今回は、感のいい方なら分かってると思いますが、種明かし兼説明回です。
若干強引な所もあるかもしれませんが、二次創作なので好きにやらせて下さい。
では、どうぞ!
ロイドside
あの後、俺はスレッタにトーリスリッターごと回収され、アスティカシアに帰還した。
まず、負傷者は多数いたが、死者は0人で済んだ。それだけは幸いだった。
だが、フロントの被害が大きく、現在急ピッチで応急修復をしている。さらに、ソフィとノレアは今なお逃走中、行方も掴めていないとのこと。
おまけに、地球寮メンバーはなぜか全員停学、ニカだけはフロント管理社に事情聴取を受けている。
んで、俺は今、地球寮で療養中。こないだの奴で、体が重くなった感じがしてな。今は安静にしてる。暇なので、ミオリネがいない間のたまった仕事をしてる。
ちなみに、モビルスーツは没収されたが、ブレスレットは残っているため、一応ペイルとの会話はできる。のだが………
ロイド「にしても、こないだのあれは本当に何だったんだろうな?なんか、より一層、トーリスリッターと繋がりが増したような感じがしたんだが………」
ペイル《………》
と、こないだの話をした途端、黙ってしまうようになった。なんか、あれ以来テンションが低いような感じがして………。
アリヤ「ロイド、ミオリネが帰ってきたぞ!」
ロイド「マジ?今行く」
いきなりドアが空いたと思ったら、アリヤがそんな事を言ってきたので、俺は立ち上がってラウンジへと向かう。
だいぶ良くなったけど、まだちょっと体が重いな………。
ミオリネ「ロイド、あんた大丈夫なの?」
ロイド「普通に動くなら全然問題ねぇよ。それより、ニカがフロント管理社にいないってどういう事だ?」
ミオリネ「私が知るわけ無いでしょ。今、ようやく帰ってこれたばかりなのに」
………なんかきな臭いな。兄貴に探りを入れてもらうか。
ロイド「………とにかく、ためてた仕事はほぼこっちでやったから、確認と承認はそっちでやってくれ」
ミオリネ「分かった」
資料をミオリネの机に置く。
さて、俺も仕事をやるか、と思ったら………
マックス「失礼するぞ。ロイド・エレネットはいるか?」
チュチュ「あ?誰だてめぇ!」
ロイド「マックスさん!?どうしてここに………?」
何故か地球寮に来たマックスさん。マジでなんで?
マックス「ロイド、CEOがお呼びだ。申請はしたから、トーリスリッターを持って月に行くぞ」
ロイド「はぁ!?」
ペイル《ッ!》
ロイド「………で、なんも説明してくれないんですか?」
マックス「さぁな。俺たちだって連れてこいとしか言われてないんだ」
ライア「全く………うちの社長らしい強引さだねぇ………」
イリス「まぁ、ボクはまたロイド君と会えたから嬉しいけどね!」
アルス「イリス、お前はもう少し現実を直視しような」
それから、問答無用でシャトルに連れてこられ、そこにいたのはいつもの四人。今は、月に向かって航行中。
そこから一日半かけ、月に到着し、今は俺一人で社長室に向かっている。
あの四人?仕事しに行ったよ。
ロイド「ったく、しょうもない事だったらぶん殴ってそのまま帰ってやる」
そして、社長室に着き、ノックを三回してから入る。一応マナーだからな。
ロイド「失礼します………っと」
アナハイム「………来たか」
そこには、机に両肘を立てて寄りかかり、両手を口元に持ってくる、通称「司令座り」をしているクソ親父がいた。
ロイド「で、何の用だよ。こっちは停学中だっつーのに………」
そう聞くと、信じられない言葉が帰ってきた。
アナハイム「本日を持って、お前をトーリスリッターのパイロットから解任する」
ロイド「………は?」
アナハイム「また、アスティカシア高等専門学園を自主退学を命ずる」
ロイド「………待てよ」
アナハイム「………要件はそれだけだ。開発課にでも話を通しておくから、お前はそこで働け」
ロイド「待てっつってんだろ!」
俺はクソ親父に近づき、デスクを両手で叩く。
ロイド「ふっざけんな!お前が行けって言ったから行ったんだぞ!なのに、急にやめろだぁ!?納得できるわけねぇだろうが!!」
アナハイム「お前に拒否権はない」
ロイド「ッ!俺はお前の道具じゃない!!」
アナハイム「いいや、道具だ。お前とペイルは、私の目的を達成するためだけの道具だ」
ロイド「ッ!!ざっけんなぁ!!!」
