革命機ヴァルヴレイヴ 現代に欲望のまま生きる自分本位の鬼達   作:怪物怪人怪獣さん

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お久しぶりです。長らくお待たせしました……出来るだけ失踪しません。……本当はアニメ第1話まで執筆したかったんですが、とりあえず此処まで載せます、


第1話集う有象無象……とりあえずハルト……お前は気持ち悪い奴を超えてるよ。

 

【べべん。】

異空間の無限城 きらびやかな豪華絢爛の……では無く、質実剛健を表した実用的な……闘牙丸の広間では、

各分裂体と兪史朗を集結させて、毎日の如く評定(ひょうじょう)をして対大国に対するモジュール77防衛について話し合っていた。

「……やる気が無くなりそうだ……」

いつものやる気の無さを全身から放出するくらい状況把握して休憩用な自分の畳んだ布団に寝転がる闘牙は、分裂体の意見を聞きながらも、"詰み"同然の戦局をどうするか悩んでいた。

「…………」

天井に描いた青空の風景画を見ながら闘牙は、物思いにふける。

 

あの対人恐怖症の少女との出会いから数日が経過し…………やはりどんだけ毎日俺と分裂体達と兪史朗で評定をしても、大国と戦うのは、どう頑張って考えても避けられそうにない……結果になった……代案を幾つか思い浮かぶも実現するのは、難しいし、結果が乏しくない可能性がどれも高い。

評定の広間にて、幾つ物作業台を並べて作業台の上にはモジュール77内部を精巧に再現したレゴシティが配置させており、中央に咲森学園を模した学園のレゴブロックを最重要防衛拠点として定めて、周囲の市街地のレゴブロックの街を配置させて、プラモデルのガ○ダムを学園の横に置く。相手方は勿論ス○ープドック。

「結局、こっちの戦力が少な過ぎるのが、ネックなんだな……」モジュール77は勿論、ジオールは先守防衛が基本、民間人は銃の所持も禁止されている徹底ぶりだ。

世界で一番治安の良い国、平和な国、ドルシアの連中から平和ボケの国とも言われている。一応、あれから色々と調べた結果、一応先守防衛用の対空機銃やらジオール軍の『スプライサーZ』っと言う戦闘機もあるが、申し訳程度……このスプライサーZも腕が良い乗り手じゃないと直ぐに墜ちる機体性能だ。

「ほっほっほっ国力の差を覆す事が可能のガ○ダムでも、たった一機しかないなら、犠牲を出してでも防衛拠点から引き離せば良いだけでおじゃる。」

捨麿とつい昨日、白骨城の天守閣の修理を完了させた狼牙丸も九荷も評定に参加してそれぞれの意見を言う。

「その間、防衛拠点を落とせば相手の勝利、しかも学生を人質にすれば、此方の動きを封じ込める事も可能だ……」

「…違いない……何よりあのモジュールには、軍人の大人共を除けば、一般人ばかりの15から18の子供ばかり……戦場も知らない平和な国出身の楽観的な連中だ。」

48の邪悪な禍々しい仏様を彫刻しながら会話する狼牙丸。

「ったく、此方には頼れる軍人が仲間にいるかいないかでこんなにも面倒とは……」

実は色々と割合はするが、ドルシア軍、ARUS、ジオール軍に軽く仕官した経験を持つ。っと言っても声、仕草、外見、名前、性格、経歴を全て変えてだ。大きな戦場にはいる事は無く、どの軍でも小さな防衛基地の小さな部隊の新兵程度で……せいぜいドルシア軍の時に、『バッフェ』有人機を操縦してARUSの連中相手に軽く暴れたくらいだ。鬼に故に日が出てない夜の時間限定勤務をしていて……退職金代わりに『バッフェ』を無限城に拝借した……ドルシア軍では帰還の途中行方不明として片付けられている。そしてジオール軍の時は平和その物で、趣味に時間を使っていた。

色々と武器やら備品やら横領したが鬼の俺には些細な事だ。

「籠城戦にも不向きな街作り……結局初動が肝心だな……危機意識の差は勿論、どうガ○ダムを使うかに俺達の今後の活動に影響がある。」

白怒火が敵の侵攻のやり方の何十通りのシュミレーションをレゴシティの盤面で眺めながら口にする

「やっぱり、大国のエリートか軍人のプロを味方にする方法を考えた方が無難だな……」

自分は文官よりでも結局は武官……武将よりの性格だ。

戦略家や策略家ではない。そういう仕事は、視線を一瞬捨麿に向けて、自分は暴れるのが良い。

「俺達が暴れるのは?」

彫刻をしながら狼牙は尋ねる。

「ほっほっほっ。我らが動くのは、動く必要がある場合のみ…それぞれの面で素顔を隠すも、面の奥にある素顔は皆、本体と同じ面。」

捨麿は愉快そうに仮面ごしに笑う。

笑う捨麿だが、伊達に戦略家を名乗っているわけではない。測り知れない機体性能を持つ単機で、敵をどう封じ込めるか、有効な策を素早く頭を回転させながら作っている。

目的の為なら手段は選ばない……本体の一面を分裂体は知っている為、余り咲森学園の人間達には申し訳ないがいざとなったら、恐ろしい"朱天大将"を無限城の"外"に放つのも一つの戦略。

(指揮系統を考えるとやはり……最短で闘いを終わらすなら、敵の大将がいるであろう戦艦を落とす事……しかし敵も馬鹿ではあるまいでおじゃる。大将を失わない陣形を当然築くし、如何なる犠牲を払ってでも守るだろう……)

大将を落とし、指揮系統を破壊する方法はシンプルだが、効果的だ。指揮系統を回復させる暇……隊長クラスの敵を狙って倒せば、敵は敗残の有象無象に変わる。

(攻めて、ガ○ダムの同型は贅沢でも下位のジ○が小隊レベルでいるなら連携や戦略に幅が出る物も……)

捨麿は己の探知探索の能力でモジュールの最下層には、派生機が複数存在しているのを確認した。

だが派生機は全て偏っており、戦略家の自分としては、

"コレじゃない"である。欲しいのはアニメや漫画の特殊能力チームじゃないのだ。簡素なガ○ダムを主軸として

量産機による連携だ。

(…………無い物をねだっても仕方あるまい……有る物でどうにかするのが戦略家の仕事でおじゃる。)

ジオールの科学者連中はやはり何処かイカれている事実に捨麿は頭痛を覚えた……どんなに凄い性能を持っても単機のみでは本当に出来る事が少ない……

「6つ子の設定は?」白怒火が、もしも学園が占領されて奪還する時の言い訳を口にする。

「……本体を含めると7人だぞ……」

珠世の絵を描きながら分裂体同士の会話に意見を言う兪史朗。

朱天大将、狼牙丸、捨麿、九荷、白怒火の五人。そして6人目の分裂体は現在、別行動の最中。合流は難しいとの事。

俺の分裂体が沢山いれば良いと考えているが、実はそうでもない。増える分……リソースが分かれる為、弱体化するのだ。とはいえやる気有りで6つに分かれて上弦の鬼に匹敵する異常の強さ……

(半天狗を馬鹿に出来ないな……)

「結局…………俺自身はどうしたいかによるんだよな。」

咲森学園の連中は悪い奴は少ない良い奴が多いかも知れない……だがソイツらの為に鬼である自分は戦えるのか?

「……俺に少し……考える時間をくれ。今日の評定は終わりだ。各自自由時間だ。」

そう言うと各分裂体を無限城の各迷宮に戻す。

一人になった広間で布団に寝転がり力無く天井を見上げる。

俺は自分の為にしか力を使わない……"鬼"である俺は、結局は、人間の縄張りにいる事は許されないからだ。

ウサギの群れの中に、ライオンや狼がいるのと同じ、人は自分とは違う物を恐れる……結局は皆怖いんだ………

脳裏に掠めるのは、あの赤髪の少女の人に怯えた表情…

……

「"鬼"が伝承の存在となっても、人は結局……己らで"鬼"を作るんだな……人間って言うのは……度しがたい………………」

気分転換に琵琶を片手に、モジュール77の方に一人向かう闘牙丸。

 

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夜の人の気配が少ない咲森学園の屋上に現れた闘牙は、平和なモジュール77を静かに眺めていた……前言撤回する。これから始まるであろう巨大な嵐の前の静けさに、鬼として感覚が鋭くなっている。

俺が敵と戦うのは、俺の趣味に使う自由時間を奪われない為、そこに"人間"は含まれるのか、否かは、時と場合に寄る……

「"高飛びする"事も一つの手かもな……」

ガ○ダムに関連する物を全て無限城に入れて、このモジュールから兪史朗と共に姿を消す。そうすれば、大国が攻めてきても、望みの物がない為相手の計画が頓挫するかも知れない……

「そうしたら、ここの生徒や教師達はどうなるんだ?」

占領された領国の扱いは色々とあるが、どれも明るくないし、末端の兵士によっては捕虜を…………

「俺は俺の為にしか戦えない……」

顔も名前も知らない他人の為に命を掛ける程立派な物を持ってないのは、人間の頃から変わらない……

「皆、死ぬのか?」

教導カリキュラムから見たら、ここの学園その物が仕組まれていた物で……本国の科学者達の子供の生徒達は人質でもある。

 

日の光に死ぬ事は無く耐える事は出来ても…

鬼としての本能は、消えて等いない……けして抗えない鬼の性が、今も俺の中に確かに疼いている。

たまに考える……昔の事、鬼としての本能に任せていたら、俺はどうなっていたのか?死んでいた可能性はあるけど……こんな己の本能と理性のぶつかり合い精神を鍛える必要なんかなかった気がする。

でも死んでいたら楽しい事や凄い物を知る事もなかったんだな……

「闘牙丸よ。俺はこの場所にいる人間達の為に、命を掛けられるのか?鬼に成りきれず、人間に成りきれない何処までも半端者の俺が……ここにいる生きた連中達を守る資格が……」

 

