女幹部さんは友達が欲しい(※恋人でも可)   作:異種百合推進委員会

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きしのにちじょう(※あたまもつかう)

「やっほー、ってスーザンも居るじゃない」

 

 ミランダの家に遊びに来たら、スーザンもいた。三人で机を囲んで何やら話し合っている。もしかして大事な話の最中だっただろうか。

 

「あれ、あたし席外しといた方が良い?」

「いえ、問題ありませんわ。今行なっているのはちょっとした遊戯ですもの」

「遊戯?」

「はい、スーザン様が持ち込んでいたものでして、わたくし達三人とも造詣があったので久々に、と」

「へー」

 

 オッケーそうなので入って机上を覗き込む。四角い板とじゃらじゃらしてて文字が彫られた石。並べるのかなこれ。頭脳に自信のあるやつが似たような遊びをしていたような気がする。そうそう、それこそフェルがマコラと似たような遊びをしていたな。あたしは数回しかやらなかったけど。フェルはともかくマコラの爺は事ある事に嫌味言ってくるからめちゃくちゃにキレた覚えがある。

 

戦将駒(せんしょうく)と呼ばれる遊びですわ。戦将や将駒と呼ばれることもありますが」

「あたしが昔見たことあるのとは少し違うわね」

「あら、ではやってみますか? 横でお教えしますよ」

「良いの?」

「ええ。クリム様かスーザン様、お相手をお願いしてもよろしいでしょうか」

「それなら私が相手するぞッ!」

 

 クリムが意気込んで相手になってくれたので。ミランダに言われるままに駒を盤上に並べていく。スーザンはティーカップをつまんで観戦モードみたいだ。

 

 どうやらこの戦将駒ってゲームは戦争を模したものらしい。勝利条件は相手の王に相当する駒を取ること。その為に他の駒はそれぞれ特有の動きをすることが出来る。まっすぐ進んでいくことが出来る駒や、他の駒を飛び越えていくことが出来る駒。

 

「移動先に相手の駒があった場合はそれを取得できますわ」

「戦力差とか関係ないのね。雑兵でも将が取れるんだ」

「ええ、ですから安い駒でどれだけ強い駒を取れるかが重要になりますわ」

 

 ふむふむ。駒が多すぎて動かし方を覚えるのに時間が掛かりそうね。物覚えが良いほうじゃないから、しばらくミランダに教えてもらいながらじゃないとできなさそう。

 

「取った相手の駒はどうするの」

「実は地域などで異なりますね。わたくし達の間では、自分の駒のようにおけるとしていますが」

「へー、じゃあ最初に有利取った方がずっと有利じゃない」

「そうとも限らんぞ。名将落としでやってみるか?」

「何それ」

 

 また新しく出てきた言葉に首を傾げると、スーザンが注釈してくれる。

 

「ハンデ戦だな。最初から駒が何枚か落ちた状態で始める」

「ほん、舐められてる?」

「じゃあ対等でやるか?」

「ハンデでお願いします」

 

 ルールも覚束ないんだから勝てるわけないじゃない。初心者いじめ反対。

 先手を貰って雑兵を一歩前に動かしていく。体を動かすわけじゃないから、雑談を挟みながらだ。あたしもカップを借りてお茶を飲む。その間も交互に駒が進んでいく。

 

「ねえスーザン。これって有名なの?」

「……貴族や騎士は大抵嗜んでいるな。頭を使うから兵法を学ぶ際にもよく使われる。訓練に取り入れられることもある」

「私も教育の一環として世話役から学んだものだ。レイともやったことがあるぞ。当然私が勝ったがな」

「相手に困ることは無さそうねえ」

 

 あ、駒を取られた。ぜーんぜん分かんない。ミランダに教えてもらってるのは駒の動かし方だけだから、たぶんなんか強い戦法とかあるんだろうけど。

 でもレイも出来るっていうなら本当に相手に困ることはなさそうね。雨の日とか、髪いじりや糸よりとはまた違う過ごし方が出来るかもしれない。有名だって言うなら今度サトに買ってきてもらおうかな。

 

「私達どちらもミランダ殿には敵わなかったがな」

「意外、ミランダが一番強いんだ」

 

 いや、でも考えてみればスーザンはともかくクリムがミランダに勝ってる光景は全然浮かばないな。

 

「凄く失礼なこと考えてないか?」

 

 じっとクリムが睨んでくる。多少落ち着いたけどまだまだ血の気が多いなあ、とちょっと微笑ましい気分だ。

 

「別にー?」

「いや絶対考えてるだろッ」

 

 そんなこんなの話をしている間にあっという間にあたしの盤面は攻め込まれてしまった。駒も半分くらい取られてしまって差が逆転してしまっている。

 

「ねえミランダ。ここから返せると思う?」

「……クリム様が三手間違えれば可能性はありますが、詰めを誤ることは無いかと」

「負けってことね」

「なんだ、たいしたことないんだな」

「初心者に勝って威張ってもかっこつかないわよ」

 

 ふん、とそっぽを向く。初心者だし仕方ないじゃないという気持ちと、クリムに負けるなんてとても悔しい気持ちが同居している。

 

「こっちの雑兵が全部あたしなら良かったのに」

「ゲームにならんわッ!」

「ズルをしようとするな」

「流石に大人気ないかと」

 

 ぼろっぼろな言われようである。うう、戦力が互角なんてゲームの中だけだもん。

 

「も、もっかい!」

「やっても良いが……」

「今度は勝つ!」

 

 うおおおおと気合を込めたものの、当然のようにやっぱり負けた。




ちょっとたてこんでこうしんおくれました

かんそうひょうかおまちしております
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