やはり人を見かけで判断するのはまちがっている。 作:復活のマサニキ
人は見かけによらない、とはよく言ったものだと思う。
まさに俺にぴったりな言葉だ。
根暗だとか引きこもりだとかよく陰で言われてるけどな、失礼なやつらめ。
それは置いておいて…俺はそれなりに高いポテンシャルを持ってると自負している、だって国語は学年で3位だし、一色の手伝い散々やったおかげか事務処理能力も高い方だ。
前々から言ってる通り、他と比べたら高スペックなんだぞっ!
あれ?これで社畜適正とかもあったら負けじゃね?
もっと手を抜いて生きねば。
人は見かけによらない、それはもちろん他の人間にも当てはまる事で…
俺の身の回りにいるやつらって、かなり意外な面を持ってるんだよなぁ。
あーしさんや川なんとかさんとかは、たまに女子高生とは思えないほどのオカン性能発揮する。
一色は男惑わすくらいしか出来ないと思いきや、責任感が強くなんだかんだ言って生徒会長としての責務を果たしてる。
由比ヶ浜は今どきの女子高生でビッ◯ぽいが、素直で誰よりも優しい。何度も助けられたな…
そして雪ノ下は…
「え〜!?ゆきのん抱き枕がないと寝れないの!?」
「…えぇ」プイッ
「……もぉ〜!ゆきのんかわいすぎ!!」ギュー
「ちょっ…由比ヶ浜さん苦し…」
「(やだなにこの子可愛いかよ)」
いつも通りに部室で過ごしていた時、由比ヶ浜が眠そうにしている雪ノ下を気にかけたことから始まった。
なにやら長年使っていた抱き枕が潰れてしまったそうで…てか長年使えば潰れるものなの?あの非力な雪ノ下が?何に使ってんだよ…
だから一応は眠れるが、眠りが浅いから放課後になって限界が近づいてきたらしい。
あの雪ノ下がねぇ…まぁパンさんや猫大好きってのもあるし、特別驚きはしないが…意外ちゃ意外だ。
「じゃあ千葉村の時とかどうしてたの?」
「小さめの抱き枕を持ってきていたの。それも少し前に潰れてしまって…」
「そうなんだ…なら新しい抱き枕買わなきゃだね、もう決まってるの?」
「それが…色々と探しているのだけれど、これといった物が見つからなくて…」
「そっか…因みにどんなのがいいとかある?」
「そうね、ねk…ンンッ抱きやすい事が最優先ね」
いま猫って言おうとしたろ、眠すぎて欲望丸出しだぞ雪ノ下。
そんなに猫好きなんだから飼えばいいのに、そういえばなんで猫飼ってないんだ?
ペット禁止の住居も増えてるからそれのせいなのだろうか。
「抱きやすいかぁ…でもあたし抱き枕持ってないからどんなのが丁度いいか分からない…」
「そういえば小町が抱き枕持ってるとか言ってたな。小町に聞きゃ良さそうなの見つけてくれんじゃねぇか?」
「小町ちゃんも持ってるんだ…」
「流石に雪ノ下ほどではないと思うがな」
「…何か言いたい事があって?」キッ
「ナンデモナイデス…」
ちょっと俺だけ扱い酷くない?いつもの事だけどさ。
別に恥ずかしいことじゃねぇだろ、抱きが着いてても枕に変わりねぇんだし。
よう分からん…
「では…小町さんにも聞いてみましょう」
「だねー、じゃあゆきのん!今度一緒に抱き枕見に行こ!」
「い、いえ…ひとりで探しに…」
「あたしも欲しくなっちゃったの!ねーゆきのん行こー!」
「わかった…わかったから由比ヶ浜さん揺らさないで…」
最近、由比ヶ浜さん雪ノ下の扱いが上手くなったというよりか、ただ駄々をこねる子供になってないか?
それに渋々了承するママのん…なにこれひどい。
〜数日後〜
「やっはろ〜!」
「うっす」
「こんにちは2人とも」ツヤツヤ
「「………」」
え?なんか雪ノ下の肌めっちゃツヤツヤしてない?いつもよりなんかハキハキしてるし…何があったん?スキンケア?
「ゆ、ゆきのん?どうしたの?」
「どうしたの…とはどういう意味かしら?」
「いや…なんていうか肌が凄いツヤツヤしてるからさ…」
「これは…あ、新しい抱き枕のおかげよ」
「あー、この前一緒に見に行った時は見つからなかったもんね…あの後いいの見つけたんだ?」
「見つけた…というよりか貰ったと言った方が正しいわね」
「貰った?陽乃さんとか?」
「いえ…その、小町さんに」
「ん?」
小町に貰った?ここ最近、雪ノ下とは会ってないはずだし…もしかして一昨日小町に郵便出してこいと言われたやつか?
なら手渡しで良かったろ…お金払ったのお兄ちゃんなんだぞ!
あとでお説教だな。
「へ〜、どんなの貰ったの?」
「い、言えないわ」
「言えない?どんなものなの…」
「そ、その…」チラッ
何故恥じらいながらこっちを見る…俺は関係ないぞ、ただ持って行けと言われただけだ!
てか恥じらうものってどんなのだよ、そんなにヤバいやつなんですか!?
