ブルーアーカイブ 外伝『カナン秘密協定』編   作:清姫

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 ブルアカしてたら書きたくなっちまったよ。

 誤字脱字はご愛敬。


大切な贈り物

 月曜日。

 即ち、学校が始まる日。 

 

「ミゾレ先輩はああ言ってたけど、学年が違うからずっと一緒に居るって訳にいかないの。だから、授業中は貴方と同じクラスの子に任せるからその子達の目の届く所にいて」

 

 相変わらず目を合わせてくれない同居人の影を追いながら、彼女の言葉に耳を傾けていると急に止まったのに反応出来ず、ぽふっとミカの背中に衝突してしまう。

 

「ごめんなさい」

 

 ムッとした顔を向けらるとため息を吐きながら、ポケットから取り出したモノを差し出してくる。

 

 これは僕の学生証と......ペンダント?

 学生証は分かる。

 前の晩、「お金入れておくから渡して」と言われ渡したからだ。

 でももう一方のペンダントは?

 

 「早く受け取って」と仏頂面を向けられたから受け取ったが意図が分からず、暫くそれを眺める。

 

 銀色の十字架のペンダント。

 何の変哲のないシンプルなモノだ。

 

「GPS付きのペンダント。近くに必ず置いておいて。もし、私がいない時それの位置が少しでもおかしい所にいたら、直ぐに正義実現委員会が動くから」

 

 またぞろ僕が自治区外へ遠出に行かないようと監視と人物保護の為だろう。

 要するに首輪だ。

 でも、これって見方を変えれば贈り物になるんじゃ?

 どうしよう、初めて人からモノ貰っちゃった。

 

 もし何かの拍子でうっかりペンダントを失くしたり、盗まれたりした時の事を想像すると小さな首飾りがドッと重くなると同時に、生まれて初めての贈り物に心の底から何かが込み上げてくる。

 

 

 

 

 

「え? 失くした?」

 

「はい。ご、めんなさい」

 

 体育が終わった休憩時間、僕は隣の席に移動してきたミカ役の生徒に頭を下げていた。

 最悪だ。

 先生ロボットに授業に関係ないものだからと指摘され、制服に仕舞っていたのが悪かったのだ。

 もしあそこでミカやティーパーティーの名前を出していれば......いや、今言っても意味のない事。

 幸いにも目星はついているし、直ぐにミカに報告すれば――

 

「この事は誰にも言わないで」

 

 え?

 

「今なんて......」

 

「こんなこと知られたら私の責任問題になる。わ、私が何とかしてみるから誰にも言わないように」

 

 青白い顔で、目を合わせず震えた声で端末を出す生徒。

 僕でも分かる悪手に思わず声に出すが。

 

「でも、ミカさんに言え「絶対にダメ!」ッ!?」

 

 肩を掴まれ、ひと気のない廊下へ押し込まれる。

 

「もしミカ様に知られたら私のせいになっちゃうじゃない! そうなったら、良くて降格悪くて派閥から追放。それとも何? 私を陥れたいの!?」

 

 イタッ!

 

 この世界の生徒は身体に見合わない身体能力を有している。

 そんなだから目の前の僕と同じくらいの大きさの生徒でも、骨が軋む程の握力を持っているのだ。

  

 肩の痛みと間近くで決起迫った表情を目の当たりにし、気圧され上手く声が出せない。

 感情の炎が冷水によりかき消され、代わりに負の何かが胸の中から溢れだす。

 

「あ、あのでも」

 

 だがしかし、今進もうとしている先には悪い未来しか見えない。

 だから、勇気を出して言葉を絞り出すが。

 

「しつこいのよ! 大体、あんたのせいでこうなったんじゃない!! これだから――」

 

 ――穢れものなんかと関わり合いになりたくなかったのよ!

