パイロットのサイコミュ適正を確認。
デュラハンシステム、起動準備。
起動時、リミッターを解除、フルモードで対応。
no side
ケナンジ「聞いていなかったのか!?攻撃を中止させろ!もうこれ以上、こちらから撃つな!!」
隊員「きっと敵に言わされているんです!第一、これ以上テロリスト集団を放置してはおけません!」
ケナンジがすぐに隊員達に通信で静止を促すが、隊員達は聞こうとせず、むしろより激しい攻撃をジーライン達に浴びせる。
グエル「やめて下さい!きっと、ロイドにもなにか事情が………!」
グエルも説得を試みるが、効果はほぼない。
そして、一機のハインドリー・シュトゥルムを、飛来したビームが掠めた。
グエル「ッ!!」
ペイル《………あれって………ペイルライダー………!?》
遠くから迫るのは、黄色のペイルライダー。
ロイドの駆るペイルライダー・デュラハンがビームライフルを連射し、一直線にドミニコスのモビルスーツ隊の方へと向かっていく。
ロイド「あ゛あ゛あ゛アアァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」
通信越しにロイドの叫びが聞こえ、ドミニコス隊の攻撃の手が止まる。
パイロット「そんな、まさか………本当に………!?」
ロイド「今更やめたって………奪った命は、戻ってこないんだぞ………!自分達のしたことに、もっと責任を持てよッ!!」
ペイルライダー・デュラハンはヒートランスを構え、一直線に加速する。
介入しようとしたダリルバルデⅡを振り切り、そのままハインドリー・シュトゥルムの胴体を貫いた。
そして、爆発。
ペイルも。
グエルも、サルネリアも、スレッタも、ミオリネも、ネェル・アーガマのクルーも。
そして、ケナンジすらも。
言葉を失い、ただ考えることしか出来なかった。
………何故、と。
ロイドside
「一線を超えた」
真っ先に考えたのは、その一言だった。
目の前でおきた爆発に、自分のしでかした事、そして、もう戻れない事を改めて感じる。
………言い訳っぽくなるが、俺だって殺したい訳じゃない。ただ、事実を知った以上、あいつらを守らない訳にはいかない。
あいつらは、俺達が議会連合を止めるためだけに巻き込まれてしまった。会社と資産を失い、なんとか傭兵業で食いつないできた。
でも、その繋いだものを、また俺達が壊しちゃいけないんだ………!
………こうなるとは思っていた。自惚れるつもりではないが、ペイル達なら、俺を救うために全面衝突をも躊躇わないと予想していた。
でも、それだと少なからず死者が出てしまう。
甘い考えなのは自分でもわかってる。
その場しのぎなのも理解してる。
それでも。
………例えどれだけの罪を被ろうと。どれだけ批難されようと。
………俺は俺のツケを払う。
………こいつらを、守ってみせる………ッ!
ロイド「………ここは任せろ。お前達は一旦補給に」
SDMパイロット『すまない、助かる………!』
固有通信でジーライン達にそう伝え、ジーラインは後退していく。
それを逃さずハインドリー達が射撃するも、庇うように出た俺のシールドで全て防がれる。
ロイド「………かかってこいよ。死神様が、お前達を冥府への片道旅行に連れて行ってやる!!」
ペイルside
最悪だ。
ロイドが人を殺めてしまった。
ロイドはほぼいつも、自分より他の人を優先する。学園の時もそうだった。
ペイル《………ロイド、あんまり進みすぎて、自分が罪を背負ったりしないでね》
ロイド「分かってる。人を殺す気なんかねーよ」
プラント・クエタでの会話も、忘れたわけじゃないはず。でも、ロイドは今、明確に自分の意志で殺人を行った。
………理由はどうあれ、いくらロイドでも見過ごせない。
止めるんだ。私達が!
ペイル《………グエルさん、行きましょう》
グエル「………あぁ」
ロイド、待ってて。
私達が、あなたを止めるから!
no side
暗黒の宇宙、ドミニコスの艦隊の周囲を、ペイルライダー・デュラハンが駆け巡る。ビーム・ライフルとシールド内蔵ビーム・ガトリングを連射し、多数の敵を撃墜していく。
多数のハインドリーを蹂躙し、戦艦の武装だけを狙ってヒートランスで叩き切る。
ロイド「これが最終警告だ。あんた達の帰る所はまだある。だから、早く帰ってくれ………!」
しかし、ロイドの警告虚しく、ハインドリーは射撃を続け、弾幕を形成する。ユリシーズ戦艦も、残った全ての武装で攻撃する。
ロイドは苦い表情をしながら、武器の照準を合わせる。
グエル「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ロイド「ッ!グエルか………!」
そこに、グエルのダリルバルデⅡが割り込み、互いにライフルを構えて静止する。
グエル「………頼む、ロイド。もうやめてくれ」
ロイド「………やめたら、お前達は大人しく退いてくれるのか?」
グエル「そういう訳にはいかない。SDMの事も………お前のことも」
ロイド「………そうか」
そう言い、ロイドはライフルを構え、最大威力で発射した。
次回予告
第四十四話 真に討つべき者