革命機ヴァルヴレイヴ 現代に欲望のまま生きる自分本位の鬼達   作:怪物怪人怪獣さん

15 / 17
長い間、お待たせしました。普通に他の小説の構想の集中やら日常生活やらで執筆するのが遅くなって普通に申し訳ありません。
投稿して何ですが其処まで話は進んでいません。早く2話の目玉のハラキリブレードを放ちたいです。


第12話無限城での戦いと宇宙での戦い

無限城

歩く度に濃くなる鬼の気配に自然と身が引き締まる感覚で先を進む。そしてその目的の場所に到着する

その奥の先には大量の藤の花の香りがする札が一面あった。かつて謎のバイトと称してARUSやジオール、ドルシアの老若男女(軍人系はヤバそうだから省いて)にさせた霊力とか込められた強力な札をゴム手袋を装着して藤の花を潰して出来た花の煮汁に浸して乾かすアルバイトで出来た札が一面に張り巡らせた空間の奥にある厳重過ぎる座敷牢の中にその分裂体は居た⋯⋯その表情は種類は違う自分達同様の仮面を着けて⋯⋯まるで城の天守閣にいる大殿の如く威風堂々の佇まいで狼牙丸を待っていた⋯⋯

「⋯⋯⋯来たか。」

乾燥血漿をミネラル豊富な水で溶かした血の杯をゆっくりと目の前で酒を飲むように飲み込んだ鬼の中の鬼は、隠さない殺気と闘気を全身から発する。

「要件は薄々分かっている筈だ⋯⋯朱天大将。」

狼牙丸は背中に持ってきた朱天大将の日輪刀を座敷牢の前に置く。

「⋯⋯貴様を113年ぶりに無限城の外へ出す。力を貸せ。」

今日の朝、九荷から貰った座敷牢の厳重な門の封印を解く札を懐から取り出す。

「………。」

札を門の中心に貼ると円を描くように梵字が浮かび上がり大量の光る鎖がカッ消える。

「わしが御主如きの命令を簡単に聞くと思っているのか?」

興味無さそうな我が物顔でそう答える朱天大将。

「⋯⋯本体の⋯⋯他でもない炎竜鬼の命令だ!?分裂体の貴様とて逆らえる物では無い筈だ!?」

「主の命令とて知った事か!!?」

胡座をかいて座っていた朱天大将はそう言うと、座敷牢内部が黄金の炎に包まれる。その炎は朱天大将の怒りを表すように激しく燃え上がる。

「っ!?」

「狼牙丸⋯⋯悪いが御主がわしを従わせるなら力づくをお勧めするで御座る!?」

そう言うと共に草履を履いた両足が畳を踏み砕き刀を差してしない状態で手刀で居合いの構えをして狼牙丸に膨大な殺意を解き放つ。

「⋯⋯やはり⋯⋯欲望と本能のままに生きる獣同然の鬼に問答は無用か⋯⋯」

その殺意に当てられた狼牙丸はまるでこうなると分かっていたかのように静かにそう朱天大将に言い切ると全身の隅々に力を込めたと共に床を踏み砕き黄金の稲妻を全身から迸らせて緑色の竜巻の如く嵐が吹き荒れる。狼牙丸の足元に西洋の万物を構成する四元素と東洋の万物を構成する五芒星の紋章が合わせられた術式が浮かび上がる。

「鬼闘練氣術式展開⋯⋯蒼龍八雷陣!!」

狼牙丸は両腕の手甲から生やした鋭利な爪を敢えてしまい全身の硬度を高めると共に迸る雷光が蒼い竜の姿を作りだす。

「………猗窩座の破壊殺の羅針は使わぬのか?」

狼牙丸の使う血鬼術の選択に朱天大将は怪訝な声を出す。

「使わぬ……」

「……そうか。」

「提案が断られるは元より……俺は貴様を最初から力づくでも貴様を従わせるまでの事……」

「面白い……参る!!?」

赤い鬼面の戦国武将はそう答えると周囲の空気に静寂が支配する

【………………………………………………………………】

互い姿を忽然と消してからホンの数秒が経過して封印が解印された座敷牢の内側と外側に想像を絶する力が同時に直撃して牢が耐えられずに砕け散り後からくる爆発同然の衝撃波に座敷牢のある部屋其の物は完全に破壊され吹き荒れる巨大な煙が空間に一気に広がりその煙の中から光る仮面の黄緑の2つ瞳と黄色い眼。

「「っ!?」」

煙が衝撃波で晴れると距離を肉薄した二匹の鬼が……互いの素顔を隠した鬼が……目の前の鬼を相手に向けて全力の攻撃を放つ。

「鬼闘術 牙狼撃!!/血鬼抜刃術 紅蓮炎竜斬!!」

先攻を制した狼牙丸が渦巻く闘気を込めた拳を砲撃の如く抜き放ち、その一撃は巨大な衝撃波を引き起こす。朱天大将はその拳の衝撃波を避けずに踏ん張ってやり過ごし

「むっ。」

狼牙丸の拳圧が発生する衝撃波よって宙に舞う日輪刀を素早く掴み腰に差してから空中から手刀による居合いの抜刀術で周囲の空間を文字通り一刀両断するが如く空気が紅の炎に一気燃え上がりながら振り下ろす。紅蓮の剣閃が床も天井すら切り裂くも、その速度は最早、光と何も変わらない。瞬時に風神と描かれた緑の左の手甲を前に突き出して手刀の一閃を激しい火花と共に受け流して狼牙丸は後ろに素早く着地してから朱天大将は言う。

