革命機ヴァルヴレイヴ 現代に欲望のまま生きる自分本位の鬼達 作:怪物怪人怪獣さん
思い出の一つに玉壺と堕姫と妓太郎を除いた上弦のメンバーで花火が見える夏祭り花火を橋の上から見物した思い出がある。
その時、上弦の鬼達に夢について語り合った……猗窩座と本当に仲が良く。最後の無限城戦では、自分も参戦する予定で動くも、上弦の三人に置いてかれ彼らの最後を心の底から悲しんだ経歴を持つ。家族との縁を失い。鬼の仲間達を失い。鬼狩り達を殺そうと動くも、虚しくなり、引退した音柱に『……一人で生きても仕方がないからもう……殺してくれよ……』懇願するも、『お前がソイツらを覚えていれば、ソイツらは死なない』天元に見逃された経験がある。
「録画はOKか?よし。じゃあ、経過観察記録映像09始めるぞ。」
「自分で言うのもなんだがやっぱり今回の実験は辞めた方が良いんじゃないか?今回のは余りにリスクが大きいぞ。」
兪史郎の心配する声に、視線を向けながらも俺は真剣な表情で言う。
「……これで俺が死んだのなら、所詮俺は……その程度の男だっただけだ……それに、肉体の変化を一番知るにはこれが手っ取り早い。」
「しかし……」
「この実験結果によっては、俺の活動時間が増えるひいては趣味の園芸と畑作りに挑戦出来る可能性がある………夜勤以外でも労働も可能になる。」
「貴様の趣味に対する欲望が凄いよ。本当に…………」
「話は終わりだ。俺に何か会ったら取り敢えず、考えられるだけの今後起きる予想とその対象法についての奴を書いたから読めよ。後、時縞ハルトとかにはガ○ダムに乗せるな。」
そう言うと俺は外に己の身を投げ出して視線を空に映る景色に向ける。
朝の時間、夜は終わり日の出が現れる時間、俺は兪史郎と共に数日前にガ○ダムを乗った際に押した変なメッセージの後の肉体変化について観察記録をしていた。
既にあれから数日が経過している。俺達二人は出来るだけの実験をしていた。
俺は今、日の下で己の身を晒している。鬼にとっての弱点……藤の花と太陽……。普通の鬼ならば、全身の細胞が一つ残らず燃え焼ける物も、………"俺の身体は燃え上がってはいない"
(藤の花はまだ俺の弱点だ。しかし、日の光は……)
「………無効になっているわけではないのだな。」
冷静に己の肉体の変化を確かめる。
朝日………日の光を浴びて、普通の人間と同じようになったと勝手に夢見たが実際は、耐性が出来ただけだ。
闇属性の鬼に光属性が効果てきめんには変わらなくても、一方的な光属性相手の有利な場面でも今の俺は、一応勝負出来るレベルには肉体は変化したらしい。
皮膚に水ぶくれや火傷を被うような事はなくても、ヒリヒリする。細胞に耐性は出来ても、もう普通の人間ではない事実を数百年経っても実感するな。
(日向ぼっこをして何時間までなら耐えられるか実験するのも良いが、)
朝になったら学生は必ず行かないといけない場所にある……学園にだ。
《此方兪史郎。どうぞ?生きてるか?》
連絡用通信機から兪史郎の声が聞こえて……
「結論を先に言うと………実験の結果は、半分成功に半分失敗って感じだ………吸血鬼ハンターDのダンピールって奴に近いな。」
兪史郎に分かるイメージを口にする。
《あのバンパイアと人間のハーフの種類の奴か?なら余り日の光を浴び過ぎると陽光症にでもなるんじゃないか?》
「…かもな………お前が言っていた竈門兄妹のように太陽を克服したと言うのには、馴れなかったようだ………」
《あれが、異例の中の異例だ。あんなケースがホイホイと会って堪るか。》
兪史郎の鬼狩り達の話を聞いて驚いた事は、太陽を克服した鬼の娘と無惨様によって最後に鬼にされた鬼狩りの花札の少年は、日の光を克服出来た鬼らしい………どちらも人間に戻れたから良かった物も……突然変異の鬼はやはり稀に存在していた事実に闘牙は世界の広さを知る。
録画をストップして記録映像用のカメラをしまい眠気に苛まれながら身体を解して鞄を持つ。
「………俺はこのまま学園に通うから、お前は大人しく仮病を言って夜間に通えよ。」
《了解。》
連絡が切れて俺は、琵琶を使って……琵琶をしまい。
「歩くか……」
咲森学園……このモジュール77の学園の一つで俺が通う場所……そして俺の"今の居場所"だ。