 

 彼女そう言い残し、何処かへ行ってしまった。

 

「......」

 

 残された廊下で一人。

 吐き捨てられた言葉を噛みしめ、視線を落とす。

 

 穢れもの。

 転校して幾度となく、言われたその言葉は最早心に刺さる程でもなくなっている。

 

 僕が此処までいじめられる理由。それは、僕の前に居た学園にあるのだ。

 まだ、トリニティが存在しなかった頃、まだ各学園間の争いが絶えなかった時の話だ。

 ある時、武力をもっての争いを避ける為話し合いが開かれた。それが『ティーパーティー』であり後にトリニティの生徒会の名前になる会議の名。

 そして、当時ティーパーティーの中心だったのがデウス学園だ。

 

 戦えば連戦連勝、武力は勿論知略にも長け、文字通り向かう所敵なし。

 それらをまとめる生徒会長は、今でも他校の教科書に載っている程の傑物であり文武最強で知られ。

 

 

 ......そして、誰よりも平和を愛していた。

 

 

 

 会議を開こうと提案したのはデウスの生徒会長なのだ。

 

『銃ではなく話し合いを』

 

 両の掌を見せながら彼女は訴えた。

 だが、帰って来た答えは一発の銃弾だったのだ。

 トリニティ学園がもう目の前という所で彼女は撃たれた。

 

『デウスに実権は渡さない』

 

 彼女らにはデウスに吸収されたように見えたのだろう。

 結局、他の学園は赤の他人も同然、真意なんて分かる筈もない。

 

 それからだ。

 ありもしない罪をかけられた。

 元デウス学園自治区は割譲を強いられ。

 ある者は追放され、ある者は『正義実現委員会』と名ばかりの奴隷同然の戦闘員にされ、またある者は不利な立場に追い込まれた自分の意思で出て行った。

 

 元々曲者揃いの集団だ。

 幾ら個々人が強くても柱だった生徒会長を失えば急速に力が弱まるのも必然。

 どうしようもなかった。

 

 それからは、今と同じだ。

 デウスはトリニティから卑下の目で見られている。

 逆もまた然り......。

 

 だけど、僕はこの関係を断ち切りたい。

 その為に僕はこの学園に来た。

 

 

 

 

 

「探さないと......」

 

 彼女はああ言ったが、初めて貰ったもの。

 怒られる云々は置いておいて、あれは取り戻したい。

 

 となれば、話は早い。

 件の彼女らに聞けばいいのだ。

 

「あの」

 

「?」

 

 ちょうど、目の前を通った生徒。

 昨日自販機前で絡んで来た人達。

 

「わ、私のペンダント」

 

 ペンダントと言う単語が耳に入った瞬間、彼女は口元を手に隠しながらクスクスと笑う。

 

「あら、なんのことかしら?」

 

「返してください」

 

「耳が聞こえないの、何のことかしらって言ってるのよ。私は知らないわ」

 

「お願いです返して下さい」

 

 頭を下げ、懇願するが以前と不敵な笑みを浮べるばかり。

 

「返して欲しいの?」

 

「はい」

 

「じゃあ、付いてきて」

 

 端末を取り出し、どこかに連絡を取りながら歩き出す彼女の後ろに付いて行く。

 今は、それ以外選択肢がないからだ。

 

 侮蔑の視線を向けられながら時折陰口を耳にしつつ付いて行った先には一つの倉庫があった。

 

「この中よ」

 

「......えっと」

 

 顎をしゃくり上げ、開いた扉をさす。

 

 おかしい。

 明らかにおかしい。

 こんな面倒な所に隠す訳ない。

 

 それが分かっているのに。

 

「早く」

 

「は、はい」

 

 彼女の圧に耐えられず、言われた通り中へと足を進める。

 何もない筈と、あり得ない程楽観的思考で扉をくぐると。

 

「本当に馬鹿ね」

 

「ッ!?」

 

 突き飛ばされた。

 扉は閉まり、閉じ込められる。

 一瞬暗くなり、明かりが点いたと思ったら、陰から出て来た他の二人の生徒達が僕の方ににじり寄って来た。

 