答えなど返ってくる筈がない。戦える理由は既に持っているのに、"詰み"同然の劣勢なのに……頭では分かっているのに……どうして自分の頭で考えた現状に激しく抵抗しているんだ。俺は……

考えなくても考えても遅かれ早かれ敵は必ずここに攻めてくる。初動が肝心とあの場で狼牙丸が述べていたが、やり直しが効かない現実でどう立ち回る。

 

「俺にここにいる連中の命を背負えるのか……」

夜の屋上を離れて校舎の中を歩く……夜の校舎は昼の校舎の様子とは違い不気味さを感じる物の長い刻の中夜を活動時間にする鬼の俺にとっては、昼と変わらない……

肉体的な疲労も出ていないのも理由の一つなのかも知れない。

ゆっくりと夜の校舎内を探検すると、明かりが点いているのを見付かる。

眼鏡を掛けた男性で担当は物理。貴生川先生だ。

「うん?操真。こんな時間に何やってるんだ?」

「学校の教室に忘れ物をして職員室に向かっていたんです。」

息を吸うように嘘を吐く俺。

「待ってろ。職員室まで案内する。」

「お願いします。?先生、誰か転入するんですか?」

先生が持っているのは、新品の色々な科目の教科書だ。

「おっ。気付いたか。食いしん坊め。」

「戸棚のお菓子を見つけた感じに言わないで下さい。」

「そっ、"珍しい事"にこの咲森学園に転入してくる連中用だ。色々とわからない事があったら教えてやってやれよ。」

「ソイツが"良い奴"なら……不良とかヤバい奴なら先生に任せます。」

「ははっ、言うか。」

この教師との仲は普通だ。"普通に被験者の監視をしている物の"人となりを見てこの教師は良い人間だ。でも何か俺ら……咲森学園の生徒に負い目を感じているようで……明るく真面目に振る舞うも、やはり何処か申し訳なさはある。

「平和ですね?」

「何だ?突然?」

「世界はドルシア、ARUSの大国同士が小競り合いをして領土を取り合う中、中立国のジオールに生まれた人間は、普通の暮らしが出来る……」

「……」

貴生川先生は俺の言葉に真面目に聞いている。

「この学園も平和なのは、先生達のような教師が生徒達を守ってくれるから、…………感謝してますよ。先生。」

「操真……」

「(゜ロ゜;あっ、操真君!?どうして此処に!?」

職員室の方から知っている稀血の香りと共に七海先生が顔を出す。

本能的に七海先生を守る為に距離を離す闘牙。

「えっ?」

「あっ、……すいません。」

端から見ると七海先生を怖がっているように見えて、七海先生は少ししょんぼりしている。

貴生川先生が操真の方に向かい。

「お前、まだ七海ちゃんが苦手なのか?意外に可愛い所あるんじゃないか?」

「先生……」

ジト目でスゥーと勝手に誤解する貴生川先生を見る闘牙。

「うぅ……操真君。どうして先生を避けるの?」

生徒との距離を感じて少し泣きそうになるも教師だからと言う理由で泣かないように頑張る七海先生。

仕方ないので七海先生に接近して頭を優しく撫でる闘牙。

「俺、先生の事キライじゃないですから安心して下さい。」

(耐えろ!?炎竜鬼!?)

七海先生の前でドキドキするがこれは嬉しいソレとかグラマラスな女性の前で緊張してとかソレじゃない。

稀血の香りを間近に感じても手を出しては行けない忍耐が試されている修行の感覚だ。

(朱天の奴なら躊躇しないんだろうな。)

目の前に極上の餌があるのに何故我慢する必要がある。

無意識に左手を握り潰す勢いで握り締める。自壊も覚悟の上だ。七海リオン先生……鬼を狂わす恐ろしい教育実習生である。そして結構好みタイプなのだが……今は余計な事は考えずに、先生に励まそう。

 

忘れ物らしい物を回収して、咲森学園の夜の校門の外で夜風に当たる闘牙は只一つ。

(耐えたぞ。こんチキショー。星が美しい……)

晴れ晴れとした達成感を夜風と共に全身で感じていた。

何アホな事をしているんだコイツと思うかも知れないが、本人は至って真面目に動いていたんだ。

あれから自分の教室に二人とも着いてくる為、色々と精神力が試されて大変だったのだ。

そして静かに星を眺めながら思う……

「あの教師達も、大国が攻めてきたら……怪我とかするしヘタをしたら死…」

先の事は予測は出来るが予知は出来ない。

「………………そんなの…………嫌だな……」

頭では利口に考えても内なる胸に秘めた本心は俺にこう言っている。

護れよ。炎の竜の鬼よ。

あんなに良い人なのに……まだ若いのに……これじゃ、生徒を守って死ぬ為に産まれたのと同じじゃないか……

咲森学園の生徒の連中は何の為に産まれたんだ…………

 

 

「覚悟なら"此処に"来る前に出来ているだろ……」

やはり皆を守るのに必要だ。視野が広く悪魔のように冷酷で目的の為なら手段を選ばない頭脳明晰の戦術・戦略家の軍人が……モジュール77にそんな奴がいないのは、分かっている……なら"外"から引き込むしかない。

引き抜きや寝返りは戦国時代以降も続く手段……何処かに存在する筈だ。

大国の中で大国を不満を持つ忠誠心は無い軍人が………

「いたら奇跡だな……」

大国相手に大立ち回り出来る奴なんて2年前の風の噂で聞いた"一人旅団"くらいしか思い浮かばない……その噂も結構誇張されているし……稲葉山城を奪った竹中半兵衛かよ。

確か、名前は……誰だっけ……クソっこんな事になるなら、普通に上官達に訪ねれば良かった!?

でも例え引き抜き出来てもソイツにはメリットは少ないよな……凄い性能のガ○ダムが数機を除けば、後は頼りない15から18の遺伝子調整された一般人ばかり……

皆、強○装甲ガ○バーの獣化兵じゃなさそうだし……えっ?俺ってもしかしてアプ○ム?戦闘生物ポジション?

速水さんに助けられて友情に答える為にオメガブラストに進化するの?あの格好良い外見に……って話は脱線しまくったな。時間は掛かった物のなんちゃってモジュールの全てのシステムは大体把握した。只、監視カメラは『タイマンハッキング』で連敗しまくって、えっ?『裏番長』がこの学園に居た事実に驚いたが、

「……そっか。」

とっくに俺はココが気に入っていたんだ。

だから悩むんだ。迷うんだ。無くしたくないんだ。今のこの日常を……

 

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【チャリン】

朝。何気ない朝の光が男とモジュールを照らす。

男こと俺は愛馬『鬼風』に颯爽と跨がり咲森学園に向かう。

ついでに黒い像のような馬では無く俺のママチャリ自転車の名前だ。

「右手ハンド君。お前は『裏番』にこの"プレゼント"を渡して話し掛けてくれ。左手ハンドは有事に備えて待機。」

さっき呼んだのは俺の使い魔では無く俺の分離した"お手て"その物……状況によっては俺より優秀であるが、

見た目は完全に人の手である左手は人をビックリさせてしまう困ったさんに比べて俺が一から製作した熟練の職人技をふんだんに使って芸術なデザインに開発した可変変形ギミックが付きの右手は蝙蝠モードに変形して飛行。"監視カメラ"を支配する『裏番長』に俺が開発した"ドローン"を贈り物に協力関係を築こうとする。

正体不明の存在『RAINBOW』……これから起きる出来事に協力関係を築いた方が後々ここの連中の手助けになる。

(きっと知的な諸葛公明や竹中半兵衛や黒田官兵衛や山本勘助のような人間なんだろう……あるいはコードギ○スのルルーシュ。)

イメージの人物が昔の武将や軍師なのは、昔の時代に生まれた弊害と思ってくれてもアニメキャラクターをイメージするのは流石に高望みしすぎか……

「さぁ、駆けろ!?鬼風っ!?」

必死にお手てに指示を出して俺は去年漸く乗れた自転車を必死に漕ぐ。

素晴らしい朝の平和な日常がまた始まる。

 

 

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ココは私の居るべき場所じゃない……最初の頃周りは私を珍しい芸能人と思って話し掛けてくる。素直になれない私は無視や無関心や冷めた性格が災いして、今じゃ櫻井さん以外必要以外話し掛けなくなった。私はクラスで孤立している。別にソレで良い……私は、望んでココを受験して面接して来た訳ではない。

『私は有名になりたい……』

周りの嫌な大人達に消されたくない。生きた自分の存在を世界に残したい……ロクな"幸せ"が無いのにその私から"幸せ"を"取り立てる"醜い大人達が嫌い。

家庭科部に入部したのも、新陳代謝が激しい運動部が嫌なだけなのと自分を売り込む際の家庭的な一面を持っているアピールポイントに実生活にも生かせるのが強みという俗物的な理由だ。

「はぁ~」

所属事務所との契約が解除通告を貰い現在フリーの元人気アイドルの高校生……早めに復帰するにも、信頼出来るコネも実績もこのモジュール77には無い……

(何で私はココに通っているんだっけ……)

普通とは程遠い毒親に生まれて、必死耐えて……耐えて……少しでも自分の"幸せ"を掴む為に行動して地道に周りに馬鹿にされても頑張って信頼出来る人も出来たのに……

「切っ掛けさえあれば……」

私は"誰かに期待するのは辞めたのだ"期待すればする程その期間外れに自分が堪えられないからだ。ココに通う前まで唯一の家族以外の"姉"同然のアノ人すら私を助けてもくれなかった……人は裏切る者……信頼出来るのは、自分の力だけ……

 

「三千世界を駆けろ!?鬼風っ!?」

バカみたいな声と共に私の前を凄い風と共に何かが通り過ぎて周りの女子のスカートが捲れ上がるも、風を起こしたソレは自転車置き場に直撃して……大破して、私の足元に自転車の前輪が転がって来る。

