no side
漆黒の宇宙。デブリに囲まれた小型フロント「アルカナ」では、先程までの多数の戦闘の光が嘘のように、たった二つの光が交差していた。
ダリルバルデⅡと、ペイルライダー・デュラハン。
互いに射撃で牽制しつつ、隙を伺っている。
グエル「………ロイド、何で人を殺したんだ!お前が俺達と戦う理由なんて、ないだろ!?」
ロイド「………何も知らず、のうのうと生きてたんだよ、俺達は。だから、俺は俺のツケを払う!!」
ロイドはそう言い切り、ヒートランスを構えて突進する。グエルもビーム・コンポジットをサーベルモードにして防ぎ、反撃。そのまま何度も切り結んでいく。
ペイル《ロイド、もうやめて!》
ロイド「そしたらSDMはどうなる!?三年前俺達が全て奪ってしまった………それなのに、またあいつらから全て奪うっていうのか!」
ペイル《三年前………私達が奪った………嘘、まさか!?》
ロイド「そのまさかだ!だから俺はお前達と戦う!自分達のしたことから、これ以上逃げないために………これ以上、あいつらの人生を狂わせない為に!!」
ロイドはランスを思い切り振りかぶり、ダリルバルデⅡのシールドを破壊する。
いくら高性能とは言え、ダリルバルデⅡは三年も前の機体。AIとペイルの補助もあってある程度やりあえていたが、流石に限界が来たようだ。
グエル「クッ………!」
グエル達は次第に追い詰められ、コックピット付近にライフルの銃口を向けられる。
ロイド「………ここまでだ。頼む、もう大人しく帰ってくれ………これ以上、俺に撃たせないでくれ………………ッ!」
ペイル《………一つだけ、聞かせて。ロイドは、もう私達の所に戻るつもりはないの?》
ロイド「………ごめんな」
ペイル《………ッ!そう………なんだ………》
その時だった。
宙域にいるすべての者達に警報が行き渡る。
グエル「なんだ………!?」
ペイル《熱源警報………?》
ロイド「………この感じ、まさか………!?」
他の者が困惑する中、何かに気づいたロイドは座標を調べ、一直線に飛翔する。
そして、ネェル・アーガマを通り過ぎ、進んだ所で、地球の方向を向いて静止、シールドを構え、通信を繋いだ。
ロイド「全員、死にたくなけりゃデブリの影に隠れろ!!」
そして、閃光が、辺を包んだ。
ロイドside
絶え間無く降り注ぎ続ける………いや、照射されるビームをシールドの力場でなんとか防ぎながら、俺は焦っていた。
………よく考えたら分ることだった。SDMが傭兵集団だと言うなら、必ず依頼人がいるはず。
ミオリネを殺すという依頼上、俺達に恨みを持った奴らがやったと思ってた。
………でも、そう考えた時、一つだけ、極端にヤバい可能性が浮かんでた。
今のビームで確信した!
ミオリネを………いや、俺達を殺そうとしているのは………!?
そう考えたのは、シールドが溶解し、コックピットが閃光に包まれた瞬間だった。
???side
オペレーター①「………掃射、完了。砲身の冷却を開始。………こんな独断行動、よろしいのですか?
………議長」
議会連合が所有する、ILTSの司令室にて、議会連合長は席に座って黒い笑みを浮かべてる。
議長「かまわんさ。我々はこれの最新の稼働データを得られ、邪魔な株式会社ガンダムだけでなく、ここ最近暗躍しているSDMとやらも殲滅できる。素晴らしいとは思わんかね?」
オペレーター①「………はぁ」
オペレーター②「超高額望遠カメラ、復旧。アルカナの映像、スクリーンに出します」
別のオペレーターによって、レーザーの掃射を受けたアルカナ付近の様子がスクリーンに移しだされる。
議長「………ふむ、やはり凄まじい威力………ん?何だ、あの物体は?」
移された映像には、多数のモビルスーツの残骸、大破した戦艦、そして、損傷の激しいネェル・アーガマが写っていた。
しかし、その中に、議長は謎の物体を見つける。
半透明の物質で構成された、モビルスーツより一回り大きい球体だった。
一体何なのか、議長は解析するよう指示を出そうとする
瞬間、球体はほんのり発光しながら、光の粒子を放出する。
それと同時に、球体は上から少しずつ崩壊していき、最終的に消えてなくなった。
そして、球体があった場所には、黄色いモビルスーツ、ペイルライダー・デュラハンがいた。
………アイカメラとシェルユニットを、緑色に光らせながら。
次回予告
第四十五話 最後のガンダム