アスティカシアを第四の騎士で駆ける   作:毒撒

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第三十五話  祝福

ロイドside

 

 

 

 

 

ロイド「………う………ここは」

 

アリヤ「ロイド!目が覚めたのか!」

 

スレッタ「ロイドさん、大丈夫ですか!?」

 

 

気がつくと、俺は恐らく地球寮の船の一室にいた。

 

近くには、アリヤとスレッタ、ロウジがいた。

 

 

ロイド「スレッタ、その言葉そっくりそのままお返しするよ」

 

 

俺はそう言いながら、寝ていた体勢から起き上がり、部屋を出ようとする。

 

 

アリヤ「ロイド、何処に行くんだ?時間はあるらしいから、今お茶を………」

 

ロイド「ロウジ、俺はどのくらい気絶してた?」

 

ロウジ「………多分、三十分くらいかと」

 

 

そんなにか………

 

 

ロイド「アリヤ。お茶を入れたら、格納庫に持ってきてくれ」

 

 

俺は返事を待たず、部屋を出ていった。

 

 

 

 

格納庫についた俺は、真っ先に大破したエアリアルに向かった。

 

 

ヌーノ「ロイド!?お前、そのあざ………」

 

オジェロ「大丈夫、なのかよ………?」

 

ロイド「こんなん平気だ。それより、手を貸せ。エアリアルを起動できるくらいまでには持っていくぞ」

 

ティル「その前に」

 

 

ティルに声を掛けられ、俺はそちらを向くと、ティルが俺の学園の端末を渡してきた。

 

 

ティル「ペイルが入ってるから」

 

ロイド「………サンキュー」

 

 

俺はティルから端末を受け取り、起動させる。

 

 

ペイル《ロイド、大丈夫なの!?》

 

ロイド「いきなりうるさッ!まぁ、大丈夫だよ。データストームも、今はキャバルリーに乗ってないから来てないし。それより、手伝え。エアリアルを直すぞ」

 

ペイル《うん!》

 

 

そして、俺は四人と協力して、エアリアルを応急で修理していく。

 

 

しかし、何度か意識が飛びかけたり、一瞬だけ上手く手を動かせない時があったりした。

 

………やっぱ、ノーラの手助けがあったとしても、常人にガンダムはキツイか。

 

しかし、体に鞭打ち、なんとか作業を終わらせる。

 

 

アリヤ「ロイド、お茶、湧いたぞ」

 

ロイド「あぁ、ありがとう。こっちも作業は終わったから、すぐ出撃する」

 

アリヤ「………どうか、無事でな」

 

 

俺は、トーリスリッターに向かい、端末をセットする。

 

 

ロイド「ペイル、何かあったら、迷わず機体を放棄しろ。いつでも端末にデータを移せるようにしとけ」

 

ペイル《うん、分かった》

 

 

そうして俺は、キャバルリーに向かう。その途中で。

 

 

グエル「ロイド、行くのか?」

 

ロイド「あぁ。こっからはただのお人好しだ」

 

 

確かに、俺個人の目的は達成されている。だけど、俺は決めたのだ。俺に出来ることをして、スレッタ達を救う、と。

 

 

グエル「俺がエスコートしてやる。無理はするなよ」

 

ロイド「ありがとうな」

 

 

そうして、俺達はお互いの機体に乗り込む。

 

 

俺はHADESを起動させる。そして、先程とは比べ物にならないほどのデータストームが俺を襲う。

 

 

ロイド「グッ………ノーラが、消えていってるからか………悪いが、もう少しだけ、付き合ってくれ………ッ!」

 

 

 

そして、俺、グエル、スレッタ、ペイルはクワイエット・ゼロに向かって出撃した。

 

 

しかし、途中で警報が鳴り響く。

 

 

グエル『チッ、議会連合か!』

 

サルネリア『ロイド、ここはうちのモビルスーツ隊に任せろ!』

 

 

そこに、ネェル・アーガマのモビルスーツ隊が向かってきて、議会連合のモビルスーツ隊に向かっていく。

 

 

ロイド「兄貴………助かる!」

 

 

 

そうして、俺達はクワイエット・ゼロの上部に向かっていく。

 

たどり着くと、上部のハッチが空いていく。

 

 

ロイド「グエルは………後退していてくれ………もう十分だ」

 

