺します……」

 

上から爆弾、前から散弾が飛んでくる。けど、

 

「ほいっ」

 

地味子の放った弾丸が、花火を起こしながら、ビリヤードを発生させた。

 

「何今の?」

「早撃ちで爆弾を破壊しながら散弾をビリヤードと同じ要領で弾いた。流石に数発撃たないと厳しいけど」

「……ヤバいわね」

「へぇ……中々やるじゃん。でも、先生を守りながらは難しいんじゃないかな?」

「先生が怪我しても別に……」

「割と淡白。結構真面目に守ってほしいかなって……」

「なら、先生の役割をしてくれ。今んとこ、ただの囚われやすい姫様でしかないからな」

 

うっ、否定できない……

なら……

 

「アルは……聞いたんだよね、私の、いろいろなこと」

「……ええ、嘘で、あってほしかったけど」

「本当は、駄目だって、もうやらないでって、叱らないといけないんだろうけど……最近、私もいろいろ学んで、知ったから……繋ぎ留めたくなるのは分かる」

「アル、聞いたら駄目」

「だから……君達のリーダー、アルが決めて?あなた達のあり方を……あなたが、思ったままでいいから」

「アルちゃん……」

 

アルは、瞳を閉じ、悩んだ顔をする。

その状態で、辺りはアルと同じように硬直する。

永遠に続くと思われたその時間は、実際には数秒で終わった。

 

「……先生、あなたは……仲間は、友達は、どう一緒に生きるものだと思う?」

「私は……一緒にばか笑いして、一緒に悩んで、たまに喧嘩して、道を分かれて……うーん、一言じゃ無理かな。だから今、必要かもしれない言葉は……

 

間違いを間違いだと、指摘できることかな」

 

「……そう」

 

アルはまた、哀しそうな顔をして、真上に一発、線を放った。

 

「部下の失態は、上司が拭う。そうよね」

「アルちゃ「命令よ。これ以上動かないで」……」

「……見逃す気?」

「ええ。そこの委員長から、正式な依頼も出てることだし……

 

だから、その銃を下ろしなさい、カヨコ」

 

「!?」

 

アルの後頭部にハンドガンを向けていたカヨコはすぐにトリガーを引こうとするが、アルは右手のスナイパーライフルで払って回避する。

 

「……ねえ、空崎ヒナ。誰かのせいで、こうなってるって信じていいの?」

「ええ。だから……」

「責任を取るわ。だから、行きなさい」

 

アルは一人で、三人に立ち回る。

 

「絶対に、アルちゃんとだけは戦いたくなかったんだけどな」

「……でも、先生も諦められないから」

「アル様っ……ごめんなさい……!」

「……すぐに、元に戻すから」

 

私達は脇目も振らず、走っていった。

彼女の想いを、守るために。

 

 

 

「ところで誰かのせいって何の話?」

「えっ、ファンクラブから聞いてないの?」

「え?」

「え?」

「ホウレンソウちゃんと食べてんのあんたら」

 

え?

……と、とりあえず、目的の場所まで行こう。話は終わった後で……

その時に、通信機が鳴る。C&Cだ。

走りながら私は通信に出る。

 

「もしもし、どうしたの?」

『例の奴らはやったぞ。後はどうする?』

「地味子、C&Cの近くに誰かいる?」

「あー……部隊が何隊か……ヒナさんとこのだと思います。今皆さんがいるとこ、アスナさんの見てる方に二部隊、トキさんの方に三部隊います」

「なら、多分まだ混乱してると思うから、少ない方から倒して、その後に三部隊お願いするね」

『分かった。……やべえな、人力ソナーかよ』

「凄いでしょ?」

『あたしが手放しで褒めるくらいにはな』

 

そこで通信が終わる。

そうそう負けることはないだろうけど、早く終わらして援護に行きたいな。

その前に、やることをやらなきゃね。

 

 

 

「たのもー!」

「もー!」

「牛?」

 