「よう。長篠さん。良い朝だな。そして良くも俺の鬼風を!?」爽やかに私に挨拶してからまるで仇を見つけたかのように声を低くして恨みを込めたように言うコイツ

「……流木野よ。私関係ないでしょ!?」

最近、他人に興味のない私が興味を持つ事がある。それは目の前の二枚目半のコイツ…顔はギリギリ及第点。性格でマイナスだから実質プラマイゼロ…名前は、操真闘牙と言う変な名前の一つ歳上のコイツだ。別にコイツに異性のソレを感じるとかでは無い。しかし普通の奴らとは何かが違う雰囲気を何処と無く感じるのだ。

以前、コイツの腹部に膝蹴りを放った感触、あれは……明らかに其処らの男子のソレとはレベルが違っていたしかも目の前で目付きが明らかに人間のソレとは違う物になったのも興味を持った理由の一つだ。

普通の黒い瞳の色から真紅のルビーに匹敵する鋭く真っ赤な目に変わったのは、私の記憶に新しい……

「何だ。人の眼球をじろじろと覗くなんて、きゃっ戸松さんのエッチ!?」

裸体を見られた恥じらう乙女のように自分の両目を隠す闘牙。

「流木野よ!?誰がエッチよ!?」

(落ち着け…流木野サキ。コイツのペースに乗ってはいけない。)

一見、普通に見えるが、コイツ相手だと会話の主導権を取られて…面倒臭くなる。

(私も結構な自分優先の人間だけど、コイツは私以上に自分本位に動いているから、会話していると弱みが出る危険がある。)

他人に弱みは見せてはソコをつけこまれる隙になる。

今日まで大人達に利用され翻弄された私は貝や亀のように必要以外は自分については喋らないように務めている。

 

「……あんたは、深く考えずに青春を謳歌して毎日楽しそうで良いわね。」つい自虐的にそう答える程に…………私はコイツ程自分本位で楽しそうにしている奴を他に知らない……羨ましいを越えてに最早憎憎しい程に…………コイツは自分のままに、心のままに、動いている。

「???お前がガチガチになっているのは、大変だが、人生そんな言い方していると後で辛くなるよ。」

「……っ私の事を知らない奴が偉そうに説教しないで!?」

「…………何に苛立ちを募らせいるのかは知らないが、俺は、お前を普通に見るぞ。」

私は目をカッと見開き目の前の無神経の男の頬を全力で叩く!?

【バシンっ!?】

「大きなお世話よ!?」

人の心の奥に必死に守っている物にドサドサと土足で踏み込んだ男に一撃を入れて私はずかずかと校舎に入って行く。

 

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「…………鬼より鬼みたいな女だな。」

軽く口の中を切ったのか血が流れるも、舌を使い血を掬い舐めて、大破した鬼風だった物を一ヵ所に集めて置いておく。

「あの、」

自転車のパーツを集めていると後ろから声を掛けられて

振り替えると、茶髪ツインテの眼鏡っ子が自転車のベルの部分を俺に手渡して来た。

「櫻井だっけ?犬塚ヘタレ先輩が好きな女子の……」

名前は櫻井アイナ、普通に良い子オーラを出す女の子だ。部活は確か放送部だった筈……

意中の男の名前を呼ばれて顔を赤くなる様子もまた可愛い物だ……

「あのっ!?さっきは流木野さんが」

どうやらさっきの一連の出来事を見ていたらしい

「あははっ気にしてないから心配するなよ。これでも俺もあの女程じゃないが色々な人間を見て来てたからさ。ああいう子は、時間と切っ掛けがあれば普通に接してくれる良い人間だよ……それに俺はわざと避けなかったんだよ。」

気にしてない陽気なオーラを出しながら、徐々に真剣な目になる闘牙。童磨との人の神経を逆たてる役に立たないコミュニケーション術も、たまには使えるんだな。

「それより、桜ってあのボッチと同じクラスか?」

「櫻井です。何で名前をわざと間違えているんですか?ボッチって流木野さんの事ですか?」

「なら少し人が優しい犬塚が好きな桜島に頼んで欲しい事がある。」

「櫻井ですって……頼み事?」

「心配するな。難しいとか変な奴とか嫌な内容じゃない。」

(戦いが始まれば、あの女も目の前のコイツも死ぬ可能性が出るのか……)

「ここ数日で構わないから出来る事なら流木野の奴の近くに居てくれないか?」

「??そんなんで良いんですか?」

首を傾げる様子も可愛い物だ。

「ああいう子には、同性のあんたみたいな奴が必要だ。俺だと、どうしても変な言い方で反抗的にさせてしまう。」

「……私に話し掛けている時みたいにすれば良いのでは?」

「…………冷たいクールな女程、笑顔が素敵で可愛いのは、相場が決まっている。アイツは俺が悲惨な目に会うと絶対腹立つくらい嬉しそうに笑うぞ。断言する。」

「あれっ?何でこの人自分が悲惨な目にあうと嬉しそうなの?それって流木野さんへの陰口?それとも褒めてるの?」

「とにかくここ数日の内に、モジュールに"何か"が起きたならアイツを助けてやれよ。自分一人で何でも出来るとかしなきゃいけないとか考えている人間は、"特殊"な奴を除いて一人も存在しないんだからさ。」

何処から持ってきたビニールシートに『鬼風』だったを覆い隠し

露骨にやる気の無い顔になり校舎の方に歩く……

途中、流木野に軽く余計なお世話と含まれた鋭い視線に睨まれるも、気にする気も起きずに、自分の教室に向かう。

(他人が嫌いで結構。でも人は一人では生きていけない生き物なんだぞ。現実逃避も程々にな。)

 

自分の教室に到着すると、まだ授業前なのか生徒は疎らであった。

「おはよう~」

「おはよう。ノービサン~」

同じクラスの小柄の同級生野火マリエ"先輩"に挨拶する俺。

「相変わらず凄くやる気の無い顔ですな~」

「野火さんがそれ言うのか?」

机に突っ伏して脱力感全開の野火さんにそれを言う。

「今日の予定は?」

俺は聞く。深い意味は意味によってはある……

「水泳の部活動…………見に来る?」

視線をこっちに向ける。

「…………大変魅力的なお誘いですが、多分野火先輩が部活に参加するって事は七海先生が…」

「当然…」脱力感でドヤッ顔をするマリエに、呆れる闘牙。

「あんまりセクハラしているとその内痛い目にあいますよ。」

「闘牙は七海先生を避けているね。普通の男子なら避ける処か砂糖に群がる蟻のように逆に接近しようと考えるのに……男の人が好きなの?其ともスクール水着の先生のあの…」

「おいっ、コラ。本人が聞いてないからって親父臭い言い方辞めろ。後、俺はおなごが好きだよ。」

何て恐ろしい事を想像させているんだ。

「きゃ~~善きに計らえ~~(棒)」リラックスした熊やパンダのような顔で言うマリエ。

「悪夢を見させるぞ。後、先生に変なセクハラ紛いの事するな。」

「失敬な、私は必死に抵抗しているが私の意志とは違う私の中の何かが"触れ"と命じているのだ……本当は羨ましい癖に……」

「何処の絶対遵守のギアスだよ。あの人の近くにいると"食べてしまいそうになる"の抑える大変なんですよ。」

(本当は凄く羨ましい……だが教師と生徒の関係をぶち壊すのは、フィクションで充分だよ。)

「おおぉ……君の内なる欲望の炎の獣を解き放つのかい?教育実習生と生徒の禁断の…」

(何で嬉しそうなんだ?この人は…)

「いえ、物理的に食べてしまう危険性があるから避けているんですよ。嫌ですよ。あんな良い教師をスプラッター&グロテスクな目に合わせるの。」

「私の慎ましい身体を見て空気抵抗が少ない奴と言った言葉は絶対に忘れないからね。」

「でもプールの飛び込み台から飛び込むのは得意ですよね。」

「高い所から真下に落下してしている途中で女子達のあの素晴らしい身体を合法的に…」

「少しは感心した俺の心を返してくれ。」

なんつうセクハラマリエだよ。

「ふっ、世の中は戻らない物ばかりさ。時間しかり、

命しかり、タイミングしかり、」

「確かに……」

「……真面目な話、七海先生を異性として見るならどうなの?」

「………………」

「嫌いじゃないですよ……」

自分がもし普通の人間で現代に生まれていたのなら、もっと照れ臭く言うだろうが、人の生き死に沢山見てきた俺は余裕を持って答える。

「ほほぅ。今の言葉を本人に伝えよう……カード○ャプター○くらの主人公の両親も父親は教師。母親は生徒だったからね。」

「辞めて下さい野火さん。教育実習生は、季節と同じでイベント行事と同じなんですよ。何れは咲森学園でお別れ会をして、生徒達には思い出として先生とっては経験として別の高校の教師として先生は行くんですから……」

「なら今の内に沢山揉むか……」

「おいっ話し聞けよ。淫獣。真面目な話しを振ったのソッチだろ。」

彼女は窓の方に視線を向けて言う。

「君は一応、『真暦における文化思想研究ならびに討論部』に所属しているけどさ。」

「男子文化部ですね。霊屋ユウスケ部長の」

通称オタク部。

「どうして、ソコにしたの?私から見ても顔は悪くはないし、身体能力も高いから陸上部とかもイケると思うのに……」

自分を連れてガ○ダムがある場所に向かった時の運動神経の高さを思い出すマリエ。文字通り壁を物理的な走って移動した様子は凄いの一言だ。

「1つ。俺はつい最近まで日の光の下をガチの意味で歩けなかった。2つ。真面目に運動部の部活動をしている奴らの為に辞めた。3つ。霊屋部長のように名前だけでも部活に参加しても良いと言う部活が少なかったから……4つ。この学園に入学したのは、アレがあるとわかっていたからだ。部活動とか青春とかが目的じゃない……」

