女幹部さんは友達が欲しい(※恋人でも可)   作:異種百合推進委員会

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ゆき、しんしん(※ぴかぴか)

「んー……」

 

 朝日と鳥のさえずりで目を覚ます。昨日はみんなでわーきゃー騒いで。途中からお酒も入って。楽しかったことは覚えているけど。ちょっとだけ頭が痛い。お酒飲まない組も酔っ払いに絡まれて疲れ寝しちゃってるみたいだ。体を起こすと、火の消えた鍋を中心にみんなほとんど雑魚寝状態になっている。

 誰一人ちゃんとした場所で寝ようとしなかったって考えると面白いな。こんな様子じゃ火事になっても文句は言えないと思うんだけど。えーと、ああそうだ。途中でちゃんと火を消したんだった。あたし偉い。なんなら寝床ではないけど毛布はしっかり被っている。冬だし、暖炉の方はつけてるとはいえ、凍死しちゃうかもしれないとレイが用意してくれた奴だ。

 それにしても、朝なのに外は昼みたいに明るい。昨日はずっと雪が降っていたような気がするんだけど。いつの間にか晴れたんだなあ。いや太陽だけじゃここまで明るくはならなくない?

 よいしょ、と。寝ているみんなを踏まないように気をつけながら窓まで歩いていく。カーテンを開けると光が強くなった。視界に映るのは白、白、一面の白。

 

「眩し……なんだいったい」

「レイ、レイ見て!」

「うるさい……そんな揺さぶるな」

 

 寝ぼけ眼のレイを引っ張って窓際まで連れて行く。瞼を擦りながらレイが外を覗くとほう、と息を漏らした。

 

「雪だ」

「ね、予想外だわ!」

 

 地面には新雪が積もって、一面雪景色になっていた。誰かが踏みしめた跡も無い。昨日は半分雨みたいな感じだったけど、どんちゃん騒いでいる間に雪が強くなっていたらしい。全然気が付かなかった。

 

「溶ける前に遊ばないと勿体無いわ。何しましょう。雪合戦? 雪だるまでも作る?」

「はしゃぐのは分かるが少し落ち着け」

 

 すっかり目が覚めたレイは苦笑いしながら死屍累々の床を指差す。

 

「飲み過ぎで全滅だ。今無理に起こすと胃を裏返すぞ」

「んぐ……」

 

 とりあえずは介抱と、そういう運びになった。メアリとジスタは飲んでないから片付けをお手伝いしてもらう。ジスタとレイは散乱した荷物をまとめて貰って、あたしは食器の片付け。メアリは二日酔いの為に卵を使ったスープ作り。

 

「まあ、積雪なんて見るのはいつ振りでしょうか」

「もう慣れてきたけど、ミランダ一番飲んでたわよね?」

 

 遅れて目を覚ましたミランダはあたしの倍以上飲んでるのに全く気にした様子も無さそうだ。やっぱりモンスターなんじゃないだろうか。

 

「そこの三人はとても動ける状況じゃないと言うのに」

「む、無念ッ……」

 

 レイが呆れながらうめく二日酔い組を部屋の隅に追いやる。ミランダに当てられてアズキも普段より飲み過ぎたらしい。ニルとクリムがダウンしているのはいつものことだけど。クリムはそんなに強いわけじゃないんだから無理しないでほしい。お酒で死ぬことってあるのよ。

 

「むしろお二人は残って無いのですね」

「あたしはセーブ癖みたいなもんね」

 

 あたしが酔っ払って暴れたら誰も止められる人が居ないから。ついストップしてしまう。ちょっと怖いみたいな部分もある。酔うだけなら雰囲気だけでも十分楽しめるっちゃ楽しめるしね。

 

「私は体質だな。飲み潰れても次の日に引きずった事はない」

 

 確かに、レイが二日酔いでダウンしてるのは見たことないな。いやアズキじゃあるまいし、潰れるまで飲ませるなんてことはしないけど。それでも昨晩は結構な量飲んでたような気がするんだけど。

 

 ずらっと並べられた瓶の本数を数えようとしてすぐに諦める。数字化しちゃいけないもののような気がする。いや今六本以上は見えたもん。一人一瓶は絶対飲んでるもんこれ。

 

「ぐおおお……」

「アズキが頭痛に苦しんでいる……! レアな光景過ぎて保存できないのが悔しいわ」

「いや保存してどうするんだ」

「ニルはたぶん喜ぶわよ」

 

 アズキの絡み酒の被害を一番受けてるから。あたしが挟まる時は挟まるんだけど。ニルもついつい流されてしまうから。魔王城に居た時には他のところの部下の人にまでお酒弱い人の認識が広まっていた。彼女の名誉の為に言っておくとけして弱いわけじゃない。と思う。ここはザルばかりだから基準が狂いそうだけど。

 

「後他の被害者も喜ぶと思う」

「災害か何かか?」

「あたしの部下限定のね」

 

 お酒飲めないヘレネはともかくプルメオとディアンヌは普通に潰されたことあるからね。その結果、アズキの隣はあたしとニルで固定になってたりした。

 

「二人とも、大丈夫? スープくらいは飲める?」

「うう……面目無い……頂きやす……」

「私も……」

「クリムは……あ、二度寝してるこの子」

「寝かせといてやれ。祭りでもないのにこうして楽しむ経験が無かったんだ」

 

 そういや忘れそうになるけどお貴族様だった。あたし達は悪い遊びを教えてしまったようだ。反省も後悔もしてないけど。

 

「じゃ、しょうがないわね。動ける人だけで遊びに行きましょ」

「ギルネさん。こっちはもう準備オーケーです!」

 

 今を逃せば次がいつか分からないのだ。全力で雪遊びを楽しまないと。




ふつかよいにはきをつけよう

かんそうひょうかおまちしております
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