あるTS転生者は千刃学院にて最強の剣士を目指す 作:星色 空
さて、今日から授業が始まるわけだけど、私のクラスは1年A組。
一応最上位のクラスにあたるらしい。
教室に向かっている途中、二人の推薦入学生――リア=ヴェステリアとアレン=ロードル――の姿が見えた。
他の新入生からの評価は最悪に近いものではあったが、あの二人は簡単に打ち解けたらしい。
あれだけお喋りなことは、入学式での挨拶からは想像できなかったけどね。
ただ、教室でもこう行くとは限らないだろうね。
ほら、実際3人の男子生徒に話しかけて……無視されている。これは流石に良くない雰囲気だけど、どうしたものか。
ん?あれは……
「ねえ、あなたたち。ちょっといいかしら?」
先にそのリア=ヴェステリアがその3人の男子生徒に対して声をかけていた。顔には出ていないが、内心怒っているということは一目瞭然なのだが、男子生徒たちは気づいていないらしい。
「は、はい!」
「ど、どうしたんですか、リアさん?」
「何か困ったことでもありましたか!?」
きっと、このことが彼女を怒らせることになるなんて、考えてもいないんでしょうね。すっかり舞い上がっている様子だ。
「今、アレンが挨拶したと思うんだけど……。お喋りに夢中で聞こえなかったのかしら?」
すると、
「え……いや、それはその……」
「聞こえてたというか……何というか……」
「あ、あいつの声が小さかったっていうか……なぁ……?」
しどろもどろになりながら、要領を得ない答えを口にする男たち。
そんな彼らに対して
「私ね。そういうくだらないことする人、大嫌いなの」
と言い放った。まあ、ある程度予想はできていたけど、彼女ははっきりと考えと相手に対して言える人のようだ。
……私とは違って。
さて、彼女の発言で教室内の空気がしばらく凍り付いていたが、数分後に始業のチャイムが鳴り、担任の先生が来ると思っていたのだが
「おはよう、諸君!」
なぜか、理事長のレイア先生が現れる。入学式でのこともあるので、既に彼女に対して警戒をする必要があると判断していたが、なぜここに。
「ふむふむ……素晴らしいな! 初日から遅刻・欠席ともにゼロ――最高のスタートだ!」
手に持つ出席簿をパンと叩いた彼女は上機嫌に笑った。
教室内の全員を代表して、一人の女生徒が質問をしてくれた。
「あ、あのぅ……どうして理事長がここに?」
「ん、そんなの決まっているだろう? 私がこの一年A組の担任だからだ」
その瞬間、教室中がざわついた。
さて、正直言って最悪な状況だ。いや、そもそも理事長職は、担任と兼任できるほど余裕のあるものだっただろうか?
考えても仕方ない。学院側で決定されたことに一生徒がとやかく言えるわけでもないし割り切るしかない。
しかし、常に警戒を怠ることができなくなってしまった。もう、これも修行としか思うしかないね。
そんなことを考えていると、レイア先生は元気よくパンと手を打った。
「さぁ、朝のホームルームを始めるぞ。早速だが、今日はいきなりとびきり重要な報告がある!」
彼女は一呼吸置くと、一気にそれを発表した。
「それは――週末に控える大五聖祭の出場選手についてだ!」
大五聖祭という単語に、クラス中が色めき立った。
大五聖祭――五学院がそれぞれ選りすぐりの新入生三人を選定し、総当たり戦によって覇を競う新人戦のようなものだ。
ここで実績を残せれば、誰もが憧れる上級聖騎士への道が一気に開ける。
私はそこまで興味はなかったけど、他の生徒がざわつくのも当然のことだろう。
「本来ならば、これから実施される実技試験の結果を加味して慎重に選考するところだが……。今年度については既に出場選手は決定している!」
これについては、予想がついていた。推薦入学生の数が、ちょうど3人だからね。まあ、少し気の毒な子もいるけど。
「それじゃ焦らしても仕方が無いので、早速発表しよう!」
教室中が一瞬にして静まり返る。
その数秒後、レイア先生が出場選手を発表した。
「千刃学院を代表し、今年の大五聖祭を戦うのは――リア=ヴェステリア、ローズ=バレンシア、そして――アレン=ロードルの三名とする!」
まあまず、反発を受けるんでしょうねぇ。まあ、仮にも推薦入学で入って来たんだから対処できるでしょう。むしろ、そうでなきゃ困るよ。
ない文章力を必死にかき集めて次話を書いているので、しばらくお待ちくださいm(__)m