俺は激昂し、クソ親父に殴りかろうとする。
しかし、いきなり現れた黒服の男たちに、腕を抑えられ、身動きを封じられる。そして、そのまま腕のブレスレットを剥ぎ取られる。
ロイド「ッ!ペイル!!」
アナハイム「一つ聞こう。お前にとって、ペイルは何だ?」
ロイド「………相棒で、家族だよ。………で、だからどうした!?」
アナハイム「………家族、か。お前とサルネリアは、母が………エミル・エレネットが、ドミニコスによって殺された事は、知っているか?」
クソ親父は、唐突にそんな事を言う。
ロイド「………知ってるさ。だから何だよ」
アナハイム「………この際、お前に真実を話してやろう」
そう言って、クソ親父は語りだした。
アナハイム「………我々、アナハイム・エレクトロニクスは、元々、家電や日用品を売る会社だった。だが、ある時、GUND-フォーマットについて知った。特に、GUND医療は画期的なものだった。私は、当時それを研究していた、ヴァナティーズ機関と企業同盟を結んだ」
それを聞いて、俺は驚いた。まさか、ヴァナティーズに関わっていた事に、そういう事があったなんて。
アナハイム「しかし、カテドラルにより、GUND-フォーマットは禁忌とされ、強制執行により、エミルは命を落とした。その時に私は考えた。何故、GUND-フォーマットそのものが禁忌とされたのか」
それは、確かにそうだ。GUND医療なら、人体に影響を及ぼさない、素晴らしい技術の筈なのに。
アナハイム「そして、私は気づいた。GUNDの一面しか見ず、そこから偏見が生まれ、禁忌とされてしまったことを。知ろうともせず、一部しか見ず、そこから勝手な偏見をつける。それが、ヴァナティーズ事変の原因だ、と」
………間違ってはいない。特に、GUND医療なんて、社長が必死に探してようやく見つけたものだ。当時は知名度がないとかそういうレベルではなかっただろう。
アナハイム「だが、私は考えた。エミルは、人が生み出した偏見のせいで死んだのか。エミルは、人を救うためにGUND医療を研究したいと言っていた。なのに、その理想は、人々の偏見で砕かれてしまった」
………
アナハイム「今の私の目的は、エミルを殺した偏見、その偏見を生み出した元凶、デリング・レンブランに復讐する事だけだ。そのためだけに、私は会社を拡大していき、ベネリットグループで上り詰め、デリングに近づいた。同じ、デリングに恨みを持つ、シン・セーのレディ・プロスペラとも協力してな」
………………
アナハイム「それと、お前には言っていないことがもう一つあったな」
ロイド「………何だよ」
アナハイム「ペイルについてだ」
ロイド「………ッ!」
アナハイム「お前は考えなかったか?ペイルは何故こうも人間味の溢れるAIなのか。何故HADESシステムが制御できたのか。何故、時折誰かが自分を求める不思議な夢をみるのか」
ロイド「ッ!?なんで、夢のことを………」
俺は、夢のことについてはペイル以外には誰にも話していない。なのに、何で知っているんだ………?
アナハイム「やはり、か。記憶封印技術にも、限界があったか………」
ロイド「記憶、封印………?」
アナハイム「簡単な話だ。ペイルは、お前の妹、ノーラ・エレネットの生体コードをデータストームネットワークを利用して意思拡張AIに組み込んだ、ハイブリット生体AI、という訳だ。」
ロイド「………え?」
アナハイム「お前が覚えていないのは、私が記憶封印処理を行ったから。夢については、記憶封印が薄れかけてきたからだ」
俺に………妹?
その時、俺の頭に、蓋が外れるような感覚とともに、記憶が溢れ出てきた。
ロイド「………全部、思い出した………ッ!九歳の頃までの、ノーラに関する記憶を、全部………………ッ!」
アナハイム「やはり、大きな要因を与えると記憶封印が外れるか」
ロイド「なんで………なんで黙ってたんだよ、ペイルッ!」
ペイル《………………ごめんなさい》
ロイド「ッ!!」
アナハイム「わかっただろう。お前も、ノーラも、私の復讐のための駒だ」
ロイド「待て、てことは………トーリスリッターは………」
アナハイム「あぁ。トーリスリッターは、ペイルライダーは、ガンダムだ」
裏設定その八
イメージOP、EDは、作者がお気に入りの曲を適当に選んで決めている。
次回予告
第二十三話 決起
お楽しみに!