今回は、あの人物が登場します。
では、どうぞ!
no side
クワイエット・ゼロのデータストーム空間にて、ロイドのペイルライダー・キャバルリーと、ペイルことノーラのトーリスリッターが、対峙している。
互いに動かず、相手の様子を伺っている。
ノーラ《………どうして、来たの?》
ロイド「決まってんだろ………お前を、取り戻すため………救うためだ!」
ノーラは冷淡に、ロイドは、データストームに苦しみ、息を荒げつつ、なんとか言葉を紡ぐ。
ノーラ《………なら、それは無意味に終わるよ》
そう言って、ノーラはハイパー・ナックルバスターのチャージを開始する。
ノーラ《………私は、皆の所に帰るつもりはないから!》
そう言い放ち、ノーラは攻撃を始めた。
チャージが終わったハイパー・ナックルバスターから放たれたビームは、一直線にキャバルリーに向かっていく。
ロイドはそれを避けるが、ノーラは直ぐ様追撃する。
ロイド「なんでだ!………アナハイムを手伝う理由は………無いはずだろッ!」
ノーラ《お母さんを殺した相手に復讐したい。理由はそれだけで十分だよ》
ノーラはインコムを使い、多方向から攻撃を仕掛けるが、ロイドはHADES-Gを上手く使いこなし、回避していく。
ノーラ《お願い、私のことは忘れて。学園に戻って、皆と仲良く暮らしてて》
ロイド「忘れられるわけねぇだろ!学園に来る前から、ずっと俺を支えてくれた!消された頃の記憶だって、全部思い出してる!家族の事を、もう二度と忘れたりはしない!」
ノーラ《ッ!家族、家族って………そう簡単に言ってッ!》
ノーラはハイパー・ナックルバスターを投げ捨て、ビーム・サーベルを二刀流で斬りかかってくる。
ロイドはバックパックからビーム・サーベルを取り出し、正面からビーム・サーベルを受け止める。
ノーラ《私は、ノーラじゃない!!》
ロイド「ッ!?何、言って………!」
最初は互角だったものの、機体性能の差もあり、徐々にキャバルリーが押されていく。
ノーラ《たしかに私には、ノーラの生態コードが使われてる。記憶だってある。だけど、結局は、ノーラという一人の人間を学習、模倣したAIでしかない!ロイドの妹は………ノーラ・エレネットは、もういないの!!》
ロイド「………」
二機は離れ、一度距離を取る。
ペイル《私はノーラじゃない。………あなたの家族じゃない。でも、父さんに作り直された以上、父さんの役に立つ道を歩むしか無いじゃない!!》
そう言い、ペイルはサブアームを使い、四本のビーム・サーベルを構える。
ロイド「………ッ!」
ロイドも、ビーム・サーベルを構えた。
一瞬の静寂の後、両者が一斉に突っ込む。
接触する瞬間、ロイドはビーム・サーベルを停止させ、投げ捨てた。
ペイル《ッ!?》
ロイドは、動揺して動きが単調になった斬撃を避け、そのままトーリスリッターを掴んで接触する。
ロイド「………ざっけん、なァッ!」
そして、キャバルリーの頭部を動かし、思い切りトーリスリッターの頭部に頭突きする。
ペイル《な、何を………》
ロイド「勝手に決めつけてんじゃねぇぞ馬鹿野郎ッ!!」
ペイル《ッ!?………ロイドに、何が………!》
ロイド「人の考えを自分で勝手に決めつけるなって言ってるんだ!………自分ならまだしも、他の人間の考えなんて………そう簡単にわかるわけ無いだろ………ッ!お前が、データを分析して考えてるのか知らんが………俺はお前の事を家族だと思ってる!!」
ペイル《!!》
ロイド「例えお前がノーラじゃないとしても………お前と過ごした日常が楽しかったのは、俺にとっては変わらない………ッ!お前の罪は、俺も一緒に背負ってやる!………だからッ!!」
ペイル《………私も………ッ。………私も、ロイドの側にいたい。皆に、謝りたいっ!………お願い、ロイド。
………助けて》
ロイド「任せろッ!」
俺が叫んだ瞬間、画面にそんな文字が現れ、キャバルリーに変化が起こる。
胸部の左右、肩部、腰部フロントアーマー、脚部の一部の装甲がパージされ、シェルユニットが露わになる。
