SAOの世界に入り込めたので、キリトくんについて行くことにします 作:annkoromochi_
「みんな、勝とうぜ!」
「オーーーー!!!!」
さてさて、やってまいりました、第一層迷宮区ボス部屋前です。
ディアベルはんが掛け声をかけてから扉を開きます。
「A隊前進!」
さて、ミソッカス部隊こと余り物である僕たちはおとなしく雑魚コボルトを狩っておきましょう。
キリトが《ルイン・コボルト・センチネル》の斧を片手直剣単発斜め斬り《スラント》でパリィします。
「スイッチ!」
そこにすかさずアスナが飛び込み、細剣単発突き《リニアー》で弱点の喉元を一閃。
コボルトがさらに仰け反ったタイミングで、俺が投剣基本技《シングル・シュート》でさらに弱点を突く。
この一連の流れでコボルトのHPが半分まで削れるので、もうワンセット行ってコボルトを倒します。
「キバオウたちはまだ倒せていないみたいだな。俺たちがもう一匹仕留めよう」
「了解!」
同じことを繰り返して、もう一匹コボルトを倒します。
ここで迷うのが、ディアベルを助けるかどうかですね。ただ、助けることにした場合、ベータテスターではない俺がボスの差異に気付くのは変なので、キリトにいうことになりそうですが。
ディアベルは助けておいた方が攻略速度が上がりそうなんですよね。それに恐らく原作では25層でALSというキバオウ率いるギルドが壊滅するのですが、そのタイミングでどうせディアベルも死ぬと思うので、助けておいて損はないでしょう。
「キリト、ちょっといいか」
「どうした?」
コボルトを一通り狩り終わって余裕があるタイミングで、キリトを呼びます。
「こうも簡単にボス戦が終わるとはとても思えない。ボスに何か変更点とか、そういうのがあるかもしれないから注意してほしいんだ」
「・・・そうだな、確かに、何もかもベータと同じとは限らないしな」
これで、当初の予定通り俺たちの狩るコボルトは1体ずつのみとなり、その間キリトがボスを観察してくれるので、ディアベルが生き残る――はずだ。
そんなことを言っていると、ボスのHPがそろそろ少なくなってきた。確か、このタイミングで武器が変わるはずだ。
「ディアベル!!ボスの武器が違う!!一度退がれ!!!」
自分の指示でボスを観察していたキリトが武器の違いに気づき、大声で叫ぶ。
取り囲み状態を検知したボスがカタナ重範囲攻撃《旋車》を発動させるが、キリトの警告により全員が余裕を持って退避しているのでそこまで致命的ではない。
ただ――。
ディアベルはボスの間近にいたため、回避はギリギリ間に合わず、攻撃を受けてしまった。
そのまま《浮舟》により体を浮かされて、さらにコボルトロードの刀が光る。
ここで俺は、ピックを2本構えて、投剣二連撃《ツイン・シュート》を放った。
ソードスキルのライトエフェクトを煌めかせてディアベルを仕留めようとしていたコボルトロードは、俺のピックに眼球を抉られてソードスキルをファンブルさせて転倒状態に陥った。
「キリト!!俺はディアベルを治療するから、攻撃の指示を!!」
「了解!行くぞアスナ!」
さて、キリトとアスナがボスの方へ行ったところで、俺はスタン状態で吹っ飛ばされたディアベルに駆け寄って、治癒ポーションを飲ませる。
「大丈夫か?ディアベル」
「ああ・・・かろうじてだけど、平気だ。LAなんて狙いに行くもんじゃないな」
後半部分だけ苦笑混じりに小声で言ったディアベルは、上体を起こして壁にもたれかかった。
ボスは、キリトが技の軌道を言ってエギルたちタンクが防ぎ、すかさずキリトとアスナがソードスキルを入れるという形で着実に削っていっている。
確か、原作だと、ボスが赤ゲージになったぐらいのタイミングで一人が足をもつれさせて《旋車》が発動するんだっけか。
赤ゲージになったな。
「っ!!届けェェェェェ!!!」
キリトが片手直剣突進技《ソニック・リープ》を使い、頭上にいるコボルトロードを転倒状態にさせる。
「全員、フルアタック!!囲んでいい!!」
キリトのその掛け声と共に、レイドメンバー全員が色とりどりの光彩を煌めかせて攻撃をかましていく。
それを見ながら、俺はディアベルの元を離れてボスの近くまで来ていた。
「っ、間に合わないか!アスナ、モチ!最後のソードスキル、一緒に頼む!」
「「了解!」」
恐らくアスナが《リニアー》をぶち込んで、その後キリトが《バーチカル・アーク》で止めの流れのはずなので、アスナが《リニアー》を放つ前にピックを投げておきますか。
起き上がりかけたコボルトロードの肩口めがけて、《シングル・シュート》を発動。一瞬コボルトロードの体がぐらつく。