「…………もったいないね。女の子にモテるのに…」

「昔……ある人間に憧れた事があるんです。耳に花札の日輪の耳飾りを付けて優しくて真面目で余り喋らない人でした。」

「ほぅほぅ……」

「……憧れの余り……その人を模した"腕六本のカラクリ武者"を沢山製作したんですよ。」

「えっ?」

何か不穏な話になって来たな。

「贈り物に彼が普段持っている物を模した物を魂込めて打って作ったのは良いんですけど……良く見比べたら色々とやっぱり似てない所ばかりに目がいって。"滅"の一文字を刻んだまで良かったですけど……やっぱり渡すのが恥ずかしくなってカラクリ武者の一体の中に隠したんですよ。」

「えぇ……渡さなかったの?せっかくの贈り物を……」

「恥ずかしい思い出です。誰にもバレずに願わくは錆びだらけになって朽ち果ててくれれば良い……」

「………………ヘタレ……」

マリエはジト目で鋭い事を言う。ついでにマリエは闘牙の憧れの人物を女性と思っているが、実際は男である事実をマリエは知らない……

「どうしてこんなムダな話しを……」

「…………凄く思い詰めた顔をしていたから……」

俺はそこ迄顔に出ていたのか……

「何があったの?」

「…………この咲森学園……全校生徒は約480人……

その生徒達を、護れるか不安なんですよ。」

「……来るの?」

何がとは聞かないのは優しさか……

「長い永い戦いに巻き込まれるかも知れない……」

「そう悲観的になさんな……自分に出来る事を全力でやれば良い……例えその結果がどんなに悪い物でもさ。」

野火さんは席を立ち闘牙の頭を優しく撫でる。

「っ!?」

誰かに最後に頭を撫でられたのは、何れくらい昔だろうか……

「…………元気出た?」

「はい。凄く……」

「そう。良かった……七海先生には抱き締めて二度と離さない程先生の事は嫌いじゃないって、伝えるね。」

「ついでに二度と罪の無い女性にセクハラしないように恐怖の悪夢をプレゼントしますよ。さぁ遠慮なく……」

「お戯れを……あれら全ては私の意思ではない。この学園の女子のレベルが高いからこの『手』がめ勝手に……」半天狗の顔芸をするマリエは両手をやらしい手付きで、まるで故上弦の肆の半天狗のような弁明をする。

「何て気持ち良く清々しい程の邪悪……これが法に裁けぬ悪か……」

励ましてくれた瞬間通常運転ですもん。このセクハラ先輩。

「うん?」

彼女がスマートフォンからメールが届き視線を向ける。

「どうしましたか?」

心無しかやる気の無い顔にキリリとした目付きに変わったマリエは、静かに言う……

「運動部男子達がグラウンド使用優先権に色々と裏工作をしていたらしい……匿名でタレコミが来た。陸上部のショーコの方にも送ったらしい……」

マリエのメール内容を見ると『RAINBOW』と書かれている。

 

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無限城内部とある名所『半天狗楼』

高さは東京タワー程の高さがある『和』の赴きを持つ塔で、モチーフはジオールの京の都にある法観寺……五重塔である。

何処までなら建てて倒れないか色々としている内に、恐ろしい程長い塔になってしまい。物見櫓の代わりに使われる。

狼牙丸が良く居る場所で……現在その狼牙丸は、

【ドンドン。ドドン。ドンドン。ドドン。ドンドン。ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッド……】

天空まで伸びていると錯覚させる超高層の塔の最上階で、激しく止む事なく鳴るは緑色の嵐と黄金の雷の雨あられ……鳴り響くはジオールの太鼓達、宮太鼓、平太鼓、締太鼓、桶胴太鼓。嵐舞の如くその複数の太鼓を叩くのは、身体から幾つ物の腕を生やした鬼。使われる用途が違う太鼓達の隙間無く鳴らして、己の中に沸々と沸き上がる戦の高揚感を音楽で表現している。季節、湿度気温、その日の天候に左右される繊細な楽器を楽しそうに鳴らす鬼は、激しく太鼓を鳴らす。

「…………珍しいな。お前が太鼓を叩くとは、」

五月蝿く鳴る演奏の中、兪史郎が防音用ヘッドホンを装備して『半天狗楼』に上がって来る。

バリアフリーを考慮して携帯用酸素ボンベと手動エレベーターや手動エスカレーターがある親切設計。……手動

だから人力だ。体力ある人は東京タワーを階段で登れる人が最低レベル。鬼の兪史郎は余裕で手動エレベーター移動が出来る。

来客が来た為に太鼓を鳴らすのを一旦止める狼牙丸。

「…………来るぞ。」

その一言を聞き、兪史郎はゆっくりとため息を吐き

「こんな事なら、ととっとアレを完封なきまで壊していれば良かった…………」

「…………例えマ○ンガーを破壊しても、大国が攻めて国力の差で俺達のジオールは敗戦国で従属国にさせられて、自由を失う。魔女狩りのように、怪しい奴や、国に不満や不穏な事を考えている奴を秘密警察に売る疑心暗鬼のジオールになるだけだ……おちおち好きな漫画やアニメやテレビドラマも見れやしない。」

「珠世様の絵も描けないか……」

「やはり……譲れないなら闘う他ない……」

「どうしてこんな面倒な事に……」

「マギウスとか言う奴らの衰退が理由なのかもな……」

ここ数十年で宇宙進出が瞬く間に発展していったのは、人嫌いの兪史郎も知っている。

狼牙丸なりに考えを言う。

「奴ら、不慮の事故で帰れなくなった宇宙人達で近くに地球があって、肉体が必要だった……人間の情報やら記憶やら食って何とか長く生き永らえていたみたいだが、それも限界だった……」

「数がどんどん減る中で、生きている内に故郷の星に帰る為に、自分達の技術を人間達に渡して俺達の本体がいるダイソンスフィアとか完成させたまでは良かったが、

数がどんどん減る一方で、数年前最後に捕まえて聞いたマギウスがこう言っていた。」

『我らマギウスの最後の希望はヴァルヴレイヴ』

「……最後の希望……」

「国家最大機密同然の秘密をどうやって大国が知り得たのかは、まだわからないが、発想を過大妄想や空想を踏まえると……」

「何だ?言ってみろ。」

見た目は真面目な武術家のような癖に、ただの脳筋ではなく。それ以上に状況変化に適応する能力が強い狼牙丸は、伊達にどんな状況でも人質救出やら要人護衛を始め守りに関して頭の回転が早い。

「ジオールのマ○ンガーを開発する途中でマギウス達を利用し、そのマギウスに逃げられた……そして逃げたマギウスが大国に潜むマギウス達と合流して、マ○ンガーの情報を得た?」

「可能なのか?」

「肉体を持たないエネルギー生命体の一種と言う妄想を前提にするなら、目に見える幽霊に近い。捕まえたマギウス達は人間の身体に入っていた個体が殆どだが、最初から肉体有りの種族なら、人の身体に入る必要が無いからな。」

「…………」

「さっきのはあくまでも推測であり予測だ。これまでの総合を考えてな。ジオールのマ○ンガーの開発者メンバーが偶然大国のマギウスにチクったのが現実的だな。少なくとも今まで表立って動いていないのは、関係者達への準備が時間を掛けたのか……俺達を一網打尽にする策でも用意しているか……」

「やっぱりアレは壊しておけば良かった……」

「今更悔やんでも時間は1秒も戻らん。俺達の自由の為に闘うぞ。」

兪史郎は、これから起きるで在ろう人間同士の戦争に、渋い表情で達観する事に決めた。

 

 

『半天狗楼』……楼と書いてある為、封じ込められている牢屋の役割もあり、

「……」

朱天大将は極悪人の頭蓋骨の盃に乾燥血漿を溶かした物を口に運びながら満開の紅桜が咲く桜の樹の傍で酒盛りの真似ごとをしていた。

「……デカイ戦が始まるな……」

楼に閉じ込めている儂を外に出す程の戦いの音がゆっくりと近づいているのを感じる。

「所詮この世は全て仮初めの物ばかり……肴やツマミを何れは手に入れる機会も近いのぅ……」

人間の肉を食べた事のない炎竜鬼の鬼としての本能が、燃え上がる。

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昼休み……何気なく乾燥血漿を混ぜた何時も飲み物で食事を終えて、退屈そうに、しかし監視するように目の前に映る景色を見ていた。

 

哺乳類が持つ歯……それは牙と呼ばれて……地球の生物が食べ物を食べる際に使う代物であり、野生動物が相手の獲物を仕留め喰い千切る時に使う代物だ。

哺乳類の人間だった現、鬼の俺ですら持つ物……犬歯……八重歯を持つ人間はいるが、流石に俺程鋭く尖った牙を持つ奴は、この咲森学園にはガチギレした時の兪史郎を除くと皆無だ。アイツのは良くて八重歯レベル。

視線を教室の先生が座る机に飾られた花瓶の花びらに向けて、闘牙は静かに口を開き、ガッキンっと音を立てて閉じる。

花瓶の花びらの一枚が何かに喰い千切られたように散る。

(普通の人間にはこんな芸当はまず出来ない。)

【鬼闘術 牙刃鬼】

歯を鳴らし牙の斬撃破を放ち長距離の獲物を文字通り喰い千切る技。見た目に似合わず範囲も威力も調整可能で、其処らの金属すら喰い千切れる為、結構重宝している。

(にしても……人間って奴は、たまにわからない事をする生き物だな……)

視線を再びさっきの景色に向ける闘牙。

人間が持つ犬歯は、動物の狩りをする犬歯に比べて当然だが退化している。動物で有りながら退化したのは、獲物を仕留めるのに歯を使う事を辞めたからだ。首の長い生き物であるキリンが、生きる為に首を伸ばし進化したのとは逆だな。

音を立てて……少女の上の歯と下の歯がぶつかった。

俺は視線を向けて人間同士がやっているグラウンド争奪噛み付き決戦を見物していた。

少女は指南ショーコで、対戦相手は、目に見えて勝利への執念を欠片も感じ取れない時縞ハルト。

(……恵まれ過ぎた人間は、ある物を失うのに嫌がる傾向が多いが……俺、時縞ハルトが苦手だな……)