「ほぅ。わしの手刀に両断されずに受け流したか…」

「驚く事か?この悪鬼め!?」

軽口を叩くと共に素早く跳躍し朱天大将に向けて狼牙丸は飛び蹴りを放つ。

朱天大将は蹴りの一撃を片手で受け止めるもその衝撃で床が大きくめり込み破片が周囲に飛び散る中で

「そんな程度ではなかろう。」

受け止めてから直ぐに狼牙丸の片足を掴み一気に壁目掛けて放り投げる。その際、狼牙丸の片足を握力で握り潰して放り投げる際に引き千切っている。

幾つの壁を砕き壁の向こうへ姿を消した狼牙丸の後を追うように

朱天大将は徒歩で動く。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「人の足を玩具みたいに千切りやがって……」

瞬時に千切れた片足の先を蜥蜴の尻尾以上の再生能力で生やして

ゆっくりと歩む朱天大将の気配を探り

「仁王掌!!」

気配がする方向に向けて、拳に闘気を込めて大きく床に向けて叩きつけるように振り下ろし、その一撃で硬い岩を砕くように床を砕きその砕けた無数の巨大な破片を素早く蹴鞠のように次々と朱天大将がいる位置に向けて蹴り飛ばす。

凄まじい速さで蹴られた巨大な破片が壁の向こうへ消えるが……

「そんな破片程度の物でこのわしは倒せぬぞ。」

巨大な破片を片手で軽々と掴んで此方に姿を見せる朱天大将は狼牙丸の目の前で破片を握力でゴキッ砕き床へ投げ捨てる。

獣の如き低い体勢を維持しつつ走り朱天大将に接近する狼牙丸は拳を弾以上の速度で抜き放つ。だがその速度を朱天大将は軽々と避ける。

 

顎に狙いを定めて拳を突き上げるようにをアッパーを放ち朱天大将の顎を打ち飛ばすも、感じた手応えに思わず

「っ!?」

(硬い!!)

と感じるも直ぐに迫る斬撃の如き手刀を身を引いて避けてから再接近して鋭い斬撃同然の回し蹴りを放つも、その蹴りを片腕で受け止める朱天大将。だが受け止めるも直ぐに反対の方向から狼牙丸の延髄斬りが放たれて朱天大将の首に炸裂し更に追撃の拳が雨の如く連続で迫り朱天大将も腰に差した日輪刀を抜かずに格闘で応戦。

朱天大将の拳を身体を捻って避けた狼牙丸がアクロバットな動きからの変体水平蹴りを放ち朱天大将は片腕でその一撃を防ぐも其処から狼牙丸は拳打の技を次々と変えて朱天大将の内臓を貫くように放つが、並の人間なら外部からの打撃によって内臓破裂または貫通し腸達が飛び出る狼牙丸の打撃も朱天大将の前では格闘家同士のレベルで更に朱天大将が身に纏う硬い戦国甲冑で威力を殆ど殺されて甲冑や兜も拳打の連撃を叩き込んでも鬼の再生能力で直ぐに破損箇所が塞がり肉体同様完治する。

(血鬼術も格闘技も鬼闘術も鍛錬は怠ったつもりは無いが……やはりコイツは強い……)

自分は攻防に使う籠手を除いては袖無しの虎縞模様の軽装を上半身に纏って桜の花弁が刺繍された赤い袴を履いて草履を履いただけ……向こうは、陣羽織に戦国甲冑に戦国武将の兜……再生能力が互角でも向こうの纏う物が此方の打撃の効果を無くす。

「……だが、他の分裂体の奴らだってバラバラでも頑張っているんだ。」

手足に雷や風で無く血の炎を纏わせて四肢の力を入れて床を踏み砕き一気に後ろに下がるように跳び朱天大将目掛けて槍の如き速い拳を抜き放つ。

「血鬼術 炎竜尾雷槍!?」

朱天大将は避ける動作をするよりも速く左足と右肩が焼ける痛みと共に穿たれる。

「っ!!」

(速い……わしが反応するよりも速く奴の拳によって左足と右肩を貫かれた……腕を上げたな。狼牙丸。)

身体が雷によって一時的に痺れて動きが鈍くなる朱天大将。

跳躍から着地して相手が痺れた事を確認して追撃する為に再び跳躍する狼牙丸。

「丁度此方の身体も程よく解れてきた……」

一瞬で狼牙丸に間合いに詰められて朱天大将は……

「貴様に抜かぬは……無作法か……」

拳を振るい肉薄する狼牙丸に対して腰に差した日輪刀を遂に抜刀する。

「っ!!」

引き抜かれた日輪刀の一閃を持ち前の反射神経をフルに使い攻撃を辞めて両手甲の籠手で防御して朱天大将から一度距離を取る狼牙丸。

(雷槍を貰って身体が麻痺した状態で俺を斬り裂こうとしやがる……どういう身体の構造しているんだ?あの悪鬼!?)

