女幹部さんは友達が欲しい(※恋人でも可)   作:異種百合推進委員会

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たまにはうんどうも(※あたまもつかう)

「うーん、やっぱり速いわね」

 

 ジスタを見つけてしばらく。ずっと追い掛けては居るんだけど中々距離が縮まらない。小柄な体を活かしてあたしじゃ通れなさそうな木々の間も通り抜けていく。何度か見失いかけたし、こうやって追ってる今もちょっと目を離したら消えてしまいそうだ。

 

 でも、あたしだって馬鹿正直じゃない。真っ直ぐ追って捕まえられないのなら、罠を仕掛けるだけだ。だからと言って新しい罠を作るにはちょっと時間が掛かる。

 じゃあ既にある罠を使えば良い。

 

 長々と逃げ回っていたジスタが、また木々の間、葉っぱの群れに突っ込む。

 

「うわあああああああ!?」

 

 向こうに飛び出していくことはなく、代わりに悲鳴が上がった。あれ、一つだけ? おかしいなと思いながら罠を仕掛けた場所まで近づいていく。

 

「あらぁ、吃驚しましたわ。ジスタ様が突然この胸に飛び込んで来るだなんて」

「はーなーしてーくーださいー……」

 

 ジスタが飛び込んだのは、さっき誰かが隠れているとあたしが目星をつけていた場所だ。ニルかミランダのどっちかだと予想していたが、ミランダの方だったらしい。ぎゅっとミランダに抱きしめられてジスタは身動きが取れない状況になっている。

 

「ジスタが驚くのはともかくなんでミランダは捕まえてるのよ」

「ああ、そういえば鬼ごっこでしたわね。ジスタ様は普段こんなに近くまで来てくださらないのでつい」

「まあ良いわ。二人ともたーっち」

「うふふふ、捕まってしまいましたわぁ」

 

 まあだいたい作戦どおりだったので良し!

 意気消沈のジスタとツヤツヤしてるミランダを木の上から降ろす。ぷらーんとしてるジスタはひっくり返された鳩みたいだ。エネルギーを全部ミランダに吸い取られているような気がする。なんて思いながら残りを探しに向かう。

 

 ばさばさ飛んでいると、周りを警戒している影が。

 

「ん、またレイね」

「おっと。そろそろ何人か捕まっている頃合いか。次は見逃さないのか?」

 

 距離はさっきよりも近い。その代わりに、ここからじゃ不意は打てない。

 

「行くわよ」

 

 地面を蹴ってひとっ飛びに触れに掛かる。上下に避けたアズキと違い、レイはステップで左右に動いて避けた。身体の芯が崩れてないから、もう一回仕掛けても同じように躱される。

 

 それならと足を払えば、今度はバックステップで距離を取られた。それだけ動いても頭の高さが殆ど変わってないのはズルじゃない?

 

「それは反則じゃないか?」

「魔法は使ってないからセーフ!」

 

 タックルの要領で下半身を捕まえに掛かる。捕らえた、と思ったらすり抜けた。いつの間にかあたしの後ろに居る。

 

「今のほんとに足さばきだけ!?」

「基礎の基礎だ」

 

 それはそうかもしれないが、魔法にしか見えない。

 

「逃げないの?」

「さっきの感じからして、離れた方が危ない気がするからな」

 

 ジスタみたいに逃げてくれれば、また先回りとかしようがあったんだけど。

 

 ニルから先に探すか? いや、もう日がかなり傾いてる。ジスタを捕まえるのに時間をかけ過ぎた。ここでレイを逃して、ニルを見つけられなかったら両損だ。たとえニルを諦めてでもここでレイを捕まえる。

 

「ふーっ」

 

 もう一回飛びかかる。避けられるのは想定内、翼を広げて急ブレーキを掛け、ぐるっと旋回してもう一度。さらに翼を酷使してもう一度。

 

 姿勢一つ動かさず躱されるけど、レイの顔に余裕は無い。一手遅れれば捕まえられる。あとはもうどっちの体力が先に尽きるかの勝負だ。

 

「はやく捕まりなさーい!」

「断るっ」

 

 ぐっと、地面を蹴り飛ばそうとして。つま先に異変を感じる。

 

 あ、やば。

 

 散々抉っていたせいで小さい穴になっていたらしい。そこにつま先がハマってしまい、ぐらりと体勢を崩す。このままじゃ思いっきり盛大に転ぶ。翼も反転に使っていたから間に合わない。

 

「っておい!?」

 

 ところがあたしが地面とこんにちはすることは無かった。すんでのところでレイがあたしを抱きかかえてくれて難を逃れたのだ。

 

「はぁ……大丈夫か?」

「う、うん。まあ転んでもたいしたことにはならないと思うけど」

「私も動いてからそう思ったが。なら今から落とそうか?」

「すいませんありがとうございます」

 

 ダメージが無いからって転んで泥んこになりたいわけじゃない。

 

「……これは流石にノーカンね」

 

 これでタッチなんて言ったら恥知らず過ぎる。仕切り直すにはもう夕日が落ちるところまで来ていた。

 

「はい、あたしの負け! 実はニルもまだ見つけてないんだけどね」

「じゃあ探しつつ戻るか」

「そうしましょ」

 

 いやー、負けたけど。楽しかった。それに、助けられるなんて思ってなくて、ちょっとドキドキした。

 戻ってくると、ニルも何故か一緒に居た。聞いたところによると、あたしが入っていったのを見届けて逆に入り口に張っていたらしい。「死角になると思いました」とは本人の弁だ。見事にあたしのことを分かっている。

 

 ちなみに、話を聞いたメアリが、自分を誘わなかったことに対して拗ねてしまい、宥めるのに苦労したのはまた別の話である。




ぎるねだらだらのなまりきり

かんそうひょうかおまちしております
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