イケメン力全ブッパの転生者俺氏、チート転生者♀にフルボッコにされる。 作:たかたけ
気軽に楽しんでください。
俺と篠宮の生活はなんだかんだ過ぎていった。篠宮は本当に何処までも監視のために付いてきた。……。俺の部屋までもなあ!!!!俺のプライベート何処行った???一回部屋くらいゆっくりさせてくれと言ったものの、「貴方の監視のため」との一点張り。
外から学校から部屋まで、マジで俺こいつとしか一緒に居ない。
まあそんな感じで篠宮と付き添ってきて段々と彼女のことがわかってきた。彼女は原作カップリングが関わる事以外には意外と物静かだし意外と優しい(?)。だがそれに関わる事だと意外と強引?と言うか強欲なところを見せる。……。おっと、押し倒された時の記憶が蘇ったぜ…。
まあそんな彼女にも意外と可愛らしいところがある。それは美味しいご飯を食べる時笑顔になると言うところだ。ん?何で俺がそんな事を知っているか…だって?その理由は単純明快だ。篠宮は俺の部屋で飯を食べて行くからだ。
✴︎ ✴︎ ✴︎
篠宮は本当に何処でも俺についてきた。朝学校に登校する時も、昼食を食べる時も、家に帰る時も、スーパーに買い物をした時でも……家でも。
「っておい!何で俺の部屋にまでナチュラルに入り込んできてるんだよ!?」
「…。それは貴方がいつ脱走するか分からないから」
篠宮はやれやれと言った様子で俺に言ってきた。……。なんかめっちゃ馬鹿にされてる気がする。いや、絶対にされてる。
「脱走って…俺は動物かっ!?」
「…よくわかってる。貴方は性欲に取り憑かれた猿」
篠宮の言葉のナイフが俺に突き刺さる。急所に刺さった…。篠宮はリビングに備え付けたテーブルにコンビニの袋から取り出した弁当やらパンやらを並べ出す。
「…。何をしてるんだ…?」
「晩御飯。さっき買ってきた」
俺は唖然とした。量もそうだが全てコンビニ弁当や惣菜パンで夜食を済まそうとするところだ。そんなの…そんなの…!
俺は、篠宮が今口に入れようとした惣菜パンを奪い取る。
「む、何するの」
「うるさい」
そう言って俺は続ける。
「お前料理はしないのか?」
「え?…ええ。今までしたこともない」
「…。ちょっと待ってろ」
俺はさっきまで作っていた煮物をさらに入れて綺麗に盛り付ける。茶碗には炊き立てのご飯を、そして温め直した味噌汁も皿に入れる。小鉢にはごぼう炒めを入れて胡麻を振る。それを篠宮の前に並べる。
「食え」
「えっと、これは…?」
「コンビニ弁当如きで栄養がしっかり摂取できると思うな。冷めないうちに食え」
篠宮は俺と料理を交互に見つめて、結局は「いただきます」と言った。篠宮は煮物を恐る恐ると言ったふうに一口食べると目を輝かせた。
「…お、美味しい」
「だろ?」
俺の前世の趣味は料理だった。痩せようとする時に栄養も取れて低カロリーで美味しいものを作ろうとしたことからいつのまにか趣味となっていた。如何にして美味しいものを作るか、栄養を取らせるかを考えて料理を作っていた。料理についての動画を出したこともあった。一回本を書いてみないかみたいな話もあったが学業に専念するためにと断った記憶がある。
篠宮は料理がよっぽど美味しかったのか、昨日見た冷たい目が嘘のようにキラキラと目を光らせ、体を少し揺らしながら食べている。何だか体全体で美味しいを伝えようとしているように見えて少し微笑ましい気持ちになった。そんな彼女は少し目に涙を溜めながら、…?涙を溜めながら?
「ちょ、おい。どうしたんだ!?」
「…!何でもない。ゴミが入っただけ」
「……。そうか」
どうやら知られたくないことのようだ。女は秘密を着飾って美しくなる。それなら多少の秘密を黙っていてやると言うのは男の仕事ではないだろうか。
服の裾でゴシゴシと目を拭っている篠宮に俺はハンカチを渡してやる。
なぜか篠宮はムッとした顔で睨んでくる。
「…使ってねえよ」
「…そう」
篠宮は俺の持っているハンカチを受け取って目を拭う。
「せっかく美人なんだから、ちゃんとした飯食わないと良くないぞ、何なら俺が明日から作ってやろうか?」
俺は軽い気持ちで聞いてみる。まあ篠宮が受けるとは思ってないg「良いの?」……。oh…。
「…何でそっちが意外そうな顔?安心してちゃんと材料費は払う」
「いや、そこじゃなくてだな…。正直受けるとは思って無かったんだよ…」
「…。美味しいご飯に、罪はない」
篠宮はパクリと白米を頬張りながら言った。ご飯を食べながらふにゃっとなっている篠宮を見ると俺はすっかり毒気を抜かれてしまった。
……。この大量のコンビニ食をどうしようか。俺は新たな課題に格闘しながらその日を過ごしていった。
次の日もその次の日も篠宮は俺の部屋で過ごし、俺たちは原作が始まるまでの時間を2人で過ごしていった。
そして…、原作が始まる…。
。
次回、原作開始!
千彌が葵に埋められるぞ!お楽しみに(?