閑話休題、楽しそうな話で心を休めましょう。
ちなみに最終話を書いた後に書いてるので、実質これが最終話みたいなもんですね。
ちょっとズタボロかな。
「ピヨピヨピヨ〜〜!
ぴえヨンチャンネルぅぅう!!!」
「わ〜!」
「わー......」
なんでこんなことやってんだろうね、僕は。
全ては父親のためであるのだけれど──
毎週月曜夜七時放送、
特別企画! 父の日、有名人の恩返し大協力スペシャル!
「どうも、よろしくお願いしますー。」
──というわけで!
今回のVTRを同じ事務所のよしみで担当させていただきます、B小町のアイです!
今回番組の企画に協力していただいたのは皆さんご存知の俳優さんである陸川ダイチ。
スタッフを優しく出迎えてくれるところに人柄の良さが出てますねー。
あっ、どうやらルームツアーに赴くみたいですね。
「まあ別に特別なものがあるわけじゃあないですよ?
筋トレ用具とかはお父さんのジムで借りますし、なんか目立った趣味があるわけでも...... あ、サバゲーには友達に連れられてよく行くので、それ用のスナイパーライフルならあります。」
最近話題のサバイバルゲーム、どうやら陸川さんも行っているらしく、見せてくれた写真の中には笑顔の彼が。
でも主流なのは電動とかガスらしいですよ?
何ですないぱー? 一本なんでしょうか。
「ガスとか高いし、弾を連発するのもアレなんで......
当たるからいいんですよ、当てればいい。」
......何とも切実ー。
しかし金銭感覚が狂っていないと言えば聞こえはいいのです。
さて、そろそろ話が本題に進みます。
「先週お父さんにそれとなーく聞いてみたんですよ、『父の日何が良いかな』みたいな事。
......
同じ事務所ですけど、あまりにも...... あまりにも関係性がうっすい......!!」
わかる気がします。
スタッフさんも言ってたんだけど、やっぱり場所が違えば気安い頼みなんか難しいんですって。
──ですがその望みを叶えるのが当番組!
連れて来ましたぴえヨンさん!
「ヨロシク!」
「わぁ、よろしくお願いします!
うわすごい腹斜筋、ここまで鳥の翼みたいになってるのそうそう無いですよ!
本物だ......!」
喜ばせる父親より先に仕掛け人が喜んでどうするんでしょうか。
でも本当にムキムキですね、わあ。
しかしぴえヨンと言えば最近小中学生に大人気!
自分の企画もある筈なのに、どうしてこの番組からの申し出を受けてくれたんですかね?
──実は、陸川さんの父親に秘密があるんです!
「陸川サンと言えば、日本のボディビル選手権で8連覇!
ボクも現役時代の美しい筋肉には息を漏らしたカラね!
協力させてもらいマスとも!」
「えっそんな凄いん?」
身近な人がすごい人物だったことに気付かないというのはよくありますが、彼も例に漏れず。
でもそういうものですよね、わかるなー。
そんなこんなでぴえヨンさんも
外出させていた陸川父をダイチが呼び出し──
「ほらその内父の日だからさ、プレゼント。」
「おぉっ、今年は何だろうな?
去年はやたら良い肉だったから、良い魚とかか?」
「......見て貰えばわかるよ。」
リビングに向かう扉を開いたそこには!
「ドウモー!」
「ぴっ── ぴえヨンだとぉ!!?
ほ、ホワッッ!!?」
あら、行動が早い。
目にも止まらぬ速さで鞄を椅子の上に置き、手をちゃんと拭いてから両手で握手を求めるその表情は憧れに会ったファンそのもの。
凄い絵面だなぁ、筋肉密度がすごくありません?
「いやもう、私たち筋肉業界にとってぴえヨンは一陣の風ですよ! 貴方がいるから若年層が筋トレに興味を持ってくれて、結果的に活性化へと繋がっている!
夢みたいだ......!」
「ボクも光栄サ!
まさか同じ事務所に憧れの息子がいるナンテね!」
「......」
ほら、ダイチさんも引いてる。
しかしサプライズはここでは終わりません、毒を喰らわば皿まで。
......マッチョ二人に挟まれて窮屈そうな人気俳優がいますけど、致し方ない犠牲ってやつなので仕方がありません。
「苦しい......」
我慢してください。
そして、何とぴえヨンさんたっての希望で動画撮影に二人が参加することに!
その映像、本編はぴえヨンさん本人のユーチューブチャンネルにて!
というわけでB小町のアイでした!
スタジオに戻しまーす!
「ピヨピヨピヨ〜〜!
ぴえヨンチャンネルぅぅう!!!
というわけで今回は、ボディビル界に激震をもたらしたあの『空を舞う広背筋』でお馴染み、陸川サンにゲストとして来てもらいマシたー!」
「どうも! フンッッ!!」
「わあすっげ、マジじゃん。」
「一般人枠として陸川ダイチクンにも来てもらったよ!
細身だけれど、最初は誰でもヒヨッコマッスル!
鍛えていけば──」
と、そう言いかけたぴえヨンを陸川父が筋肉で抑え、『いやいや』と首を振る。
自信に満ち溢れた表情と共に胸筋が蠢き、それは上腕二頭筋から指先へと伝わってこちらを差した。
......こんな愉快な人だっけ?
ひとまず指示に従い、シャツごと上着を脱ぎ捨てる。
『おおっ』とぴえヨンの声が耳を突いた。
「──少し見くびってたネ。
良いマッスル、メンズフィジーク寄りの筋肉カナ!」
「さすがお目が高い。
そうそう、メンズフィジークとはボディビルと違い、『海の似合うカッコいい男』を決める種目さ。
『筋肉で魅了する』ボディビルよりもバランスよく体を作り上げることが必要なんだ!」
「いえーい。」
褒められて悪い気はしない。
というかお父さんはカメラに慣れすぎじゃないか。
「というわけで!
これから三本は彼らとの動画になるから、ヨロシクー!」
「ヨロシクマッスル!!」
「よろしくねー。」
大丈夫かなぁ。
「今日の動画はここまで! 次回もヨロシク!」
「バックラットスプレッドでお別れだ!」
「フンッ!」
めっちゃ楽しかった。
今度はお父さんの知り合いらしいなかやま筋肉くんとか、それこそシノとかを連れて来て『
みんなもやろう! 筋トレ!
「「「トレーニング後は30分以内にタンパク質!」」」