革命機ヴァルヴレイヴ 現代に欲望のまま生きる自分本位の鬼達   作:怪物怪人怪獣さん

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活動報告にてオリジナル人型機体総称と機体名称を募集しております。興味がある方は是非⋯

ところ天は六花
金平糖はアカネ


第14話ゴメンね。ハラキリはまだだよ。

占領されたモジュール77内ではエルエルフ達にヴァルヴレイヴを奪われて損害を被る前に上の迅速な命令で占領地のモジュールから次々と撤退しようドルシア軍の艦隊と⋯⋯。

 

排除並びに占領地を防衛に動くドルシア軍の部隊に分かれていた。

 

ヴァルヴレイヴを偶然とはいえモジュールの外に出す事に成功した為にモジュール内の残存艦隊と挟撃する作戦が考案されたが、その作戦を実行する前に占領地に突如出現した謎の敵戦力の襲撃によってモジュール内で残った残存歩兵達や戦車部隊果てはバッフェ部隊達が次々と撃破させる事態が発生。ジオールの機体を挟撃する予定は見事に崩れる。

 

上からの撤退命令が来ているのは分かっていたが敵の数は10人も満たない少数との事⋯⋯たった少数で占領地にいる全ての残存戦力を叩く事など普通に考えて出来はしない。ドルシアだろうがARUSだろうが戦術や戦略を勉強する軍学校に通っている人間ならそう答えだろう。

 

普通に考えたら⋯⋯戦力差的にも必ず勝つのは此方と思う。

 

謎の敵戦力の目的が捕虜になったジオール人の救出ならほぼ頓挫している。

それは敵戦力の初動の問題もあるが撤退しようするドルシア艦隊の中には捕虜になったモジュール内のジオール人の住民達の殆どの搬送を既に終えてモジュールの外へ脱出し⋯⋯モジュール内で残った僅か5隻の軍艦が占領地防衛と並びに敵戦力の再無力化に動くドルシア軍の部隊の帰還を待っていた⋯⋯

 

 

部隊の帰りを待つ艦にいる兵士達は敵戦力の最後の悪足掻きは迅速に終息すると考えていた。

 

 

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モジュール77内 市街地の中央。

高所から一気に飛び降りたソイツらは重力に従い真下を通り過ぎる戦車隊の前に落ちてきた。

「全員、止まれ!?」

突然の何かが自分達の前に落ちてきて戦車隊の隊長は慌てて部隊の進軍を止める。

戦車隊の前方の道路には白い煙が立ち登り小さな亀裂を作り落ちてきた物を見ようとする戦車の操縦手達は驚く。ビルの高さから見て落下した物は原型を留めていた事実に⋯⋯そして白い煙の中から⋯⋯二つのソレらはゆっくりと立ち上がり白い煙の奥から二つの目を色違いに光らせる。

「総員!?攻撃ごぱっ!!」

その瞳を見て本能的な危機感を感じて部隊に攻撃指示を出そうとする瞬きの瞬間、煙の奥にいたソレらは既に前方には居なくなっており⋯⋯目撃した戦車隊の戦車は全て同時に爆発炎上し指示を出そうとした部隊の隊長もその爆炎にその身を飲み込まれる。

「⋯⋯。」

車体の爆発に巻き込まれたによる生存者無しの戦車隊の後方に威風堂々と立っていた朱天大将と狼牙丸は視線を次なる敵がいるであろう前に向けてその姿を同時に消す。

 

 

場面は市街地の東側に変わりドルシア軍の歩兵達は敵勢力を排除に動いていた。その様子を死角から⋯⋯影から見ていた白怒火と九荷。

「目立ちたがり屋達も参戦した。あいつらに敵残存勢力の主力を任せて俺達は小回りが利く歩兵達をどうにかするぞ。」

「⋯。」

九荷は無言で人差し指と親指で丸を作るOKサインを白怒火に見せ二人の鬼は動く。

 

九荷が歩兵達の周囲に魔法陣を発動させ魔力で造られた鎖で歩兵達の動きを拘束する。

「何だこれは!?」

血鬼術 鹵獲腔の影から跳び上がり強靭かつ美しい毛並みをした純白の九つのそれぞれの尾の先端に鋭利な斬れ味を持つ刃を形成し尾を縦横無尽に振るい歩兵達の肉体を一瞬でバラバラにする九荷。

「敵排除完了か⋯⋯無口の癖にやる事は容赦ないね⋯⋯」

鹵獲腔の影を利用し仕留めたドルシア歩兵達の武器弾薬を戦利品として回収しながら白怒火は九荷を見て言う。鎖の魔法陣で相手の動きを封じて自分が一気に仕留めるつもりだったが、九荷1人の活躍に手間が省けて白怒火は次の敵戦力を排除に動く。

「次は⋯⋯⋯見つけた。」

別のドルシア歩兵部隊達を発見すると二本の血忍刀を逆手に握り締めて歩兵部隊達の中心に着地し一番近い位置にいた二人の歩兵の喉元を左右の血忍刀で横に振るい一瞬で歩兵の首を斬り飛ばし仕留めて

【血鬼術 鹵獲腔・影狼】

己の影から地上へ這い出る無数の異様な影の狼達を見て兵士達は怯える。

「何だコイツら!?」

「殺れ。」

狼達は白怒火の一言で一斉に歩兵達に跳び掛かり歩兵達が影狼に対して意識を割っているその隙に白怒火は鹵獲腔から突撃銃を素早く取り出し装備し中距離から歩兵達を攻撃する。

「よし。お前らは残りのドルシアの連中を追い立てろ。」

無駄弾を出来る限り減らして周囲の敵歩兵部隊を片付けると白怒火は周囲に集まった影狼達に指示を出し影狼達はその指示に従い白怒火の元から離れて敵戦力を求めて一斉に駆け出す。

「排除完了⋯⋯九荷の方に戻るか。」

 

無数の銃弾が飛来するある地区ではその銃弾を超高速でジグザグに躱しながら歩兵達に接近する九荷の姿があった。

「速い!?」

 

市街地西側

錫杖ではない紫色の炎を纏った長双槍が突撃銃を必死に撃つドルシア歩兵の胸を刺し貫かれて絶命、素早く己の長双槍を串刺しにした歩兵の身体から引き抜いた九荷は前方にいる歩兵達に向けて両腕で横薙ぎに得物を振るい兵士達の腹部を斬り裂くと同時に兵士達を焼き払う。腹を物理的に斬り裂かれて悲鳴を上げる暇もなく火達磨にされた仲間達の仇を討とうと九荷に向けて一斉射撃を敢行するも、その弾は九荷の身体を捉える事なく簡単に躱されて逆に長双槍で突撃銃を持った両腕を次々と斬り飛ばす。

「「ぎゃあああああ腕がああああ!!」」

両腕を斬り飛ばされ切断面から血を噴水のように流し無い両腕を上げる歩兵達⋯⋯それをした九荷の圧倒的な強さに歩兵達は恐怖を覚えて怯えながら

「⋯⋯こ、降伏すがぁ!?」

両腕を失った歩兵達の身体を九荷の九つ尾でバラバラにする。

「貴様!?良くも!?」

辛うじてその範囲外にいた生き残りの歩兵は持っていた突撃銃を九荷に向けて銃撃を放つ。九つの尾でその弾を全て防ぎ尾と尾の隙間から長双槍による怒涛の連続突きを放ち逆に歩兵の身体を穴だらけにする。

