革命機ヴァルヴレイヴ 現代に欲望のまま生きる自分本位の鬼達 作:怪物怪人怪獣さん
愈史郎は星野アイ。
狼牙丸は黒川あかね。
九荷はMEMちょ。
捨麿はカミキヒカル。
白怒火は有馬かな。
朱天大将は星野瑠美衣。
操真闘牙丸こと炎竜鬼は星野愛久愛海。だから終盤は喉が枯れるまで叫んだ!?
和の趣きのある木造の大浴場にて
「えっと……確か名前は……愈史郎だっけ?」
「お前は……誰だ?」
「失礼ですけど年齢は?」
「……正確な歳はあれこれ有って不明だが……大正時代の頃は確か35で今は大体150歳前後くらいだな。」淡々と言う事実に目を仰天させる犬塚キューマ。
「えっ!?年上!?…………俺、犬塚キューマと申します。」
「そうか。山本愈史郎だ。あの馬鹿共と一緒にこの無限城で暮らしている。犬塚。」
「はいっ!?」
「良い風呂だろう。」
「あっ、はい……。」
接点の殆ど無い者同士同じ風呂にジャポンして暫く気まずい雰囲気になる物の…やがてキューマは大浴場から見える雄大で圧巻の景色の数々に圧倒される。
「凄い眺めですね……」
ナイアガラの滝に良く似た滝や大量の美しい桜や紅葉の景色……
「……何か植生がおかしくありませんか?いや、植生って言うより季節の花々が何か……」
眺めを眺めて疑問を覚えるキューマの質問に愈史郎は特に気にするような素振りで答える。
「そうか?まぁ、此処100年近く見える景色を色々と変えたり、富士山の絵を壁に描いたりしていたな。」
「言われて見たらどっかで観たことある景色……あの愈史郎さん。」
「どうした?キューマ。」
「あの壁の絵、俺の知っている富士山の絵のイメージと何か違いませんか?」
愈史郎はキューマが視線を向ける富士山の絵を見て一言。
「どんな山の中にもマグマ溜まりがあるように噴火は起きる物だから描いたんだ……"噴火する富士山"」
天まで届きそうな赤い燃え上がるマグマや溶岩流が力強く描かれた噴火する富士山の絵を見てキューマは軽く圧倒される。
「迫力があり過ぎるんですが!!樹海が山火事になっているし近くの街が溶岩に飲み込まれているんですが!?何か人が飲み込まれているんですが!!」
「逃げ遅れたんだろう。或いは……何もせず故郷の土地と共に心中を選んだ変わり者達か……」
「何で他人事ように……」
「大昔の世界大戦中に似たような光景を生で見たからな。焼夷弾で木造の住宅街が炎の海となり炎から逃れる為に川に逃げ込むも周囲の熱と炎のせいで川がこんな温泉や風呂の温度を遥かに越えた高温に変わり果てた川に茹でられて実質煮物同然に死んだ人達を知っているからな。」
「ひっ!!」
愈史郎の話した内容をキューマは想像したのか熱い風呂で全身ビッシリとした冷や汗をかく。
「珠世様の絵を褒めてくれた知り合いの画家も沢山死んだ……」
「そうですか……何か重い話をさせてすいません。」
「何時の時代も戦争は良くない……只、毎日疲れてお腹が減るだけだよ。」
「所で……さっきから何を組み立てているん…ですか?」
「千年パズル」
湯船に浸かりながら愈史郎は遊戯王のあの千年アイテムを黙々と組み立てていた。
「やっぱりか!?どっかで見た事あると思ったら!?組み立てられる物なんですか!?」
「ルービックキューブのRTAに飽きていたんだ……大体8年もあれば完成するだろう……」
「変な人格とか魂とか無いですよね?」
「知らん。」
愈史郎とキューマが大浴場の隣の風呂場では……血が入ったワイングラスを音を立てて鳴らし
「パーティーだ♪」
「風呂場でパーティーするな!?」
「ちょっと、せっかく侵入者じゃない来客なんて数百年ぶりなんだから歓迎パーティーの一つしないと失礼だろ?」
「仮面付けてワイングラスを持って全裸の男達の歓迎パーティーなんて誰に需要あるんだ!?タオル巻けよ!?」
「女性読者の脳内にて……」
「世界中の女性の小説愛読者達に今直ぐに全裸土下座してこい。」
「すいませんでした!!!?」土下座して叫ぶ狼牙丸。
「風呂くらい静かに入れ。」
「分かったでおじゃる……皆の者静かに…」
「パーティーだ♪」
男達はワイングラスの音をさっきより小さく鳴らして小声で言う。
【コーーン。】
仮面を付けた全裸の男達が風呂に浸かる様子は端からみたら凄い光景だ。
愈史郎はゴホンと軽く咳払いしてメカメカしい狐の仮面を被った分裂体に話し掛ける。
「……所で九荷。……例の仕込みは順調か?」
【コーーン!】
「……なんて言っているだ?」
「分からないかよ?」
キューマが愈史郎と九荷に対してついツッコミを入れる
