私はカムイ。
白夜で生まれ、暗夜で育てられた王女です。
そして、ある日、白夜王国と暗夜王国。2つ故郷のどちらかにつく選択を迫られました。
私は暗夜王国を選びました。その後は白夜王国との戦争。犠牲は少なくありませんでしたが、私達は平和を勝ち取ったと信じています。
そんな時、一人の男の人の手によってアスク王国に召喚されました。その方の名前は「エクラ」。兵士としても軍師としても未熟でありながらも、人懐っこい性格と強い意志から来るカリスマ性で軍をまとめ上げる不思議な方でした。
エクラさんとの初めての出会いは今でも鮮明に覚えています。召喚された私に対して彼は
「俺はエクラ。よろしくな」
そう言って手を出してきました。
私はその手を取り、
「私はカムイ。白夜で生まれ、暗夜で育てられました。竜と夜刀神の力で、役に立ってみせます。」
と答えました。するとエクラさんは笑ってくれたのを覚えています。
私はその時、
(今度は見守る側としてこの人の為に力を尽くそう)
そう心から思いました。
アスクは何処もかしこも戦争が起こっています。大きな物になると英雄と呼ばれるような力を持った物同士での争いとなります。それが終わったとしても、また別の戦争が始まります。エクラさんはこの終わりの見えない戦いを止める為に戦っているのです。きっとそれは辛い選択だったでしょう。エクラさんは戦争がない国に住んでいたそうです。きっと全てのことが初めてだったと思います。それでも、人々の為に戦うことを選ばれました。彼のそんな所に皆さん惹かれるのでしょうね。
そんな彼の為に私も頑張りました。水着を着たり、忍者の格好になったり、魔法を覚えたり、竜の力も暗夜にいた時よりも使いこなせるようになりました。その度にエクラさんは自分のことのように嬉しそうに褒めてくださいます。たまにですけど、頭を撫でたりもしてくれます。とても優しく、髪を傷つけないように丁寧に撫でてくれます。撫でられていると力が湧いて来るのを感じます。きっときょうだい達もこんな気持ちだったのでしょうね。
私が力を求める理由はもう一つあります。それはいつまでもエクラさんの傍にいる為です。エクラさんも召喚士として月日がたちました。それゆえに、召喚された英雄も数百を超えています。エクラさんはそんな多くの英雄と関わっているのです。彼の人柄に好意を抱く方も少なくなく、積極的にアピールされてる方もいます。片や力を、片や知識を、片や美貌を。スタイルの良さを生かして色仕掛けをしている方もいます。私も忍者の衣装を身に纏っている時、
「お色気の術!」
と言ってアピールしてみたのですが、くノ一にはカゲロウさんなどの私以上の物をお持ちの方もいて、一年後にはカミラ姉さんまでくノ一姿になっていました。姉さんの姿を見た瞬間のエクラさんは間違いなく私の時よりも頬を染めていたのを知っています。そういえば、水着の時もカミラ姉さんはエクラさんと仲良くされていてサンオイルまで塗って塗ってもらっていました。少し焼き餅焼いちゃいます。エクラさんはいつになったら私の気持ちに答えてくれるのでしょうか?
そんなことを考えていると、私を呼ぶ聞き慣れた声がします。振り返るとエクラさんがいました。
「カムイ、今暇か?」
「はい、少し思い耽っていただけです」
「そうか、なら一緒に来てくれないか?」
これはもしやデートのお誘いですか!?