周りが者言わぬ骸ばかりになった中心に1人立つ返り血塗れになった九荷の元へ白怒火が戻ってくる。

「首尾は上々のようだな。」

「⋯⋯。」

そう九荷に言いながら死体が持っていた通信機を白怒火は奪い無言でOKサインを見せる九荷。

「さて⋯⋯」

ドルシア軍の通信機の電源をつけて周波数をイジり合わせる。

《敵発見!?なっ!⋯消えた⋯⋯ぎゃああああああああ!!》

轟音と爆発音や肉が捻り潰れる音に混じった名も知らない兵士の断末魔の叫びを聞いて周波数を更に変える。

《ああああああああああああっ!!?》

《チクショウが!?殺ってやる!?殺ってやがぁ!!》

《助けてくれ!?援護!?誰か援護をひでぶっ!!?》

《来るな!?来るな!?俺の側に近寄るな!?ぐぎゃああああああああ!!》

《ドルシア軍事盟約連邦万歳!!!?》

《嘘だろ!?殺られたのかよ⋯⋯エースの俺が⋯⋯》

《何だよ。アイツら⋯⋯何なんだよ!!あっ!》

《嫌だ!?助けてくれ!?此処から出してくれ!?焼けちまう!?熱い熱い熱い!!?》

《⋯⋯さ、寒い⋯》

《偉大なる大ドルシアに栄光あれ!!》

通信から受信した幾つの内容を聞いた白怒火は無言で軍の通信機の電源を切り

「⋯⋯。」

「⋯⋯地獄絵図とはまさにこの事だな⋯⋯残存したバッフェ部隊も多脚歩行戦車部隊の連中も誰もアイツらを止められない。」

聞こえてきたドルシア軍の兵士達の様子に仮面の奥で冷や汗を出す九荷と共に夜空のモジュールの天井を見上げて地獄絵図を作り出している鬼達の姿を思い浮かべる。

 

 

力強い雷鳴がビル群の間を轟いては嵐が吹き荒れて稲光が夜闇を刹那に照らすモジュール77内の市街地に縦横無尽に駆け巡る二匹の鬼。その速さに反応出来ずにすれ違い様に鬼爪を生やした籠手と刀身が異様に伸びた爆血刀を振るわれ瞬く間に次々と撃破されるドルシア戦車隊。

「暴れるぞ!?暴れるぞ!?無惨様の鬼が夜闇と共にやってきたぞ!?」

 

吹き荒れるは嵐⋯⋯駆け抜けるは暴力の嵐⋯⋯欲望の嵐⋯⋯血の嵐⋯⋯刃の嵐⋯⋯鬼の中の鬼⋯⋯朱天大将が声を感情の赴くままに叫び爆血刀を振るう。幾多の攻撃に耐えた戦車の装甲を⋯⋯幾多の敵を倒した砲弾を放った砲身を⋯⋯幾多の道を進んだキャタピラを⋯⋯幾多の戦いに生き延びた乗り手すら⋯⋯全てを飲み込む死の嵐が斬り裂き⋯⋯奪っていく⋯⋯

「まぁ、こうなるのは分かってたよ。おっと!?」

その光景を見ながら狼牙丸は想像した通りの光景と殆ど同じ物を実際に見て呆れるも自分に向けて放たれる砲弾を躱してはビルの壁面を足場し跳躍。付近の戦車の上に着地し戦車の前面のハッチに向けて

「ふん。」

鋭い拳の一撃を放ちハッチの奥にいる戦車の操縦手と前方機銃主を鬼爪で刺し貫き仕留めた後で

「っ!?」

空中高く跳躍で躱し司令塔コマンダーキューポラに向けて急降下から放つ拳を振り下ろして一気に車体を凹ませて戦車を大破させてから次の戦車の側面ハッチに向けて鬼爪を生やした籠手を抉る込むように抜き放ち車体内部に電撃を放つ。

「大事な鉄の棺桶だ⋯⋯戦車兵の誇りを抱いて死ね。」

車体から漏れる焼けた臭いと共に狼牙丸は腕を引き抜き別の戦車に向けて一気に獣のように跳び掛かると着地と同時に蹴りを叩きつけ戦車の装甲を大きく凹ませ二撃目に更に蹴りの威力を上げて凹ませた戦車をサッカーボールのように蹴り飛ばすと直ぐに次の戦車を狙う為に跳躍からの攻撃離脱を繰り返す。

剛力を込めた片腕を下から上へ団扇を振るうように垂直に振るい上げて一台の戦車を転倒させて真下から拳を抜き放った事による衝撃波で戦車内部を誘爆させて破壊し飛び交う砲弾を躱しながら高速で接近し砲身を跳び回し蹴りで蹴り飛ばしては硬い戦車の装甲を障子に穴を空くかのように簡単に斜めに引き裂き飛び散る内部部品の破片の隙間から見える操縦手達と目が合うも左右に生やした鬼爪を連続で振るい無防備な操縦手達を仕留めては振り返り次の戦車に視線を向けるも狙い定めた戦車は既に朱天大将の刃が通り過ぎた為に爆発する。

「⋯⋯⋯。」

仕方ないので別の戦車に視線を向けるとその戦車も爆発し更に次の戦車2台に視線を向けると2台の戦車が爆発、3台の戦車に視線を向けると全て爆発、4台、見ると全て爆発する。

「⋯⋯あの悪鬼が⋯⋯」

この地区にいた戦車隊は朱天大将の手で軒並み全滅させられた事実に言いたい事をグッと我慢して狼牙丸は急ぎ朱天大将の気配を見つけて追い掛ける。朱天大将が一般人同然の咲森学園の生徒や関係者と遭遇した際に起きる最悪な事態を止める為にも⋯⋯⋯

 

「⋯⋯⋯。」

一方、ダンボールハウスにいたアキラは深夜になったモジュール内で暴れる炎竜鬼の分裂体達がドルシア軍に対して圧倒的な殲滅をする様子を各防犯カメラや無人飛行機の空撮カメラで見ていた。

「⋯⋯⋯。」

分裂体の容赦のない蹂躙劇を見て全身が震え上がり顔色は血の気が引き真っ青になり絶句する。ゲームやアニメや漫画じゃない本物の戦場の映像をモザイク等なくリアルタイムで見ているのだ。

 

「鬼の呼吸 伍の型 裂魔斬」

距離を無視したかのように瞬く間に会敵した戦車中隊に向けて距離を無視した斬撃波の連撃を爆血刀を超高速で振るうと共に放ち戦車中隊を斬撃波の光の線で覆い尽くして瞬時に全滅させて面制圧を完了したら次の敵残存戦力を求めて移動する朱天大将。獲物を見つけては仕留めてその次の獲物を求めて移動する。その様子はまさに鬼舞辻無惨の配下の人喰い鬼の行動その物だ。瞬く間に死体の山が積み上がらせてはモジュール77内のドルシア軍の残存戦力が減っていく。

 

その過程で朱天大将が殺したドルシアの人達を喰らわないのは、爆血刀と呼吸を使い戦車や銃火器ごと斬り裂いてしまい死体の殆どが戦車の爆発に巻き込まれてミンチより酷い有様で無機物の残骸が死体に混ざっている為に⋯⋯喰い分けるのが凄く面倒くさい為に仕留めながら無機物が丸腰の人間を探しているのだ。その丸腰の人間とは勿論、一般人の事⋯⋯そしてこのモジュール77内で一般人と言うのは⋯⋯咲森学園の関係者と学生達である。