「毎回狐の様々な鳴き声で鳴くから俺だって分からないんだよ。第一コイツ喋らないし……」
「えぇ~〜それ大丈夫なんですか?」
「万事問題ないって言ってるよ。」
隣で気持ち良く浸かる狼牙丸がそう答える。キューマは疑いの視線を狼牙丸と九荷の方を交互に入れ替えながら言う。
「……本当に言っているんですか?」怪しい……
「どの道信じるしかない……」
「所で仕込みって?」
「お前達が大浴場に向かう間に闘牙から軽い事情は聞いた……お前達を助ける為に機体を一度諦めてガ◯ダムをドルシア軍の連中に鹵獲されたようだな。」
愈史郎は呆れた表情でキューマを見て申し訳なくなる。
「あれは扇の要……何が何でも取り返す必要があるでおじゃる。」
「アレがあるか無いかでこのモジュール77に駐屯するドルシア軍を追い出す難易度がかなり上がる。」
「だから明日俺達がやるのは、モジュール77からドルシアを追い出す為に機体奪還作戦だ。」
「九荷は、その作戦に必要な色々な物を用意しているのさ。」
「でもまたドルシアの兵器が学園とかに襲いにきたら?」
「その場合は朱天大将に殲滅して貰えば良いでおじゃる。」
【コーーン。】
「まぁな。アイツの性格なら嬉々として殲滅に動くだろう。」
「さて真面目な話はこのくらいにしてパーティーだ♪」
「ホントお前らパーティー好きだな!?」
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男子達が和気あいあいと風呂に入るその頃
「どういう原理なのよ……その琵琶。」
「……本当に寮に着いちゃいましたね。」
琵琶の能力で女子寮内に到着した三人は普段なら灯りのつく筈の通路は電気が通っていないのか暗くなった通路を歩きながらアイナ達は白怒火に警戒しつつ目的地の自分達の部屋の前に到着する。
アイナは周りの何時もと違う景色を眺めながらほんの1、2時間前にモジュールがドルシアに攻撃された事を思い出して身体を震え上がり。そのアイナの様子を見て二人は立ち止まり心配する。
「大丈夫か?櫻井。」
「はい……すいません。」
「無理も無い……気が強い人間でも無い限り今のこの状況は、受け入れられている人間とまだ現実か受け入れられていない人間で分かれている筈だ。お前のせいでは無い……少し休憩するか?何か飲みたい飲み物があるなら自販機で買ってくるぞ。」
「……ありがとうございます。でも……私歩きます。」
「俺は面倒くさいから此処で待っているぞ。早く戻ってアニメけ◯おん!!の続きが観たい……」
(部屋の中に不審者の姿は無いな…よし……。)
「私達の事よりアニメが重要か!?」
「京アニは名作が多いんだ……サキ坊もきっとハマるさ。」
「布教すな。……ってかサキ坊って私の事!?」アニメの話題が良く分からないサキは軽く聞き流すも反射的に呼ばれた変な渾名に反応する。
「関わりゼロの後輩に親しみを込めてやった………まぁ、この状況だとジオール本国のアニメ会社らが無事と言う保証も無いんだけどな……」
咲森学園の停電状態の女子寮内にてサキとアイナの二人の部屋の前に白怒火は静かに立って待っており、小声で自分達の部屋の中に入った二人に言う。
「持ち物は必要最低限の荷物だけにしろよ。」
「分かっているわよ。部屋の中を覗いたら承知しないわよ。」
「部屋いっぱいに推しの写真かストーキング相手の写真でもあるのか?それともWXIII機動警察◯トレイバーのように娘の写真がデカデカっとタペストリーみたいに貼っているのか?」
「違うわよ!娘って何の話!?」
「死んだ娘の癌細胞を組み込んだ人工生物の話……」
「人間ですら無いじゃない。」
「親にとっては娘の癌細胞を使っているからある意味娘の細胞を使っている=娘って事なんだがな……」
「えぇ……ってコイツアニメ談義してる場合じゃない。」
聞かされたアニメの設定にドン引きしつつ目的を思い出したのかハッとした表情をしたサキは急ぎ自分の部屋に入る。
「すいません。闘牙先輩。」
アイナもサキに続いて自分の部屋に入る。
「おっと、脱線し過ぎたな……二人とも俺は白怒火って名前があるんだが……まぁ、良いか…」
部屋の前で待ちながら白怒火は言う。
「女子の準備は時間掛かるな……何か適当に漫画でも持ってきたら良かったな。こういうのは狼牙丸の方が適任なのに」
「聞こえているわよ!」
「まぁまぁ、落ち着いて……」
白怒火はサキ達と部屋越しで軽く下らない会話をしつつ、周囲の警戒は怠らない。
(血鬼術 十字竜刃!!)