その隙を逃さずに、アスナが渾身の《リニアー》。
そして、キリトが《バーチカル・アーク》の二連撃を叩き込み、戦闘は終了した。
「コングラッチュレーション!見事な指揮と剣技だった!この勝利はあんたのものだ」
エギルがキリトに向かって話しかけるのを横目に見つつ、俺は周囲を見回す。
原作では、リンドがここでキリトに向かって「なんでディアベルを見殺しにしたんだ!」的なことを言うが、今回はディアベルが生きている。これ如何に。
「なんでカタナのことをもっと早く言わなかったんだ!!そうすれば、ディアベルさんが危険に遭わずに済んだじゃないか!!?」
おっ、来たね。
ディアベルが生きててもこのルートに入っちゃうのかぁ。
「オレ、オレ知ってる!そいつ、元ベータテスターだ!ボスのソードスキルだって、知ってて隠してたんだ!!」
おお、ジョーくんもここで入るのね。
尚もジョーくんは金切り声で捲し立てていますが、恐らくキリトが出てくるでしょう。
「元ベータテスター、だって?」
キリトが喋った瞬間に、あたりが静まり返る。
「俺をあんな奴らと一緒にしないでもらいたいな。SAOβテストの募集枠千人のうち、ほとんどはレベリングのやり方も知らないようなニュービーだったよ。今のあんたらの方がまだマシさ」
一拍置いて、再度続ける。
「俺はあんな奴らとは違うぜ。ボスのカタナスキルを知ってたのは、もっと上の層でカタナスキルを使う雑魚MOBと散々戦ったからだ。他にも色々知ってるぜ。アルゴなんか、問題にならないくらいにな」
「そ、そんなのチーターだ!」
「チーターのベータテスターで、ビーターだ!!」
ビーターって言葉がここで初めて出てくるんですよね。
「ビーター、いい呼び名だな、ソレ」
その言葉と共にキリトがボスのLAボーナスである《コート・オブ・ミッドナイト》を装着する。
「そうだ、俺はビーターだ。これからは元テスター連中と一緒にしないでくれ」
「こっから二層の主街区までフィールドを少し歩くから、ついてくるなら初見のMOBに殺される覚悟しとけよ」
そしてキリトが往還階段に向かって歩いてゆく。
ディアベルは何かいいたげな顔をしているが、自分がベータテスターであると明かすことを躊躇っているのか、何も言えないようだ。
しゃーない、一言言ってキリトを追いかけますか。
「ああは言ってるけどな、実際のところ、ベータとの変更点なんて誰にもわからなかった中で、キリトがカタナスキルの技を教えてくれたから勝てたんだぞ。あんたら、それで本当にいいのか?」
俺はそれだけ言うと、一層沈黙に包まれたボス部屋を後にして、キリトのように階段を登った。
「来たのか、モチ」
「まあな。当然だろ?今まで一緒にやってきたんだから。ま、あいつらからしたら最初から一緒にいる俺もビーターみたいなもんだ」
俺がそう言って少し経った時、もう一人階段を登ってきた。
「来るなって言ったのに、どうして二人も来るんだ」
キリトが少し困ったようにそういうと、アスナが、
「来るななんて言ってないわ。殺される覚悟をしておけって言っただけ」
と反論する。
「ディアベルさんと、エギルさんから伝言」
「ディアベルさんは、『キリトさんのおかげで助かった。何か困ったことがあったら言ってくれ』って言ってたわ。エギルさんは、『またボス戦やろうな』ですって」
アスナはそう言うと、キリトに向き直って言った。
「それと、これは私から。あなたたち、戦闘中に『アスナ』って言ったでしょ」
「え、ごめん、読み方違ってた?」
「読み方って・・・そもそも、私あなたたちに名前教えてないじゃない」
アスナがそう言うと、キリトが納得がいったように手をポンと叩くと、アスナの視界左上あたりを指差しながらいった。
「視界のこの辺に、自分以外のHPと名前が書いてあるだろ?」
アスナが顔を動かしたので、キリトがアスナの頬に手を当てながらつづけていう。
「顔を動かさずに、目だけ動かすんだ」
熱いですね、キリアス。今からキスでもするんですか?
囃し立てたい気持ちを堪えて、二人の会話を邪魔せずに聞きましょう。
「きり・・・と、もち・・・。これが、あなたたちの名前?」
キリトと俺が同時に頷くと、アスナは微笑みながら言った。
「なーんだ。こんなところにずっと書いてあったのね。ほんとはね、キリト、あなたにお礼を言うために来たのよ」
「・・・クリームパンとお風呂の?」
あとは原作通りに会話が進んだだけなので、割愛します。
〜現在のステータス〜
レベル:7
主武装:アニール・ブレード
副武装:アイアン・ピック
スキル:《片手用直剣》《投剣》《空欄》
パーティーメンバー:キリト