(学園の連中と大将の奴を遭遇させるのだけ避けないと本体がガチ切れる。)

意図的に狼牙丸が朱天大将を咲森学園から離すように移動させている事に朱天大将は気付いていない。

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攻撃を躱し切れずに破壊されるバッフェ⋯⋯鳴り響くミサイルの発射音と爆発音に振るわれる十文字槍の音⋯⋯絶え間なく赤いラインが入ったイデアールから放たれる無数のビームとミサイルを全て躱して十文字槍をすかさず振るうヴァルヴレイヴ。

激突音と火花を幾つも宇宙に見せながら何度も攻守を入れ替える両者。

『此方の番だよ!!』

十文字槍の有効射程から充分離れたイデアールから無数のミサイルが放たれる。

「甘いわ!!」

闘牙のツッコミと共にヴァルヴレイヴは両手に持った十文字槍を水平に持つとその場で連続でくるくると高速回転させて迫るミサイル攻撃を独特な防御方法で全て捌く。

 

イデアールのミサイルを捌いた後は一気にクーフィアのイデアールを撃破する為に急接近する。

『どっちが!?』

迫る相手の機体に向けイデアールはビーム砲を連射しヴァルヴレイヴは迫るビームを弧を描くようにひらりと躱しながらイデアールの間合いに近づくヴァルヴレイヴ。

「っ!?」

イデアールの動力部分目掛けて突進するように十文字槍を突き出す。

だが正面から槍を持ち突進するヴァルヴレイヴに笑みを浮かべるクーフィアは相手が近距離に近づいたタイミングに合わせてミサイルランチャーの発射ボタンを押す。

「何の!?」

ミサイルはボタンに従い発射された無数のミサイルはヴァルヴレイヴに一斉に迫るもヴァルヴレイヴはバリアブル・バルカンを発射しミサイルの数を減らしながら左手のクリア・フォッシルを素早く振るう事で放たれた大量の紅い硬質残光を盾のように展開しミサイル群を防ぐ。やがてミサイル群の爆炎にその姿を包まれる。

【⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯】

ゆっくりと爆煙が消えて姿を現すのは十文字槍を右手に握り締め機体の左肩から硬質残光をマントシールドように展開させた無傷同然のヴァルヴレイヴの姿を目撃しクーフィアは思わず喜ぶ。

『ヒュ〜〜!!やるじゃん!?』

嬉しそうに口笛を吹く音をコクピット内で鳴らすイデアールは誘爆直前に下がってミサイルの爆発を回避していた。

 

「あの野郎⋯⋯命が惜しくないのかよ。」

ギリギリ近距離から放たれたミサイル群の攻撃を防ぎ切りヘタしたら自分もタダでは済まない危ない戦術をする敵に戦慄を覚える闘牙。

(黄色いイデアールもいるんだ。赤いのはとっとと片付けるに限る!!)

【血鬼術 激涙刺突】

十文字槍の先端を前方のイデアールに向けて刺突による幾つのも衝撃波を合わせた物理攻撃技を繰り出す。

『ヤバっ!?』

高速に繰り出される十文字槍の刃を急いで躱すイデアール。機体の各部の装甲に刃が通るも⋯⋯

「くっ!?浅い⋯⋯。」

イデアールから放たれる牽制ビーム攻撃を硬質残光で防ぎながらコクピット内で焦る表情になる闘牙。

(あの赤いラインのイデアールのパイロット。普通に強い!?)

出来るだけ赤いラインのイデアールの白い装甲に血鬼術で形成した槍の刃を叩き込んでいるが、俺の想像より早く槍の攻撃が見切られ始めている。左手甲部分のレーザー、側頭部のバルカンも使って損傷させてはいるが撃破に至ってはいない。

 

2機のイデアールが連携する可能性に焦る闘牙に対してクーフィアの心はこの戦闘を心の底から楽しんでいた。自身が搭乗した機体はジオールの秘密兵器の攻撃によって既に軽くない損傷を受けている。普通に考えたら自軍の艦に後退する事も視野に入れるレベルにだ。しかしそんな白ける事などクーフィアはしない。

彼は、生まれ育った歴史ある祖国も任務も、苦楽を共にし同じ釜の飯を食べ同じ戦場に生き抜いた仲間にさえあまり興味がない。楽しく自分のままに命のやり取りをして相手を殺せればそれでいいのだ。そしてその相手が同じ国の人間だろうと銃も握らない民間人だろうと不正を許さず自分の国を良くしようする心優しい政治家だろうと余命幾ばくない寝たきりの年寄りだろうと関係ない。自身の欲望に忠実かつ自分勝手な人間。それがカルルスタイン機関の特務部隊の中でも最も残忍で戦闘的な人物、クーフィアなのだから。

目の前のジオール人の兵器がドルシア軍にとって鹵獲対象だろうと関係ない。

せっかく戦場に来たんだから楽しまないと⋯⋯

(イデアールのマイクロミサイルもさっきので切らしちゃったし⋯⋯さぁ~てどうエルエルフを攻略しようか。)

ゲームのボスキャラを攻略するかのようにクーフィアのイデアールはヴァルヴレイヴに両腕のマシンクロー型と一体化したデュケノワ・キャノン砲を次々とビームを放ちその攻撃を次々と躱し互いに飛び回り相手の出方を見る。

両腕から放つビーム砲を使い遠距離から一方的に撃つのも楽しそうだけど⋯⋯

 

 

(向こうのパイロットは自分の機体が傷つこうが相手が民間人だろうが仲間だろうがお構い無しの闘争本能の持ち主だ。しかも俺よりも宇宙での機動兵器の扱いがずっと上手い⋯⋯でも戦闘狂だからこそ⋯⋯)

「戦いの最中で殺しても罪悪感が感じる事のない。」

出方を見るのを辞めてイデアールに急接近するヴァルヴレイヴ。

ビーム攻撃を掻い潜りながらイデアールのメインカメラとサブカメラに向けて硬質残光の破片を幾つも飛ばす。

『光の破片で機体の視界を塞ぐつもり?全周囲モニター画面にそんな物意味無いよ!!』

「HEY似非マスタークロス一丁。」

急接近しながら十文字槍を左手に持ち替えたヴァルヴレイヴは東方不敗のあのポーズをすると右手から堕姫の帯を触手のように放ちイデアールのコクピットを含め全てのカメラの類を覆い隠す。

『なっ、うわああぁぁ!?』

全周囲モニターの殆どを帯で隠されて視界を防がれた事実に驚く暇もなく衝撃が機体を大きく揺らす。

たすきisマスタークロス⋯⋯ではなく堕姫の帯を巻き取ってイデアールに肉迫し連続打撃をイデアールに胸部に叩きつけ追撃に右手の炎竜鬼の爪でイデアールの白い装甲を突き刺し熱で赤熱させると共に引っ掻ける。

(このまま一気に破壊する!!)