「はい!どういったご用件ですか?」
「いやぁ、ちょっと賊がいるらしい場所を見つけてな。偵察部隊を考えてて一緒に来てくれないか」
どうやら、違ったようです。ですが、エクラさんが私に頼ってくれたことは素直に嬉しいです。
「分かりました。用意してきますね」
そう言って私は武器を取りに行きました。
「正門に二時間後に集合しよう。偵察だけだからすぐ終わると思うよ」
そう言うとエクラさんは何処かに行かれてました。物資を用意してくださるのか、他の人にも声をかけているかでしょう。私も早く支度しないと。私は急いで部屋に帰りました。
部屋に帰って来たらまずは武具の用意です。と言っても基本急な戦闘や訓練に対応できるように常備しているのですが。特にアスクに来てからは腕の立つ英雄さん達と手合わせする機会も多いですから。あと用意する物といえば張り込みになった際のための保存のきく食料。手当てするための最低限の傷薬や包帯。これだけあればいいでしょうか。後はそうですね、エクラさんと偵察とはいえ一緒に行動するので最低限の身嗜みもチェックしておきましょう。後は時間があるので読書でもしておきましょう。偵察部隊は他に誰が選ばれたのでしょうか。女性の方が少なければエクラさんにアピールするチャンスでしょうか。いえ、あくまで偵察ですから気を引き締めていかないと。
時間になったので正門前で待っているとエクラさんがニ人の人を連れてやってきました。
「カムイも偵察に選ばれたんだね」
「ご一緒に偵察出来て光栄です。一緒に頑張りましょう、カムイ」
「という訳で、ベレスとリュールにも一緒に偵察に来てもらうことにした。人を探してたらちょうど二人が声をかけてくれてな。二人とも快く了承してくれたよ」
どうやら、ベレスさんとリュールさんも偵察部隊に選ばれたようです。お二人とも手練で心強いのは心強いのですが……。彼女達は私と同じくエクラさんに恋愛感情を持っている方々なんです。ベレスさんは先程からエクラさんのそばを離れませんし、リュールさんはひと時もエクラさんから目線を逸らされません。
「みんな準備はできてるよな。それじゃ行こう」
そんなことは露知らずなエクラさんは私たちに号令をかけられました。
「そういえば、場所を聞いてませんでした。何処に向かわれるのですか?」
「南西に森があるだろ、そこで賊に襲われたという報告が最近多くてな。賊が場所を変えないうちに早めに対処したいんだ。それに大勢で行ったらバレるから少数精鋭で行こうかなって」
そう言いながら地図を見せてくださるエクラさん。
「だいたい、ここら辺かな」
「そこは複雑に入り組んでいてはぐれやすいから慎重にいかないとだね」
エクラさんの指した場所に素早く反応するベレスさん。彼女は元の世界では傭兵でしたが、エーデルガルトさん、ディミトリさん、クロードさんと出会ってからは教師として生徒に勉強を教えていたそうです。それだけに幅広い知識があり、エクラさんとよく訓練や作戦について話し合いをされています。また、教師であることを活かしてエクラさんとよく訓練もされているようです。後は特筆すべきはそのスタイルでしょうか。傭兵として鍛え上げられた身体に私よりも大きい胸を持っています。水着になった際はそれが如実に現れていて、黒ビキニを着ていたこともあって、同性の私ですらセクシーと思ってしまいました。エクラさんが恥ずかしそうに褒められていたことを覚えています。その際、あまり表情が動かないベレスさんも嬉しそうにされていました。ベレスさんも確実にエクラさんに惚れています。
「流石、ベレスとエクラですね。私も精進しないといけませんね」
彼女はリュール。最近、召喚された方です。別世界の私と共に戦ったそうです。彼女は大胆でエクラさんに
「エンゲージしてくだい!」
と持ちかけています。エンゲージと言うのはあちらの世界の力で英雄の力を纏う力だそうです。ただ、それをいいことに告白まがいの言葉を連発しているだけのようにも聞こえて来ます。彼女もエクラさんのことが好きなようで、よく行動を共にされています。この前は一緒に筋肉トレーニングをされていました。行動を共にしていない時も彼女がエクラさんの行動を目で追っているのを何度も見たことがあります。目で追っているというよりも、もやは、観察していると言ってもいいかもしれません。それほどまでにエクラさんを知ろうとされています。でも、気持ちも分かります。彼を知っていけば競争率が高いことは明白です。そうなれば条件で戦う為にも少しでも多くの情報をライバルに頼らないで集めなくてなりません。情報を集める為にも観察しなければならなかったのでしょう。きっと今回の偵察もエクラさんを観察していたから知ることができたのだと思います。
「場所も確認出来たし、出発するか」
そう言われてたのでエクラさんについていきます。この偵察任務はエクラさんのお役に立つチャンスです。たとえライバルが多くても頑張ります!
カムイちゃん回です
フィギュア化おめでとう
ダクブラカムイちゃんはエクラ君にめちゃくちゃ優しくて最高
台詞もイラストも好きで愛用していました
続くような雰囲気ですが、基本短編なので気分によります