年寄りの戯れ言とは違うが、俺の生まれた戦国の世は、人の命が軽い時代で、有名な名のある城を建てた職人が他の武家に城の構造を教えないようにする為なら一族郎党皆殺しも、その職人達に関わった連中すらも口封じに殺す嫌な時代だった……そんな嫌な時代から今日日まで生きていた分、平和な時代に生まれた人間を羨ましいと感じるし、憎いとすら思う……争い事が嫌いな性格か…人間だった頃の俺もそうだった……鬼が人を襲うのに、人間は生まれた国が違うだけで、争い天下取りに明け暮れて鬼の存在を"伝承の存在"と勝手に決めつけて、危機感を持ってなくて、幾つ物の武家が鬼達によって滅んだか……

……平和主義者が悪とは言わない……現状に満足している証拠だし、多くを求めないお人好しの性格で良く今日まで生きてこられたなと、寧ろ感心する……本当に失う恐怖も知らずに今日まで恵まれ過ぎた人間だよ……時縞ハルト……

 

「争奪戦の勝負の行方はどう?"後輩"」

同じクラスの小柄な少女の同級生のマリエから勝負の進行具合を尋ねられる。

「勝つ気のない少年が、負けないように立ち回るが、結局現状維持に徹し過ぎて動きが鈍い。少女の方は幼なじみの性格を知っているから……少年を両腕を疲れさせて勝負に出るつもりだ。わざと少年の腕を使わせるように噛み付いている。」

「成る程成る程……"後輩"ならどう勝つ?」

「……勝負とは多少の差はあれど、土俵が同じで始めて成り立つ物ですよ。そして戦いは勝負が始まる前の準備で決まる物です……指南が苦手な勝負内容にまず誘導させる事から始めます。」

「戦いの鬼だね……」

敗北が死の時代に生まれた人間故に生き死にの勝利への執着はこのモジュールで一番と自負している炎竜鬼。

「……鬼ですからね……結論を言うと時縞ハルトは幼なじみの異性の手を噛み付く度胸がないで終わります。」

「ヘタレだね……」

「単純に優し過ぎるですよ………その内、本当に大事な物を失うぞ。」

『優しさは力だと』言う言葉があるが、あれは優しさを含めた力と言う意味で有り、結局は最後は勝ちたい意欲がある奴、諦めない奴が勝つ。勝つのを諦めた人間は、負ける……簡単な話だ。

 

「いっ、て━━━━━━!!」

少年 時縞ハルトが、噛み付かれてたまらず叫び声を上げた。

「いえーい!」

少女 指南ショーコが、天に指を振り上げ勝利の声を上げる。

そうこう会話している内に、勝負は勿論指南ショーコの勝利に終わる。グラウンド使用権を獲得を失った男子達へのガッカリ声と獲得した女子達への喜びの声で落差が良く分かる。

「何か……社会の縮図を見た気分です。」

「生徒会や運動部の人達も見ているのに……」

マリエの一言で視線をその人達の方に向ける。

金髪碧眼の連坊小路サトミ……女の子みたいな下の名前だが立派な三年生の男子だ。実務力は高く生徒会は勿論、生徒達に人望があるのは勿論、生徒への信頼も高い

生徒達には立派な生徒会長ではあるが普段は余り見える機会が少ないが実は気が弱い所があるらしく。

「何時も思うけど、何であの生徒会長は尊大に振る舞っているんだろうね。」

どうやらマリエも生徒会長の本質は知っているらしく疑問を口にする。

「…………良いんじゃないか?見栄の一つ二つを張るのも人間の武器の一つだ。」

「実は私には過去の記憶がない!?」ドヤっとして鼻息を吹くマリエ。

「それは見栄じゃないレベルだから……聞いてる人が心配しちゃうレベルだから余り口にしないように……」

「にしても二宮タカヒ先輩。…………良い物持ってますわ……」

やらしい両手で金髪の碧眼の高飛車そうな…実際に高飛車な性格の先輩の身体を見るマリエ。

「いやらしい視線とその手を辞めんか!?」

俺の声とマリエの視線に気付いたのか此方を見上げ見るタカヒ先輩に気付かれる前にマリエは低い身長を利用して闘牙の後ろに隠れる。

「あっ、コラっ」

タカヒ先輩と暫し視線が合うも、改めて先輩の顔を見る

……運動部女子リーダーで0Gバレエ部所属2年連続で"ミス咲森"に選ばれたのは伊達ではない金髪縦ロールの美人な先輩だ。常に他人を見下す口調が基本の高飛車でお嬢様な性格の為か生徒会のメンバーとの評判は良くないが、運動部女子のリーダーの為か生徒会と関わるのが多い。取り巻きの二人と一緒にいる。

「やっぱりこの学園の女子のレベルは高いよね。」

後ろでマリエが何か言っているが、気にする物じゃない……こうしてこの学園を日が出てる時間に通うと分かる…後ろのマリエはガ○ダムのテストパイロットで、あの尊大なフリをして本質が気が弱い生徒会長も、時縞ハルトも指南ショーコもボッチも、ヘタレ先輩もサンダも

櫻井アイナも、今俺がいる方に視線を向けている二宮先輩も全員"ガ○ダム"に乗る可能性がある20人の人達の一部なんだよな……

あの機体のギミック的に乗る人間は絶対にあの変な質問ボタンのYESを押して首に針を入れられて"何か"を体内に入れられる……480人の普通の人達より明らかに高い身体能力と習熟能力の高さ……間違いなく、ロボットアニメの強化兵士の類い……遺伝子調整……あるいは、各学校に必ずある健康診断やら定期予防接種以前……産まれるより前の段階で"何か"されている可能性が高い……そしてここの生徒達は、それを知らない……

ガ○ダムを造るから生徒達の身体を弄ったのか…………もし産まれる前に"何か"するなら、母胎……母親と父親もこの妙な国家最大機密計画に巻き込まれた可能性もある。

「悲しいね……」

俺は自分は無実を視線で訴えると信じてくれたのか、先輩は取り巻きの二人を連れて移動していった。

「ふぅ、危ない危ない……」

マリエの頭にハリセンで叩くのは、当然の帰結。

 

「ぶいっ! あはははははは!」

上機嫌で指南はVサインをハルトに突き付ける。

しかめっ面のハルトは今回の勝負内容を嫌な気持ちぼやく。

「……だから僕はイヤだって言ったのに……」

ババ抜きやサイコロ果てはジャンケンすら負けまくり勝負事に絶望的に弱い為、賭ける時は反対側に危険なく全部賭けても勝てる安全仕様だ。

「仕方ないだろ、ジャンケンに負けたんだから」

不満をぼやくハルトの肩を叩くのは、櫻井アイナに告白しないヘタレ先輩事、犬塚先輩。ハルトと犬塚先輩は親しい関係でたまに兄弟にも見える。

「代表決めのジャンケンで負け、勝負内容を決めるジャンケンに負け、勝負自体にも余裕でそらっ完璧に負け…………相変わらず惚れ惚れする程の負けっぷりだな」

 

 

「後輩。ハルトの勝負事の弱さは?」

「……全ては因果の中に……覇王の卵……真紅のベヘリットを使い5人目の守護天使に転生する為のお布施かな……」

「……それ途中でハルトは1年間拷問されて舌も切られて…包帯だらけの痩せた芋虫同然になるって事?」

「その頃には、指南への愛も失って人間達への復讐に燃えてそうだな……」

「まさにベ○セルク……」

窓からマリエと漫画談義をしながら二人の様子を見る。

 

 

「そもそも勝負方法がおかしいんですよ……先に噛みついた方が勝ちって、女の子相手にそんな事出来る訳ないじゃないですか……」

「何負けた後でぐちぐち言ってるの。男らしくないわよ」

 

「俺もそう思う。」

「闘牙ってハルトに厳しいね?何で?」

二人仲良くクラスの窓から下の様子見る中で聞く。

「……俺もあんな心優しい奴になりたかった…………」

羨望……人間は手に入らない物程欲する生き物だ。目に見えた物である物は勿論、曖昧な形無き物すら人は渇望する。お金、名、権力、海賊のあの漫画すら富、名声、力を求め一繋ぎの大秘宝を求めた……そして幸せ、平和、知識、愛、夢、希望、才能、皆、醜く浅ましく欲望の炎を煩悩の炎を絶えずに燃やしている。

 

「…………後輩は充分、心優しいよ……」

「……先輩は"本当の俺"を知らないから普通に接する事が出来るんです。……先輩が想像する以上に醜い物、汚い物、地獄を見て生きたせいで、皆と同じで普通に過ごす事すら今の俺には出来ない……」

「本当の俺?」

「……言えば、皆俺から離れて行く……現実を逃げ続ければ、今が嘘になってくれるなんて思った事もある……」

闘牙の脳裏には、無限城に迷い込んでしまい俺の姿を見て怯えていた赤い髪の少女を思い出す。

突然、見知らぬ場所で、過去に恐ろしい目にあって人その物に恐怖を覚えた彼女のあの恐怖に染まった顔が、忘れられない…鬼である姿を見たら、皆あの少女にみたいに恐怖の顔になるのは、分かりきっている。

「………………」

「でも逃げたって今は嘘なんかにならない。」

「それでも……俺は…俺達は………生きなきゃいけない……」

「本当はココから逃げたいの?」

「…………俺は何処でも部外者で居場所なんてない…………だから自分で自分の居場所くらい作りたいし、守りたい……っと最近思うようになってきた……」

「……闘牙…」

「先輩に見せた普通とは違うこのモジュールの闇をココの奴らが知った時、アイツらは何を考えて何を決めるか……それが今は一番心配なんですよ……」

 

噛みつかれた左の手首を恨めしそうに撫でながら、ぼそぼそと文句を言い続けるハルトをからかうように、ショーコがハルトに笑顔で近づきその笑顔に頬を赤くして胸をどきりと高鳴らせるも、それを笑顔を向ける幼なじみに気付かれたくなくて、ハルトは精一杯の軽口を叩く。

