ロイドside
ロイド「………う………ここは」
アリヤ「ロイド!目が覚めたのか!」
スレッタ「ロイドさん、大丈夫ですか!?」
気がつくと、俺は恐らく地球寮の船の一室にいた。
近くには、アリヤとスレッタ、ロウジがいた。
ロイド「スレッタ、その言葉そっくりそのままお返しするよ」
俺はそう言いながら、寝ていた体勢から起き上がり、部屋を出ようとする。
アリヤ「ロイド、何処に行くんだ?時間はあるらしいから、今お茶を………」
ロイド「ロウジ、俺はどのくらい気絶してた?」
ロウジ「………多分、三十分くらいかと」
そんなにか………
ロイド「アリヤ。お茶を入れたら、格納庫に持ってきてくれ」
俺は返事を待たず、部屋を出ていった。
格納庫についた俺は、真っ先に大破したエアリアルに向かった。
ヌーノ「ロイド!?お前、そのあざ………」
オジェロ「大丈夫、なのかよ………?」
ロイド「こんなん平気だ。それより、手を貸せ。エアリアルを起動できるくらいまでには持っていくぞ」
ティル「その前に」
ティルに声を掛けられ、俺はそちらを向くと、ティルが俺の学園の端末を渡してきた。
ティル「ペイルが入ってるから」
ロイド「………サンキュー」
俺はティルから端末を受け取り、起動させる。
ペイル《ロイド、大丈夫なの!?》
ロイド「いきなりうるさッ!まぁ、大丈夫だよ。データストームも、今はキャバルリーに乗ってないから来てないし。それより、手伝え。エアリアルを直すぞ」
ペイル《うん!》
そして、俺は四人と協力して、エアリアルを応急で修理していく。
しかし、何度か意識が飛びかけたり、一瞬だけ上手く手を動かせない時があったりした。
………やっぱ、ノーラの手助けがあったとしても、常人にガンダムはキツイか。
しかし、体に鞭打ち、なんとか作業を終わらせる。
アリヤ「ロイド、お茶、湧いたぞ」
ロイド「あぁ、ありがとう。こっちも作業は終わったから、すぐ出撃する」
アリヤ「………どうか、無事でな」
俺は、トーリスリッターに向かい、端末をセットする。
ロイド「ペイル、何かあったら、迷わず機体を放棄しろ。いつでも端末にデータを移せるようにしとけ」
ペイル《うん、分かった》
そうして俺は、キャバルリーに向かう。その途中で。
グエル「ロイド、行くのか?」
ロイド「あぁ。こっからはただのお人好しだ」
確かに、俺個人の目的は達成されている。だけど、俺は決めたのだ。俺に出来ることをして、スレッタ達を救う、と。
グエル「俺がエスコートしてやる。無理はするなよ」
ロイド「ありがとうな」
そうして、俺達はお互いの機体に乗り込む。
俺はHADESを起動させる。そして、先程とは比べ物にならないほどのデータストームが俺を襲う。
ロイド「グッ………ノーラが、消えていってるからか………悪いが、もう少しだけ、付き合ってくれ………ッ!」
そして、俺、グエル、スレッタ、ペイルはクワイエット・ゼロに向かって出撃した。
しかし、途中で警報が鳴り響く。
グエル『チッ、議会連合か!』
サルネリア『ロイド、ここはうちのモビルスーツ隊に任せろ!』
そこに、ネェル・アーガマのモビルスーツ隊が向かってきて、議会連合のモビルスーツ隊に向かっていく。
ロイド「兄貴………助かる!」
そうして、俺達はクワイエット・ゼロの上部に向かっていく。
たどり着くと、上部のハッチが空いていく。
ロイド「グエルは………後退していてくれ………もう十分だ」
グエル『………分かった』
そう言って、グエルは後退していった。
俺はエアリアルを抱えるキャリバーンに続き、ペイルと共に突入していった。
そして、球体状の空間にたどり着く。
俺はコックピットから出て、辺りを見回す。
一部の壁がガラスになっており、そこにプロスペラ達がいた。
プロスペラ『スレッタ、エリィを思うなら、あなたも進めるでしょう?』
仮面を外し、スレッタに向けて演説をするプロスペラに、俺は苛つく。
スレッタ『違うよ、お母さん。私はお母さんを失いたくない。エリクトもお母さんを失うこと、きっと望んでない』
そう言ってコックピットに入ったスレッタを観て、俺もコックピットに座り直す。
スレッタ『だから………クワイエット・ゼロなんか………なくったって!!』
ロイド「ペイル………俺達も行くぞ!」
ペイル《うん!》
そうして、キャリバーン、キャバルリー、トーリスリッターは、スコアを上げていく。
俺とスレッタは、データストームに苦しみながらも、高いスコアを維持する。
しかし、突然、データストームの負荷が軽くなる。
???「また………困ってる?」
スレッタ『エラン………さん?』
ロイド「………お前、なんで………?」
声が聞こえて、前を向くと、半透明になった、強化人士四号こと、エラン・ケレスがいた。
エラン「ここには、強化人士のオルガノイドアーカイブが組み込まれてるから。今は、この子と同じ、って事」
その時、俺は思った。
………作戦開始前に、エランについての説明、スレッタにしといてよかった………!