左足と右肩の傷を瞬時に完治させるも、朱天大将は自分の身体がまだ麻痺状態であるのに関わらずに構える。

「鬼闘術 鬼牙連撃!!」

狼牙丸は構えた朱天大将に向けて両拳による怒涛のラッシュ攻撃を放つ。

「っ!?」

迫る無数の拳を日輪刀で麻痺状態で全て捌く朱天大将。

「力付くで従わせるのでは無かったのか?」

顔に迫る籠手による裏拳を素早く日輪刀で受け止めながら朱天大将は聞く。

「そのまま余裕ぶってろ!?血鬼術 雷竜昇。」

攻撃が次々と弾かれても尚次の鬼闘術で応戦する狼牙丸。下から上に突き上げるように拳を連続で朱天大将に向けて放つと共に眩い光と共に黄色い雷が天を昇るように放たれて拳を連続で日輪刀で防御した朱天大将の身体を追撃の形で感電させてそのまま天井まで吹き飛ばす。攻撃を貰う度に和の構造の天井は蜘蛛の巣状の亀裂に広がり

 

激しく雷鳴を轟かせる狼牙丸はその隙に両手首を合わせて帯電させた雷を手の中に一点集中で集め巨大な雷の球作り出して朱天大将に狙いを定めて一気に放つ。

「血鬼術 雷王砲!!」

長距離の雷球が一瞬に満たない速さで天井裏にめり込んだ朱天大将に迫る。

「呼吸も型を振るう暇すら与えぬか……ぐっ!!」

防御も間に合わずに直撃すると共に上層の天井を幾つも壊しながら開けた場所に飛び出る朱天大将にそれを追う狼牙丸。

「鬼闘術 斬風刃!!」

「……動く!?」

下半身に緑の風を纏わせた狼牙丸が足を高く横蹴りを放つと共に蹴りに続いて放たれた風の刃を、全身の痺れが完全に解けた朱天大将が身体を捻って避ける。朱天大将の背後の壁には巨大な斬撃で水平に斬り裂かれた跡が残り、

「まだまだ、鬼闘術 斬風乱刃!!」

連続で蹴りを絶えず放つと共に朱天大将の周囲を囲むように風の刃が全方位から迫る。朱天大将は鞘から抜いた日輪刀を両手に握り締め。赤い鬼面の黄色い目が光り輝く。

「っ!?」

全方位から迫る風の刃に対し朱天大将も超高速で全方位に振るう斬撃の乱舞で風の刃が全て斬り刻まれて薙ぎ払われる。

「っ!!」

全方位からの攻撃を全て薙ぎ払われて驚愕する狼牙丸。しかも、瞬きした瞬間一気に距離を詰められる

「鬼の呼吸 伍の型 裂魔斬(れつまざん)」

「速っ!!」

前範囲の敵を狂ったように斬り裂く超高速の斬撃波と剣閃が襲いかかり……

狼牙丸が逆に朱天大将に全身瞬く間に斬り刻まれ赤い血が部屋其の物を染める程出血し後からきた衝撃波に吹き飛ばされる。

(本体が無事なら分裂体の俺達が死ぬ事は無い!!だがそれでも死を錯覚させるには充分過ぎる程強い!!)

吹き飛ばされながら後方の襖に激突、近くの和室の部屋に襖を吹き飛ばしてスライド着地して必要箇所のみ急いで完治させて迫る朱天大将を仮面越しに睨みつける狼牙丸。

「……此方も術だけでは不利だ!?」

狼牙丸は日輪刀と呼吸を使う強敵に分が悪い事を悟り両の手の甲から金属製の鋭利な鬼爪を生やして目の前に相対する両者、素早く己の武器を使う。

「鬼爪を出したか。良いぞ!?狼牙丸!?火速!」

「歯を食い縛れ!?悪鬼!?」

互いに本来の戦い方となり同時に走り出して跳躍して火花を散らして激突する。振り下ろされた斬撃を籠手で受け止めてから鬼爪を生やした爪で殴るように高速連続で腕を振るい斬り裂く狼牙丸。

迫る爪が顔面に直撃するのを日輪刀で止めて直ぐに反撃の袈裟斬りを放つ。空中バク転して袈裟斬りを回避してから蹴りを放ち横一文字斬りで狼牙丸の腹部を斬り裂くも直ぐ完治して殴り飛ばされると共に朱天大将に斬り裂かれる。傷を再生させるもその隙に

素早く横薙ぎに切り払う斬撃を狼牙丸は高く跳躍し避けて後ろから蹴りを頭に叩き込むも直ぐに床に着地し鬼爪を振るう。朱天大将は立ち位置を素早く変えて日輪刀で鬼爪を火花と共に弾き、斬り上げると共に剣閃を放つが狼牙丸は、剣閃を次々と回避して、瞬時に接近して爪で連続で切り裂くように振るう。朱天大将は後方に下がりながら、相手の隙を逃さない。だが狼牙丸とて攻撃の手を休むつもりはない。

「血鬼術 若雷!?」

連続の打撃と鬼爪攻撃に加え更に混ぜた氣を練る事で闘気を込めた暗い血の色をした氣弾を連続で放ち。後方に下がった朱天大将に無数の氣弾を飛ばす。氣弾を次々と弾こうとするが同時に爪や打撃にも対応しないといけない為に呼吸や型を使っていない状態だと意識を割る必要がある。其処へ……朱天大将の鬼面に向けて

「鬼闘術 金剛炸裂掌!!」

振りかぶった鬼爪が生えた籠手がスローモーションに鬼面にめり込み兜の後頭部を貫く衝撃と共に朱天大将を吹き飛ばす。

幾つ物の無限城の壁や柱を破壊して吹き飛ばした狼牙丸は叫ぶ。

「効かないとは言わせないぞ。」

音と共に吹き飛ばした朱天大将の上段からの斬撃を狼牙丸は無言で両籠手で防御して朱天大将は言う。

「……良い拳だ………本当に腕を上げたな。わしは嬉しいぞ。」

嬉しそうな声を出しながらヒビが入った鬼面が姿を表すもそれ以外の部位は既に完治していた。やはり鬼同士の戦いは100年、200年と心や精神が先に折れるまで終わらない。