「いつもこんな勝負でグラウンドを取り合ってるの?はしたないよ、ショーコ。」

「そ、そんな訳ないでしょ!ハルトが相手だから、負けても言い訳のきく勝負にしてあげたんじゃない。感謝してよね。」

耳元で幼なじみの小さな声と共に吐息のせいで顔を余計に赤くするハルトを見て。

 

「リア充は嫌いだって思う事は悪かな?先輩。」

「ショーコに負けない女子と付き合ってみたら?」

「俺のような変わり物を好きになる人間は絶対居ませんよ。賭けても良い。」

「大丈夫。世界に一人くらいはいる筈よ。希望は捨てちゃいけない。望みはある。世界くらい相手にするレベルで……」

「もう90代のおばあちゃんでも良いよ。」

「それはもう介護。」

 

「でもちょっと強く噛みすぎたね……ごめんねハルト」

左の手首には幼なじみの歯形がくっきりと残っており、内出血の痕は暫らく消えそうにない。

「ああ、いや、それは、大丈夫」

そしてまんざらでもない笑顔で幼なじみに気弱な笑顔を向ける光景を見て……

「「ちょっと怖い……」」

二人は身も蓋もない感想を口にするのだ。

 

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生徒会立ち入り禁止の教室へ。

暗い暗い影の世界にキーボードが幾つも打つ音が成り響く。

「……」

スナック菓子を片手で摘まみ口に運びながら私はネットの世界を悠々自適に過ごしている。ここが自分のいるべき場所。自分の居場所……人間の友達なんていらず邪魔する奴も人を馬鹿にする嫌な奴もいないクリーンでジャスティスな私の世界……

今日もモジュールの監視カメラを操作して外の様子を…

「???」

小さくて見慣れない物が空を飛び監視カメラに映り、通り過ぎる。

付近の監視カメラを操作しながら通り過ぎたソレを何なのか見ようとするが、動きが速いのか見切れてしまう。

「っ!?」

……何だか凄く負けた気分になり……複数の監視カメラを更にハッキングして不埒な怪しい未確認飛行物体の正体を突き止めようと少女は凄くどうでも良い事に全力を出す。自慢じゃないが、私はこの学園の日常については大体詳しい……どのクラスとどのクラスの誰々が何の話をしていたのか、それらの全ては私に筒抜けだ。だから目の前の監視カメラを異をかさずに飛ぶソレは、私のまだ知らない情報で、暇を持て余す私の興味を持たせるのに充分だった。

見慣れないソレは、華麗にカメラから見切れて何処かを目指している。

ならば、目指している場所を先に見つければ、ソヤツの正体が分かると私はハッキングで未確認飛行物体の目的地のルートを探す。未確認飛行物体は生徒達が気付くより早く移動して少しずつ生徒が少ない方に向かっている……そしてソヤツは、生徒会の立ち入り禁止エリアに悠々自適に飛行して行き……

「へっ?」

空を飛ぶソヤツは、自分がいる場所に真っ直ぐ向かっている事に気付いたアキラは慌てて後ろの小さな出入り口の方を見ると、飛行音と共にソレは私のクリーンなジャスティスな世界に無断に侵入して行った。

「!?」

歪な金属のソヤツは蝙蝠を連想した姿をしており私の前に小さなダンボール箱を置き。私はビックリするも、蝙蝠のように逆さまになりそのまま両目を閉じる。私はゆっくりと逆さまで目を閉じているソヤツをまじまじと見る。

クラッキングやハッキングは得意な物のこういう珍しい

存在は生まれて始めて見た。

左右非対称のバランスの悪さに関わらず此処まで飛行して来たのだから、飛行その物に支障は無いらしい………

金属でも武骨や無機質なイメージではなく寧ろ左右非対称の歪な癖に高価な芸術品のように、細かく造り込まれている。

「綺麗……」

右手君改めて『飛燕』正式名称は『飛之燕魔(ひのえんま)』光学迷彩を使って策敵能力と偵察能力を持ち通話機能や遠距離銃やらハッキングツールにもなる炎竜鬼が兪史郎と何時もいる茶茶丸をベースに開発した多目的ロボット。普通の機械以外に血鬼術等も使用している代物で、使い魔の蝙蝠の姿に変形する機能を使い移動する。

 

予め肉眼では捕捉不可能な『RAINBOW』が使用するネット回線を狼牙丸の目玉の能力を使い"見て"そこの大元を辿るように動いた飛燕はダンボールハウスの小さな出入り口に侵入して主からのプレゼントが入った小さなダンボール箱を目の前の人物の前に置く。

「…………」

目の前の人物は飛燕の姿に驚くも、興味津々な様子で飛燕の外見をじっくりと見続ける。

【パチリ】

飛燕の目が開き、目の前の人物と視線が合う物も、片翼を器用に動かして、ダンボール箱を指差す。

人物は視線をダンボール箱に移すと箱には1枚のメモが書いてある。

【咲森学園の裏番RAINBOW様。貴方に届け物です。中身には不快な物も危険な物もありません。】

「裏番?アホくさ。」

小さい頃にされた苛めのパターンの変化球か……私はダンボール箱に入っている怪しい物への興味を無くし目の前のソヤツに視線を戻す。

目の前でソヤツ蝙蝠から変形して右手の形に変形する。

「っ!?」

素直にビビる私を無視して独りで指を蜘蛛みたいにあるいはゴキブリのようにシャカシャカ動かして私のクリーンでジャスティスな世界を移動して、ダンボール箱の2枚目のメモを私に見せる。

【突然過ぎてすいません。俺の名前は炎竜鬼……目の前の飛燕を開発した存在で、貴方にハッキングで連敗されまくった男です。】

「炎竜…鬼……飛燕」

視線を動く金属の右手に向けると、Vサインしてから、狐の手芸をして、狐のように【コーーン】と音を鳴らす。

右手は、三枚目のメモをダンボール箱から剥がして私に見せる。

【その飛燕は良い子です。飛燕のスペック説明は3時間は余裕で越えるので、本題に移らせて頂きますね。】

そして右手は4枚目のメモを私に手渡して

【箱を開け…】

とシンプルに書いてあるだけだった。

飛燕は面倒臭いのか私のクッションにダイブしてクッションの心地を心行くまで勝手にゴロゴロと堪能している。

「………………」

顔も名前も知らない奴に色々と言われるのは、シャクだが、暇を持て余しているのは、事実だ。

私はダンボール箱をしぶしぶ開く。

中には通信機器と見たことの無い機械が一つ。そして手紙と取り扱い説明書だ。手紙にはこう書かれている。

【1連絡用通信機器。2遠隔操作タイプ超小型空撮用無人飛行機3その飛行機の取り扱い説明書4鬼の映像記録が集まったUSBメモリこれを見たら後戻りは出来ないから見るな(怒)…………その機械なら監視カメラの無い場所も飛燕のように移動しながら見えますよ。好きに使って下さい。貴方へのささやかな贈り物です。……本題は、協力関係……】

「協力関係…」

ポッキー菓子を口に咥え頬張りながら続きを読む。

【近々、ジオールに大国が攻め込んで戦争が始まる可能性が極めて高いです。当然ジオールの所有であるこのモジュール77も狙われます。兪史郎達の予想だと攻め来るのは、十中八九ドルシア軍事盟約連邦……】

極めて内容はキナ臭い内容の手紙だ。危ない思想の奴の手紙と言っても言い。

……だが遊びやふざけでこんな手の込んだ事をするだろうか……私はゆっくりと視線を下に向けてクッションにゴロゴロと寝転がる飛燕とやらを見る。

【此方も色々と準備をしているも、個人じゃ限界があるかと言って国会議事堂に電話する馬鹿な事はしない。もし炎竜鬼の話を信じてくれるなら同封された連絡用通信機に連絡を入れて欲しい……信じてくれなくても自分の身を守る為なら、出来る限り安全な場所にいて欲しい…協力関係をするには、お互いに名前しか知らない間柄だ。だが危険が確実に迫っているんだ。……俺を信じてくれなくても構わないから、出来る限りの備えていろ………ドルシアの連中は俺が追い出す……】

「………………戦争…………」

手紙に伝わる真摯に危険を知らせる内容。筆跡から見て恐らく男。私は飛燕に視線を向けると飛燕は突然起き上がり、私の世界から出ていった……何かがこのモジュールで起きようとしている。

でも……今の私に何が出来る……

無言で連絡用通信機をじっと見るも、私はソレの電源を使う事なく自分のPCに向き合う。向き合う直前、箱の底にも一枚のメモ用紙が貼ってあり……

「……」

メモ用紙を引き剥がし内容を見ると

【俺がどういう"人間"か人となりや内面が知りたいなら災いと地獄のUSBメモリを見ろ……そこに映ったのは、全て実際にあった映像だ……俺の全てが其処に映っている。文字通り……マル秘映像だよ。】

「……」

そのメモ用紙を見た瞬間、無意識に悪寒が身体に走り、只のダンボール箱が恐ろしく禍々しい物に見えるようになった

そして……私はそのUSBメモリに興味を持ってしまった……まるで悪魔の誘惑に引き寄せられるみたいに……

(災い……地獄……俺の全て……)

どんな映像が映っているのか……地獄の日々を体験したアキラは興味を持つ……

(パンドラの箱……)

この世の全ての厄災と絶望が詰まった箱……地獄への扉が其処にある。

その誘惑に抗う程、アキラは忍耐強くはなかった………

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「ドルシアとARUSとの二国のパワーバランスで決まっている訳だ……この両国の特徴は他国籍環状枠が拡大したという事だな……」

昼休みが終わり睡魔が忍び寄る午後の授業をしながら闘牙はどう動くべきか最終確認する。

【がたん、】

有事に備えてジオールのガ○ダムがある場所に、人知れず待機しているのが正解だろう。だが白衣の研究者達と警備の軍人達を毎回眠らすのが、正直言ってメンドい……だが"何か"が起きてから動くのでは遅い……やはり、出来るだけあの地下にいた方が……

「ぶっふぅ!?」

(鬼が真面目に考えているのに……オノレは!?)