『甘ぇよ!?』

攻撃を貰い続けていたイデアールはマシンクロー型マニピュレーターが肉迫するヴァルヴレイヴを掴み手首から射出される。

「その手は既に貰った!!」

後方に引き離されながらヴァルヴレイヴは十文字槍をイデアールに向かって投擲。

『ッ!?』

クーフィアは近くにいた無人バッフェをマニピュレーターで掴み前に突き出して投擲された十文字槍の盾として利用する。

投擲された十文字槍はバッフェを刺し貫きイデアールの目前で勢いを止められる。

『貰っちゃう⋯⋯あっ!?』

クーフィアは投擲された槍を奪い取ろうとマニピュレーターを操作するも十文字槍の柄には予め堕姫の帯が何重に巻いてあり

「返しやがれ。」

短く呟きながら右手の平から出していた帯を引っ張り上げて十文字槍はイデアールからヴァルヴレイヴの手元に戻っていた。槍を手元に戻すようにイデアールも射出したマニピュレーターを手首に戻しヴァルヴレイヴに対して両腕のビーム砲を重ねて放つ。

(威力が増す重ね撃ち!?)

ARUS軍の軍艦すら穿つビーム砲。威力はヘタな戦艦の主砲にも負けていない。

「攻めろ!?」

迫るビーム砲を距離や破壊したバッフェ達の遮蔽物を利用して次々と躱しながら相手に急接近。

『楽しいよ!?エルエルフ!?』

ビーム攻撃が当たらない距離まで接近された為にマニピュレーターによる近距離からの殴打攻撃を放つイデアール。

その打撃を柄や石突き部分で弾いて

「ととっとクタバレ。」

ヴァルヴレイヴが全力で振るう十文字槍の横薙ぎの一閃によってイデアールの胸部に一文字の傷が深々と付けられるもクーフィアは怯まない。

 

『そーれーっ落ちろ!?』十文字槍の横薙ぎ一閃も貰うも接近したお陰でクーフィアの乗る赤いイデアールのマニピュレーターがヴァルヴレイヴの胸部に直撃する。

「ぐおおお!!」

打撃による衝撃でコクピットが激しく揺れる中で悲鳴を漏らす闘牙。

「こんの⋯クソ餓鬼が!?」

更に機体の片足をマニピュレーターで掴みイデアールは玩具のようにヴァルヴレイヴを振り回してから掴んだまま一気に加速する。

「うぅぅっ!!」

「ぐうぅ⋯クーフィアめ⋯⋯」

「へっ!ビグ○の加速なんてゲッ◯ーの加速に比べたら月とスッポンだぜ!?」

コクピット内で鬼である闘牙はこの程度の加重へでも感じない物のエルエルフとサキはイデアールの高速機動によって発生する加重に歯を食い縛らせて耐える。

(この男は何故平気なんだ!?)

加速による加重に平気そうな闘牙にエルエルフは驚愕を隠せない。

「変な事い、言ってないで何とかしてぇぇ!!」

「分かってる!」

ヴァルヴレイヴは不安定な体勢で十文字槍の突きの一撃を放ち槍はイデアールの装甲を突き刺し回路や基盤を幾つも破壊する。

『わぁっ!?』

攻撃を受けるのが不味いと考えて適当にヴァルヴレイヴを放り投げるイデアール。

『良いねぇ〜〜もっともっと楽しもうよ!?エルエルフ!?』

「うわあああぁ~〜」

体勢を立て直せていないヴァルヴレイヴに向かってイデアールのビームの一斉射を放つ。

「ッ!?」

危険アラートが鳴る中で硬質残光を前面に展開し攻撃をやり過ごすヴァルヴレイヴ。

「機体の熱が上がる!?」

「ちっ!?」

揺れるコクピット内で帯で拘束されたまま思考や分析を続けていたエルエルフは旗色の悪さを察する。

(如何にジオールの特級一級戦略目標云えどもドルシア軍が誇るカルルスタイン機関の精鋭が操縦する2機のイデアール相手では万が一にもコイツに勝ち目は無い。)

「お前ではクーフィアやアードライには勝てない!?死にたくないなら降伏しろ!?」

事情も知らないまま仲間に裏切り者と呼ばれて状況把握もままならないが目の前のジオール人の学生の独断で巻き添えで死ぬのが嫌なエルエルフは拘束された状態で闘牙に言う。

「そうしたいのは、山々だけど⋯⋯」

エルエルフから全周囲モニターに向けると前から身体の各部に✕マークの白い絆創膏が幾つ貼られた練り物がデブリのように漂ってくる。

「赤いラインのイデアールは自分勝手な戦闘狂。黄色いラインのイデアールは聞いてて冷静さが欠けている状態⋯⋯武装解除信号だしても撃つのを辞めなさそうな面子だぞ。」

NARUTOを倒した黄色いイデアールがヴァルヴレイヴに迫る。

「くっ!?」

(アードライが冷静なら⋯⋯せめて加勢に来たのがハーノインやイクスアインなら⋯⋯)

「⋯⋯。」

動揺するエルエルフの表情と瞳を見ながら闘牙は無言でエルエルフとサキの帯の拘束を解く。

「ッ!?」

拘束が解かれてエルエルフとサキは目を見開かせる。

「ソイツの首の締め付けを少し緩めろ。」

「先輩駄目です!?」

「心配するな。そっちのウォーズマンが変な事したら膝ロボコにするから。」

倒れて漂う機体の体勢を立て直しながら言う闘牙。

「膝ロボコ。」

「膝ロボコ?」

((⋯⋯⋯膝ロボコって何だ???))

全く知らない未知の単語に疑問を覚えるサキとエルエルフ。

(本当に何なんだこのジオール人は!?)

「うん?」

操縦していると闘牙の制服にしまってあるスマートフォンからメロディが鳴る。

「⋯⋯⋯。」

視線をモニターに映る敵に向けながら闘牙は黙々とスマートフォンを手早く取り出し

「HEY流木野。」

「えっ!」

後ろにいたエルエルフに拘束したサキの名前を短く呼ぶと同時に手渡す。険しい表情でエルエルフに銃を向けられているも闘牙はお構い無しである。

「ちょっ!?」

鳴っている携帯を突然渡されるサキ。

「掛けてきたのは指南ショーコだ。代わりに応対任せた。」

「指南さん。生きてたんですか!?」

「生きているから電話しているんだろ。或いは幽霊からの心霊電話かもな。」

「ちょっと!?何で不安になる事を言うんですか!?」

「俺は幽霊や妖怪の類は怖いから嫌いなんだよ。」

「鬼なのに!?」ツッコミと共に信じられない物を見るような目で闘牙を見るサキ。

「鬼だって嫌いな物や怖い物があって良いだろう⋯⋯」

「先輩絶対にデートのお化け屋敷で女の子を前に突き出すタイプでしょ。」

「俺ならまずデートの行き先にお化け屋敷を省く。次いでに女の子は絶対に逃さない為に俺の隣に歩かせる。」

「意外と相手の女性の事を考えてくれるのかと思ったら途中の言葉で台無しですよ。」

「早く出てくれ。」

「分かりましたよ。もしもし。」

『もしもし。私メリーさん。今、角が折れたユニコーンの邪武と一緒にモジュール77の咲森学園の女子寮の前にいるの。』

無言でサキは通話を切る。そして身体をプルプルさせて

「誰ですか!?絶対に指南さんじゃなかったですよ!!」

「あれ?おかしいなぁ⋯⋯確かに掛かってきた電話番号は不明とかの奴じゃなく同級生の年下の指南ショーコだったんだが⋯⋯」

 