ローリエちゃんの抱き枕ほしい。
しかし、だとしたら見かけによらなすぎだろ…ゆきのんヤバすぎ、略してヤバのん。原型留めてねぇわ。
あとで説教と一緒に何送ったか問い詰めておこう。
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「小町、前に俺が持ってった小包、あれ雪ノ下宛だったのか?」
「およ?お兄ちゃん知ってたの?」
「いや、今日そんな風なのを雪ノ下が話しててな、抱き枕送ったんだって?てかわざわざ郵送にする意味なかったろ、お兄ちゃんの財布すっからかんなの分かっててやったな…」
「ごめんってお兄ちゃ〜ん。で?で?雪乃さんどうだった?」
「軽いやつだな…なんかめっちゃ肌がツヤってたな、あとはいつもより元気そうだった」
「ほうほう…なるほど〜、他には?」
「他にはって言われても…あとは恥ずかしそうにしてたくらいか?」
「あー、雪乃さんまだ耐性なさそうだもんなぁ」
「お前どんなの送ったんだよ…変なのじゃないだろうな?」
「変なのじゃないよ〜、ちゃんとした抱き枕だよ?」
それであの雪ノ下?耐性がないとか色々と不可解なんだが…
「まー、それだけ聞ければ十分かな。じゃ小町はお仕事があるので部屋に戻りまーす。入ってきちゃダメだよ?」
「何だよ仕事って…別に入る用なんてねーよ」
最近小町ちゃんが何してるか分かりません…
もう兄離れする前触れなのかなぁ…お兄ちゃん泣きそう、小町抱いて寝たい。卑猥な意味ではなくてね?
今日は1人寂しく泣いて寝よう…
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また数日後
「……さて、朝から気になって仕方がなかったんだが」
「………」ツヤツヤ
「………」ツヤツヤ
「由比ヶ浜よ、お前なんかめっちゃツヤツヤしてね?」
「う、うん…///」
えー、初っ端恥ずかしがりますか…ツヤツヤする事って恥ずかしいこと?アヤナミになっちまうよ。
もしかしてコイツもか?でも今回は運び屋やってないしなぁ…
「由比ヶ浜も抱き枕か?」
「そ、そう!」
「…小町から?」
「そ、そう…///」
いや顔赤…えぇーもう小町が怖くなってきた。
この2人赤面させる抱き枕って何よ、怖いわ。
「その抱き枕さ…どんなのなんだよ」
「ヒ、ヒッキーの変態!」
「女性にプライベートな事を聞いてくるなんて、プライバシー侵害という言葉を知っていて?卑猥谷くん」
「ちょっと待て、ただの抱き枕如きでそこまで言うか?俺の知ってる常識って間違ってたの?泣きそうなんだが」
なんなのこの子たち…仮称抱き枕に毒されてる感すごいんだけど。
まさか次は…俺か!?
そんな怖い抱き枕なんていらんぞ!
ガラガラッ
「失礼しま〜す!ちょっとお聞きしたい事が〜…ってどうしたんです?お二人とも顔めっちゃ赤いですけど…先輩なにしたんですか…」ヒキ
「待て待て待て俺は何もしていない、全くの無実だ!てかどうしてこのタイミングで来るんだよ…もっとややこしくなるじゃねぇか」
「まーそんな事はどうでもいいんで。雪乃先輩、先輩の抱き枕を持ってるって聞いたんですけど、ホントですか?」
「「………」」ピクッ
「………ん?」
学年3位のこの俺が、今の日本語理解できなかったぞ?
雪乃先輩、先輩のって言ったよな…
聞き間違えか?
「………」プルプル
「ちょ…いろはちゃんストップ!」
「え?結衣先輩も持ってるんですか?ずるいわたしも欲しいですぅ!」
「わかったから!一旦ストップ!」
「先輩もなんでわたしにはくれないんですか〜!仲間はずれはよくないですよぉ!」
「は?なんで俺に言うんだよ、関係ないだろ」
「だってカバーに写ってるの先輩らしいじゃないですか、だから言ってるんですぅ!」
「……は?」
は?いろはすなんて?カバーに俺が?写ってる?
待ってどういうこと?
「……先輩って?」
「先輩は先輩ですよ、何言ってるんですか?」
「……うん、そうですよね」
まじか、いやまじか。
じゃああれか、こいつらが顔赤くしてたのもツヤツヤしてたのもその抱き枕抱いて寝てたからと…
「……マジかおまえら」ギギギギ
「ち、違うのよ。抱き枕が見つからなくて、そんな時に小町さんからアレが送られてきて…嫌だったけれど貰い物なのだし、寝不足もあったから仕方なく、仕方なく使って寝たのよ」
「あ、あたしも仕方なくだし!それに使ってみたらすごい抱きやすかったし…ウツッテルノヒッキーダシ…」
一気に言い訳じみたこと捲し立ててきたけど、もう頭がショート寸前で何言ってるか聞こえねぇわ。
これ喜ぶとこ?いや普通に引くんだが…
「お前ら…今日中にそれ捨てろ…」
「「なっ!」」
「いや当たり前だわ!そんなん聞いて喜ぶやつがいるか!こっちまで恥ずかしくなる…」
「ちょ、先輩!わたしの分は!」
「やかましい!てか何でお前も欲しがってんだよ怖えよ!」
人のこと写してある抱き枕使うとか、こいつらにこんな一面があるとは…なんて趣味を持ってやがる。
意外なんて可愛いもんじゃねぇわ。
いやキツ、ちょっと距離おこ…
あと小町はお仕置き確定だな。
俺と一緒に寝てもらおう。
「用事が出来たから帰る、あと暫く休むから。それじゃ」
「ま、待ちなさい!」
「話を聞いてヒッキー!」
「わーたーしーのー!」
やはり人は見かけで判断するのはまちがっている。