凄い眼力で授業の最中突然吹き出した少年……ハルトを睨む闘牙。

大方、あのヘタレ先輩から幼なじみに関するタイムリーなメール内容を貰って吹き出したんだろ。

俺のスマートフォンのワイヤードからメールが届く。

相手は【野火マリエ~】からだ

《ハルトがショーコの口元ばかり見ていたら、突然吹き出したけどどうしたの?》

あのガ○ダムの探索の時にメールアドレスを交換したのだ。

《罪深い行いをしていたら咎められたとかそんなんでしょ……》

実は闘牙の予想はそんなに外れていない。

ハルトは先の噛み付き勝負で気になる幼なじみ唇が、自分の手首を噛んでいるから思春期特有の奴で、自分の唇を幼なじみの歯形に寄せようとしていたら、犬塚先輩からのメールで中断されたと言う聞く人によっては気持ち悪い事をしようとしていたのは、本人以外知らない。

ハルトの吹き出しでクラスの集中力が切れたのか教師はクラスの時計を見上げてぱんと教科書を閉じる。

「少し早いけど、今日はこの辺にするか。残りの時間は自習。次のテストに向けて、何の教科でもいいから勉強してろ。騒ぐなよ。」

ざわざわと騒ぐクラス。俺も賭博黙示録カ○ジの主人公の顔真似をしながら口でざわざわざわざわと言う。

(後輩が人生一発大逆転するかしないかの切羽詰まった顔をしている。)

(噂の裏番の『RAINBOW』からの連絡は来ない……やはりアプローチをモットへりくだった内容にすれば良かった……)

 

 

《おいハルト、オマエさ、ショーコに告白しねーの?》

先程の犬塚のメール内容と噛み付き勝負の事もあり、ハルトはショーコの気になってチラチラと視線を向けている。そこへ再びキューマからのメッセージがワイヤードに届いた。

《誰かにとられてから泣いても、遅いならな》

その内容にハルトの胸の奥で危機感のような音がきゅう、と鳴く。

(とられる、なんて……)

ある訳がない……とは確信を持っても言えない。いつか自分じゃない誰かが本当にショーコに告白してショーコが応じる日が来ても、全然おかしくない。もしそうなった時、自分は素直に祝福出来るのか?素直に諦められるのか?それとも未練がましく二人の仲を引き裂くように動くのか?

「ねえ」

「うわっ!?な、何してるんだよ、ショーコ……」

突然間近から聞こえた知ってる声に驚いて顔を向けると、ショーコがいつの間にか、こっそり床を這ってハルトの近くに接近していた。

「さっきからこっち見てたじゃない。何かある」

机の陰から顔だけを出し、ジト目で問い詰めてくる。慌ててスマートフォンを隠そうとすると、それを悟った手がスマートフォンを狙ってきた。

「見せて」

「何もない、ないから……」

スマートフォンの争奪戦が白熱する横で闘牙は、コード○アスの追い詰めらたルルーシュの顔真似をしながら思考する

(くっ、やはり生徒会長を始め生徒会にアプローチを掛けてそれから運動部の男女のリーダーと段階を踏むべきだったか!?だが教師が普通の教師じゃない可能性が充分にある!?特に連坊小治サトミ生徒会長は、気弱な本質の為に必ず大人に判断を委ねる傾向が強い……)

鋭いルルーシュの似た視線を寝ているであろう教師に向ける。

(後輩がブリタニアをぶち壊してやる反逆の皇子みたいな顔をして教師を鋭く睨んでいる。そしてアドリブで予定が狂って混乱しているようにも……っとショーコったらしょうがないな。)

親友が必死に幼なじみのスマートフォンを奪い取ろうと動いているからマリエも親友に加勢する事にする。

必死にショーコの手から逃れようと、右手を後方へ反らすハルト。

(チャンス。)

その手の中のスマートフォンをハルトの後ろの席のマリエがするりと奪い取った。

「あ!ちょっと……」

「敵は前以外もいる…パス」

意味深な言葉を口に出してスマートフォンを親友に向かって投擲する。

「ナイス」

ハルトが後ろを振り向いた時には既に、スマートフォンは流れるような連携でショーコの手の中へ。ハルトが後ろにいる同級生を見ると無表情でVサインをするマリエの姿だった。高校生とは思えないほど幼い外見のマリエは、しごく真面目な無表情な顔で積極的に悪ふざけに参加するので性質が悪い。

「日記の内容には変化は必要……大人しく私の楽しい思い出となれ……フハハハ……」

無表情で変な事を言っているのは腹が立つけど今は、それよりも、ショーコに渡ったスマートフォンだ。

「かっ、返せ!返さなかったら絶交だからな!」

小学生か、あっコイツ高2だったわ……っと呆れたようなマリエの声を聞きながら、ショーコは人質のようにスマートフォンを掲げ、真正面からハルトを見つめる。

「じゃあ答えてよ。どうしてこっち見てたの?」

「そ……それは……」

真面目に詰め寄るショーコ。ハルトはついついショーコの唇を凝視してしまい、先程の自らの行いを思い出させる。それにショーコから良い香りもして来てハルトは心拍数が上昇して無言で頬を赤く染めて行く。

「何?急に赤くなって?どうしたの?」

「ドキドキドキドキドキドキドキドキ」

「……何で先輩が口でドキドキ言っているんですか?」

「後輩。ドキドキと言っておくと何か胸が高まる感覚を覚えないか?私は女性のスンバラシ~~」

「それは只の興奮ですよ。鼻の穴から鼻息をフンスし過ぎです。」

「所で後輩……何でジョ○ョの奇妙な冒険ダイ○モンドは砕けないのキャラクターの顔になっているか教えてくれ……」

「それはそっと流してくれ……」

 

「黙っていれば、かわいいのにな、って」

ハルトはショーコの前で何も考えずに口に出す。だがその一言でショーコの目はきょとんとして目が丸くなり顔がだんだん赤く染まっていく。

「な……なななな」

 

「後輩?ニセコ○で好きな女性キャラは誰?私は万里花のお母さんと宮元るり……」

「あっ、すいません。先輩。俺ラブコメ系統は基本読まないんですよ。…………あれ?今、誰かのお母さんって言った?」

「シンパシーを感じているのだよ。大丈夫……君もラブコメの本の魔力に取り憑かれてしまうから、ショーコは小野寺のお母さんが好きらしい。」

「……何でヒロインじゃなくてヒロインの母親?ヒロインは?」

「何か戦わずに負けるオーラが全身から溢れていた幼なじみキャラだったらしいよ……後主人公がムカつく……小野寺の妹を道化にして……」

声に怒りを混ぜた会話をする。

「うわぁ……うわぁ……そんな泥沼のラブコメ漫画は観たくないわ。うわぁ……」ドン引きする闘牙。

「大丈夫。君も私と同じ女の子のパラダイスを知るが良い……全巻貸すから見てちょ。心配するな……此処じゃ深く言えないが良い本が揃っているから」

「えぇ……何か怖い……」セクハラ先輩が言う良い本って多分ちょっと………王道から過激になったラブコメの可能性が高い……

「気にならない……男の子でしょ。」

「…………………………」

(興味がある……だがそれは俺の本能……欲望の炎を余計に燃やす油だ……今は優先すべきは)

「遠慮させて頂きます……」

「…………そんな血の涙を流しながら言わなくても……ちゃんととっておくからさ……」

「この闘牙に流す涙は一滴すら身体にはないから血が涙の代わりなんです。」

(マリエ先輩のせいで話の腰を折れたが大国と戦う時には、いざというときには禁じ手の姿になる必要もある……あの日本神話やインド神話に出るとされる"神の姿"に近い姿……神鬼龍魔皇天(じんきりゅうまおうてん)を姿に……)

脳裏に過る一番、自分と本質との相性は良くないが本気となった自分の姿が浮かぶ。

(……鬼は鬼にであらなくてならない……)

数百年の間の自分の欲望の本質を全て"削いだ"あの姿は嫌いだ。

一方では

「いや、あくまで黙っていたらだから!限定って言うか……」

「ダメなの!?喋ったら!?」

「いや、ダメじゃない、けど」

「じゃあ……喋ってても、か、かわいい?」

「そ……それは、その……」

エスカレートしていく二人のやり取りは、既に教室中の注目の的になっている……そう、教室中の。

「お二人さん」

時間切れをさす言葉を口にしてショーコとハルトのやり取りに割って入るマリエ。

目を向ける。反対側を指差すマリエ。その指先を辿って首を回す。そこには、仁王立ちで二人を見下ろす、騒ぎによって眠りから覚めた教師がいた。凍り付く二人を、両手の上に顎を載せたマリエが冷めた目で見つめている。

「……青春だねぇ」

もちろん、その言葉は教師に叱られる二人には届いていなかった。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

咲森学園の寮に宅配便が大量に届く。

「ありがとうございます。」

応対するのは、山本藤介改めて……兪史郎だ。日の光が完全に遮断する遮光カーテンやら色々と対策をしている自分の部屋の前で届け物のダンボールを業者の人達と一緒に部屋の中に入れる。

(ギリギリ間に合ったか……)

大国との大きな戦争になった場合に不足すると困る物を事前に大量に購入したのだ。

……骸野捨麿曰く……ジオールは先守防衛だが単純に軍事力がない為、無条件降伏の可能性も高く……そうなった場合は、貨幣価値が無くなる……可能性も高くなる…

今の内に使える物……雑貨の品やら医薬品や避難生活用の保存食とか……だが兪史郎は疑問に思う。

(人間の食べ物をこんなに買う必要はあるのか?)