 マズい、早く逃げないと。いや、もう間に合わない銃で牽制して――。

 

 咄嗟に、手を腰に当てるが。

 

 武器がない。

 

「ヴッ!」

 

 リーダー格の生徒の足が腹部を捉えたは僕の鳩尾深く沈み込む。

 刹那の間、体温が急激に下がったと思ったら眩暈、それと共に波のように怒涛の痛みが患部から身体内に広がってゆく。

 

 痛い、気持ち悪いよ。

 大人に蹴られた時より、力が強い。こんなの何回もされたら僕......。 

 華奢な少女からは想像つかない程の力に、全ての感情が吹き飛び、その場腹を両手で庇いで蹲る。

 

「ウッ......オエッ!」

 

 自分から出たとは思えない呻き声、腹圧が上がり上って来た胃酸は否応なく食道を突き抜け口から外へ吐き出された。

 

 クラクラする......しんどい。

 

「貴方のせいで私達は減点をくらってしまったのよ」

 

 痛がる僕を気にする様子はなく、淡々と吐き捨てつつ近づいてくる。

 

「ゴホっ! ゲホ! ......ぺ、ンダントは?」

 

 霞が掛かった意識の中、震える両手で自身を抱きしめながら何とか攻撃を受けないように間を作ろうと口を開く。

 

「あの分不相応なペンダント? 町に居たごろつきにくれてやったわ。確かゲヘナに行くとか言ってたわね」

 

「......そんな。ッ!」

 

 顔に痛みを感じたと思ったら、気付いた時には鼻から血を流し仰向けに倒れていた。

 髪の毛は扇上に広がり、鼻から絶えず溢れる血で白い髪が赤く。

 

 痛い、いたい、イタイ。

 

 「やめてください」切なる言葉は暴力の音に掻き消され、彼女達の耳には聞こえおらず。髪を掴まれ、羽根を毟られ、終いには制服を敗れるまでボロボロにされる始末。

 

「むかつく! むかつく! むかつく!」

 

 あれ? ここは......。

 何度も意識が飛んでは、痛みにより引き戻され時間の感覚が狂いだした頃。

 

「ほんっと憎たらしい。――でも、顔は意外と良いわね」

 

 身体中が痛く、首を動かす事が出来ない。

 彼女らの言葉は聞こえているが理解はしていない。痛みがなくなったことに気持ちが集中している為右から左に流れてしまったのだ。

 普通なら、殴られても言葉の理解ぐらい出来る筈。

 だが、今の自分はそうなっても仕方ない程のダメージを負っていたのだ。

 

 三人の中の雰囲気が変わる。

 

「え? 貴方まさかこいつと?」

 

「幾らこれでも、一応あそこの生徒だし」

 

 取り巻き二人は何のことか分かっているようで、手で上品に口元を隠しながら困惑気にポツポツ言い合っている。

 

「何? 貴方達まさか怖いの?」

 

「「......」」

 

 リーダー格の生徒は期待していた反応とは違い、不服そうに顔を顰めると汗で張り付いた髪をかきあげ、腰のホルスターから銃を抜く。

 

「貴方、私達生徒が銃弾を当たったら危ない箇所はご存じ?」

 

「......」

 

「鼓膜が破れて聞こえないのかしら!」

 

「イッ!」

 

 口が切れた。

 何て言ったから分からないけど、痛いのはもうイヤだ。

 

 首を縦に振り、相手の顔色を窺う。

 

 口端を上げ、「そう」と満足気に言う。

 

 良かった、機嫌よくなっ――。

 

 笑うとスライドを引き初弾を装填。

 足で蹴るように仰向けにさせると、その上に跨り下腹部に銃口を押し当てながら言う。

 

「え? あ......」

 

 頭が真っ白になる。

 撃たれても、大したことがないキヴォトスに置いて拳銃は豆鉄砲も同然。

 しかし、前世から記憶が銃口を前にして生存本能の誤作動を起こし、多量の恐怖を生み出していく。

 