グエル『………分かった』

 

 

そう言って、グエルは後退していった。

 

 

俺はエアリアルを抱えるキャリバーンに続き、ペイルと共に突入していった。

 

 

 

そして、球体状の空間にたどり着く。

 

俺はコックピットから出て、辺りを見回す。

 

一部の壁がガラスになっており、そこにプロスペラ達がいた。

 

 

プロスペラ『スレッタ、エリィを思うなら、あなたも進めるでしょう?』

 

 

仮面を外し、スレッタに向けて演説をするプロスペラに、俺は苛つく。

 

 

スレッタ『違うよ、お母さん。私はお母さんを失いたくない。エリクトもお母さんを失うこと、きっと望んでない』

 

 

そう言ってコックピットに入ったスレッタを観て、俺もコックピットに座り直す。

 

 

スレッタ『だから………クワイエット・ゼロなんか………なくったって!!』

 

ロイド「ペイル………俺達も行くぞ!」

 

ペイル《うん!》

 

 

そうして、キャリバーン、キャバルリー、トーリスリッターは、スコアを上げていく。

 

 

俺とスレッタは、データストームに苦しみながらも、高いスコアを維持する。

 

 

しかし、突然、データストームの負荷が軽くなる。

 

 

???「また………困ってる?」

 

スレッタ『エラン………さん?』

 

ロイド「………お前、なんで………?」

 

 

声が聞こえて、前を向くと、半透明になった、強化人士四号こと、エラン・ケレスがいた。

 

 

エラン「ここには、強化人士のオルガノイドアーカイブが組み込まれてるから。今は、この子と同じ、って事」

 

 

その時、俺は思った。

 

………作戦開始前に、エランについての説明、スレッタにしといてよかった………!

 

 

エラン「スレッタ・マーキュリー。待ち合わせ、行けなくてごめん」

 

スレッタ『いいえ………いいえ………っ』

 

 

スレッタは涙を流しつつ、エランと話す。

 

 

エラン「ロイド・エレネット、君にも、お礼を言わせてくれ。僕達のこと、スレッタ・マーキュリーに伝えてくれてありがとう」

 

 

ロイド「まったく………とんだ迷惑だ………お陰でこっちはタイミング見計らうのに苦労したんだぞ、この野郎が………ッ」

 

 

俺も半泣きになりつつ、そう答え、エランも笑みを浮かべる。

 

 

エラン「始めよう。スレッタ・マーキュリー、ロイド・エレネット」

 

 

そして、エランの差し出した手に、キャリバーンのマニピュレーターが触れた。

 

 

 

 

 

 

 

no side

 

 

 

 

三機はクワイエット・ゼロから出て、エアリアルを中心として円陣を組む。

 

 

スレッタ「お願い、エリクト………答えて!」

 

ロイド「妹が待ってんぞ………早く目ぇ覚ましやがれ!」

 

ペイル《エリクトさん、起きる時間だよ!》

 

 

そして、エアリアルのアイカメラとシェルユニットに、光が灯る。

 

エアリアルのガンビットが集結し、四機の周りを駆け巡っていく。

 

 

カヴンの子「スレッタはおバカだね」

 

カヴンの子「自分で選べるのに」

 

カヴンの子「居場所があるのに」

 

 

エリクト「君達はそれでも……いいの?」

 

 

スレッタ「私………欲張りだから………皆と一緒に、やりたい事、いっぱいあるから!」

 

ロイド「スレッタがそう望むなら、俺はそれを手伝うだけだ」

 

ペイル《短い間だったけど、エリクトさんと話すの、とっても楽しかったし!》

 

 

エリクト「………こういうのを、揃いも揃ってバカばっかり、って言うんだったっけ?」

 

ロイド「あってるけど失礼だな、オイ」

 

エリクト「………僕も、これからもスレッタと一緒にいたい。だから、受け取って」

 

 

そう言って、エリクトはガンビットを、全てキャリバーンに飛ばす。

 

 

(BGM:The Witch From Mercury)

 

 

そして、ガンビットは全て、キャリバーンの各部に接続される。

 

 

そして、キャリバーンのシェルユニットが、虹色に光り輝く。

 

 

その時、キャバルリーとトーリスリッターにも、変化が起きた。

 

 

