なんか先生拾ったんだが……   作:紫彩

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皆……久しぶり!

いやホント申し訳ございません……
いろいろリアルがバタバタしていまして……
完結させるつもりはありますので!どうか、どうか気を長くしてお待ちしていただけるとありがたいです!


第一話

「クソっ、がっ!」

 

地味子が()()にリボルバーを乱射するが、全て彼女に当たる前に遮られる。

お返しにと言わんばかりに右手のエネルギーガトリングを地味子に浴びせかける。

 

「させないっ!」

 

だがヒナが地味子を掴んで遠くへ跳んだことで被弾せず済んだ。

避けられ、そのまま飛んでいった光の弾丸は壁に当たり、壁をチーズのように穴だらけへと変えた。

 

「なんて火力……!」

「強化されてやがるな……しかも」

 

ネルは()()に両手のサブマシンガンを撃ちまくる。

()()は一切避けるそぶりを見せず、弾丸は全てバリアによって防がれた。

 

「一切減衰しないバリア……厄介だな。どうする」

 

そう言って舌打ちを打ったネルの横にワカモが現れる。

 

「……一応、案があります」

「なんだ?」

「武器を交換してくださいませ、ダブルオー」

「……そういうことか」

 

武器を投げて交換した二人が跳び、()()へ近づいた。

ワカモはサブマシンガンをばら撒きながら()()の周りを回るようにして走る。

()()は少しも動かず、ワカモを追うようにしてガトリングを撃つ。

ワカモの弾丸は変わらずバリアに防がれ、()()の光弾は軽やかに避けられ、互いにダメージは入らない。そのまま拮抗状態になるかと思われたその瞬間、()()の真上に一つの影が落ちた。

 

「――おらぁ!」

 

ネルが()()に突き立てるようにしてライフルを振りかざしていた。

だが、ネルすらもバリアによって()()に当たることは無かった。……が、しかし。

 

 

先についていた銃剣だけは、それを突き破っていた。

 

 

「よっ、しゃぁ!?」

 

()()はその銃剣を掴んで、ネルごと大きくぶん投げた。

ネルはワカモに援護されながら、空中で態勢を整えて着地する。

 

「何やってるんですかっ」

「しょうがねえだろ、通せたとはいえ馬力が段違いだ。それに、反応速度もな」

「チッ、面倒ですわね」

 

二人の近くに、ヒナと地味子が近寄る。

 

「……で、止める策は思いついた?」

「さっきまで離脱していた人たちが考えてくれませんかね?」

「だって地味子」

「オメーも考えんだよ!……とりあえず、殴るほかないんじゃないか」

「だな。

 

……先生」

 

ネルが私に話しかける。

 

「行けるか?」

 

私は、息を吸い込んで、吐いた。

 

 

「行くよ、戦闘準備!」

 

 

 

 

 

 

 

遡ること、数十分前。

私、リオ、ヒナ、ナギサ、黒服の五人はミレニアムの会議室に集まっていた。

黒服が周りを見渡し、声を出した。

 

「……全員、揃いましたか。では始めましょう。まずミレニアムの方から」

「時間が無いから簡潔に。まず初めに言ってしまうと、我々ミレニアムの力を持ってしても見つけ出すことは出来なかったわ。キヴォトスの全てをハッキングしても駄目だった」

「我々トリニティも、尽力しましたが……」

 

なるほど、ミレニアムとトリニティはダメだったと。

 

「じゃあ、ヒナ、ゲヘナは?」

「同じような感じ。索敵が得意な子が多いわけでもないしね」

 

そっか、やっぱり……

 

「そっちも駄目だったよね、イズナ」

「はい、申し訳ございません……主殿……」

「びっくりした、どこから来たの今の子」

「気にしないで、大丈夫」

 

と言っても、ね……大丈夫じゃないのは私だろうけど。

そう考えていると、扉が開いた。

 

「悪い、遅れた」

「帰りましたわ」

「地味子、ワカモ!どうだった?」

「……ま、見ての通りだな」

 

二人以外に誰もいない、ということは……

 

 

「やっぱり、モブ子はキヴォトスではない別の場所に連れ去られた……」

 

 

モブ子はヴァルキューレのあの後、消息を絶った。

忽然と、なんの痕跡も残さずに。

それを知ったカンナはいろんな意味で死にかけたけど、私達が何とか落ち着かせることで事なきを得た。

もちろん、私も焦りそうになったけど、それでは助けられないと考えて自分を落ち着かせた。

 

「黒服、何か分かった?」

「……ほとんど考察のようなもので良ければ」

「構わない。こういう案件はそっちの方が得意でしょ」

「ありがとうございます。……まずはモブ子さんの消息の前に、皆さんのことを」

「わたくし達、ですか?」

「ええ、正確には感情のまま動かれた方達のことです。私達ファンクラブは最初、あの状態を引き起こし、キヴォトスを混乱に陥れることが目的だと考えていました」

 

その言い方だと、違うってこと?