「言ってろ……このまま大人しく言う事を聞いて貰うぞ。」

斬撃を籠手で受け止めながら狼牙丸は朱天大将に言う。朱天大将の返事によってはこの無駄な戦いが終わり他の面々の手伝いが出来るのだ。

「まだわしは満足していない。」

「時間が押しているんだ。お前の満足感を満たすのは普通に無理だから無理やり満足して貰うぞ。おらっ!!」

斬撃を受け止めている両籠手を持ち上げて巨大な東洋龍を模した黄色い落雷を発生させ

「血鬼術 大雷!?」

朱天大将に向けて振り下ろすように叩き落とし朱天大将の床が雷撃と共に粉々に砕けるも、

「ふん!?」

「テメェ!?」

朱天大将は狼牙丸の袴の裾を掴んで一気に引っ張って狼牙丸を道連れに落下。落下しない為に狼牙丸は両肘から鬼爪を伸ばすも、その爪は床に刺さりはせずに両者無限城の下層へ落ちる。

「鬼の呼吸……陸の型…花乱火の紅蓮鬼(からんかのぐれんき)!!」

「鬼闘術 闘氣破動弾!!」

互い落下しながら迎撃用の攻撃動作をして炎と闘気を全開にして仮面の目を光らせて下段から素早く斬り上げる共に放たれた遠距離の吠える鬼を模した紅蓮の炎の斬撃波と長距離の氣弾が放たれるも同時に激突し大きな爆発を発生させるも相殺されて近くの壁に同時に叩きつけられるも、互いに壁を蹴り相手に接近、至近距離の攻撃させない為に両者相手の動きを封じながら落下するも、やがて互いに相手を蹴り飛ばし近くの障子を破壊すると共に和室に飛び込み戦闘再開する両者。迫る朱天大将に迎撃する狼牙丸。両者全身から色が違う炎を燃やしてぶつかり合う。火花と火花が次々と舞い散り立ち位置を交互に激しく入れ替えて、壁や柱や天井すら足場にして走り跳び得物を振るう速度をどんどん上げて壁や天井や柱が床が傷つき壊れてもお構い無しに鬼爪が、日輪刀が軌跡を無数に描き振るう両者、振るいぶつかり舞い散る火花の中で異次元の速さで横薙ぎした日輪刀が狼牙丸の両腕を斬り裂くも、切られた切断面から出血と共に肉の触手を延ばして飛来する両腕を捕まえて繋げる。

風神雷神の名を刻んだ籠手から生やした鬼爪が迫る日輪刀の刃を連続で弾き、攻める拳を振るう。一撃も速度も増した爪を避けるも、見た目の長さに惑わされて後方へ下がる時間差で、鬼爪で戦国甲冑とその奥の硬い皮膚が斬り裂かれ血が飛び散るも追撃する狼牙丸は一瞬で間合いを詰めて日輪刀が水平に振るうも、爪で刀の動きを止められ逆に鋭い連続正拳突きと脇腹に膝蹴りを貰い横蹴りを顔で受け止めた朱天大将は狼牙丸の頭を片手で掴み持ち上げて空中へ放り投げるも、後ろに激突する壁を逆に足場にして反復動作で蹴り跳躍、

「血鬼術 轟雷天!!」

迸る黄色い雷が全身を纏わせて朱天大将目掛けて鬼爪を振るう狼牙丸。

朱天大将は鬼爪を弾かせようと、日輪刀を円を描くように素早く振るうも、

「……。」

刀身が爪と接触直前、狼牙丸の両の鬼爪が籠手の中に戻り接触する事なく通り過ぎ

「っ!?」

(戻した……)

刃が通り過ぎたタイミングを逃さず朱天大将の仮面を殴り飛ばし籠手が赤く染まるも、気を緩めずに

「……鬼闘術 鬼牙連撃。雷乱れ太鼓!!」

息をつかせぬ雨と変わらない雷を帯びた両拳による中距離近距離のラッシュ攻撃を朱天大将の胴に叩き込み殴り飛ばすも、空中で飛ばされながら日輪刀を近くの柱に突き刺して踏ん張り、不安定な体勢から柱を蹴り上げて跳び相手に向けて技を振るう。

「鬼の呼吸 壱の型 鬼神斬牙」

「血鬼術 雷光一閃!!」

呼吸により身体能力を増した腕力で持った日輪刀による斬撃と斬撃同然光の速さの蹴りが果ての無い無限城のあちこちにぶつかり合う。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

無限城で激闘が繰り広げられているも束の間、宇宙でも新たな戦いが繰り広げられていた。

「えぇ~っと武装解除信号は……っと」

訂正……モジュール77を占領して大多数のドルシア軍をモジュールの外へ追い出した為、取り敢えず役目を終えたと考えて

コクピットにあったVVVのマークが目印の分厚いマニュアルを片手にブルーアーカイブのデフォルトの先生顔をした闘牙は操縦桿を握っていた。

「コレか。ポチッとな。」

あるスイッチを押すとヴァルヴレイヴのアイセンサーから眩い熱線が放たれてバッフェ達を薙ぎ払う。その光景は王蟲を薙ぎ払う巨神兵その物…ドルシア軍のバッフェ隊は戦慄を覚えている。