「私達は大口径の銃弾が命中しても死ぬ事はない。悪くて骨折か内臓が傷つくくらいかしら? でも――」

 

 スーと押し付けながら銃が上に上がっていく。

 

「人体の柔らかい部分。例えば口」

 

 示し合わせたかのように、取り巻きが一人が両手を掲げるように拘束し、もう一方は頬を鷲掴みにし強制的に口を開かせ。

 

「んッ!? ガッ! オエ!!」

 

 小さな口の隙間に捩じり込み、押し込む。

 そして、口から出るギリギリまで引くと。

 

「痛いの嫌よね? もうやめて欲しいわよね?」

 

「ふぁい。やめへくだはい」

 

「なら私の言う事を聞きなさい」

 

 最初、何を言っているのか分からなかった。

 が、次第に彼女の行動により知る事になる。

 

「察しが悪い子ね――奴隷になれってことよ」

 

 拳銃を引き抜き、僕の制服に押し付けるように拭きながら言う。

 

「どれい?」

 

「貴方子供じゃないんだから分かるでしょ。――ここよ、ここを私に使わせなさいって言ってるの」

 

 腰から胸の上に移動すると、後ろ手に僕の下腹部を撫で回す。

 

「え、あ、......そ、それは」

 

 ここでやっと理解した僕は、顔を横に背け、言葉を濁す。

 

「......あっそ」

 

 二人に合図を送り、再度口を開かされ拳銃を口内へ。

 

「うっ! あ!」

 

 苦しい!

 いき、息が......。

 足をばたつかせ、必死に抵抗するが「撃たれたいの?」と一言で身体が自動的に動くのを止めてしまった。

 

 身体に弾は当たった事はある。

 だけど、口の中なんて......幾ら、ヘイローを持っていたとしてもタダで済むとは思えない。

 

 死。

 

 この世界に生まれて、薄れていた概念が蘇り。それと同時に、許容量を大きく越えた恐怖が身体を支配する。

 

「嫌ならいいのよ。話を戻しましょうか。口の中の次に危ないのは――」

 

「ッ!? やめて下さい! やめて!」

 

 拳銃と口に銀色の橋が架かる。

 が、そんな事は目に入っておらず、生存本能から来る涙で目を覆いながら喉が潰れる程大きな声で命乞いの言葉を口にしていた。

 

 そんな事知らないと言わんばかりに、全く意に介さず唾液に塗れた銃口を、今度は目玉に押し付けた。

 

「一度では無理。何度も......何度も。そうすると、目玉を貫いて脳に届くの――そうなったらバカな貴方でもどうなるか分かるわよね?」

 

「ヤダヤダヤダヤダヤダ!!!」

 

 怖い! 逃げたい! 助けて誰かッ!

 

 身体の芯まで震えている僕に残りの二人は。

 

「ね、ねぇ。ちょっとやり過ぎじゃ」

 

「ここまでやるなんて、聞いてないんだけど」

 

 緩む拘束。

 

 手首を抑えつける力が弱まるのを感じたその瞬間。

 カチリ......。

 まるで、スイッチが切り替わったかのように身体が勝手に動き始めた。

 

「キャ!」

 

 手を払い完全に拘束を解くと、流れる動作で片手を突き付けられた拳銃へ。

 トリガー後ろに指を入れ、スライドを僅かに引き射撃不能に。

 

「くっ、勝手に!」

 

 撃てなくなり狼狽している生徒に相手もう片手で掌底を食らわせ、態勢を崩しその隙に拳銃を奪った。

 

 ――撃つ時は最少の銃弾で最大のダメージを与えれる箇所に。

 

 目にも止まらぬ速さで初弾を排莢。

 後ろに態勢を崩し切る前に、頭に狙いを合わせ――。

 

 パンッ!

 乾いた破裂音が響く。

 

「ッ!」

 

「「キャー!! ホントに撃った!」」

 

 銃弾は肩に命中。跨っていた生徒は「キュー......」と可愛らしい声を上げながら目を回していた。

 

 逃げるのは今しかない!