寮から学年問わずに学生達が登校して行く。色々な年頃の悩みを抱えて……何も知らないと普通の麗らかな朝の光景その物に見える。だが……実際は違う。
咲森学園の地下には巨大人型兵器が隠されていて、中には妙な物までいる始末だ。
「おはよう。」
後ろから声を掛けられて俺は声のある方向に振り向くと
数日ぶりマスターマリエ~と再会する。
「何だ。野火先輩か。俺の渡した要点だけの資料は読んだか?」
「……一応。」
改めてモジュール77を見回るとやはり普通と違いおかしい点は幾つも見つかる。今自分達が通う咲森学園の学園指導要綱のコピーと、ジオールの複数の高校の教育カリキュラムのコピーを見比べてやはり"仕組まれた学園"感は否めない。
「……そっちから話掛けて来たと言う事は、俺の手の込んだ悪戯と見抜いたのか?」
「悪戯じゃないんでしょ?それに君は言ったよね。」
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夜の祠にて俺は、自分の見解を野火マリエさん……野火"先輩"に言う。
『このモジュールが軍の実験場……』
驚愕した表情をする彼女に対してやる気の無い表情をする俺。
『……一見何処のモジュールにも学園にも変わらなく見えるが、まず咲森学園の学生全体の身体能力面で軒並み中立国の学園にしては、平均的に水準が高いんだ。ホレ。』
俺は今回のガ○ダム発見まで自分なりに、調査した"俺"を除く学生達身体測定の記録と、ジオールのスポーツ推薦に強い高校の能力測定の記録の資料を彼女に見せる。
『此処の学園に通うやる気の無い……文化系統の部活動をする連中でさえ地球のスポーツ推薦の高校生よりあるって流石に、おかしくないか?悪戯でオタク達から採血もしたけど、』
『採っ、採血……』
資料に目を通しながら怖い単語が出て来て驚く野火マリエ。
『野火マリエさん。貴女も身体能力だけなら、甲子園の出場高の常連チームのメンバー並みなのは、"過去"に単にトレーニングばかりしただけなのか?』
『っ!?』
過去と言う単語に彼女は目を見開かせる。
『後、皆意識して無いから気付け難いかも知れないが、習熟が異常に早い……』
『習熟?』
『まるで、必要なソレを手足のように、自分の物にするなんて。そう遺伝子に覚えられるように調整されたかと思う程だ。』
彼女は無言で資料を見続ける。
『調整……』
『決定的な物……証拠と証言が欲しいが、視点を意識して変えて見ると、ユートピアがディストピアに見えるのと同じだ。』
資料から目を離して……彼女は真剣な目付きで俺に聞く
『……ロボットってさっき言ってたよね。操真君は私がロボットに関係しているって……』
『……これ以上の真実が知りたいなら、俺に話を掛けろ。何分、頭の痛い真実や問題が多くて趣味の一つの琵琶を演奏してしまう程だ。その資料は破くなり捨てるなり燃やすなり好きにしろ。』
そう言うと俺は琵琶を鳴らして彼女の前から姿を消す
『真実……私の過去に繋がる物……ロボット……』
消える直前に彼女のそんな声が聞こえた。
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「あるの?」
彼女は有無を言わせずに此方に尋ねる。何がとは愚問だ。
「……ある。だが今は別件で忙しい……それに、知らない方が良かったと思うかも知れないからな。」
「学園の何処で待ち合わせ?」
視線を俺の方に向ける野火に対して俺は、間髪入れずに答える。
「学園青春ドラマの定番。夕方の屋上だ。」
「……待ちぼうけは勘弁だよ。」
そう言うと彼女は俺の前を歩き学園の方に向かう。
彼女は彼女なりに友人に恵まれているのを確認して
「女性を見るとうなじや喉を見る習性は残っているんだな……」
別に喉を見る事でドキドキを覚えるとかではない。鬼に特有の目で喉を見ると頸動脈……血管が透けて見えるのだ真っ赤な血液のな。
「………七海先生には、会わないように立ち回ろう。」
独り誰にも聞こえないように答えると、
別にその先生が悪い先生とかではない。普通に良い人だし、人間だった頃の俺が会ったらドキドキする美人の先生だ。
只今は……
「不味いな。」
………"稀血"の匂い………
「おはよう。皆。良い朝だねっ!?」
鬼の今の俺にとっては別の意味でドキドキするわぁっ!?