地味子、私、ヒナの順でとある部屋に入る。

そこには、三人の人影があった。

 

「来たか」

「……先生」

「こんにちは!」

 

マコト、イロハ、イブキ……

 

「あれ?一人足らないような……」

「気のせいじゃね?」

「そうかなぁ……」

「何の話をしているんですか。……そんなことより、風紀委員長共々私達に何用ですか?」

「キキキ、ついに「万魔殿を抑えて多少の戦力を削ぎに来た」話を聞けぇ!というか多少とは何だ多少とは!」

「だって……うちの生徒ですら知らない人多い奴ら抑えてもね……一応、他にも理由があるけれど」

「何だ」

 

 

「そこのもこもこに先生が無理矢理犯され「シャラァァァップ!!」うわびっくりした……」

 

 

急にマコトが大声を出したかと思ったら、イブキの耳に手を当てた。

 

「なになに?マコト先輩どうしたの?」

「イブキ!聞こえるか!?」

「聞こえてない!」

「よし!」

「何が?」

「いいか!?急に犯すだのなんだの言うな!イブキの教育に悪いだろうが!殺すぞ!」

「殺すぞも教育に悪いだろ」

「その教育に悪いことをあなたの部下がやってるんだけど?」

「……は?」

 

マコトはすごい勢いで横のイロハを見る。

 

「……お前、え、お前……え……?」

「……なんですか」

「なんですかじゃないぞ、いくらゲヘナが自由だからってそれは……」

「風紀委員だってやってることですが?」

「は?」

「私はやってない。横乳と眼鏡と褐色」

「名前をついに呼ばなく……」

 

ストレス、抱えてるんだね……今度何かしてあげよう……

 

「えっ、風紀……はっ?……」

 

マコトが混乱したような顔をしてフリーズ、そして、次に喋ったのは

 

 

「自由ってなんだ……?」

 

 

だった。哲学……

と、ともかく、これで解決……でいいの?

 

 

 

 

 

いろいろ解決するために、奔走していると、とある光景が目に入る。

……少し、見ていきましょうか。

 

「ヒフミさん……止めに来た、というのは……」

「言葉の通りです。先生の所にはいかせません」

「な、何故ですか!?」

 

正実に守られるようにして立っているナギサが、そう声を上げる。

……ティーパーティーが二人、アリウススクワッドが四人、雑兵が三人……さて、どういたしましょう。

 

「いい事じゃないか、先生を保護しに行くのは。何か不都合でも?」

「……もうこれ以上、私のような人を増やしたくないんですっ……!」

「ヒフミさんのような……?」

 

これは……少々マズいですか。

天井をぶち破り、雑兵三人を格闘で気絶させる。

 

「なっ!?」

「災厄の……狐!?」

 

アリウススクワッドはすぐに戦闘態勢に入り、わたくしに銃口を向ける。

 

「もう、あまりそれを広められると困るのですよ?」

「す、すいません……」

「まあ、聞かれては駄目な者は既に気絶させましたから、お好きなようにしてくださいませ。一応、お守りしますので」

「……はい。ありがとうございます。……あなた達は先生を捕らえて、どうするつもりなんですか?」

「捕らえて、とは……違います、先生を助け「何がっ、助けるですか!」っ、ヒフミさん?」

 

「先生を襲い、傷つけ、苦しませた……あまつさえまた同じ悲劇を繰り返そうとしているっ……!」

 

「……な、ぜそれを……まさかっ!」

「おや、わたくしを睨むとは、不愉快。……ですが」

 

何かが後ろから投げ込まれる。

そして、一瞬辺りが光に包まれた。

ファンクラブ製のこの面で、わたくしには被害無し。

すぐさまアリウススクワッドに近づいて、どんどん投げていく。格闘が得意になってしまった……

さ、そこの二人は任せましたわ。

 

 

 

 

 

私は目を瞑りながら走る。

そして、飛び込む。

 

「きゃっ――」

 

今の状態は、倒れているナギサ様に馬乗りになる、私。

もうこれ以上、誰の涙も、後悔も、苦しみも見たくない!