「ハハハハハハ⋯⋯人がゴミのようだ。ありゃ間違ったな。⋯⋯あっ此方か!?」

北斗の拳のアミバの顔芸をしながら言いさっき押したスイッチの横のボタンを押す。

「光子力ビーム!!」

再びアイセンサーから眩い熱線が放たれバッフェ達を蹴散らす。

「あれ?これも違う。武装解除信号ってどれだ!!」

ジョジョ顔で真面目に悩む闘牙。

「どんどん来てますよ!先輩!?」

焦るサキの声に闘牙は分厚いマニュアル本を狭いコクピットに投げて

「もう!?せっかちなドルシア軍!?あれれ?」

武装解除信号を出すのを諦めて迎撃体勢をするガ◯ダム。しかし

ガ◯ダムで宇宙戦闘をするのは初心者であった闘牙。操縦桿を握り締め踏み込む⋯⋯地面など宇宙には無い為、盛大にズッコケる。

「先輩!?真面目にやって下さい!?」

「いや、正直に言うとPS2版機動戦士ガ◯ダムめぐりあい宇宙で宇宙戦闘は熟知しているけどこの機体で宇宙で戦うのは始めてなんだ。」

「嫌知りませんよ!?ゲームの話なんて!?」

「ボ◯ルやコアフ◯イターでビ◯・ザムやヴァル・◯ァロを破壊出来た時は本当に感動物だぞ。俺泣いちゃったもの!?」

「闘牙先輩、前!?」

「たく。此方は人型機体で宇宙戦闘が始めてなんだから、第一此方は丸腰⋯⋯では無いけど⋯殲滅戦用の武装とか無いんだからもう少し手心を加えてくれないかな〜〜此方は一応鹵獲予定の兵器なんだぞ。傷つけるなよ!」

ドルシア軍に文句を言いつつ闘牙は機体を操作して次々と放たれる有人無人問わずバッフェの攻撃を左手で振るい防御し右手を振るい硬質残光を正方形状にして足場にするも

「ありゃ?」

薄氷を踏んだように踏み砕いてしまい再び盛大にズッコケる。

「何しているんですか!?」

「いや、マインクラフトの要領で壁や床をこの機能で作れないかちょっと試してみたんだ。魔神創造神◯タルでも主人公達が四角いの出していたし⋯⋯」

(この光にもう少し密度や質量を考えて作らないと機体の重量に耐えられないようだ。)

なら初陣や直前の戦いのように身をひねってビームをかわそうとするが回避⋯⋯しようにも機体が思うように動かない。無様にアメリカのギャグ漫画やアニメのカートゥーンキャラようにジタバタとしている内に、ビームが直撃しそうになるも

「三元鎮守!!」

札を展開させ回転する三角形の盾を発生させて無数のビーム攻撃を防ぐも

「この効果は短い!?にしてもここロボットサイズの地面が無いし空気も無い!?」

「宇宙なんだから当然でしょ!?」

「やだ。俺人類歴史史上で始めて人型二足歩行ロボットで宇宙に飛んだ人間だよ⋯⋯こりゃあ、後の歴史に名が載るな。」感動の余りドフラミンゴのサングラス越しで漢泣きする闘牙。

「感動している場合!死んだら終わりじゃん!!」

「この一歩は小さな一歩だが俺にとっては大きな一歩だ。」劇画タッチで感慨深く言う闘牙。

「その一歩で盛大にズッコケましたよね。」じーーっとジト目で闘牙を見て呆れ気味に言うサキ。

「人生に大切な事は、道で躓く事じゃない。顔を地面に打ち付けて土や泥で汚れても何度でも立ち上がる事だ。それは恥ずかしい事ではない。」

「良い事言ってるつもりだけど、さっきも言ったけどここ宇宙だから地面は無いわよ!?」

「ちょっと待って。この機体で深く考えずにモジュール内でビュンビュンと飛んでいた要領と同じにすれば⋯⋯宇宙でも動ける筈だ。」

「それを先にやりなさいよ!?」

「いや、あの時は、そこまで深く考えずに動かしていたから、精々、おのれドルシア!!の気持ち100で戦って⋯」

そうこうしている間にさらに被弾。張った札の効果が切れたようだ。

「ちょっと被弾しているわよ!」

「申し訳ありません。ゲペルニッチ様。謝る美!!」

「誰よゲペルニッチって!?」

「異論は有りだけどマ◯ロスはFとかΔとかよりも個人的にプラスや7が好きかな。勿論初代も外せないけど。面白い美!!」

「知らないわよ!?マ◯ロスって!?てかちょくちょく何のキャラの物真似しているのよ!!真面目に操縦して!?」

「了解美!!」

総操縦時間30分未満の素人同然の闘牙に、エルエルフがこのまま一緒に沈められてたまらない必死に声を上げる。

「降伏しろ!たった一機で勝てる筈がない。」

「うん。俺もそう思う。けど敵はブッ放してくるから、死にたくないしもう応戦するしか無いじゃないか。この機体に盾すら⋯⋯あっ!?」

機体の右手から堕姫の血鬼術の帯を放ち意思を持つかのように一機の無人バッフェのシールド以外の武装を全て破壊して手元に引き寄せて左手に無人バッフェを無理矢理シールド展開状態にして