(何を言っているんだ?コイツらは⋯⋯鬼?ジオールにおける悪魔の俗称⋯⋯)

『まず、俺は人間じゃない⋯⋯』

エルエルフの脳裏に海岸の戦闘での闘牙の言葉が何故か思い浮かぶ。

(何故⋯⋯コイツのあの言葉を今、思い出す⋯⋯何故⋯⋯)

その言葉の意味を理解しようとし得体の知れない物を見る目で闘牙を見てしまう。

「ちっ!しつこい奴!?」

迫るビーム砲を避けたヴァルヴレイヴを、クーフィアのイデアールが執拗に追う。追い詰められたヴァルヴレイヴに至近距離から砲門が向けられる。

『貰った!?』

「鬼闘術 金剛掌!!」

互いに回避しようのない一撃が放たれかけた、その刹那。

『エルエルフウウウゥゥゥ!!』

「うわ来たよ。」

恨みの籠った声と共に放たれたアードライの黄色のイデアールが放ったビーム砲がクーフィアの一撃を妨害し闘牙は機体の攻撃動作を止める。アードライの声を聞いてサキと闘牙は何とも言えない真顔になる。

『何するの!?』

『下がっていろクーフィア。エルエルフとは、私がけりをつける!』

『ずるいぃ!』

子どものような声を上げるクーフィア。そのやり取りの隙に気付き闘牙は躊躇も無く追撃から逃げようと行動開始。

「隙ありじゃい!!」

『うわぁっ!汚ねぇ!?エルエルフ!?』

『うおっ!おのれ!?エルエルフ!?』

動きが止まった赤と黄色の2機のイデアールに向けてヴァルヴレイヴは近距離攻撃を辞めて代わりにバリアブル・バルカンやハンド・レイによる引き撃ち一斉射をしながらイデアールから逃げる。

「酷いわエルエルフ!?この裏切り者!?」間髪入れずに嘘泣きの顔で振り返りエルエルフに言う闘牙。

「普通にふざけるな!?貴様が撃ったんだろ!?」苛立ちを隠さずに闘牙の行動と言動に対してツッコミを言うエルエルフ。

「だって隙だらけだったんだもん。」嘘泣きを辞めて自分の主張を口にしながらヴァルヴレイヴは機体の頭部に唐草模様のほっかむりを被り機体を隠すサイズの隕石の陰に隠れて周囲を警戒しながら状況の打開を思考する。

「さて⋯⋯この危機的状況をどう切り抜けるか⋯⋯」機体に合わせて同じ唐草模様のほっかむりを頭に被りながら考える闘牙。

「闘牙先輩の凄い力で何とかならないんですか?」

「本当に俺が凄い力を持っているのならモジュール77もジオール本国もドルシアに占領されていないしジオール人も殺されて居なかっただろうな。」

呆れながらサキの質問に答える闘牙。呆れながらもその瞳は諦める鬼の目をしてはいなかった。

 

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「鬼の呼吸 壱の型 鬼神斬牙」

爆血刀の刃が多脚歩行戦車部隊の戦車を正面から全て斬り裂き次の敵を求めてその場から消える朱天大将。

「⋯⋯見つけた⋯⋯」

空を走る稲光と共に距離を一気に詰めて走る朱天大将の横に並走する狼牙丸。

「遅いぞ狼牙。何処に行っていた?」

「速すぎだ。大将。此方はお前の姿を見失って探していたんだぞ。」

(短期間で1人で殆ど片付けやがったよ。この悪鬼⋯⋯)

移動していると四足歩行の多脚戦車部隊と随伴する歩兵達の姿を見つけて

「殺るぞ。」

「分かってる!?」

「敵捕捉!!コレでも食らえぇぇぇ!!」

「「ッ!?」」

得物を持ちいざ動こうとすると⋯⋯走る自分達の真上を白怒火が飛び越えて両手に持った2本のヤツデの葉っぱ状の羽団扇を歩兵達に向けて全力で扇ぐように振り下ろす。

二つの羽団扇による緑色の突風をモロに浴びたドルシア軍の歩兵達は空中高く吹き飛ばされて飛んでいった歩兵達に向けて息を大きく吸ってから大きく口を開けて強烈な音波【血鬼術 狂圧鳴波】を放つ。

黄色い衝撃波同然の音波を躱す事も出来ないドルシア歩兵達はその音波を浴びると原型が保てない程の肉片に変わり地面に落下する。

「やぁ、お二人さん。」

着地と同時に狼牙丸達の方に振り返りニヒルに笑う。

「白怒火⋯⋯」

「ッ!?」

息をつかせる暇も無く血忍刀の刃と黒曜石色の刀身の日輪刀の刃が火花を散らしてぶつかり合う。

「のぅ⋯白怒火⋯このわしから獲物を横取りとは良い度胸だな⋯⋯」

「相変わらず、本能に忠実だねぇ⋯⋯まぁ、此処に来たのは偶然だよ。残存敵戦力を殲滅に気配を追っていたら此処に来ちゃったのよ。」

鍔迫り合いをしながら己の弁明を口にする白怒火。

「それに来たのは俺だけじゃないよ。大将。」

「っ!?」

遥か上空から九つのそれぞれの尾から熱線を放ち多脚戦車部隊を一瞬で薙ぎ払い破壊する。

狼牙丸と朱天大将は熱線を放った存在に視線を向ける。

【コーーーン!!】

地面の無い夜の空から此方に駆け降りるのは紫色の炎を纏った3つの尾を持つ巨大な炎狐。そしてその3つの尾を持つ紫炎の妖狐の背に座する九荷。

「⋯⋯。」

九荷は無言で鍔迫り合いをする二人に向け己の九つの尾を擦り合わせ超高温の狐火を放つ。

「おい!?」

朱天大将と白怒火は同時に跳躍し迫る尾から放たれた炎の渦巻きをやり過ごす。

無言で九荷は長双槍の先端を分裂体⋯⋯⋯では無く港に停泊している5隻のドルシアの軍艦に向ける。

「まぁ、敵残存戦力をモジュール内から追い出す又はモジュール内の敵残存戦力の掃討が勝利条件だな。」

四人の分裂体は横に並び軍艦達が停泊する港に視線を向ける。

【べべん!!】

聞こえてきた琵琶の音に続いて無数の障子や襖が近くに出現し中から氷で形成された狼の群れと巨大な白氷龍と大きな白虎が四人の分裂体の周りに現れる。

「おやおや。皆さん。こんな所で集まって何を話していたでおじゃるか?」

琵琶を持った捨麿が白虎の背に乗って姿を見せる。

「モジュール防衛戦も大詰めと話していたんだよ。」

白怒火は気さくな笑みで捨麿にそう言う。

「成る程⋯」

「捨麿。敵バッフェ部隊は?」

狼牙丸は捨麿に尋ねる。確認しただけでも有人バッフェ1つ無人バッフェ2つのが一組の7部隊が確かモジュール内の市街地各地に巡回していた筈だ。此処に現れた事⋯⋯此処まで来る途中でバッフェ部隊を殆ど見掛けなかった事⋯⋯答えは薄々と感じているも捨麿の報告は聞く必要はある。

「1つ残らず寒烈の白氷龍が破壊したでおじゃる。」

「そうか。流石は捨麿だ。」

(使える部品やパーツとか基盤が無事だと良いなぁ⋯⋯)