エラン「スレッタ・マーキュリー。待ち合わせ、行けなくてごめん」
スレッタ『いいえ………いいえ………っ』
スレッタは涙を流しつつ、エランと話す。
エラン「ロイド・エレネット、君にも、お礼を言わせてくれ。僕達のこと、スレッタ・マーキュリーに伝えてくれてありがとう」
ロイド「まったく………とんだ迷惑だ………お陰でこっちはタイミング見計らうのに苦労したんだぞ、この野郎が………ッ」
俺も半泣きになりつつ、そう答え、エランも笑みを浮かべる。
エラン「始めよう。スレッタ・マーキュリー、ロイド・エレネット」
そして、エランの差し出した手に、キャリバーンのマニピュレーターが触れた。
no side
三機はクワイエット・ゼロから出て、エアリアルを中心として円陣を組む。
スレッタ「お願い、エリクト………答えて!」
ロイド「妹が待ってんぞ………早く目ぇ覚ましやがれ!」
ペイル《エリクトさん、起きる時間だよ!》
そして、エアリアルのアイカメラとシェルユニットに、光が灯る。
エアリアルのガンビットが集結し、四機の周りを駆け巡っていく。
カヴンの子「スレッタはおバカだね」
カヴンの子「自分で選べるのに」
カヴンの子「居場所があるのに」
エリクト「君達はそれでも……いいの?」
スレッタ「私………欲張りだから………皆と一緒に、やりたい事、いっぱいあるから!」
ロイド「スレッタがそう望むなら、俺はそれを手伝うだけだ」
ペイル《短い間だったけど、エリクトさんと話すの、とっても楽しかったし!》
エリクト「………こういうのを、揃いも揃ってバカばっかり、って言うんだったっけ?」
ロイド「あってるけど失礼だな、オイ」
エリクト「………僕も、これからもスレッタと一緒にいたい。だから、受け取って」
そう言って、エリクトはガンビットを、全てキャリバーンに飛ばす。
(BGM:The Witch From Mercury)
そして、ガンビットは全て、キャリバーンの各部に接続される。
そして、キャリバーンのシェルユニットが、虹色に光り輝く。
その時、キャバルリーとトーリスリッターにも、変化が起きた。
突如、画面が変化し、文字が表示されたのだ。
それと同時に、キャバルリーとトーリスリッターのシェルユニットも、虹色に光り輝く。
ロイド「ははっ………最後にとんでもないサプライズ用意しやがって………」
キャリバーンのガンビット、トーリスリッターのトライブレードが各方向に散解し、虹色の粒子を振りまきながら飛び回る。
スレッタとロイドは、粒子を利用し、通信を繋げる。
スレッタ「ミオリネさん!」
ミオリネ「スレッタ!?」
ロイド「クワイエット・ゼロがまた狙われてる!今すぐそこから逃げろ!」
ミオリネ「………連合の動機を無くせば良いんでしょ?」
ロイド「………お前何する気だ?」
ミオリネの一言に、ロイド達は困惑する。
そして、ミオリネは地球と議会連合へ向けてスピーチを始める。
簡単にまとめると、ベネリットグループを解散、資産は全て地球の企業へ渡すという事だ。
ロイド「………お前の花嫁、すげぇな」
スレッタ「あ、あはは」
………しかし
ロウジ「エネルギー再充電、継続中です」
アリヤ「スレッタ、ロイド、ペイル、逃げろ!」
スレッタ「いえ……………止めてみせます!」
ロイド「スレッタ、お前は一人じゃない!俺とペイルだっている。一緒にやるぞ!」
スレッタ「!はい!」
ロイド「ほんとは別の目的で使うつもりだったけど………しゃーない、お前達も手伝え!!」
そして、キャリバーンとキャバルリーが、同時に虹色の衝撃波を放つ。
それに反応するかのように、地球寮の船ではファラクトとシュバルゼッテが、ネェル・アーガマではルブリスウルとルブリスソーンが起動する。
それらは一斉に船を飛び立ち、ロイド達の元へと向かっていく。
そして、キャリバーンはガンビット、トーリスリッターはトライブレードを収納し、キャバルリーと共に飛んでいく。
そして、飛んできた他のガンダム達と共に、円を書くような陣形で止まり、より一層強まった虹色の光を放出する。
そして、その光がレーザー砲へと届き、オーバーライド、停止させた。
そして、その光の最中、ロイドとペイルは、データストームを利用し、アナハイムと対話していた。
ロイド「もう、終わりだ。あんたの復讐は、もう叶わない」
ペイル《やり直そう、お父さん。お母さんの分まで、生きてあげようよ》
アナハイム「………」
???、???「「お父さん」」
アナハイム「!?」
声をかけられ、そちらを向くと、そこには母親であるエミルと、消えた筈のノーラがいた。
アナハイム「エミル………」
エミル「もういいんです、お父さん。復讐なんて、私は望みません」
アナハイム「あぁ………エミル………」
エミル「罪を償って、私の分まで生きて。それが、私のたった一つの望みです」
アナハイム「エミル………お前達………済まなかった………ッ!!」
アナハイムはエミルを抱きしめ、掠れた声でそう言った。
そして、辺り一面が、光に覆われた。
ロイドは目覚めた。
キャバルリーのコックピットではなく、宇宙空間で。
体が思うように動かず、目を動かすので精一杯。
しかし、右手には、はっきりと端末を掴んでいる感覚があった。
そして、こちらに向かってくるダリルバルデⅡが見えた。
ベネリットグループが解散して、この世界はどうなってしまうのか。
ロイドには政治が分からない。当然、上手くいくかなんて分からない。
それでも。
ロイドは知っている。
人は、やり直して進むことができる事を。
そして、ロイドは、キャバルリーに表示された、文章を思い出した。
「おめでとう。目一杯の祝福を君達に ノーラより」
ロイド「あぁ、その通りだ、ノーラ。…………呪いでも、禁忌でもない。
………………あの光は、祝福の光だ」