 

「しかしそれならば、その状態を解除したのか……いずれにせよ、それが目的ならまだ解除するには早計です。ならば、本来の目的は何か……」

 

「負の感情を集める、か」

 

「流石地味子さん、耳が早い」

「負の感情を?どういうこと?」

「恐怖、神秘……我々はそれらの研究をしているのは知っていますね?その過程で、とある実験を行おうとしていました。

 

 

それが、感情を一人の体に集約させるというもの。

 

 

最終的には我々の求めるものとは違うという結果になり、お蔵入りになりましたが……」

 

……まさか、ということは!?

 

「モブ子の体を使って、それをしようと言うの!?」

「私が考える犯人通りであれば、可能性は大です。実際、どうなるかは私にも分かりませんが……」

「では、その犯人っていうのは誰ですの?」

 

それはきっと、いや、必ず……

 

「……我々の、元同胞でしょう」

「同胞?たしか、ゲマトリアとかいう組織だったかしら」

「ええ、詳しい説明は省きますが、その者は我々の中でも、まあなんというか、あれでして……」

「あれて」

「そして最後に、モブ子さんを連れ去った方法、それを話したいと思います。杭に刺されたことは憶えていますよね?」

 

もちろん、忘れるわけがない。

 

「あれには刺したものに通信機に似た状態を与えると、我々は考えました。そして、そのものの近くにワープすることが出来ると」

「なるほど。つまりそれを使って、一人になるタイミングを見計らって、連れ去ったと」

「そういうことです、リオさん」

 

そこでナギサが一つ質問の声を上げた。

 

「ではなぜ、杭状に?しかも、バレるようにして……連れ去るなら、もっと隠れた方がよかったのでは?」

「……なるほどね、そこで、負の感情、か」

 

ヒナが分かったようにそう言葉を溢す。

 

「先生の負の感情も、掠め取るつもりだった、ということでしょ」

「そういうことでしょう」

 

なるほど、だから……

 

「なあ、最後に質問いいか?」

「どうぞ、地味子さん」

「もし負の感情を入れた場合、どうなる?」

 

黒服は一呼吸置いて、言葉を放った。

 

 

 

「人ではなくなるでしょう」

 

 

 

私は声が出なかった。

 

「もっと具体的に言えば、他者の感情を入れるため、体や精神、そして神秘にも異常がきたすでしょう。……もし保てば、傀儡として、動かせることでしょう」

「……あの杭は元々、ミカを狙っていた。あいつは体も神秘も強い。精神が弱いだろうが、逆に操るとならば好都合だ」

 

逆に、モブ子は体も神秘も普通の筈。精神は強いだろうけど……

 

「急いで探さなきゃ、どうなることか……」

「だがキヴォトスにはいない。外か、もしくは感じ取れない場所にいる。見つけるたってどうする?」

「そのための会議の筈なんだけれど」

「ごもっとも……」

 

ファンクラブの力があれば、別のどこかを探すことは出来そうだけど……

 

 

そう考えている時だった。

 

 

「――何か来る!」

 

 

地味子がそう叫び、ワカモとヒナが戦闘態勢に入った。

 

「どこから!?」

「外から感じるっ!間違いなく敵の雰囲気だ!」

「まだ外なら、私達から向かおう。ここじゃ戦いづらい」

「分かった。ナギサはすぐにトリニティに戻って皆をすぐ動かせるようにして」

「分かりました!」

「リオ、ネルを呼んだ後、避難指示を出して」

「分かったわ」

「イズナ、リオの指示に従って」

「しょ、承知しました!」

「黒服、皆のサポートよろしく」

「お任せを。……皆さん、お気を付けて」

 

黒服の言葉に頷き、私達は駆け出した。

 

 

 

 

 

そして、現在。

私達はミレニアムの街中で()()と戦っていた。

 

『おいっ、あれは……なんだ!?』

『……私達の、敵だ……!』

『だけど、()()は……!』

『っ、来ます!』

 

ネルと合流し、そこに佇んでいた()()を直視した直後、()()は襲ってきた。

私達は焦りながらも、応戦した。

 

「よう、見ないうちにイメチェンでもしたのか!?そんな、特に味覚がね……駄目なんだよって言いそうな仮面付けやがって!」

 

地味子がそう言葉を投げかけるも、()()は言葉を放たず、光弾を放つ。

 

()()の体は、まるで機械だった。

まるでというより、実際そうなってるんだろう。

首から下は、完全に人としての姿が無い。サイバーな四肢が鈍い銀色に輝いている。

首から上は、見慣れた見慣れない顔が、そこにあった。

髪は伸び、綺麗な茶色はくすんでいた。

 

「あなたはもっと、面白い動きをしていたはずですが、そのシステムを組まれたような動きはなんですっ、の!」

 

ワカモが地味子の援護をしなからそう叫び。

 

「それに、もっとうるさくてっ!」

「馬鹿みてえに明るかったはずだろ!」

 

ヒナとネルが息の合った格闘と共に言葉をぶつける。

だけど、どれにも引っかかることなく、()()は、ガトリングを全方位へ飛び散らした。

 

私は、周りを見渡した。

火が至る所から燃え上がっている。

それを起こしたのが、目の前の()()であると、まだ信じられなかった。

 

 

私は、()()の目を見る。

無表情、おそらくそうなっている彼女に私は叫んだ。

 

 

 

「こんなこと、望んでないでしょ……だから、早く、起きてよっ……

 

モブ子!

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