 

 一度も戦った事が無いのか、銃声を聞いた瞬間パニックになった取り巻きを他所に、立ち上がると急いで倉庫を後にした。

 

 

 

 

 

 トリニティ自治区内。

 

「ハァ......ハァ......」

 

 血、流しすぎちゃった。

 クラクラする......。

 携帯は......大丈夫。学生証もある。

 

「ゲヘナに行かないと。ペンダント......取りに、行かないと」

 

 立ち止まり、マガジンをリリース、弾数を確認。

 スライドを引き、薬室に弾丸が入ってるのを確かめると、大通りへ向かいタクシーを拾った。

 

「ゲヘナまでお願いしま、す」

 

 倒れ込むように後部座席に乗ると、運転席を見る余裕もなく座った状態で横になりながら言った。

 

「え? ゲヘナ?」

 

 予期していなかった注文に聞き返す運転手。

 それもその筈、ここはトリニティなのだから。

 ゲヘナとトリニティ。昔から両学園は仲が悪く、幸い学園同士で諍いは起こっていないものの生徒間の間では散発的な争いが絶えない。

 故に、普段生徒は特別な行事でもなければ相手の自治区に行く事まずないのだ。

 

「はい」

 

 それでも僕はいかないといけない。

 初めて人から貰った大切なものだから。 

 

「わ、分かりました」

 

 お腹痛い。

 喉が苦しい。

 体力を温存しないと......少し、眠ろう。

 

 未だ口内に残る拳銃の感覚に不意にせき込みながら、微睡の中へ。

 

 

 

 

 

『ゲヘナ学園領境橋』

 

「お......お客さん!」

 

「......んん」

 

 女性特有の高音の声が耳に刺さり、眠りから覚まされる。

 

「着きましたよ!」

 

「ありがとう、ございます」

 

 半身を起こし、支払いをする為にポケットに手を入れると自身の寝ていたシーツに赤い染みが。

 

 やっちゃった。

 

 「困りますよ」と後頭部をかくタクシーの運転手に対し、学生証を差し出し。

 

「あの、弁償しますからこれで」

 

 お願い、弁償出来るだけのお金入ってて!

 現金受け取り口傍に設置された端末に翳し、固唾を飲む。

 

 表示された金額は。

 

『10000090円』

 

「「なっ!?」」

 

 金額を目にした僕と運転手は同じ反応で液晶を見ていた。

 

「いっせッ! ......も、もしかしてお嬢様でしたか?」

 

「え? あ......はい」

 

 何でこんな所で見栄張っちゃうかな僕!

 

 下らない嘘をつき、自責の念に駆られている僕に靴を舐める勢いで下でになった運転手。

 「弁償代は結構ですのではい!」と断られ、それどころか緊急用のエイドキットで治療までしてくれた。

 流石に此処までしてもらったのだからとお礼も兼ねてお金を渡すと。

 

「ありがとございました! またのご利用をお待ちしておりますぅ!!」

 

 金脈を引き当てた炭鉱夫のように、目を円に。

 自動で開くドアにも関わらず、態々手で開け僕を下ろすともう一度お辞儀をし、そのまま来た道を帰って行った。

 

「......よし」

 

 今、トリニティは三限の途中。ミカの性格から言って、態々昼休憩に様子を見に来ることはないだろうから六限が終わるまで時間がある......筈。

 もし昼に僕の教室にミカがくればアウト。

 クラスメイトの他のパテル派が、異変に気付き報告すればアウト。

 六限までにペンダントを見つけられなければアウト。

 そもそも、リアルタイムで監視されていれば即アウト。

 穴だらけの未来予想図。

 少しでも、僕の思うようにいかなければ直ぐに正義実現委員会がゲヘナに来る。

 そうなれば。

 

「せ、戦争になるんじゃ......」

 

 は、早く見つけないと......。

 最悪の未来を想像し身体を震わせながら、足早に橋を渡って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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