オラリオは曇り空なようです   作:ぱりゃりゃいか

2 / 2
金は錆びない?なら曇らせよう

 

「ごめん、約束守れなかった」

 

 

やだ、絶対に許さない。そんな顔して謝んないで。

いつもみたいに笑って一緒に帰ろ?

あなたとやりたいこと、まだまだ沢山あるんだよ?一緒にじゃが丸くん食べに行きたいし、女神祭だって今年は一緒に周ろうってこの前約束したばかり。

他にもまだまだ沢山あって、だから、だから、

 

 

「行かないでよッ、○○!!」

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

彼と出会ったのは、わたしがロキファミリアに入団して1ヶ月ほどたった頃。

当時のオラリオは今ほど治安が良くなくて、幼かったわたしはなかなかダンジョンに行かせてくれなかった。

ダンジョンに行きたいわたしはいつもリヴェリアに文句を言ってた。に事件に巻き込まれて欲しくないからそうしてくれたって今は分かるけど、当時のわたしは意地悪されてるように思った。

それがどうしても嫌だったわたしはある日、夜中にこっそりダンジョンに向かった。

 

初めての1人でのダンジョン。いつもは3階層までしか行かせてくれないけど、今ならもっと下まで行ける。下に降りるほどモンスターは強くなるって前にリヴェリアに習った。なら下に行くほど早くレベルが上がる。

そう考え下に降りたわたしは、実際はじめは問題なく戦えていた。

 

ウォーシャドウが出てくるまでは…。

 

新米殺しの異名を持つウォーシャドウは、当時のわたしのステイタスでは反応出来るスピードではなく、その速さと攻撃にわたしはすぐにやられてしまった。

初めて感じた明確な「死」の前でわたしはなにも出来なかった。それがどうしようもないほど悔しくて、だけどもうなにも出来ることがなくて、諦めかけていたその時あなたは来てくれた。

 

「大丈夫か、ロリっ子よ?」

 

思い出してもむかつくセリフと共に来てくれたあなた。当時のわたしも感謝よりも先にムカつき、つい意地を張ってしまった。「1人で大丈夫だ」、「余計なことをするな」と。

それを聞いたあなたはまるでリヴェリアみたいな、子どものわがままを仕方なく聞く大人のような顔して笑っていた。まだ15歳くらいなあなたが、だ。

それがまた更にわたしのことをムカつかせ、消えかけてたわたしの心に火が着いた。

その後ウォーシャドウを倒したわたしは、だけども気を失ってしまった。

 

わたしがダンジョンに向い少ししてからリヴェリアがわたしが居なくなっていたことに気づき、みんなで探してくれていたらしい。みんな勝手にダンジョンに行ったことを怒って、だけども無事でよかったって心配してくれて、そのみんなの顔を見てわたしも安心したのか泣いちゃって。それを見てどこか怪我をしたのかってみんな慌てて。

 

 

その光景がとても温かくて、そこでようやくわたしは「ロキファミリア」の仲間になったんだって。

 

 

 

翌日、わたしはみんなへの償いとしてお手伝いをしていた、そのとき見覚えのある顔が見えた。ダンジョンで出会った彼だ。

なんであなたがいるんだ!ここはロキファミリアのホームだぞ!って、わたしが言そう叫ぶと、彼は道化のエンブレムが描いてある武器を見せ、自分もその1人だと言うではないか。

予想外の事に呆然となっているわたし。彼はそんなわたしを見て先に進もうとして、振り返り一言。

 

「無事に仲直り出来て良かったな、泣き虫ロリっ子ちゃん」

 

ゴングがなった。

わたしは布団叩きをその手に彼に襲いかかる。それを余裕で躱す彼にますます腹が立ち白熱灯してしまう。結果は引き分け、駆けつけたリヴェリアにより両成敗として放たれた拳骨にやられてしまったわたしと平気な顔をしていた彼。気失っちゃったのはあくまでリヴェリアの攻撃だから、勝負には負けてない。

 

そんな出来事のあと、彼が気になったわたしは彼のことを調べていた。彼はわたしと7歳上の14歳でLvは5。

若くしてフィンやリヴェリア達と同じLvの彼に対抗心を燃やしたわたしは、彼をライバルに認定した。

 

 

それからは毎日が充実していた。

 

あなたを追いかける日々。訓練に食事に休日に、なんでもかんでもあなたを追いかけ、勝負を挑んで行った。その度にあなたがやれやれといった態度をとり、わたしが余計にムカつき、だけど負ける。それを仲間たちが暖かい目で見てくるのがむず痒くて、それを誤魔化すためにまたあなたに勝負を仕掛ける。

そんな楽しい毎日だった。

 

 

「ね、ねぇ。こ、今度の女神祭一緒にい、行かない?」

 

「俺人混みそんな得意じゃないしいいや。行きたいならリヴェリアと行けば?」

 

「そ、そうじゃなくて!あなたと一緒に行きたいなって…。」

 

「なんで?」

 

「そ、それは……。しょ、勝負!勝負のために行きたいなって!女神祭なら色んなものあるだろうし、いつもと違う勝負も出来るかなって」

 

「たしかに、それもそうだな」

 

「なら、「じゃあ!」!?」

 

「ここでも競走だ!アイズの今のLvは4、俺は6。俺がLv6に上がるのに10年かかった。だから、それよりも早くLv6になったらアイズの勝ち。一緒に女神祭に行こう」

 

「それは…」

 

「なんだ、出来ないのか?俺のライバルなんだろ?」

 

「!?…うん、分かった。その代わりわたしが勝ったら覚悟しててね。沢山買ってもらうから」

 

「金は俺負担なのか…」

 

 

 

 

 

「前の勝負覚えてる?」

 

 

「ああ。…9年でLv6、か。頑張ったなアイズ」

 

 

「勝負はわたしの勝ち。だから、」

 

 

「ああ、今度の女神祭は一緒に行こう」

 

 

「うん!」

 

 

「ーーーー」

 

 

「ーーー」

 

 

「ー」

 

 

ーーーーー

 

 

「うそつき」

 

 





ちょっと変えました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。