オラリオは曇り空なようです   作:ぱりゃりゃいか

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山は天気が変わりやすい

 

 

「またな」

 

崩れゆく階層の中であなたは1人残り死んでしまいましたね。

 

 

ーーーーー

 

 

「ここまで、か」

 

デミ・スピリットとの死闘を制し満身創痍のわたし達。

それを嘲笑うかのように現れた2体目が現れた時、あなたは1人前に進みました。

 

「なに、をいって…」

 

「さっきの精霊もどきとの戦闘でボロボロなオレらに、

2体目をまともに相手する余裕はないだろ」

 

「ならすぐに上に」

 

「それが無理なことは分かってるだろ。

元々決めてたことだ、俺があいつを足止めするよ」

 

「でも!」

 

「ここで!!ここで俺たちが全滅したらファミリアは、

オラリオはどうする!暗黒期を乗り越え、ようやく平和になってきたんだ。

それを守るのに、お前らの力は必要なんだ」

 

 

その言葉に、暗黒期以前からロキファミリアとして

団長たちとともに活躍してきたあなたの言葉に、私たちは

なにも言うことが出来ませんでした。

 

団長、リヴェリア様、ガレスさんはなにかあった際にが殿を努めようと思っていることを知っていたのでしょう。あなたの決断と共に撤退の命令を下しました。

ベートさんやティオナさんはその命令に抗議しようとして、けれど3人の顔を見て、悔しげに顔を崩して黙ってしまいました。

 

「フィン。あとは頼んだぞ」

 

そうして戦闘を開始したあなたを尻目に、私たちは撤退しました。最後まで反対していたアイズさんはガレスさんに担がれ、走る背中であなたの詠唱が聞こえてきました。大きな戦闘音とともに苦しげな声を出すあなたは、それでも詠唱を止めませんでした。

58階層へ続く階段までたどり着いたわたし達が振り返るとともに詠唱を終えたあなたの魔法によって崩れゆく天井。最後に見えたあなたの顔は、誰よりも穏やかな笑顔でした。

 

「またな」

 

聞こえるはずのないあなたの声がなぜかはっきり聞こえました。

 

 

ーーーーー

 

 

あの後、わたし達はなんとか50階層まで戻ることが出来ました。拠点防衛をしていた皆さんもわたし達の帰還に初めは喜んでいたのですが、あなたが居ないことに気づくと誰もがその現実を認識できずにいました。

それは地上でも同じです。わたし達が失意の中ホームへ戻る道すがら、多くの人々に見られました。誰もがその雰囲気に不思議に思い、そしてあなたが居ないことに気づきました。

なにかと鈍いあなたは気づいていないかもですが、あなたは実はとても人気があったのですよ?その証拠に、あなたがいなくなったことはあっという間にオラリオ中を駆け巡り多くの人がホームに押し寄せてきました。そしてその事実を知り、多くの方が涙を流しました。

 

 

今ホームではあなたの葬儀をおこなっています。そうすると改めてあなたの死を感じてしまい、涙が出てきてしまいます。

あなたがこの光景を見たらどう思うでしょうか。情けないと呆れるのでしょうか。自分のせいで悲しませてしまったと申し訳なく思うのでしょうか。

 

だけど、どうか今だけは許してください。

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