七海リオン……大学四年生の教育実習生で、普通に良い人……少しドジな所も会って男子女子に人気はある教育実習生だ。
「あっ、おはよう。操真君。珍しいね。朝から登校なんて……」
何時もは、曇り空や雨の日を狙って登校しているからか
俺が登校するのに声を掛ける七海先生。
………距離感がたまに近くて、教師に見えず、近所のお姉さんなのは、七海先生の日頃の行いのせいと勝手に決めつける。
「おはようございます。では……」
そそくさに早歩きで、七海先生から離脱するのが、安全だ。……稀血の香りは鬼の俺には、劇薬過ぎる。何で年下に気を遣う必要があるんだ。
口の中の歯が犬歯に変化して行くのを必死に堪えながら学園に入る。
「おっ珍しい。よう。闘牙。」
気さくに俺に話を掛けるのは、金持ちを目指す高校三年生の犬塚キューマ。
「何すか。ヘタレ先輩。」
一年生の櫻井アイナに告白もしないヘタレ先輩である。
「否、厳しくね。俺に対する物が。」
「変わった下の名前ですね。」
「闘牙っても変わっているだろう。」
「先輩って、"此処は俺に任せて早く行けって言って"死亡フラグを回収するオーラが出ているんですよ。」
「否、本当に俺に対するの色々と厳しいだろっ!?」
ツッコミをする先輩を無視する俺。
別に嫌いではない……面白い人と思っている物も、何回か俺の趣味で作った作品をネットオークションで売った事のあるバイヤーポジションに勝手にいた先輩なんだ。
次いでに取り分は俺が6先輩が4。
「俺と協力すれば、世界一のお金持ちになる事も夢ではない。」
先輩は格好良くジョジョの顔つきになってジョジョ立ちをしながら言っているも、
「卒業したら真面目に就職活動に励んだら良いのでは?」と夢も無い言葉を口にする数百歳の鬼。
「夢の無い言葉は言うなよ。世の中お金が無いと色々と困るだろ。」
「それは……まぁそうですね。」
先輩のそれは正論だ。摂理の一つ。俺が生まれるより前の古代の時代から貨幣や紙幣の歴史はある。そして宇宙進出の現代でもそれは変わらない。
「何か売る物あるか?」
普通の人がこの発言を聞くとタカるかゆすられているか誤解するが、俺と先輩との会話にそんな上下関係はない。壺を試しに造り過ぎた処分も面倒の際に先輩のネットオークションの話を知り話に乗っただけである。
「数年前は壺作りにはまっていましたが、飽きましてね。」
「……その壺はまだあるか?」
「ちゃんと、観賞用とかのしっかりした壺ですから変な値段にせずに適正価格が条件ですよ。」
図書館とかの貴重な陶芸品の歴史資料で始めた趣味の一つだ。
「金持ちに吹っ掛けても問題なく無いか?」
芸術に疎い犬塚から見ても操真が作る壺はちゃんとしているのを知っている信頼の言葉が帰ってくる。
「金持ちを不幸にする為に、俺は壺を作っている訳じゃないですよ。金持ちの夢を持つ犬塚先輩。趣味の一つで、本業の人達には負けているのは確かなんですから……」
「たまに思うけど、お前って欲がないな。」
「失礼な。咲森学園一番、ひいてはモジュール77一番の欲望を持っていると自負していますよ。」
「……の割に、浮いた話も無いがな。」
「学生の本文は勉強ですよ。さぁ教室に言ってください。バイヤー先輩。」
「転売はしてないからな!?」
俺は先輩と別れて自分の教室に行く。
それぞれがそれぞれの教室に向かう中、
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「であるからして……」