「⋯⋯盾確保。確保美!?」

「すっごい力技!」呆れた口調で闘牙の行動にツッコミを言うサキ。

「ゲームでも倒した相手から金と道具だの装備だの入手する事あるだろう。こんなんでも無いよりはマシなんだよ。略奪美!!」

会話しつつ鹵獲した無人バッフェを盾代わりにして迫るドルシア軍の攻撃を防ぐヴァルヴレイヴはハンド・レイを時折放ちつつ、

対処する。

「⋯⋯⋯機体の全長のせいなのか、片手サイズ盾みたく凄く頼りないな。小盾美!?」

そうこう言う内に鹵獲したバッフェのシールドが破壊されて

「思ったより集中砲火に対しての耐久性も無いな⋯」

鹵獲したバッフェを握力で破壊して⋯⋯直ぐ様、右手から帯を放ち再び別の無人バッフェを捕まえシールド展開状態にする。

「まぁ⋯⋯盾はあちこちにあるからそのまま別のに交換すれば良いか。楽観美!!」

楽観的ともとれる発言をしてヴァルヴレイヴは両脇に収納されたフォルド・シックルを展開させてバッフェ部隊相手に近接攻撃を開始する。帯を放ちバッフェの動きを拘束してから有人無人問わず小型鎌を力任せに勢い良く振り下ろして一刀両断し、たまに蹴りを放ちバルカンの餌食にする等好き勝手に宇宙で暴れていた。

バッフェ達の損害が増やしていく。

「なんて計画性の無さだ!?貴様と共倒れてたまるか!?ドルシア軍に降伏しろ!?」

「黙ってて!?変な事をしたら撃つわよ!!」

エルエルフに銃を向けるサキ。闘牙が殺したドルシア歩兵から奪ったものだ。しかし、その行動が闘牙の視線をふさいでしまう。

「おい!前に出るなよ!?視界面積一面長い黒髪が靡いていよ!?もう俺、お前の事しか見えねぇよ!?あっコレは貴方に対する口説き言葉じゃあアリマセン美!!」

「ちょっと浮いてる!?」

急いでサキを押しのける際に⋯⋯

(あっ、良い香り⋯⋯じゃない!?真面目になれよ!?俺っ!?)

闘牙は触れずにサキの身体を持ち上げて押しのける。

「ねぇ⋯⋯」

「何だ?」

「あの、気の所為なら良いんですけど⋯⋯もしかして先輩超能力とか使えるんですか?」

「⋯⋯否、安土桃山時代の頃に山で千日籠って神通力を会得しようした徳の高い坊さん達と一緒に習得した只の法力だよ。」

(法力?この先輩何か目に視えない力を人知れずに習得しているの!?)

超常現象を目撃して目を見開くエルエルフとサキ。

(鬼の俺だって幽霊とか妖怪とか怖いんだもん。)

そんなサキ達を置いとき闘牙はコクピットのフットペダルを踏み込み、踵のクリア・フォッシルからレイヴ・エネルギーの光が溢れ出して、光が硬質化しながら伸びていく。

「喜べ二人とも。」

「何ですか?」

「もう宇宙でズッコケる事は無い!!俺は宇宙での"あんよのコツ"を掴んだぜ。機動美!!」

「わーい。どうせなら、宇宙に進出する前に言って欲しかったです。もう私、先輩と先輩のこのジオールの機体を見たら綺麗にズッコケたイメージしかもう思い浮かびません。」

「残念美!!」

フォルド・シックルを振るいバッフェ三機を草刈り鎌の要領で横薙ぎで水平に切り裂きながら残念そうな表情をする闘牙。

(コイツ⋯⋯バッフェの頭部のみに狙いを定めて破壊しているのか⋯⋯)

一方エルエルフも、サキに銃を向けられながらも闘牙の戦い方を冷静に観察していた。

「この機体の動力やエネルギーの残量も心配だから⋯⋯とっとと指揮官を見つけてドルシア軍を後退させないと」

 

口でそう不安そうに言うも状況はジオールの機体が圧倒的に有利なのか文字通りに一機、また一機と敵の数を確実に減らしていくヴァルヴレイヴ。全方位から攻撃してきたバッフェ達に対して硬質残光で全て防ぎ逆にハンド・レイとバリアブル・バルカンを使いこなしバッフェ達の白い装甲を穴だらけにして数を次々と減らす。

「本当に⋯⋯⋯鹵獲する気が無いなら此方も遠慮はしないぞ!?ドルシア共が!?」

手心を加える事がまるで無いドルシア軍に対して怒る闘牙は機体を操作してマニピュレーター関係無くバッフェを殴り潰し破壊して宇宙を駆ける。

無防備の背後から攻撃を仕掛けるバッフェ部隊もいたが、機体性能の違いか⋯⋯直ぐに背後に振り返りバッフェ達の一斉射撃を回避して一気に肉迫してフォルド・シックルで薙ぎ払い破壊しては次のバッフェに肉迫しシックルで唐竹割りをする。

「ぎゃあああああ!!」

断末魔の叫びが宇宙に木霊するも接触通信をしていないヴァルヴレイヴには聞こえず、その容赦無い戦いぶりを見たに恐怖に駆られた有人タイプのバッフェの新米パイロットが仲間がいるのも構わずにヴァルヴレイヴを撃ちまくるも、近くにいた別の有人タイプバッフェを掴み盾にして射撃が止むのを待ち⋯⋯バリアブル・バルカンで盾にしたバッフェのコクピットがいる頭部を的確に穴だらけにして投げ捨てて赤い光で軌跡を描きながらその場から飛ぶ。