ヘタな大艦隊すら全滅させる能力を持つ寒烈の白氷龍を見上げながら白怒火は作戦後の事を面倒事に頭を悩ませていた。

「それじゃあ⋯⋯終わらせましょうか?」

白怒火の一言と共に全員が同じ方向に視線を向けて付けた面の瞳の色それぞれ光らせる。

「獲物は早い者勝ちだ。文句はあるまいな。」

内に秘めた獰猛さを隠さずに朱天大将は黄金の炎を燃やし黒曜色の日輪刀に己の血を刀全体を覆い尽くし斬艦刀状に形状を変えてその大きさ故に大将は斬艦日輪刀を自身の肩に担ぐ。

「ムカつくが大将に同感だ。」

両籠手を同時に打ちつけて左右の籠手から黄金の稲妻と緑色の嵐を発生させ緑色の炎を全身から闘気のように放出した狼牙丸。

「死体は出来るだけ原型が留めているのを沢山欲しい。」

骨の笏を持ち極悪人の骨を常に欲する骸野捨麿は青色の鬼火を展開する。

「うへぇ~〜皆殺る気満々でちょっと怖い⋯⋯敵さんに普通に〜〜同情するよ。」

溜息を吐き周囲の異様なやる気の様子に愚痴を言いながら白怒火は白い炎を展開。

「⋯⋯。」

無言で紫色の炎を放出させる九荷。

5色の炎を放出させる鬼達が召喚した使い魔らと共に港に停泊するドルシアの軍艦に向けて進軍する。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

一方、宇宙 ドルシアの軍艦のパイロット待機室では

「⋯⋯⋯。」

クリムゾンレッドカラーの専用ノーマルスーツを着用したスレイプニル隊の隊員達がヴァルヴレイヴの分析をしていた。

「いや〜〜何回見ても凄い⋯⋯我がドルシア軍が誇るバッフェ達がこうも簡単に破壊されるとは⋯⋯」

破壊されたバッフェが残した記録映像を見るのはスレイプニル隊に配属されて間もない青年の名前はライナス。

「自軍なら兎も角、敵の新兵器に感心するなよ。新入り。」

熱いコーヒーを持ち隊に配属された青年を注意する男。

「でもやっぱり凄いですよ。」

「ふぅー。ふぅー。全く⋯⋯新入りは心に余裕があって羨ましいよ。」

男は青年に対して皮肉を口にしながら呆れた顔で熱いコーヒーを冷まそうと息を吹きかける。

「ジオール軍の人型の特有の初見殺しも勿論会っただろう。モジュール77の侵攻作戦に参加した部隊はARUS軍との小競り合いで手柄を上げてきた奴らだ。彼ら全員が弱いパイロットではなかった。」

モジュール77侵攻作戦に参加したバッフェ隊の面々と交流を持っていた部隊最年長の強面の巨漢の男が言う。

「それでフォルケン隊長。俺達このまま待機室で待機任務ですか?」

「ブリッジの艦長から出撃要請がこない限りはな。」

高機動型バッフェ・カスタムの記録映像を見ながらスレイプニル隊の隊長フォルケンはコーヒーを必死に冷まそうとする部下に言う。

「でも我々がいる艦の位置は戦闘区域の近くですよ。攻撃に巻き込まれませんか?」

「ふぅ⋯ふぅ⋯最もイデアールが2機。しかもドルシア軍の最高の質を持つカルルスタイン機関の連中が出ている。再鹵獲も時間の問題でしょ。熱っ!?」

現実的な意見を仲間に言いコーヒーをいざ飲もうとして熱さで思わず舌を出す部下を横に

「⋯⋯⋯カルルスタイン機関の連中があのジオールの特一級戦略目標の対策をしているならな。」

バッフェの記録映像の類でジオールの機体を分析はしている物の対策らしい対策はまだ出来ていない事実を口にする。

「隊長はパーフェクツオン・アミーの彼らが負ける可能性が?」

現場叩き上げの巨漢のベテランパイロットが疑問を口にする。自分の信頼する隊長はカルルスタイン機関の実力を知りながら彼らがジオールの機体に敗れると感じているのだ。

「⋯⋯少なくても遠隔操作とはいえジオール軍の人型兵器がスレイプニル隊の高機動型バッフェ・カスタムを倒したのは確かだよ。」

その一言を言い終えるとフォルケンは分析に集中する。部下の彼らに悪戯に不安を与えない為に伝えなかった言葉を奥に飲み込んで⋯⋯

(大国であるドルシアやARSUの軍事兵器と渡り合う為に開発されたジオールの軍事兵器⋯⋯⋯あの人型にはまだ何かがある⋯⋯それこそ国力の差を覆し大国の兵器を追い込む"何かが"⋯⋯)

パイロットの腕ではない⋯⋯中々に光る物はあるがまだまだ機体を乗りこなせて居なかった⋯⋯

しかし根拠はまるで無い物の幾多の戦いの中で培ったフォルケンの直感がジオールの兵器を危機感を募らせていた。

 

そしてその考えは強ち間違ってはいなかった事をフォルケンとスレイプニル隊は知る。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「おい!?貴様ら、俺に何をした!俺がアードライを撃った?あり得ない!」

エルエルフは先程から疑問の答えが全く出ず、苛立った声を気持ち共に闘牙にぶつける。

「落ち着け。これも全てカシオペア座の第28惑星系の人間に憑依された乾巧って奴の仕業なんだ。」

「知らない人に丸投げしたよ。この先輩。」

「彼はカルシウムが足りないんだよ。牛乳を飲みなさい。」

「絶対にカルシウム不足が原因じゃないですよ!?」

「くっ!」

⋯⋯落ち着け⋯⋯間違いなく目の前にいるこいつら二人は何か知っている。俺が特務部隊の仲間を⋯ライバルであるアードライを⋯⋯撃った。何故だ?撃つ理由なぞ何も無い筈だ⋯⋯

「キレているのは分かったが少し静かにしてくれ。知っていると思うがこの中で宇宙服一つもジェットパックも無いから機体がドルシア軍の攻撃で爆発したら君も流木野も爆発に巻き込まれて死ぬんだからな!?」