無言で闘牙は、自分の教室の授業を受けながら視線を二人の同級生に向ける。
一人は茶髪の大人しそう争い事が嫌いな面をした草食男子って感じの少年。
『時縞ハルト』
良い言い方をするなら平和主義で優しさの塊のような人間だが、悪い言い方をするなら、普通の人間よりも得る物が多い割に失った事を知らない恵まれ過ぎた人間だ。
普段やる気の無い俺でも"やる気"が有れば目的の為ならどんな手段でも使うのに……っと俺のケースは置いといて………………
『時縞ソウイチ』の息子。ガ○ダムの開発計画責任者の子供………普通じゃないモジュールに、普通じゃない学園………スポンサー軍関係………ガ○ダム開発者のテム・レイ宜しく。ロクな親父じゃないだろう。
ガ○ダムの妙なヤバいシステムに妙なギミック。
(鬼の俺の細胞を一斉に造り変えようとした妙な異物も気になるが………野火マリエ~が言う通り、開発責任者の息子が乗せるとロクな事にならないな。断言しよう。)
俺の鬼としての数百年間培った勘が告げる。この草食男子を絶対に乗せるなと………
そして時折時縞ハルトが授業の最中に視線を向けるのは、学校の人気者も一人。指南ショーコ。明るい奴……
俺を除いた誰とでも友達に馴れる凄い奴。父親はジオール総理大臣…………イカれガ○ダム開発を許可した可能性のある奴の娘。時縞の奴とは幼なじみらしい………もの凄く敗北する香りがするのは、俺の気のせいか………
そして、俺に変な柄のTシャツをくれる人間でもある。
凄くすれ違い感ある二人だな………別々の人と結婚する未来すら勝手に夢想してしまうわ。
『ド派手に行くぜっ!?』
大正時代で対峙したあの嫁三人いた柱の奴を思い出したわ。本当に数百年に経っても記憶に残る柱だった………
記憶に残る戦いでもあったし、ずっと続けたいとすら思ってしまった戦いでもあった……
無惨様から"規格外品"と呼ばれる由縁をそろそろ言っておこう。俺は他の鬼の血鬼術……異能の鬼の技を使える。そしてそれ以上に………俺は鬼だが鬼の気配がしないのだ………伝書カラス達は勿論、鼻や耳や触覚や視覚が鋭い剣士達の感知にすら引っ掛からない。
日の光と藤の花が弱点には違いないが、夜限定で人間達がいる街に居ても気付かれる事はない。無惨様に血を注がれても、気配は増す事がなかった………人への擬態……自慢ではないが人のフリならば、上弦のあの堕姫や童磨より上だ。
人間社会に紛れて根無しの風来坊として日本の諸国を旅した事もある。俳聖松尾芭蕉の弟子にもなったり、日本地図を作った妙な人の同行者になったり、色々と己の興味の赴くままに動いていた。
何回か、人魚の肉を食べた者と勝手に誤解されて物も、
『ソレは無いで御座る』と答えてやり過ごした事もある。
そうこうしている内に授業が終わる。
戦国時代では寺でお坊さんに読み書きの礼法を習ったが、あれから数百年立つと当然だが、学ぶ事も多くなる。俺はこの時間は嫌いではない。
「見つけたぞっ!?操真っ!?」
授業終了のチャイムと共にオレンジリーゼントをした男が俺達の教室に姿を現す。
「………サンダ君が何用だ。」
山田雷蔵………自称サンダー。…………山田(ヤマダをサンダと読んで)と呼ばれたリーゼントは俺に向かって
好戦的に挑もうとする。
「今日こそ、決着を着けてやらっ!?後、サンダじゃない。『サンダー』だっ!?せめて伸ばせよ!?」
「今日もガイラはいないのか?」
「否、誰だよガイラって!?じゃないて何時かの勝負をしようじゃないか!?」
