女幹部さんは友達が欲しい(※恋人でも可)   作:異種百合推進委員会

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ふおんなけはい(※まってるとはいってない)

「どう、ニル。見える?」

 

 村から追い出されちゃって、は語弊があるか。自宅待機になっちゃって数日。おうちの洞窟の上部、村が遠目に臨める位置であたしはニルに尋ねる。ニルの手元には細長い筒、いわゆる望遠鏡という奴だ。プルメオが暇潰しに作ったものを保管していたらしいのだが、まさか真面目に使う日が来るなんて。

 だってレイ達からあたし達に連絡する手段が無いから、こっちで観測するしか無いのよね。魔法も弓矢もまるで届かない距離からバレるなんてことは無いだろうし。

 

「武装した人間が何人か……十人には満たないでしょうか」

「思ったより小規模ね」

「先遣隊でしょう。レイ様と会話していますが、かなり謙っているように見えます」

 

 謙っているってことはたぶん隊長ではないか。レイは有名人らしいし、別の騎士団の人からも敬意を払われるくらい凄いのだろう。どうだうちのレイは凄いでしょうと、居もしない誰かに自慢したくなる。

 

「じゃあ後から本隊が来るのか。三、四十人くらいかしら?」

 

 そうなると今度は思ったより大事だ。変異種だと言っていたし、余程厄介なモンスターなのだろう。

 

「でも、こっちはそんなモンスター見かけてないのよね」

「そうですね。大物が暴れているのなら痕跡くらい見つかりそうなものですが」

 

 ニルが望遠鏡の向きを村から森の方へと移す。しばらく視点を動かして、ふるふると首を振った。

 

「何も見つかりませんね。ガセでしょうか?」

「だったら良いけど。常駐なんてされたら遊びに行けなくなっちゃうもの」

 

 まあ、それはありえないだろうなと思う。わざわざこれだけの人数を辺境に割いているのだから、勘違いでした、なんてことは考えにくい。

 

「捜索しに行きますか?」

「そんなことしたら鉢合わせする可能性があるし、任せたままで良いんじゃない? レイが居るんだから、なんとかなるでしょう」

 

 レイが手こずる相手なんだとしたら、人間達じゃ対処できる奴なんて殆ど居ないだろう。というか魔族にも居ない。そうなったら人間だの魔族だの言ってられないだろう。

 

「戻りましょう」

「はい」

 

 ニルを引き連れておうちへと戻る。居間には誰も居ない。アズキもジスタも自分の部屋で時間を潰しているのだろう。

 

「お昼ごはんでも作りましょうか。ニル、二人を呼んできてくれる?」

 

 しばらくはここでごはんを作ることになりそうだし、先んじてニルが作ってくれたのは天才だったと言わざるを得ない。先見の明オブ・ザ・イヤー。もし作られていなければあたし達は果実をもぎってそのまま食す生活を余儀なくされていた。

 

「んー、今日はパスタかな」

 

 底の深い鍋に水を注いで火にかける。味付けはどうしようかな。にんにくはあるし、野菜系もあるからそんな感じで行こうか。具になる野菜をとんとこ切りつつ。お湯が沸騰したら依然マーサから貰ったパスタを入れて茹でる。切った野菜をフライパンで炒めつつ、いい感じに茹で上がったらパスタも炒めて、最後にサトから貰った塩をちょっと振りかけて出来上がり。

 

「みんなー、できたよー」

 

 お皿に取り分けてテーブルに並ぶ。頂きますと木製のフォークを使ってまきまきして食べる。んー、ちょっと味が濃すぎたかも。塩かけすぎたかな。

 

「いや、某は濃い味付けの方が好みですから」

「ボクも、これで良いと思います」

 

 あらま、じゃああたしが意外と薄味の方が好きなのかもしれない。濃い味好きってのは嘘じゃないみたいで、あたしより速いペースでぱくぱく食べてくれている。

 

「しかし、早く村に戻りたいものですね」

「あらアズキ。クリムが恋しい?」

 

 いやぁ、と頭をかく。

 

「クリムが何かやらかしていないか、というのもあるのですが。お貸しいただいてる農地で冬野菜を育てていまして。そろそろ収穫の時期なので」

「へえ、冬野菜っていうと?」

「冬キャベツですね。某の故郷にも似た野菜があったのですが、鍋料理の具材に良いんです」

「鍋料理っていうと。前に何回か振る舞ってくれた、なんでもぽいぽい入れて煮込んじゃう奴?」

「ええ」

「良いわねえ。みんな集めて鍋つつきたいわ」

 

 何が入ってるか分からないのも楽しみだ。まあ、変なもの入れそうなのはミランダくらいかしら。そう考えるとだいぶマシね。プルメオよりはまともなもの入れるでしょうし。

 

「ボクも、まだ描き途中の絵があるので、早く完成させたいんですよね。急だったので切りの良いところで終わらせられなくて」

「あれ、じゃあ今は別の描いてるの?」

「そうですね。昔の奴を手直ししたり、ラフをストックしたり……」

 

 とは言っても、ジスタが好んで描くのは風景画だ。特に村の建物を描くのが好きみたいで、構図を変えて何枚も描いている。

 

「あたしも遊びに行けないとそれだけで暇だわ。本当に早く終わってくれれば良いのにね」

 

 内心では結構長引くだろうなと思いながら愚痴をこぼす。あたし達じゃ見つけられてないのに、騎士団の人間が見つけるのにどれだけ時間が掛かるだろう。見つけさえすればレイが討伐はすると思うけど、その事後処理にも時間が掛かるだろうし。

 

 まったく理不尽だ。唇を尖らせて残りのパスタをかきこんだ。




こんぽんてきにあうどどあー

かんそうひょうかおまちしております
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