「あれ?先輩は?」疑問を浮かべるサキに対して

「えっ、そんなの大破直前に無限城に帰るよ。」素直な事実を言う闘牙。

「私、爆発するロボットの中で置き去り!?」驚愕した目で闘牙を見て叫ぶサキ。

「心配するな。死んだらバイストン・ウェルで転生するよ。」

「人を許可なく異世界転生させるな!?バイストン・ウェルって何があるの!?」

「約7㍍から9㍍サイズの人型ロボットや巨大な強獣が大地を闊歩しテレビもラジオもスマホも無い中世ヨーロッパ風のファンタジー世界だよ。」

「テレビもラジオもスマホも無い世界に転生したくないわよ!?絶対にアイツらに勝って下さいよ!!?」

「わー。現代人の弊害だ⋯⋯ホンの数世紀前はどれも存在しなかったのに⋯⋯」

「闘牙先輩!?私を置いて逃げたら恨みますからね!?」

「分かってるよ!?俺は端から奴らに負けるつもりなんてねぇ!?この戦いの勝利を散ったMAKIDAIに捧げる!?」

「否、あの人いつの間にか姿を消しただけですから勝手に殺さないでやって下さい。」

「じゃあ、咲森学園の皆と勉三さんやヤムチャにカイ・シデンとジオールの人達に!!」

「否誰よ!?何か途中どさくさに紛れて知らない人達の名前沢山出てきた!!」

「いい加減に真面目に俺の質問に答えろ!!貴様ら!?」

「お客さん。漫才や大喜利は最後まで聞きなさい!?この後のオチが本当に受けますから。」

「俺は客じゃない!?」

「漫才も大喜利も最初からしてないわよ!?」

「うひゃっ!」

普通に怒っているサキとエルエルフの迫力のある怒涛のツッコミを同時に貰い。そのツッコミの気迫に怯む闘牙。

その時、闘牙のスマホにニチアサアニメのメロディが鳴る。

「HEY流木野。」

流木野にスマホを差し出す闘牙。

「嫌ですよ。今度は誰ですか!?トイレの花子さんですか!?」

サキは拒否の言葉を喚き散らす。

「ガチゴリラからだよ。」

「ゴリラが電話して来たんですか!?」

「世の中は広いんだよ。ゴリラだって俺に電話を掛けてくるさ。仕方ない。もしもし⋯⋯」

(この状況で電話に出るか⋯⋯!?平和ボケにも程がある!)

色々な意味で逼迫しているこの状況で電話に出るという、軍人としては到底考えられないその行為にエルエルフが顔をしかめるが、闘牙はゴルゴ13の顔芸で

(彼のしかめっ面が増した。会話中の途中に電話に出るのは流石に失礼だったか。)等と割と自分の行動を気にしていた。

《闘牙。今何処よ。》

掛けてきた相手は指南ショーコ⋯⋯じゃなく男子文化部の部長霊屋ユウスケである。

「部長か?生きていたんですね。」

(白怒火達⋯⋯無事に学園生徒達をドルシア軍から救出したんだな⋯⋯)

《酷え!?仮にも自分の所属する部長に言う言葉か?》

「また部長の声が聞けて嬉しいです。」

《コラコラ。俺もいるぞ!?》

《僕もだ!?》

ユウスケのオタク仲間の上杉セイヤと宮町トオルの声もスマホから聞こえてきた。

《ちょっと!?今、俺が話しているんだぞ!?》

スマホから聞こえるわちゃわちゃした声を聞いてふっと笑みを見せ何気ない咲森学園の平和な日常を思い出すも

「連絡するならもっと早くしてほしかったですよ。」

《しょうがないだろ!?此方は本物のドルシア軍人達にスマホとか没収されていたんだから!?》

「なら良くスマホで電話して来ましたね。兵士相手に北斗神拳でも使ったんですか?」

《否、誰がケンシロウだぁ!?俺北斗神拳伝承者じゃないから。何方かと言うと世紀末を逞しく生きるバットポジションの奴だから⋯⋯って何言わせんの!?》

「粋の良いツッコミをありがとうございます。霊屋部長。そして話を戻しますが?」

《それが此方も色々と良く分かんないけど⋯⋯モジュールが突然真っ暗な深夜になって体育館にいた兵士達が悲鳴を上げながら次々と消えて⋯⋯気が付いたら銃火器を持った兵士達1人もいなくなっていて⋯⋯》辿々しい説明が聞こえる中で⋯⋯

「生存確認が取れたなら通話を切りますよ。部長。」

《違えよ。闘牙。今何処にいる!?現在位置を教えてくれ。周りに何が見える!?俺達が迎えに行く。》根はビビリで臆病なのに体育館内のドルシア兵士達が消えた事で部員である闘牙を心配して動こうとするユウスケ達。

「えっ!!救援に関しては心の底からありがたいが。俺がいる所に来ない方が良い。」

(何だかんだ言っても良い部長だな⋯⋯霊屋部長。)

臆病ながらも誰かの為に動こうした彼らの勇気に感心を覚えるも無茶をしようする彼らを案じて断りの言葉を伝える闘牙。

《ドルシア軍に捕まっているのか!?》

「此方も色々と状況が切迫しているの!!通話終了!?」

《ちょっ!?》

闘牙は霊屋との通話を切る。

(スマンな。霊屋部長。)

気を取り直して操縦幹を握り締め直そうとする直前に次はアキラからのメールが来る。

【モジュール内の市街地に変な仮面を被った奴らがドルシア軍に攻撃している。】

「⋯⋯⋯。」

裏番からのメールを無視しようと一瞬考えるも少し悩んで闘牙は素早くメールを返す。

【ソイツらは俺の仲間だ。⋯⋯赤い角が生えた鬼面の奴以外は⋯⋯】

【赤い角が生えた⋯⋯鬼面の奴は何?】

【死にたくないなら絶対にソイツには関わるな。アレに話し合いは通じない。】

【忠告感謝。】

【取り敢えず、ドルシアの軍人達に見つからないように安全な所に隠れてろよ。】

【ラジャー。⋯⋯頑張って。】

(⋯⋯嬉しい事を書いてくれるじゃん。今度、俺が趣味で開発した量産型のロボに乗せてあげよう。)

そして今度こそ戦いに集中しようとすると今度は場違いな明るいメロディがスマートフォンに流れる。

「もしもし?膝ナッパの指南ショーコか!」

《ナッパじゃないよ!?膝プリティーの指南ショーコだよ!?》

電話の向こうから聞こえた元気なツッコミの声に、闘牙は密かに胸を熱くさせる。

「良く生きてたな。ショーコ。今何処にいる?サイド6?バイストン・ウェル?幻想郷?それともプププランド?」

《どれも違うよ!土砂に埋まった貴生川先生の車の中だよ。》

「割と今もピンチの状況じゃん。此方と何も変わらないな⋯⋯」

《えっ!?そっちも今ピンチなの!?》

「そうだぜ〜〜たく俺なんかに電話するよりハルトの奴に電話したらどうだ?」

《えっ!?此れから同級生達に生存報告を順番にしよう考えているのに⋯⋯》

「そんなアホみたいな事しとったら途中でスマホの充電が確実に無くなるわぁ!?」

《えぇ~〜酷い。》

「酷いじゃない!?犬塚先輩から俺が合流する前の話を聞いたけど、ハルト達の目の前でミサイルの爆発と共に姿を消して完全に戦争に巻き込まれて殺された人扱いされてんぞ!?」

《えぇ~!!ハルト達の中では私死んじゃってんの!?》

「そうだぞ⋯⋯寧ろ良くあの爆発に巻き込まれて生きてたな⋯⋯存在その物がギャグ時空のキャラだからか?」

《失敬な!?私これでも一応陸上部だよ。ギリギリまで走って貴生川先生の車の中に一気に跳び込んだから⋯⋯勢いつけ過ぎてドアの内側に頭打っちゃったけど》

「お前は何処の神崎ひとみだ⋯⋯⋯本当は?」

「⋯⋯⋯すいません⋯⋯先生の車の助手席のドアが開いていて車の直ぐ傍のミサイルの爆発の衝撃の余波でそのまま車の中に頭から突っ込みました。立っていた位置がたまたま良かったんです。」