「死ね!死ね!死ね!!」

自らの恐怖を振り払おうと弾が切れるのもお構いなしに撃ち続ける相手に対してジオールの機体の緑色のアイセンサーは不気味に光ると一瞬で接近して片膝で相手のコクピットがある頭部を叩き潰して破壊する。

その様子は一騎当千または快進撃でドルシアは損害を増やしていた。

(そろそろ、ドルシア軍の軍人達もバッフェで勝負にならないと分析した筈だ⋯⋯なら次に来るのは艦隊による砲撃、或いは⋯⋯)

だが、その快進撃は、敵の向こう側から現れた異容に阻まれる事となる。

(来たか⋯⋯)

「大きい⋯⋯何なのあれ⋯⋯」

バッフェとは違うドルシア軍の兵器の姿をコクピットから見て震えるサキの声。闘牙は震えてはいない物のドルシアの兵器を警戒する表情を露わにする。

先ほどまで蹴散らしたバッフェ達の五倍以上は楽にあろうかという巨大な戦闘兵器の不吉なシルエットが、宇宙の闇から滲み出るように浮かび上がってきた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

モジュール77の市街地⋯⋯日の光が入らない場所にて

「白怒火め⋯⋯遅いでおじゃる。」

【コーーーン!!】

従者達が引き連れた最上位牛車の内側からドルシア軍達の様子を遠くから眺める捨麿と日の光を遮断する結界を張る九荷の二人。

予定していた時間は既に過ぎており、小さくだがイライラを感じ始める。そんな時、通信機から連絡が入る。

《悪い!術でドルシアの連中達の増援部隊を片付けるのに時間がかかった。》

「遅いでおじゃる!!決めた時間も守れぬのでおじゃるか!?この駄目忍者め!?」

《【メタルギアソリッド】や【天誅】のステルスゲームじゃないんだから大目に見ろよ公家骸骨!?そっちの状況は!?》

「ドルシア軍の連中⋯⋯咲森学園生徒の連中を巡洋艦に捕虜として連れていこうとしているようだ。」

《ガチでピンチじゃん!?》

「麿が何故御主におかんむりなのか分かるでおじゃるな⋯」

《なら挽回させて貰おう!?》

「九荷!!」

捨麿はすかさず言葉を口にしない分身体の名を呼び、九荷も分かっているのか両手から琵琶を取り出すと共に鳴らす。

右斜めから忽然と障子が出現すると共に左右に開き左右に血鬼術で形成した小型な忍者刀を二本持ち全身甘い香りのパイまみれになった白怒火がギャグ漫画の要領にゴロゴロと滑り落ちてくる。

「斜めに障子を出すなよ。お笑いの階段落ちじゃないんだから踏ん張りも受け身が効かないんだよ。」

頭から地面に激突して身体にくっついたホイップクリームが盛ったパイ皿が幾つも地面に落ちてくる。

「御主こそ、ドルシア軍と一体どんな戦いをしておったんでおじゃる!!」疑う訳ではないが念の為に捨麿は白怒火に聞く。

「パイ投げ合戦。」

捨麿の質問を間髪入れずに真面目に答える白怒火。

「何故敵軍とパイ投げ合戦なんかしているか分からん!?」

「この騒動が終わったら説明してやるよ。まずドルシアの奴らとカラオケ大会をしてな⋯⋯」

「終わったら説明するんじゃなかったのでおじゃる!?」

「最も此方が用意したパイは全て強力な下剤入り⋯⋯口に含ませたら最後、即効で下す。」

「恐ろしい合戦をしておるでおじゃる。」

ツッコミをする捨麿を他所に白怒火の通信機から連絡が入る。

「おう。此方は白怒火。どうした?」

《此方、狼牙丸!?先に暴れておけ、俺も大将の奴を連れて直ぐに合流するから。》

と短い連絡を勝手に言い通信機の連絡は切れる。

「わかった!おっと!?さて⋯⋯俺達もそろそろ動き出すか!?」

制御室に残した愈史郎がモジュールの時刻設定を弄り夜間にする。

《さぁ、鬼共⋯⋯恐怖の時間だ!?》

「「っ!?」」

【カッ!?】

深き夜の闇を照らす月がモジュールの空に姿を現し愈史郎のその一言と共に流れる風の音が止まり全員の仮面にはめられた両の瞳が怪しく光輝き始める。

「動くぞ!?」

「命令するなでおじゃる。」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ドルシア軍の歩兵達は捕虜である咲森学園生徒達を無理やりでも艦に乗せようと激を飛ばし歩兵用のアサルトライフルを向ける。

本物の銃を向けられて悲鳴を上げる生徒達、頼みの教師達の姿も無く居るとすれば教育実習生の七海リオンだけ⋯⋯何とも頼りない大人だが⋯⋯其れでも大切な生徒達を守ろうと前に出る。そんな時、モジュールの時刻が夜になる。

「えっ?」銃口を向けられてこれから自分達の身に起きる恐怖を想像していたある生徒が呆けた顔をする。

「何だ!?」

突然、夜に変わり驚く生徒達、ドルシア軍の連中も突然の夜に警戒を覚えて銃口を生徒達に向けながら誰かに様子を見て貰おうと話し合う。

 

「五月蝿い!?静かにしろ!!?」

徐々に騒ぎ始める生徒達に銃口を向けながら兵士の1人が怒声を上げて混乱させないように脅す。

太陽が差し込まない闇夜の時間⋯⋯それは人を喰らう鬼達にとっては活動すべき時間であり、最も本領を発揮する時間帯でもある。

(日向の時間も嫌いじゃないが、やはり鬼は夜を味方にしてこそ!?)