白怒火は両手から自身の血肉を使い体内生成した鋭利な小型の十字手裏剣を取り出し中央に穴が空いた部分に己の目を重ねさせ、
【グチャ】
中央の穴に眼球を作り出して……左右の通路に向けて忍者の要領で素早く投擲する……高速回転する手裏剣は意志を持つかのように飛来して眼球が寮周辺の景色の情報を白怒火の脳に送り込む。
「ふむ……」
(寮の外や寮内に他に人間共の気配はするが、皆、さっきの襲撃が終わり急死に一生を得たとはいえ部屋の隅で震えているな。)
平和の日常の突然の崩壊に状況は頭では理解出来ても、身体と心が追い付いていないのだろう……また襲撃があるのかと恐怖して食事を取る余裕も風呂に入る余裕も無い……沢山見た光景の一つだ。
(ドルシアの連中は、バッフェ達が破壊した機動戦士ガ◯ダムの援軍が来ないか警戒もしているらしい……)
本体が操縦した敵を一度追い払う事には成功したとはいえ、ジオール本国から救援が来る可能性が低いと白怒火は捨麿から聞いている。
まず中立国故に積極的な武装を表立って持ってないのも問題あるが、ドルシアがこのモジュールだけ攻撃は有り得ない……十中八九ジオールも攻め込まれているのだろう……ガ◯ダムが本国に配置されているか知らないが……乗る人間は軒並みこのモジュールにしかいない。つまり機体が有っても使えないし乗れない……
「こりゃ、ジオール本国は無条件降伏の線が高いな……アニメや漫画やゲームの冬の時代が暫く来そうだ。」
「ねぇ?」
聞こえてきた声に視線を向けると軽い荷物をリュックサックに入れたサキとアイナが戻ってくる。
「終わったか。なら直ぐに城に戻るぞ。」
二人の姿を確認すると投擲した十字手裏剣を視界で捉える事なく二人を目の前で左右の片手で掴む。
「あのっ!?」
アイナは白怒火に対して大きく声を出して隣のサキが軽く驚く表情をする。
「どうした?」
「学園に居る皆さんをあの城に避難させるのは出来ませんか?」
「えぇ~〜面倒くさい〜。働きたくないで御座る〜〜」
「……コイツも闘牙先輩と同じくやる気の無い奴なのね。」
ジト目で白怒火を見ながら言うサキ。
「何とでも言え、元々俺達は博愛主義の聖人君主じゃないんだ。俺達は根暗陰キャラなんだ。王道主人公を求めるなら、生きている連坊小路生徒会長に言ってきたら良いだろ。」
「あのお坊っちゃん生徒会長無事なんですね。」
「生きてる人間は無事だよ。死者ゼロ…怪我人ゼロとは言えないがな……」
「……。」
アイナは自分達の前で何も残らずに亡くなったショーコの事を思い出して悲しい表情になってしまう。
「正直に言うと、状況は好転していない。寧ろガ◯ダムを奪われてしまって悪くなった……」
「どうするのよ。」
「詳しい事は本体の闘牙丸に聞け、まぁ、俺達もやるべき事をやるだけだ……俺はまだ自分の好きな物を見たいし遊びたいからな……凄く面倒くさいが時間外労働のボランティアの真似事だろうとやってやるさ。」
「自己中心的なんですね。」
自分達よりも明らかに凄い力や優れた能力を持っているのに、とことん自分大好きなのか、サキはやる気が無い態度に少し腹が立ち嫌味の言葉を白怒火に言うも…
「お前も自分優先の人間だろ……違うな…自分の身も命の投げ出しても守りたい友達や家族がいない人間か……」
「っ!?」白怒火の思わぬ反撃の言葉に動揺するサキ。
「いちいち動揺するな。まだまだ子供だな……」
すかさず琵琶を取り出して鳴らし女子寮から姿を消す三人。
「……。」
相手に心に隠していた物を指摘されて動揺したサキはこの場では何も言わずに只煮えきらない顔で白怒火を見ているも、当の本人は烏天狗を模した仮面を被っている為にどんな表情をしているのかまるで分からないのも嫌な気持ちを大きくさせた。
実際は……
(思わず返してしまったが、ヘイトが想像より高くなったから本体に押し付けとこ……)
完全に、自分が原因なのに知らんぷりだ。
無限城に帰還した三人は、暫く移動する。
「ここを真っ直ぐに左に突っ切ると大浴場だな……」
「でもこの扉開けないわよ。」
前に押しても後ろに引いても横に引っ張っても開かない木製の扉に立ち往生する三人。
「落ち着けよ。二人とも……えぇ~と確かこの紐だよな。えい!?」
天井につるされている赤い紐を白怒火が引いて目の前の木製の扉が1人でに横に開く。
「よし。開いた。」
「…………この城、忍者屋敷か何かなの?」
「ここに来るまで仕掛け扉とか色々ありましたもんね。」
呆れた目で目の前の白怒火を見るサキとアイナ。