突如、画面が変化し、文字が表示されたのだ。

 

 

 

 

 

Congratulations. Blessings to you all. by:Nora

 

 

 

 

それと同時に、キャバルリーとトーリスリッターのシェルユニットも、虹色に光り輝く。

 

 

 

ロイド「ははっ………最後にとんでもないサプライズ用意しやがって………」

 

 

キャリバーンのガンビット、トーリスリッターのトライブレードが各方向に散解し、虹色の粒子を振りまきながら飛び回る。

 

 

スレッタとロイドは、粒子を利用し、通信を繋げる。

 

 

スレッタ「ミオリネさん!」

 

ミオリネ「スレッタ!?」

 

ロイド「クワイエット・ゼロがまた狙われてる!今すぐそこから逃げろ!」

 

ミオリネ「………連合の動機を無くせば良いんでしょ?」

 

ロイド「………お前何する気だ?」

 

 

ミオリネの一言に、ロイド達は困惑する。

 

 

そして、ミオリネは地球と議会連合へ向けてスピーチを始める。

 

簡単にまとめると、ベネリットグループを解散、資産は全て地球の企業へ渡すという事だ。

 

 

ロイド「………お前の花嫁、すげぇな」

 

スレッタ「あ、あはは」

 

 

………しかし

 

ロウジ「エネルギー再充電、継続中です」

 

アリヤ「スレッタ、ロイド、ペイル、逃げろ!」

 

 

スレッタ「いえ……………止めてみせます!」

 

ロイド「スレッタ、お前は一人じゃない!俺とペイルだっている。一緒にやるぞ!」

 

スレッタ「!はい!」

 

 

ロイド「ほんとは別の目的で使うつもりだったけど………しゃーない、お前達も手伝え!!」

 

 

そして、キャリバーンとキャバルリーが、同時に虹色の衝撃波を放つ。

 

それに反応するかのように、地球寮の船ではファラクトとシュバルゼッテが、ネェル・アーガマではルブリスウルとルブリスソーンが起動する。

 

それらは一斉に船を飛び立ち、ロイド達の元へと向かっていく。

 

そして、キャリバーンはガンビット、トーリスリッターはトライブレードを収納し、キャバルリーと共に飛んでいく。

 

そして、飛んできた他のガンダム達と共に、円を書くような陣形で止まり、より一層強まった虹色の光を放出する。

 

そして、その光がレーザー砲へと届き、オーバーライド、停止させた。

 

 

そして、その光の最中、ロイドとペイルは、データストームを利用し、アナハイムと対話していた。

 

 

ロイド「もう、終わりだ。あんたの復讐は、もう叶わない」

 

ペイル《やり直そう、お父さん。お母さんの分まで、生きてあげようよ》

 

アナハイム「………」

 

???、???「「お父さん」」

 

 

アナハイム「!?」

 

 

声をかけられ、そちらを向くと、そこには母親であるエミルと、消えた筈のノーラがいた。

 

 

アナハイム「エミル………」

 

エミル「もういいんです、お父さん。復讐なんて、私は望みません」

 

アナハイム「あぁ………エミル………」

 

エミル「罪を償って、私の分まで生きて。それが、私のたった一つの望みです」

 

アナハイム「エミル………お前達………済まなかった………ッ!!」

 

 

アナハイムはエミルを抱きしめ、掠れた声でそう言った。

 

 

 

そして、辺り一面が、光に覆われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロイドは目覚めた。

 

キャバルリーのコックピットではなく、宇宙空間で。

 

体が思うように動かず、目を動かすので精一杯。

 

しかし、右手には、はっきりと端末を掴んでいる感覚があった。

 

そして、こちらに向かってくるダリルバルデⅡが見えた。

 

 

ベネリットグループが解散して、この世界はどうなってしまうのか。

 

ロイドには政治が分からない。当然、上手くいくかなんて分からない。

 

 

それでも。

 

ロイドは知っている。

 

人は、やり直して進むことができる事を。

 

そして、ロイドは、キャバルリーに表示された、文章を思い出した。

 

 

「おめでとう。目一杯の祝福を君達に ノーラより」

 

 

 

ロイド「あぁ、その通りだ、ノーラ。…………呪いでも、禁忌でもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………あの光は、祝福の光だ」

 

 

 

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