勝負と聞くと喧嘩や暴力を連想するかも知れないが、心配ご無用、コイツごときに本気で挑む俺ではない。
勝負の内容は簡単…………サイコロゲームだ
「運命のダイスロール!?」
コップの中にサイコロを6つ入れてシャッフルして音を鳴らして山田は俺にサイコロの出目を見せる。
サイコロ6つの内出目が6のが3つ残りは4、2、3
合計27点。
「さぁ、操真っ。お前の番だぞ!?」
コップとサイコロを渡して確かめる闘牙。
「心配しなくても勝負に変な細工はしていないぞ。」
目の前の彼は好戦的な性格だが悪い奴ではない。寧ろ人間的には良い奴に当たる。
「……気にするな。癖なんだ。」
(戦国時代のサイコロに藤の花の毒を染み込ませた音柱との丁半勝負を思い出したよ。)
「ダイスロール。」
ダイスをコップの中でシャッフルさせて山田雷蔵の前に見せる。6の出目が4つそして残りの二つのサイコロの出目は1と5……合計30点。
「嘘だろ~~」驚く山田に俺はつい嬉しい表情をする
「今回も俺の勝ちだな。山田サンダ。」
「覚えておけよ~~」
そう捨て台詞を吐いて彼は俺の教室から逃げるように去って行く。
「おい。サイコロとコップ。」
「操真君って本当にそういうゲームが強いよね。ハルトとは大違いだよ。」勝負を見守って……只の見学をしていた指南ショーコが近づいてくる。
「運が良かっただけだよ。」
「勝者のご褒美にこのTシャツを進呈しよう。」
「それは、良いから時縞に告白したらヘタレー子。」
「余計なお世話だよ。」
そう。この友達以上恋人未満の関係を壊したくないオーラを全身から出す指南から凄く負けヒロインの香りがするのは、気のせいだと思いたい。
「次の授業が始まるぞ。準備しよう。」
そうして全ての授業を一段落して俺は約束の屋上に向かう。
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「…………」
屋上に黒い長髪のボッチの先客がいた。100人中90人が美人と答えるだろうが、纏う雰囲気は他者に他人を信用しない感じの女だ。こういうの人間は過去に信じた者に裏切られ翻弄され絶望を経験した人間にある傾向だ。
名前は……はて?何処かで見た事あるが、ここ数年は、ジオールのあちこちを転々と暗躍していた事もあるからな。
「……何かようですか?」
視線に気付いたのか彼女はクールな目線で俺を見る。
明るい指南ショーコに比べると本当に真逆な雰囲気の人間だ。
「別に?…………少し知人と此処で待ち合わせしているから屋上に先客が居て驚いただけだ。」
向こうもクラスが違うのか、俺に興味を無くして視線を自分の携帯電話を見る事に集中する。
俺も彼女から離れた位置に座り視線を下に向けて屋上の床…………地下格納庫にあるあのガ○ダムについて考える。
(二つの大国に比べて国力の無いジオールにモジュールは一つ。そしてその一つには、曰く付きのガ○ダム。恐らく地下格納庫には、ガ○ダムの武装も隠されている筈だ。全校生徒の人間からあのガ○ダムに乗る可能性を持っているのは、個人の主観を含めて約20人…………第一。)
闘牙は沈む夕方が見える方向に視線を向けて自身の身体の変化を確かめる。
(あの無惨様ですら、日の光の前では焼けるのみだったのに……何故俺の鬼の身体に日の光の耐性が出来た……あのロボットの中には何がある……)鞄から琵琶を取り出して、
離れた彼女の視線を感じながらも、無言で琵琶の音色を鳴らす。
使う機会が少なかった日向対策の黒い旅用帽子を出現させて被る闘牙。そしてとある色々と物を入れたリュックサックを背中に背負い