「どうぞ。レディーファーストです。」
「あら?気が利くじゃない。」
そう言い彼女達は先に奥へ向かう。白怒火も後に続こうとしたら扉がもう閉まっていた。
「閉じるのが早いよ。」
仕方なくもう一回赤い紐を引こうとしたら赤い紐以外に複数の色の紐が並んでいた。
「えっ?」
赤、水色、黄緑、黄色の四色の紐に視線を向ける白怒火。
「………。」
仮面越しに瞬きを何回もして無言でこの城の警備を任されたあの狼牙丸の顔が浮かび上がる。
「狼牙丸の野郎〜〜よし。落ち着け。慎重に慎重に……」近くの壁をコンコンと叩くと
「入ってます。」CV佐藤健
と中から声が聞こえてきて
「トイレじゃないんだから入ってるはおかしいだろ。ってか何か聞いた事ある人の声が……」
"どんでん返し"の壁の右側を片手で押して見ると左から回転して
「ん?」CV佐藤健
内側にいた仮面ライダー電王プラットフォームと目が合い。
「あっ、鬼違いです。そのまま時の列車に帰って下さい。」
白怒火はいそいそと"どんでん返し"の壁を一回転させて元に戻す。
「何しているの?置いて行くわよ!」
「待ってろっ!?何か俺の知らない色の紐が増えて混乱しているんだよ。コレか!?」
赤い紐を引っ張ると……
〔推奨BGM 軍艦マーチ〕
サキの隣にいるアイナの足元に突然7色の光に照らされて
「いらっしゃいませ!いらっしゃいませ!娯楽の殿堂のパチンコでございます。」
ニコニコと天真爛漫な笑みを浮かべたアイナは聞こえてきた音楽に反応する。
「櫻井さん!!」
突然のマーチとかアイナの行動にサキのツッコミが飛ぶ。
「いらっしゃいませ!いらっしゃいませ!ジャンジャンバリバリ!」
「おやっさん。ここ入んないよ!入んないよ!?」 まるで某有名なドリフターズのようなやり取りを始める白怒火。
「お客さん。このパチンコはねぇ。はっ!?私は一体何を!?」
「私が聞きたいわよ!?」
「ふっ、かかったな……これは俺達の血鬼術 ハジケ領域展開さ!?」呪術廻戦のキャラのポージングをする白怒火。
「意味の無い事を櫻井さんにするんじゃないわよ!?」
「そうだよ。色が違う。色が…」
すると白怒火の周りのライトが黄色になる。
「っ!また違うでしょ。」
するとライトの色が青い色になる。
「そうじゃないだろ。俺は忍ぶ者だからさ……」
するとライトはピンクに変わりBGMも何かヤラシイ感じになり…
「っ!………。」
白怒火はヤラしいBGMに合わせてノリノリで妖艶な女性みたいに歩き出し始める。その一部始終をアイナとサキは呆然て見て
((私達は一体ナニを見せられているんだ……))
そして…白怒火は己の服をアイナ達に見せるように脱ぎ
「やめんか!?」
「ぐほっ〜〜」
始める前にサキの色々な感情が籠もったツッコミが白怒火に炸裂する。
「何よ!今の私達の親よりずっと上の世代が知ってそうなネタ!?」
「さっきのが何か分かるなんて……君達って意外とムッツリなのかい?」
顔を真っ赤にしたアイナとサキに容赦なく踏み付けられる白怒火
「おのれっ!女に踏み付けられるなんて何百年ぶりだ!?この中で誰が一番偉いんだ!?バカ野郎!?」
「私でしょ?」さも当然の如く言うサキ。
「何!」
「一番偉いの私でしょ?」
「お前が偉い?」
「そうよ!」
「……活動休止中芸能人は偉くない。櫻井と同じ只の一般人だ!?B小町のアイからB小町を取ったら最終学歴中卒の星野アイしか残らないのと同じだ!?」
「私の前でアイの悪口を言うなぁ!?」
推しを馬鹿にされて逆キレるアイナに首を締められる白怒火。
「うがぁ〜〜此処にも主人公達に引けを取らないアイの重たいファンがいた……じゃなくて、この中で一番偉いのは俺だよ。俺!?」
「「えぇ~。」」信じられない……って顔をする二人の女子高校生。
「えぇ~っじゃないよ!?」
「何時から?」
「年齢的な意味でずっと昔からだよ!?バカ野郎!」
「ホント?」
「嘘はいけないんですよ。」
「何でずっと年下に俺が弄られないといけないんだよ。」
このまま立ち往生する訳にもいかずに黄緑色の紐を引っ張る白怒火。
床と天井と壁から日輪刀の材料でもある猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石で製作された槍が次々と所狭しと白怒火の周りに突き刺さる。
「危なっ!!」
「白怒火さん!?大丈夫ですか?」
左肩や腹部に二の腕や太腿に槍が突き刺さるも、冷静に槍を引き抜き……
「……しかも返し付きかよ…糞がっ!?コレって朱天大将対策か?」