 

「目を覚ましてください!」

「ひ、ヒフミさ…………ですがっ、先生を手に入れ、私達に引き込めば、全てッ良くなるのです!だからお願いします!私達を信じてください!」

「……~っ、このっ!

 

 

 

最低っ!

 

 

 

そんなわけありませんっ!先生を襲って、犯してっ、そんなことで来てくれるはずがありませんっ!私達、犯罪者がするべきことは一生をかけて償うことなんです!なのになんで、どうしてそれが分からないんですかっ!」

 

 

「……分かった。我々は投降しよう」

 

 

後ろから、そう聞こえた。

セイア様だった。

更にその後ろには、ハナコさんが。

 

「もっとごねられるかと思っていたのですが……」

「何、未来が見えなくとも、こうなるだろうとは思っていた……また、失敗したのだな」

「……全部が全部、セイアちゃん達のせいじゃありません。また、誰かの……」

「誰かの仕業としても、やってしまったのは事実だし、やってしまいたいと思ったのも事実だ。……気付いていたはずなのに、どうして止められなかったのだろうね」

 

セイア様……

 

「あと申し訳ないが、早く応急処置をしてやってくれ」

「え?」

 

「ナギサが泡を吹いている」

「ゴポゴポゴポ……」

 

「あっ、あー!?死なないでくださいっ!ナギサ様!?ナギサ様ぁー!」

 

 

 

 

 

ふっ、はっ、と……流石に、特殊部隊はお強いっ……!

 

「退けっ、災厄の狐っ!」

「断り、ますわ!」

 

いやはや、困りました。他の相手もしなければならないというのに……おっと。

飛び上がって足元の地雷を回避する。

そして、それをすぐに撃ちぬいて爆破させる。

 

「……別に地雷を置くのは構わないのですが、当ててくださいます?」

「本来は一人で行う予定だった。そっちが悪い」

「そうですか……」

 

私は隠れていた白髪の少女に声をかける。

 

「アズサ……」

「……私は喋るのは得意じゃない。だから、戦闘で止めることしかできない。……でも、一つだけ。助けてもらった先生を襲うのは、間違いなのは分かってるはず」

「……そうだね。その通りかも。でも……」

「姫」

「欲しいものは、欲しいから」

 

はぁ……

 

「あほらしい……奪うだけでは、手に入らないのですよ?」

「……そうかもね」

 

 

次の瞬間、上空から無数の爆弾の雨が降り注いだ。

 

 

「ミサキ、よくやっ……まだだ!」

 

しかし、それはわたくしのバリアによって全て防がれた。

 

「……はぁ……これ、使う気はなかったのですが……」

「姿が変わった……!?」

「……撃てっ」

 

遠くから放たれた対物ライフルは、頭を捻るだけで回避する。

 

黒かった和服は、白に染まり、両腕には一門ずつのエネルギーを撃ち出す砲門が。

 

「それは……?」

 

アズサさんが、そう疑問の声を上げる。

 

「……おバカな知り合いが、最初の頃から世話になったからと渡してきたプレゼントです。全く……先生も監修したから受け取りましたが……これそのまんまギー……まあいいでしょう。行きますわよ」

「あ、ああ」

「……ここからが、ハイライトですわ」

 

これ言いたくなってしまうのどうにかなりません?




マコト、ギャグキャラにしてごめんな……よく分かってないんだお前のこと……というわけでマコトとイブキはセー……イブキはまだ分からない?

やっと……破壊できたね……ナギサ様……

あと私は結構贔屓しちゃう……やばいやばい、でもちょっとこの後のあれやこれを考えると強化しておきたかった嘘見たかっただけ!二次は自由なんだよっ!
真っ白ワカモも良いと思うの!
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