(俺の鬼の身体に何が起きた…鬼でない連中があのガ○ダムに搭乗したらどうなる……何が起きる………)
(…………あのガ○ダムは何の為に存在する……軍事兵器の基本は国の防衛の為……)
感情を込めた琵琶の音色が屋上に鳴る。
(国家の最大の使命は国民の安全を守る事……)
「…………」
(何処の国も主権の差に先進国と途上国の差は有れど、軍と警察は存在する……だが表向きは兵器メーカーの無いこの国のモジュールにあのガ○ダムに使われた素材やシステムやプログラムは何処から来た…………本国の政は何故黙っていた………)
何処からあのガ○ダムに関する技術が来た?機動戦士ガ○ダムは鹵獲したザクⅡをベースにコ○ファイター、ガ○タンク、ガ○キャノンとゆっくりと試験開発してガ○ダムが開発された。
(ドルシア軍事盟約連邦にも環大西洋合衆国ARUSにも似たモチーフは存在しなかった…………)
重戦術兵器『イデアール』ドルシアの独立戦艦の異名を持つアレですら、ガ○ダムとは別物だ…………
(あの時縞にも指南にもガ○ダムについて訪ねなくても知らないと答えは帰ってくるだろう……知っている人間は恐らく大人…………)
このモジュールの街の住民、港の人間、そして学園の教師達…………
「お待たせ~」
屋上の出入り口から声を掛けられると視線を上げる。
「待ったぞ。ノービ~。」
「いやいや、質の悪い勧誘か友達と相談してね。」
「勧誘なんてするか。」
「言っておくが、此処から先はイベントシーン宜しくセーブもロードも無しだからな。行くぞ。」
琵琶を持って野火マリエと共に屋上を離れる。
「そういえば、先輩。あの冷めた性格のザ・ボッチの黒髪の女子。誰だか知ってますか?」
「??あれは流木野さんだよ。流木野サキ。君の同級生で、子役とか女優とか歌手とか人気アイドルって奴だよ…………知らなかったの?」知らないそっちの方に驚く野火マリエの視線を無視して
「先輩。俺は知らない事は知らない奴ですよ。……でもああいうタイプの女性は結婚して母親になったら子供が引くレベルで親バカ兼バカップル化しそうです。」
「わかるよ~高校時代はクールな雰囲気なのに、結婚したらいってらっしゃいのキスを絶対に毎日朝はせがむ感じのが想像出来るよ。愛してるとか一休さんの曲並みに好きの連呼してそうだもん。」
「勝手に人の未来を想像しないで下さいよ。」
仏頂面のボッチが話を掛けてくる。
「落ち着け、ザ・スター・オブ・ボッチ。俺達はお前を馬鹿にした言い方も陰口は一切言っていないぜ…」
「友達くらい私にだって居るわよ。」
「…………携帯電話と勇気だけが友達じゃないぜ。」
「ちょっと、私、貴方にどんだけ友達いない風に思われているの!?」
「まぁ~~俺は余り、人の人生に首を突っ込むつもりもないから安心しろ。ボッチキング。」
「ぶっ飛ばしてやるわよ。」
「ボッチレジーナが良かったか?」
流木野は躊躇無く闘牙に目掛けて自分の膝を叩き込んだ……膝は吸い込まれるように腹部に直撃して
(!!何この固さ……)
そして相手の腹部の固さに驚く。
「痛いなぁ……まぁ、後輩の真似をした俺が悪い……本当にすいませんでした……」
(童磨の野郎……やっぱりアイツ仲良くする手段が駄目過ぎる。)
『ちょっとした軽口の掛け合いから人は人との仲を深める物さぁ☆。』
童磨のムカつく面を思い出した余り流木野の目の前で、
闘牙の両の目が人から鬼の目付きに変わる。
「っ!?」
(抑えろ!?炎竜鬼!?)