血の糸を両手から出して槍を次々と切り裂き身体を再生させる。素材が素材の為に再生するのに時間がやや掛かる。幸いにも立ち位置のお陰でサキ達に肉体が急速に再生するのも見せる必要が無い事に安堵を覚える白怒火。
「問題無いが……腹は立つ……せっかくの服が台無しだ…」
そう言い白怒火は再び赤い紐を引くと…
頭に調理器具のボールが落ちてくる。
「違うのか?ならこれか?」
水色の紐を白怒火は引っ張ると小さな調理器具のボールがリズム良く連続に白怒火の頭に落下する。
「………。」
無言で残った最後の色である黄色い紐を白怒火は引っ張る。
素早く跳躍して落ちるであろう地点から移動する白怒火。
だが着地した瞬間に頭にボールが落ちてきて、再び跳躍して移動した先でもボールが落ちてきて、尚も諦めずに跳躍して移動するもその先にボールが落下、元の紐が集まる場所に戻ると大きなタライが頭に落下して大きな音が鳴る。
タライに頭を打ちフラフラしながら黄緑色の紐を偶然掴み引っ張ると木製の扉が音を立てて開き
「やっと開いた……」
フラフラになりながら白怒火はサキ達と合流する。
「遅いわよ。」
「少しは心配してくれ、さっきの俺の知らない紐達……昨日には無い仕掛けだ……」
「服の一部破けてますよ。」
「見んなよ。エッチ。」
「次は何色の紐を引っ張るの?」
そうサキは白怒火に尋ねる。
「そりゃ、目の前にある……」
再び白怒火が邂逅する赤色、水色、黄緑色、黄色の紐…
「また、増えてやがる。」
「何時もは何色の紐を引っ張るんですか?」
「何時もは黄色何だが……」
そう白怒火は言うと胆力があるのかサキは躊躇なく黄色の紐を引っ張る。
「少しは慎重になろうよ。サキ坊。」
「あっ、開いたわよ。」
そう言うとサキとアイナが開いた木製の扉の向こうへ向かう。
白怒火も素早く向かうが、何故か仕掛け壁が勢い良く開き白怒火の仮面に激突する。
「ふごっ!!」
仮面を片手で押さえる白怒火。そうこうしている内に扉は再び閉まってしまい……
「………。」
無言で黄緑色の紐を引っ張るとさっきの仕掛け壁が叩きつけるように開くのを確認して……
「……。」
水色の紐を引っ張ると自分のいる位置の左右の壁が勢い良く開きそうになり
「そうは行くかよ!?」
左右の壁を白怒火は鬼の力で無理矢理押さえ込む。
「暴れてんな。」
暫くしている収まったので、残った赤い紐を引っ張ると……
再び左右の壁が開きそうになり…余裕を持って両手で押さえ込む
「危なっ!?ふぅ……セーぶっ!?」
安心した表情を仮面の内側ですると天井裏の壁が開き無防備の白怒火の仮面に激突する。
「……同時に引っ張るとどうなるんだ?」
赤い紐と黄緑色の紐を同時に引っ張ると足元の床が左右に開き出して両手で素早く押さえると股間にボクシンググローブが飛んで来て激突する。
【チーーーン!】
「オッフ!?」
股間を片手で抑えながら黄色紐を引っ張ると普通に木製の扉が開き出して
「俺の馬鹿…最初から引っ張っておけば良かった……」
愚痴りつつもサキ達の後を追う白怒火。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
サキ達が大浴場に到着する前に、湯から上がりダブルブッキングを避けて風呂場を後にする男子達。キューマと愈史郎は風呂場で起きてショーコの名を叫ぶハルトを再び気絶させてそそくさと離脱する。大浴場を使うのは必然的に女子二人の物になる筈だった……
「白怒火さん。大丈夫でしょうか……憔悴した表情でアニメ観るって目の前で消えちゃいましたけど……」
「それも気になるけど……一番気になるのは、黒い烏のお面が何かの粉で真っ白になっていた事よ。一体、私達が目を離した隙に何が会ったのかしら。」
脱衣所で互いに服や下着を脱ぎながら会話するサキとアイナ。正直警戒はしている物の、この際…大浴場を堪能させて貰うと気持ちを切り替えて二人は白いタオルを持って大浴場に向かう。
「わあぁぁぁ凄く広いです!!」
アイナの感嘆の声が大浴場へ響き渡る。色々な種類のお風呂に雄大な景色の数々…サキに至っては想像の何十倍の立派な大浴場とその後ろに描かれている圧巻の背景画に飲まれていた。
「…………闘牙先輩が毎日この風呂使っていると考えると何か腹立ってきた。」自分達は普段寮のシャワールームとか部屋のシンプルの風呂しか使わないのに……
(あれ?今更だけど、私櫻井さんと二人っきりでこの広い大浴場を楽しんで良いの?)
