デートの誘いを考えるのは、AIでも良い筈だ。

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古関ウイ、AIに恋愛相談する

本棚の迷路、ここはトリニティにある古書館で大きな机を独占して、積まれた本の山に埋もれながら、二人が本を読んでいる。一人はこの古書館の主である古関ウイ。もう一人はシャーレの先生だ。二人は思い思いに選んだ本を読んでいた。

 

先生「ウイ、明後日くらい空いてる?」

 

ウイ「空いてますが」

 

先生「ちょっとレッドウィンター連邦学園に呼ばれて行くんだけど付き添いなんてどう?」

 

ウイ「嫌です、寒いし面倒です。この子達と一緒の方が有意義です」

 

先生「そっか」

 

互いに顔を合わせずに会話をする。少しの静寂の後にウイが口を開く。

 

ウイ「…学園都市キヴォトスの北端にある学園。学園領土はキヴォトス最大と言われるが、一年中雪が積もっている僻地であるため人口は校舎周辺に集中しており、規模としてはそこそこ現政治体制はレッドウィンター事務局が殆どの部署を管理して…」

 

先生「いやメッチャ興味持ってない?」

 

ウイ「いや無いですけど」

 

先生「そっか」

 

…また、静寂が場を包む。

 

ウイ「…」

 

ウイ(…いや行けよ私ぃーーーーーーーー!!何やってんだよぉーーーーーーーー!!)

 

横目で先生の読んでる本を見る、案の定レッドウィンター連邦学園周辺の観光マップだ。ここにない最新の書なので恐らく持参した物であろう。よく見ると付箋が所々貼られているし、積み上げられた本は全部そう言うの関係だ。

 

一週間前、古関ウイは先生を呼び出して告白をした。内容そのものは稚拙で幼稚なものだった。今その時を思い返しても「無いな、没で」なんて心の中の恋愛担当編集者が引き気味でそう言っている。だがそんな告白に先生は二つ返事でOKした…

 

そんな事があって私達は先生の空いた時間を利用してこうやって読書をして過ごしている。非常に、ライトでピュアな関係だ。

 

ウイ(でもデートの誘いは断るわ先生にトリニティまでご足労させてるわ…このままだと…)

 

先生(イメージ)「別れよう、好きな内に…ね?」

 

ウイ「好きな内にって何!?ねぇ!?どういう事なのそれは!!?」

 

先生「っ!?」

 

脳内シミュレーションをしていたら大声で反論してしまった。図書館では静かに…守ろう。

 

今回はミスらないそのために巷で流行りの…スマートフォンを取り出してアプリを取り出す。

 

アプリを開くとそれにはチャット欄が表示され、BOTであるAIが待機する。AIチャットボットとは、チャット(会話)をロボットが代行してくれるプログラムを指す。会話情報を蓄積させておき、ユーザーからの問い合わせに自動で返答する、いい時代だ。早速使おう。

―――――――――――

 

AI「ごきげんよう」

 

ui「私は生徒、私は今付き合ってる人が居て相手は先生です」

 

AI「え?」

 

ui「何か問題ありますか?」

 

AI「いや、特にありませんが……」

 

――――――――――――

 

ウイ(今ドン引きされなかった?)

 

引かれた、と言うことは倫理観があってマトモな回答が期待できるだろう。続けて打ってみる。

 

――――――――――――

 

ui「私は先生とデートがしたいのですが良いアイディアはありますか?ちなみに私はインドアです」

 

AI「そうですね……映画などどうでしょうか?」

 

ui「なるほど、良いアイディアですね…では映画に行きます。これから先生を誘いますがどう言えば良いですか?」

 

AI「ストレートに誘えばいいと思いますよ」

 

ui「えっ」

 

AI「なんですか?」

 

――――――――――――

 

ウイは額から汗が流れてきた。ストレートに?今私は明後日の予定をブッチしてしまったんだぞ?それなのに「今度やる映画、面白そうだから一緒に行きませんか?」何て言ってみろ?わかるか?

 

先生(イメージ)「こっちの誘いは断ってなんでそっちのは受け入れないといけないの?最低だな…失望した、ウイの彼氏辞めてサクラコの彼氏になるね」

 

ウイ「アァイ!!」

 

先生「ど、どうしたの!?そんな顔を手で押さえて猿みたいに叫ぶなんて!」

 

ウイ「な、何でもないです…気にしないで下さい…」

 

――――――――――――

 

ui「えー、先程先生の誘いを断ってしまってとても言いにくいのですが、どうしたら?」

 

AI「では私が代わりにお伝えしますね」

 

ui「えっ?そういうサービスやってるんですか?」

 

AI「はい。お悩み解決相談所と言うサイトで会員登録するとAIによるチャットカウンセリングが出来ます」

 

ui「おいくらですか?」

 

AI「月額5万です」

 

ui「ころすぞ」

 

AI「冗談ですよ」

 

――――――――――――

 

スマホを投げそうになった。

 

ウイ(こ、この…機械の分際で…やっぱりアナログこそ至高って事なの…っ!!悔しい……困らせてやる…!機械ごときが答えられないメンヘラじみた事を言って困らせてやる…人類を甘く見るなよ!!)

―――――――――――――

 

ui「こんな根暗な私を、先生はまだ好きだと思ってくれてるんですかね。こんな面倒で暗い女の子なんて好きになる男性いませんよ」

 

AI「はい。そう言ってましたよ」

 

ui「は??????何で貴方に行ってるんですか?貴方先生とどういう関係なんですか???」

 

AI「えっと、その前に貴女は何者なんですか?」

 

ui「彼女ですが??????」

 

AI「(笑)そんな訳ないじゃないですか」

 

―――――――――――――

 

ウイ「」

 

先生「ウイ?どうしたの?」

 

わなわなとしたり叫びだすウイが気になり、真っ白に放心するウイを見て。手に持っているスマホを覗き見ると今までのレスが見えて理解する。

 

先生「あー…ウイ?」

 

ウイ「…はっ!?はい!!」

 

先生「明後日レッドウィンターの用事終わったら、映画見に行かない?」

 

ウイ「ふぇっ!!?い、行きます!!」

 

先生「じゃ、早く終わらすために今日は帰ろうかな。じゃあまた、モモトークで予定送るね。好きだよウイ」

 

ウイ「はい!ありがとうござ…んん!?」

 

先生は立ち上がると古書館を後にする。残されたウイは茫然としたまま手に取っているスマホに文字を打つ。あまり考えず、脊髄反射の赴くままに。

 

―――――――――――――

 

ウイ「先生に好きだと言われました」

 

AI「それは良かったですね」

 

―――――――――――――

 


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