「わぁー。普通に悪運の強い奴。」小さく呟きながら素直に感心する闘牙。キューマから聞いた限りヘタしなくて死ぬような状況で生還している辺り普通に彼女の運が良い。

《聞こえてるよ!?闘牙は私のお気に入りお洒落Tシャツを否定しない数少ない同志だから⋯⋯いの一番に電話したなのに!!》

「おい。ショーコ。女子がいの一番とかの言葉を思春期の男子においそれと言うなよ。人によっては勘違いするからな。」

ショーコと俺の掛け合いをする中、ジト目のサキの視線が此方を射抜くように見詰めてアンタ思春期の男よりもずっと年上だろと言っているのを俺は無視する。

《でもハルトと違って本当に私のお気に入りTシャツ褒めてくれるじゃん。》

だってそれは⋯⋯⋯今、彼女に言う事でもないか⋯⋯このまま仲の良く彼女との雑談を続けたいけど、生憎そうも言ってられない。

「ミーは皆さんと違ってユーが選ぶ服装を貶す理由が無いだけデース。ショーコガール。分かったらととっとハルトボーイの奴に電話しなさい。電話を切りマース!?」遊◯王のペガサスのような言い方で会話を終わらせようとする闘牙。

《なっ!ちょっと!?まだ此方の話は終わって》

【プツッ】

「ハルト達に良い知らせが届けられそうだ。」

「その前に此方がやられないと言いですね。」

「不安になるような事を言うなよな〜⋯⋯⋯⋯」

不満を言いつつ頭に唐草模様のほっかむりを被ったヴァルヴレイヴがアイセンサーを光らせて此方を探す2機イデアールの方に振り向き相手の位置を確かめてから見つからないようにゆっくりと最小限の断続噴射でその場から移動する。

「離れるの!?」

「単独なら勝負になるけど2機が連携されると幾らコイツでも苦戦する。どうにかして離れ離れさせて⋯⋯」

『逃がす物かあああああ!!エルエルフゥッ!!』

「普通にスマン流木野。電話に時間を掛け過ぎて相手に気付かれた!?」

「ちょっと〜〜」

コクピット内でサキの悲鳴が上がる他所で鳥山明のキャラの凄まじい顔芸を披露するアードライが操縦するイデアールがヴァルヴレイヴに向けて迫る。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

モジュール77 咲森学園付近の土砂の中 視界の殆どが土に遮らせて暗い車内の中でスマホのライトのみが車内を明るく照らしていた。

「嘘!!本当に切っちゃったよ!?闘牙の奴〜〜!!」

ムスッとした表情で充電がギリギリのスマホ画面を見るショーコ。

「まぁ、取り敢えず落ち着けよ。指南⋯⋯お前だって意識をついさっき回復したばかりなんだから⋯⋯」

十数分前まで気絶していたショーコを知っている為に心配する咲森学園の物理教師の貴生川タクミ。ショーコが頭から助手席に入ってきた際に咄嗟に助手席の扉を閉めてバッフェの流れ弾の爆発を何とかやり過ごしたが、その時の衝撃で車体は激しく揺れて頭をぶつけて血が流れる負傷を負うもショーコと共に辛うじて難を逃れていた。

「平気ですって⋯⋯貴生川先生⋯⋯私ホントにもう元気満タンです!?」

心配してくれる教師に対して元気な笑顔に合わせて両腕を上げて力こぶを見せつけるポーズで大丈夫アピールをするショーコ。

「それより貴生川先生こそ大丈夫ですか?」

ショーコは頭から小さく血を流しているタクミを心配するもタクミは自分の傷口をルームミラーで見て

「あぁ⋯これか。心配するな。この程度の怪我はヘタな交通事故の大怪我に比べたらかすり傷だ。」

「それなら良いですけど⋯⋯しっかりと応急処置を受けて下さいよ。」

「分かってるよ。それよりも⋯⋯闘牙の奴もいつものやる気の無い声に比べて何か切迫した感じだったし⋯⋯本当にピンチの状況かも知れないだろ?」

「皆、大丈夫かな⋯⋯」

「分からん。指南が気絶してる間、ずっと車内で待っていたが誰も助けにこなかったし⋯⋯空いた時間、俺も同僚の教師達やモジュールに住む知り合いに片っ端から電話はしていたが指南のと違って全然出てこない⋯⋯」

飄々とショーコに言いながらハンドルに両腕と顎を置きながらタクミは自分のスマホの連絡先を見る。その連絡先の中には時縞ハルトの父親時縞ソウイチが勤めているとされるカモフラージュ用の製薬会社の連絡先もあった。

(ドルシア軍の侵攻から体感を考えて既に10時間以上が経っている⋯⋯その間、本国のジオール軍から勿論、モジュール77内の所属部隊の人間からの連絡は一つも無し⋯⋯だが⋯⋯)

連絡先の画面から動画投稿サイトに視線を向ける。今、動画投稿サイトで1位になっている動画。VVV計画に基づき"機関"なる組織が開発した人型兵器ヴァルヴレイヴが起動してドルシア軍のバッフェ部隊を蹴散らす動画を見ていた。

(ヴァルヴレイヴが起動したという事は、学園生の誰かがヴァルヴレイヴに搭乗したという意味になる。そしてその誰かは⋯⋯)

バッフェ部隊を蹴散らす動画とは別の動画に視線を向けるタクミ。

それは⋯⋯自分も知る生徒、操真闘牙がヴァルヴレイヴから出てくる様子の動画だ。

色々と複雑そうな目でタクミはその動画に映る闘牙の姿を見る。

「さてと⋯⋯⋯助けがこない以上、此方から何とかするしかないな。」

そして動画を見終えると休憩終了の気持ちで此処から脱出する為にエンジンの状態を確かめる作業に戻る。

「⋯⋯貴生川先生。どうですか?エンジン掛かりますか?」

「やってるけど⋯⋯この車、結構古いタイプだからな⋯⋯一週間前もエンストしたし⋯⋯そろそろ買い替え時期だったかもな。」

「じゃあ、私達本当にこのまま生き埋め!?」ショーコは両手で自分の両頬を強く押さえつけアッチョンブリケの顔芸になる。

「諦めるな。指南。どうにかして此処から脱出するぞ。」

「はい!?先生頑張って!?私全力で応援します!?フレー、フレー、貴・生・川!!」気持ちを切り替えたショーコは運動会の応援団の団員のように気合いを込めて運転席に座るタクミを全力で応援する。

隣に座るショーコの全力の応援の声を聞きながらタクミは集中しようとするも思ったように集中出来ずにショーコの方に視線を向けて

「指南⋯⋯⋯応援は良いから⋯⋯そこで大人しく時縞にでも電話でも掛けてろ。」

応援するショーコに向けて冷徹な戦力外通告を出す。

「そんな!?フーレー。フーレー。」

「ゆっくりして言ってねボイスにしても駄目だ。此処でお前が出来る事は無い。大人しく後部座席にいるところ天の助と首頭パッチとタピオカでも飲んでろ。」

「そうよ!?ヒロインのショーコはこんなにも頑張って貴方を応援しているのよ!?少しは気持ちに答えなさい。」

「コレだから何時も貴生川タクミ先生は駄目なのよ!?」

SSSS.GRIDMANのヒロインのコスプレをする後部座席の人間じゃない二人がタピオカ片手に抗議の声を上げる。

「頼むから少し静かにしてくれ⋯⋯」

ハジケリスト達に囲まれたタクミは無事土砂の中から脱出出来るのか?そしてヴァルヴレイヴに搭乗した闘牙達はイデアールに起死回生の逆転が出来るのか?乞うご期待!!

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