「流木野さん。あの場所が身体を洗う洗い場みたいです。」
「ちょっと櫻井さん。危ないわよ。」
浴室にある洗い場にある二人はそれぞれ風呂椅子に座り鏡と向き合いながら近くに備えられた風呂桶で頭からお湯をかける。それぞれの髪がお湯で濡れて備えられたコレまた自分が使っているより高いシャンプーとリンスを使い頭を洗いながらサキは隣にいるアイナに話し掛ける。
「櫻井さん……もしかしてワクワクしていない?」
「あぁ〜〜分かります?私子供っぽいですかね?」指摘されて少し恥ずかしいのか顔を赤くなるアイナ。
「まぁ……私達二人だけの貸切りみたいな物だから気持ちは少しは分かるけど…」
「………すいません。」
突然アイナが謝りの言葉を言う。
「何で謝るの?」
「……さっきの忍者屋敷も仕掛けが良く分からないお城も…この大浴場も…闘牙先輩の身体が入れ替わった事も……私達が通っている学園が……モジュールが……故郷が侵略されているのが信じられなくて……まるで立ちの悪い夢を見ているみたいで……現実感が無かったんです……でもお湯を頭に掛けたら……全て受け入れたつもりだった事が……今になって凄く怖くなってしまって……ひぐっ。」
「っ!?」
顔を俯き両の瞳に涙を溢れさせたアイナが今日起きた全ての事を漸く現実と受け止めていた。さっきの妙にワクワクしていたのもその不安な現実から自分を守る自己防衛本能の一種なのだろう…
「私達……明日生きられるのかな……」
不安な事を言わないで………っと思うも口には出来なかった。さっきの白怒火とか言う奴が言った通りなら、学園には怪我人もいるし死んだ人もいる……そして、その怪我人を治療してくれる役割を持つ病院も含めて市街地が被害があった……あの侵攻で学園が壊れて生徒教師が全員生きている方が奇跡だと考えるも、状況は良くないとサキもヒシヒシと感じる。でも自分にはどうにも出来ない……それも事実……明日生きられるのか…その言葉はサキが口を大きくして言いたいくらいなのだから……
「一つ確かな事は……私達は今は生きている……」
人を気遣うのは、正直苦手だ……今日まで生きていて人に気遣われた事が殆ど無い……
「……。」
でも他の同級生達と違い特別視せずにありのまま私に関わってくれているアイナに何もしないと言う選択肢は私には無かった。不器用で苦手でも……例え下手くそでも……不安を少しでも取り除き安心させたかった。
「私も櫻井さんもあの侵攻で亡くなってもおかしくなかった……でも今は現に生きている。明日の事は私も分からない。でも私はどうしても手に入れたい物があるの……」
「……手に入れたい物?」
「だから私は必ず明日も生き抜く……櫻井さんだって、やりたい事とかある筈でしょ。」
「…………うん。」
「だったら顔を上げて、可愛い顔が泣いていたら台無しよ。」
「うん。流木野さん。……ありがとう…」
小さくも俯いていたアイナは励ましてくれたサキに感謝の気持ちを込めたお礼の言葉を言い。
「どういたしまして」
サキはアイナから顔を背けて返事を不器用なりに返すも内心ガッツポーズをする。
「流木野さん。お礼にお背中流しましょうか?」
元気を少し取り戻したアイナが顔を背けたサキに聞く。
「じゃあ、交代で洗いましょう。」
アイナに向き直ったサキは大人びた表情でその提案を飲む。
表情は大人びているも内心かなりドキドキワクワクしていた。
〔推奨挿入歌サインはBアイSolo Ver〕
「「っ!!」」
突然大浴場に聞こえ始める音楽に二人はビックリした表情をして
音楽が鳴る方向に視線を向ける。
白いカーテンの向こう側で頭にタオルを巻いたエルエルフ(闘牙丸)は悠々自適に猫足バスタブの泡風呂に浸かっていた。そして二人の女子はカーテンの向こう側の影のシルエットがハッキリと映っている事に気付く。
「闘牙先輩居たんですか!?」顔を真っ赤にして尋ねるアイナ。
「居たよ……二人が勝手に仲良くしている声がカーテンの向こう側から聞こえて疎外感を感じるけど黙っていた方が良いのかなってしてたよ。何かお互い諦めずに頑張ろうって励ましあっていたのを静かに聞いていたよ。」
「てか、何でそっち照明器具なんて置いて自分の様子を影シルエットで教えているんですか。」
「仕様かな……」
「わ~お。って何言わせるんですか!?」
「大丈夫。俺はアニメ推しの子ファイナルシーズンの最終回見ているだけだから……背中の流し合いだの、身体の流し合いだの勝手にやってくれ……」
「少しは生身の女性がタオル一つで同じ大浴場にいるんですから気にして下さい。」
「ネタバレ言うぞ。原作漫画と違い途中で色々とオリジナル描写が増えているぞ。例えば…」
「聞きたくありません!?私は聞きたくありません!!?」必死に両耳を塞ぐアイナ。
「櫻井さん!!」
露天風呂に浸かるサキとアイナ。四季を関係無い桜や紅葉や様々な菜花を眺めながらふと上を見上げると、
「ふへ〜〜極楽極楽……」
「櫻井さん。ベタな言葉を感想にしないの……にしても天井が見えないわね……」
「この辺りはアニメ映画千と千尋の◯隠しを八百万の神が入るであろう油屋の屋号の湯屋風呂を参考に改装したからな。」
「私その映画知らないんだけど……」モチーフはアニメ映画の風呂らしい……
「くっ!コレが世代の差か……話題が通じない……良いアニメ映画なんだよ。今度DVDを貸してやるから観てくれ。」