彼女の瞬きをする瞬間には目の錯覚かと感じる速さで元の人の目付きに戻る。
「行きましょ。野火先輩。」
「うん。ウチの闘牙が失礼な事を言ってゴメンね。」
そうして流木野から離れて行く二人。
「今の……何?」
しかし彼女はしっかりと見ていたのだ。
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前と同じ方法でガ○ダムがある場所に到着する闘牙。
白衣も見張りの連中を眠らせて野火マリエと共に巨大なガ○ダムの存在を見る。
「…………」
「何かコイツについて知ってますか?」
野火マリエはゆっくりとガ○ダムの周りを見回して、
俺と向き合い静かに首を左右に振る。
「…………御免なさい。私の記憶には覚えていない。でも……」
「でも?」
「既視感を感じているって事は、私は前にコレを見た事があるんだね。」
「普通のモジュールとは違うって話は…」
「…………信じるしかないよ……こんな証拠が目の前にあるのだから……」
「貴方の友達の指南ショーコの父親がコイツの開発に関わっているのは、確かですよ。」
「指南総理が…」
中立国の治安の良い国のトップが、この兵器開発に関わっている。
「君は私に見せてコレをどうするの?」
やる気の無い顔になり軽く身体を解して言う。
「良くわからない…………コイツは無いなら無いで良いが、あって困る物でもない。実際は保留が現実的だ。俺は必要以外なら暴れないのが基本だからさ。」
「…………でも何時かコレ欲しさに大国が此処に攻めて来る可能性は否めないな。」
「やっぱり、宇宙に捨てる?」
「俺は俺の為に俺の好きな時間を過ごす為、好きな事をする為に戦いますよ。それは昔も今も今後も変わらない…………」
「君って自分本位なんだ……」
「他人を守れるなら守る……俺は神様じゃない。神様からは…………程遠い存在なんですからね。」
琵琶を鳴らしてその場から二人は姿を消す。
「先輩。今日見た事は他言無用にして下さい。…………
バレるとロクな目に合わないと考えてね。」
「わかった……秘密。」
そう言い彼女は思い出したかのように聞く。
「ところで、さっきの瞬間移動みたいな物はどうやってやったの?」
「それも他言無用です。後、さっきのは只のマジックです。種も仕掛けもありません。後、他言無用でも念のため今日の記録を日記に書いておいて下さい」
そう言いたい事を言い彼女の目の前から姿を消す鬼。
「マジックには見えないから聞いたのに……」
過去に繋がる懐かしさと既視感をあのロボットに感じた事実に野火マリエは自分の過去の記憶の無い謎はあのロボットにあると思い今回を日記に書くつもりだ。
「日記……そういえば、一度も書いた事がなかったな…」
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深夜、何時も人の気配のしない教室の通路を歩き目指すと、
「……っ」
やはり監視カメラが意図的に俺の方を向いている。
(軍の連中か?覗かれるのは趣味じゃないな。)
黙っていたが、秘密基地のテントの横にダンボールハウスが出来た辺りから監視カメラが俺の方を見ている。
「またか…」
人のワイヤードに《RAINBOW》と言う謎の人物から勝手にメールが来る。
(軍人か?確かにモジュールの大人全員を【強制昏倒睡眠の囁き】は使っていないが………)
「何故、俺はこのアドレスの奴に興味を覚えるんだ?」
普通ならメールを開けば良いのに……過去にそれをやって端末データを盗られた事がある為、知り合いの兪史朗以外は極力電話で会話するようにしている。
闘牙達のアウトドアテントの横にあるダンボールハウスの内部にて菓子やらゴミやらがある無頓着な部屋の中に、ハウスの中心に複数のディスプレイ付きのPCの前に一人の人間がいた。その人間は、外の日の光の世界と人間を恐れていた。日の光が入らない洞窟に隠れ住む鬼のように"その少女"はそこに確かに生きていた。
「…………」
外の様子は監視カメラを操作してクラッキングしてシステムを動かして知る事が出来る。
少年は、テントの中に入り、何時も通り琵琶の音色を鳴らして"その少女"ごと無限城に帰還した。
「へっ?」
景色が『和』の赴きを感じる異空間に突然飛ばされて
身体が僅かな宙に浮く感じと共に『和』の異空間に自由落下して行くその赤髪の少女の名前は、連坊小路アキラ。生徒会長の妹とは炎竜鬼も知らない……
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア~~」
ガ○ダムのパイロット達はまだ己のこの先に起きる運命を誰一人知らなかった……