そして、そのシェルユニットは眩い真紅の光を放出する。
そして次の瞬間、俺は真っ白の空間にいた。
見渡す限り、白い空間。
そして、俺の隣には同じ身長くらいまで縮んだペイルライダー。
………ちょっと待て。
ロイド「………お前は、ペイルなのか?」
ペイル《あー、うん。ここで会うのは、初めてだね》
ロイド「………ここ?」
ペイル《ここは、トーリスリッターの中。データストームのその先。の、筈なんだけど………私がいつも見てる景色とは違う。もっと、こう、暗かったんだよ》
???「それは、いつもあなたがいる所とは違う所だからだよ」
声がして、後ろを振り返ると、一人の女の子がいた。
中学生程の身長。
ブラウンのロングヘアー。
髪色と同じ色の瞳。
そして、AE社の黄色いパイロットスーツ。
ロイド「………お前
………ノーラなのか?」
ノーラ「うん。私はノーラ・エレネット。久しぶりだね、ロイ兄ぃ」
ロイド「………あぁ、ほんっと、久しぶりだな」
ペイル《………………》
俺は感情をぐっと押し殺し、平静を装って話す。ペイルに至っては、何も話せていない。
ロイド「………所で、違う場所って、どういう事だ?」
ノーラ「あぁ、それね。ここ、キャバルリーの中なんだよ」
ロイド「キャバルリーの中………てことは、キャバルリーのHADESは、ノーラのお陰で………」
ノーラ「そういう事。今は覚えてるんだけど、お兄ちゃんたちの記憶が消された時、私はお父さんに捕まって、色々されちゃってね。その後、私の生態コードをコピーされて、一つは直接キャバルリーに入れられて、もう一つは………あなたに使われた」
そう言って、ノーラはペイルを見る。
ペイル《………どうして、私もここに来れたの?》
ノーラ「キャバルリーのHADESが特殊なお陰。試験機って事もあって、詰め込めるものは何でも詰め込んじゃえーみたいな感じで、いろんな機能が入ってるの。あなたを連れてこれたのは、HADESがセクション2を突破したから。セクション2を突破すれば、キャバルリーと同じかそれ以下のスコアの機体に、私からアクセスできるの」
ロイド「中々にチートだな」
ノーラ「まぁ、有効範囲が狭いのが弱点なんだけどね。接触するくらいまで近づかないと、アクセスできないんだよね。だから、暴走した時のための技術とかも作られちゃってね。」
ロイド「んで、俺達をここに連れてきた理由は?」
ノーラ「そんなに大層な理由じゃないんだ。私はもうすぐ消えちゃうから、一度会っておきたいな、って」
ロイド「消える!?」
ノーラ「私はエリクトさんみたいに、完全にデータストームと同調できてる訳じゃないから。HADESを使うたびに、寿命みたいなのがどんどん減っちゃって、最終的には消滅しちゃうんだ」
………そんな状態で、俺を手伝ってくれたのか。
ロイド「………ありがとうな」
俺はそう言い、ノーラの頭を撫でた。
ノーラ「へへっ………やっぱり気持ちいい、ロイ兄ぃの撫で撫で」
ノーラも、幸せそうな表情をしてる。
しかし、突然、はっとした表情をする。
ノーラ「まっず………お父さんが向かってきてる」
ロイド「空気読めねぇのかあのクソ野郎!」
ノーラ「時間がないから、手短に。ロイ兄ぃ、今までありがとう。私、お兄ちゃん達の妹で良かった。サル兄ぃにも、そう伝えといて」
ロイド「………あぁ。俺も、幸せだったよ」
ノーラ「………で、あなたにも」
ペイル《………?》
ノーラはペイルに近づき、肩に触れる。
すると、ペイルの姿が変わった。
数十分の一になったペイルライダーから、ノーラの姿に変わった。
ペイル《!?この姿って………》
ノーラ「………ロイ兄ぃを、よろしくね」
そして、ノーラが一度こちらを向き、微笑んだ。
次の瞬間、俺はコックピットに戻っていた。
裏設定その十八
ノーラのモチーフは、Gジェネクロスレイズの女性マイキャラクター03A。
次回予告
第三十四話 ペイルの選択
お楽しみに!