「でも良い眺めですね……」
和式の露天風呂の湯煙が立ち込める中でアイナとサキは、絶景を眺める。
「眺めが最高なのは認めてるけど……こんな良い風呂を独占していたなんて……何かムカつくわね。」
「俺の城の風呂が良いのはモジュール77で一番だと認めるが、嫉妬するな。」
「嫉妬してない。ムカついているだけよ。」
「ああ言えばこう言う……少しは素直になれよ。」
「嫌よ。素直になっても誰も助けてくれないんだから……」
何か後輩の触れて欲しくない重たい地雷を踏み抜いたらしい……完全にしくった。
エルエルフ(闘牙丸)は頭をバスタブに乗せて楽な姿勢で泡風呂で寛ぎながら言う。
「俺、皆を助けるとか……守るとか……ヒーローみたいな事は言わない……。言っても守れない事もあるし……何より……確証の無い言葉に何の力も無いから……」
「………。」
「でも、俺はある意味お前らを巻き込んでしまった……その責任くらいは果たさせて貰う。」
「「……。」」
二人は白いカーテン越しに映るエルエルフの影絵を視線を向ける。
「……だから素直にならなくても良いから……本心を隠しても良いから………本当に困っている事があるなら、数百歳上の鬼の俺に相談しろよ……。何時もやる気も無い頼りないかも知れないけどさ……人は一人じゃ生きられない生き物なんだからさ。」
「………。」
暫く待つもサキからの返事は聞こえず、エルエルフ(闘牙丸)は視線をカーテンの向こう側に向けるも
「何か俺らしく無いな……悪い……話を変えよう。」
「……そうですね…」
どうして、接点が殆ど無い私の事をそんなに気に掛けるの…っと口に出したかったが、相手の方から私の返事が無い事に触れて欲しくない話題から話を変えようと提案してきた。私は気持ちを切り替えて質問をする。
「闘牙先輩はどうして、ドルシアが襲撃してくると分かったんですか?」
互い視線は交わす事は無い物の話題はシリアスな話題に変わる。
「……前も言ったが、その話題はドルシア軍をモジュール77から追い出してからにしてくれ。説明すると難しい話題だし」
「その都度、はぐらかされる人の気持ちを考えないんですか?何も知らない人は今も不安が大きくなるんですよ。」
サキの一言は確かに一理ある。逆の立場なら俺が何度も問う事なのだから…実際不安そうな声だし…顔はカーテン越しだから見えないけど
「……確かにな。」
はぐらかされ続けて信用が無くなるより教えられる内に色々と話す事を闘牙は決めて
「……地球には分かり易い3つの国家勢力がある……世界の警察と耳の良い言葉を並べる国ARUS……侵攻してきた侵略者の国ドルシア軍事盟約連邦…俺達の故郷である中立国のジオール。」
「分かり易い説明ね。」
「まぁな。国力の順位で上から説明するならGDP世界一の超大国の環太平洋合衆国のARUSが一番。」
勢力図で説明するならアメリカ合衆国に南米とヨーロッパ、アフリカの一部を主体とした大国だ。
「すいません。GDPって何ですか?」
サキから質問が珍しくきて……
「中学の時の授業で習うだろ。国内総生産の略称だよ。一番国の広さを持つから国内生産力も世界一なんだよ。」
「そうなんだ…」
「2番目がドルシア。素人でも分かり易い軍事国家だ。アニメや漫画の敵ポジション宜しく、武力行使に容赦無い…」
勢力図で説明するとロシアを始め中東、東ヨーロッパ、北欧に北アフリカの一部を主体とした軍事大国。
「私達の敵って事ね。」
露天の絶景から目を離し"噴火する富士山"の背景画を真剣な様子で眺めながらサキは呟く。
「今現状の明確な……最後はジオール。」
勢力図は日本を含めたアジアやオセアニアを主体とした国家だ。
「私達の故郷……」
アイナが悲しげに呟く。
「……3つの国家と説明したが、実質は2つの巨大な大国に小さな国があるような物だ。」
「平和ボケの国とか呼ばれているのよね。大手芸能事務所と小さい芸能事務所の力関係と同じね。」
アイドルとして芸能界を歩いてきたサキには急に分かり易い縮図が見えてしまう。
「……中立国の意味を知っているか?」
「どちらの勢力にも属さない国でしょ。」
会話しつつ小さな白いタオルを見つけてサキは折り畳んで頭に乗せる。
「どちらの勢力に属さないし、どちらの勢力の国力も減らさないし増やさない。仮にソレをした場合、攻め込む切っ掛けになるし仮に攻め込まれた場合……国力の差ではジオールはどちらの国家にも勝てない。」
「芸能界の事務所と同じね。」
「今回のモジュールやジオールの侵攻……その原因の一つは、俺が乗ったロボット。ガ◯ダムが狙いと見て考えて間違いないだろ。」
「そうなんですか?」
「詳しくまた次の機会で話すけど……このままだと、咲森学園の人間はロクな目に合わないのは火を見るより明らかだ。」
「また、知りたい話をはぐらかした……」
やや不機嫌そうな顔をするサキ。
「どうせ、ドルシアをモジュールから追い出したら嫌でも知りたくもない真実を聞く羽目になるんだ。その時は知りたくなかったって言っても遅いからな。」
「まるで、話を聞いたからには協力して貰う脅迫ね。」
「生憎だが協力は不要だ。只……真実を聞いたからには、口外しないように無関係なフリを頼む。」
「……そんなにヤバい話なんですか?」