騒ぐ咲森学園に迫るのは陰の中を尋常では無い速度で移動する白怒火。

一番速い白怒火の後を追うように駆け出す九荷。

【コーーーーーン!!】

全速力で駆け出しながら両手から己の血で形成した十字槍の錫杖を後ろの端を接続させ長双槍に変えて素早く交互に振るいながら燃える九尾の尾背後に出現させ沢山の強化魔法を展開させて移動速度を更に上げる。

 

「⋯⋯さて⋯⋯童磨よ⋯⋯久しく使わせて貰うとするかのぅ⋯⋯血鬼術【霧氷・睡蓮菩薩】」

捨麿は己の手を鋭く伸ばした爪で手の内側を傷つけて手から血を流して形成した金色の扇を軽く一振るうと、背後からヴァルヴレイヴ並みの大きさの氷の仏像を複数作りだし

「【血鬼術 竜人外装 凍結氷龍】」

周囲の温度を一気に下げると共に捨麿の姿が氷の結晶で出来た東洋龍の特徴を持つ龍人の姿に変わる。

「良い悪人の骨が沢山手に入れられそうでおじゃる。」

血の色に染まった髑髏の仮面の奥で笑みを浮かべながら捨麿は歩み道を氷で張らせながら牛車に乗り込み牛車を引っ張る為に氷の牛を作り出して移動する。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ジオールの特一級戦略目標がモジュールを出た知らせを聞いたアードライは険しい表情でメディカル・ルームを出た。

(ジオールの兵器が⋯⋯)

モジュール77内でバッフェ達を蹴散らした同様、此方の軍と現在交戦中と聞いたアードライはカルルスタインの人間としてドルシア軍の軍人として動く。

宇宙服の役割も担うドルシア軍のパイロットスーツを纏い左目に包帯を巻いたアードライが、コックピットに座る。

『無理するなよアードライ。まだ傷が⋯⋯』

「だから、他でもない⋯⋯私が行くのだ」

自分の今の状態を心配する仲間のイクスアインからの通信を一声で切って捨てるアードライ。その憎々しげに細められた右目には、敵の姿しか映らないとでも言うように。

「アードライ『イデアール』、ボックスアウト!」

出撃の合図と共にクルー達が声を合わせる。

『ブリッツゥンデーゲン!』

「ブリッツゥンデーゲン」

アードライの乗った各部がイエローカラーで塗装された白い巨大戦闘兵器が、暗い宇宙空間へと解き放たれた。ブリッジでその後ろ姿を見送りながらイクスアインは一人言つ。

「我が軍が誇る重戦術兵器『イデアール』⋯⋯国力で劣るドルシアが、ARUSと互角以上に戦える理由を教えてやれ。」

重戦術兵器、イデアール。

その全高はバッフェ約15メートル、ヴァルヴレイヴ約23メートルに対し、約38メートルの巨体を誇る。さらに、下半身に接続されている、様々な兵器や燃料などを搭載した大型ブースターユニットを入れると、全長は実に100メートルを超える。

各種ミサイル、拡散レーザー、粒子ビーム砲⋯⋯単機でこれらの武装を自由自在に操るその機体は、言うなれば、バッフェを発展させた独立戦艦。ドルシア軍の名高いカルルスタイン機関員の中でも特にパーフェクツォン・アミーと称されるアードライ達には個別マーキングが施された、ドルシア月軌道軍が誇る最強の単座型有人兵器である。

目指すは特一級戦略目標ヴァルヴレイヴのみ。

アードライは、ヴァルヴレイヴを操縦しているのがエルエルフだと思っている。それも無理からぬ事、アードライにとっては、ジオール人の学生達を逃したのも、自分を撃ったのも、ドルシア軍からヴァルヴレイヴを奪い返したのも、全てエルエルフなのだ。

まさか自分の仲間がジオール人の学生の1人に身体を乗っ取られて全力でボケたり涎を零しながら全力疾走したりカメラ男になったりMAKIDAIを呼び出したり色々と醜態を晒していたなんて仲間達の誰が予想出来るか⋯⋯

理解も納得も出来ないが、エルエルフが裏切ったという事だけは疑いようもなかった。

「行くぞ。エルエルフ!」

手始めにイデアール両翼下のマイクロミサイルポッドから、無数のミサイルが射出される。

アードライの指が、まるでピアノを弾くようにコンソールを叩くと、そのミサイルの全てが意思持っているかのように軌道を変え、特徴的な人型兵器ヴァルヴレイヴへと迫る。

 

「闘牙先輩!ミサイルが沢山来る!」

大量のアラートにスクリーンに映る無数のマイクロミサイルの姿に、真っ青な表情をするサキに対して

「掛かってこいや!?このモビルアーマー擬きが!!人型機動兵器の恐ろしさを嫌と言う程教えてやるぞ!!」

逆に前方に現れたイデアールに対してやる気満々の様子の闘牙。フォルド・シックルを収納してジー・エッジを鞘から引き抜き一気にイデアールに迫る。

(それに⋯⋯ドルシア軍と戦うなら遅かれ早かれ単艦戦力が高いイデアールとは対峙する必要があったんだ!?此処でこのイデアールをどうにか出来ないなら俺達に未来は無い!)

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。