「…アニメや漫画ならフィクションとして考えられる普通の学園の地下に中立国が開発したとされる軍事兵器……きな臭くなくても充分ヤバい話には違いないだろ。」
「その通りですね……」
「余り長湯すると逆上せるから時間を見て上がれよ。床置きタイプのウォーターサーバーはちゃんとサウナの近くにあるからな。」
影絵のシルエットが猫足バスタブから出てきてシャワーを浴びる様子が白いカーテンの向こう側で確認する。
「闘牙先輩……」
「何だ櫻山?」
「櫻井です……お風呂ありがとうございます。」
「まぁ、お前達を獣臭くしたの俺の愛馬のせいだからな。反省しているだよ。」
ライトの明かりがピンク色に変わり
〔推奨BGMピンクパンサーのテーマ〕
洒落た音楽流れ始めて白いカーテンの向こうのエルエルフ(闘牙丸)の影の動きも何か背徳感を感じる動きをし始める。
「「ぶっ!?」」
そのテーマと影の動きに口から吹き出すサキとアイナ。
「何してんの!!」
近くにある風呂桶を掴み一気にエルエルフ(闘牙丸)に向かって投擲するサキ。
「きゃあ〜〜女だからって男の裸を見るんじゃないわよ!?」
白いカーテンに当たりカーテンが開きエルエルフは絹が引き裂くような女の悲鳴を上げて目を閉じる。
「胸隠すな!?下隠せ!?」
「きゃあああああああ!?」
アイナとサキは図らずもエルエルフのエルエルフを目撃して顔を真っ赤にして二人は近くにあった風呂桶や懐かしいカエルのイラストのある黄色い洗面器を兎に角エルエルフ(闘牙丸)に向かって投擲し続ける。
「あ〜れ〜〜御代官様〜〜あ〜れ〜〜」
大浴場に騒がしい悲鳴が響き渡る。
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風呂の騒動は終わり一度一つの部屋に集結する咲森学園生徒達。
「寝る部屋は個室か?相部屋か?」
「「 個室で!?」」
「分かった。殿は桜岡と同じ相部屋で…犬塚先輩は時縞と相部屋だな。」
三人の意見を聞きながら意見を受け入れない城の主。
「殿って私の事!?」
「個室じゃないんですね……」
「この城。部屋や通路の位置が滅茶苦茶だからある意味個室まみれだけど把握するのが難しいんだよ。地図細かく書いても意味無くなるし…お陰で地図を書くのが上手くなるよ。」
「絶対に動かさない部屋とか通路とか階段とか無いのか?」
キューマは尋ねるもエルエルフ(闘牙丸)は首を左右に振り
「無いな…部屋の模様替えとか小物を置くとかするし、部屋は無限にあるしな。」
「もうマンションの管理人に成れるんじゃない?」
「マンションの問題に奔走させられるから辞めとくよ。取り敢えず全員大部屋で布団敷いて寝ると言う事で……」
「ねぇ……」
「どうした流。」
「…大部屋って言ったわよね。」
「…言ったな……」
「一人につき部屋6つくらいの間感覚離れているのを説明して貰えないのかしら。」
「寂しいのか?意外と可愛い所あるじゃないか。左を見て見ろ。犬塚先輩がハルトと同じ布団で寝ている。仲良しだな。」
「いや、距離離れ過ぎて見えないわよ。ってか犬塚先輩達一緒の布団で寝てるの!?男同士で!?」
「煩いぞ。長野サキ。もう夜遅いから寝かせてくれよ。」
「ちょっと待ちなさいよ!?」
「トイレは大部屋の部屋を出て右側だ……ちゃんと洋式トイレで便座もウォシュレット機能付きだ。何の心配も無いだろう。」
「いや、トイレの心配していないわよ。」
「夜トイレに行けるのか?」
「…………………行けるわよ」
「どうしても行けないなら俺を起こせ。付き添いしてやるから何なら……好きな女の子の話でもするか?」
「恋バナを吹っ掛けるな。……状況わかっているんですか?」
柔らかい掛け布団で幸せな気分になるもサキは部屋6つくらいの間感覚に離れているエルエルフ(闘牙丸)に視線を向ける。
「……明日、鹵獲された機体を奪取。陸路か空路のどっちから行くかが問題だが……ドルシアの軍艦に搬入される前に奪取したい。」
「搬入されると不味いのか?」
キューマの声が聞こえてきて起きている事を知る。
「軍艦内部に潜入する必要がある。俺達が出会った咲森学園生徒の服を着用していたドルシア軍人の連中。アイツらが俺が乗っ取っているこのウォーズマンの仲間なら上司に報告している筈だ……」
「最悪、機体の前に待ち伏せされる可能性が高いって事か……闘牙。俺も手伝うぜ。」キューマは天井を見上げながら言う。
「手伝えそうな事があるなら……お願いしますね。勝利条件は機体の奪取から搭乗、ドルシア軍をモジュール周囲に追い出す事……」
「他の皆は大丈夫かな……」
サキは視線を闘牙から反対側にいるアイナに向ける。
「少なくても明日は時間との勝負だ。手早く迅速かつ正確無比にやろう。やらないと俺達に未来はない……だから皆身体を休める為に寝ろ……他の連中が野宿しているんだから尚更な…」
「……分かったわよ。」
「流木野さん。もし良かったら隣に布団敷いて良いかな?」
不安そうな表情をするアイナと目が合うサキ。サキは軽くため息を吐き反対側に身体を向いて
「…好きにすれば……」
「うん!」
ハツラツした声と共に布団が動く音が聞こえてアイナはサキの隣に布団を敷いて一緒に眠る。
何時もと違い心許せる相手が隣にいるからかサキの寝顔は少し嬉しそうにしていた。
チラッと闘牙はその寝顔を見て続いて目を瞑るキューマ達を見て静かに覚悟を決めて明日に備えて眠る。