購入する物は、評定で連日して吟味の吟味をして決めた物だが、闘牙は人間の食べ物も"嗜好品"扱いで大量購入するようにお願いしていたのだ。……鬼である自分らには無用の物なのだが……

(咲森学園の生徒や教師の連中の為か?或いは…………)

兪史郎は闘牙の肉体に起きた現象に考える……あのロボットのギミックを受けてからアイツの肉体は変化した…日の光に耐性が生まれて肉体が燃えて灰にならなくなったように……あの馬鹿は現在、俺と同じく血で栄養補給は出来ているが……もしかしたら……

(だとしたらやはりあのロボットの内部にあったギミックの成分はなんだ?)

鬼の肉体すら変化させる謎の異物……あれからバカは経過観察記録を作っているのも、いつでも肉体に謎の拒否反応や現象が起きても良いように考えているからだろう。

「……」

やはりバカも言っていたがあのロボットが謎だ……本当に人間が作った物なのか?大昔の地球に来た宇宙人か今の文明より優れていた地球の先人類達が作った方がまだ納得する。それだけ……おかしいロボットだ。

兪史郎は嵐の前の静けさをひしひしと感じていた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

異空間 無限城

幾つ物の色とりどりの鳥居が並ぶ神社『童磨神社』

狐の面をつけた九荷は自分の監視カメラに映る景色を静かに見ていた。

モジュール77内には、当然だが治安安全の為に其処らかしこに監視カメラが存在する。だが監視カメラの大半は『RAINBOW』に支配されている。……だが市販用の監視カメラを気付かせないように配置させて、外敵が何処から来ても良いように、見張っていた。

「……」

「首尾はどうだ?九荷。」

白怒火が背後から着地して九荷は振り向かずに、ハンドサインのジェスチャーで応じる。

九荷は基本喋らない……古参の狼牙丸や捨麿ですら、喋らせようとしたが、駄目だった個体だ……

しかし、口は喋らないが仲間への想いは強い……縁の下の力持ちの印象を受ける。

そして……数百年前は筆談で会話していたが、現在はスマートフォンのメール機能を使い会話する。

「……っ!?」

「どうした?お前がそんな反応をするなんて……」

白怒火は珍しく動揺する九荷を見て九荷は視線を一つの監視カメラに向ける。宇宙港のドックに仕掛けた監視カメラの映像だ。

 

 

 

 

 

学生として、そして初モジュールへの移動をする為に地球を離れたのは、兪史郎と共に約2年前。皮膚の特殊な病気持ちを理由に朝日が出る時間には外出せず必要最低限の出席日数を稼いでいた闘牙は、宇宙港は勿論、地球からモジュールに向かうシャトルすら新鮮な気持ちであった。子どもが新しい物に喜びはしゃぐと同じで、モジュール77の一部を除き全てが楽しい物と勝手に思って

無重力を必死に泳いでいたのは、懐かしい思い出だ。

……勝手に思っていた分、直ぐに違和感に気付く。モジュールに来ると必ず出迎える存在の入国管理官……一見普通に見えた彼ら彼女らの佇まい。普通の咲森学園の生徒は気付く事はなかったが……指と手にある拳銃を長く使った人間に出来るタコ。服の胸元が小さく膨らむ拳銃を入れるポケット。

そして……笑顔に隠れた学生達を見る目……普通の奴らには、普通の目に見えるだろうが、あれは監視する目、

最初に楽しいと思った気持ちは一気に萎えて、国の隠していたヤバい場所に来た感覚を覚えた。

最初のこの時点で兪史郎と俺の孤独な戦いは始まっていた。覚悟はしても慣れない物だ。人の視線には"俺達"は敏感なのもあった。小さな違和感が一つ見つければ後はそれに似た物を探せば良い……街に出れば面白いくらいに大人の人がいて……皆普通の仕事のフリをしていた人間と気付くのに時間はそんなに掛からなかった。

やっぱり本職や本業の人達と違いを良く見ていれば、違和感が生まれる……仕事意識と言った物ですらね。

軍人なのに花屋の店員のフリをするならやっぱり本家の花屋に比べて店の商品の花に対する気持ちと言った物も違う。咲森学園の480人と教育実習生の七海リオン先生以外は全部偽物……全部紛い物……それがモジュール77の実態だ。

七海リオン先生と会話するとわかる……この人も生徒達と同じく何も知らない"普通に本物の教育実習生だって"

だから意外かも知れないが、先生との会話は楽しい……隠す物が無い天然もあるかも知れないが、息が詰まりそうな時には、結構助かっている。

 

だからこそ偽物ばかりの質の悪い模造品の街にモジュール77に来た咲森学園の"5人の転入生"の目付きを見て白怒火と九荷は確信する。

(コイツらは"知っている"このモジュールに隠しているあの機体に……)

警戒心を最大限に上げて白怒火は本体を含めた仲間らに報告する。

九荷も札を用意して無限城内部に無数の式神の札が飛ばす。

【サイド7にジオン来る】っと

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

数分前

そのモジュール77宇宙港のドックへ、一機のシャトルが接舷した。

入港目的は咲森学園への転入生二人の送致となっている。シャトルのハッチにタラップが接続され、モジュール77の入国管理官が二人、転入生を迎える為にその中を進む。

「珍しくです、転入生なんて」

「そうだな……訳ありか、それともよほど適性の高い生徒でも見つかったのか……おっと」

二人のこの一連の発言で既にこの咲森学園は予め謎の適性を持つ人間を基本とした生徒が入学すると決まっていて、一部の例外を除くと全て訳ありの人間しかいないと言っているような物………

やがてハッチが開くと、管理官は聞かれては不味いとばかりに口をつぐみ、シャトルから出てくる学生服の少年達に歓迎の笑顔を作って向けた。

……ここに来る学生達は自分達の秘密も正体なぞ知らない警戒心も無く素直な普通の何処にでもいる少年少女ばかりと思った事を勝手に決めて………………………

その判断をした時点で相手を甘く見てナメていた。

「ようこそ、ジオールモジュール77へ。本日のモジュールは天候も良く……」

その言葉が、疑問に止まる。

「あれっ?転入生は二人って……」

シャトルから現れた学生服の少年は全部で五人。伝達事項と違う。

「えっ?」

管理官達の混乱を気にかけた様子もなく、学生服の少年達は無重力の中を泳いでくる。そして、タラップ内部に赤い鮮血が飛び散った。

五人の少年達の先頭にいる。恐ろしく冷たい刃のような目をした銀髪の少年。

その少年が袖口に隠していたナイフで切り裂いた、管理官の首から噴き出した血だった。

タラップさん内に浮かんだ二つの死体の間を、銀髪の少年と仲間達は顔色一つ変えずに通り過ぎる。

「つくづく平和ボケした国だな…ジオールって国は……」

余りの警備体制の無さに髪を逆立てた軽薄そうなムードメーカーの少年は口から中立国の在り方に呆れた言葉を口にする。冷たい少年は管理官が持っていたタブレットを払いのけて前へ進みそのタブレットは三つ編みの髪型をした少年が何気なく受け取り、映っていた"二人の学生写真"を見て軽く笑みを浮かべる。

タブレットには自分達のチームの冷たい少年と『杉山ジロウ』と言う偽の名前で載っていた黄色いヘアバンドに赤い髪の少年が映っていた。

目指すは只一つヴァルヴレイヴ……

 

教室にて

「どうしたの?闘牙……凄く顔色が悪いよ……」

「遂に……来てしまったか……」

(あの銀髪ショートのファイティングコンピューターのウォーズマン……ありゃ……滅茶苦茶冗談言わない真面目人間だ……)

【俺と契約してドルシアを裏切ってくれないかな】

(これは滅茶苦茶、難易度高いぞ……)

尋問もせずに感情も躊躇も無く相手の命を奪うその姿に……咲森学園の生徒達とは完全に育ちが違う奴と分裂体の目から相手を見る。

(さようなら……平和な学園生活……)

自転車に乗り朝に感じた素晴らしい朝はもうこないと闘牙は悟る。

 

 

 

 

何処かのクラスの誰かが誰かにワイヤードでメールをする勿論、教師の目を盗んでだ。

《試験の範囲教えて?》

《それ出来てまだ三年の学校だしね……》

《地球に戻るのも億劫だし……》

《この学校"キレイ"じゃん》

《ワイヤードのブログ登録ってさ》

《伝説の祠の話って聞いた?》

《知っている……絶対に両想いになれるって……》

体育館では一年生達が授業していた。男子はバスケ女子はバレー。闘牙と朝話していた櫻井アイナも授業に出ていて、闘牙に平手打ちをかました流木野サキは近寄り難い雰囲気を全身から出しながら体調がすぐれないのを理由に見学をしていた。

「……」

(どうして私はここにいるんだっけ……)

場面は変わり

闘牙が所属するオタク部の部長の霊屋は教師の目を盗んで学園の掲示板に情報を刺激的な流していた。

《それより聞いたか?ドルシア連邦が領海侵犯だって…》

《どうせ、こっちがお金払ってすますんだろ?》

《えぇ~~またかよ!?あぁ~~情けない……》

更に場面は変わり

咲森学園の外で堂々と授業をサボっている不良達の中に

山田ライゾウ……サンダーもいた。黄色いリーゼント頭が特徴で幽霊部員だが実は茶道部に所属している彼は空を仰ぎ見る。

「………」

(ここは俺の本当にいたい場所なのか?)

慕ってくれるダチもいるし楽しい事もある。なのに自分は何故か現状がもどかしくて不満だ。

只空を眺めていた山田は、何かの憤りを心に募らせていた。

 

テントの隣のダンボールハウスでは……

PC画面に映る映像は炎だ……真っ赤な燃える炎の波が、

空気も大地も木々も、そこにある兵器を全て燃やし尽くしてしまう。

「……………………」

ワイヤードのネットワークを片隅に、ハウスの主は、

今日突如自分の前に贈られた荷物にあったUSBメモリに映る映像……"鬼"についての映像を両の目を見開きながら見ていた。その表情は驚愕の一言のみ……

 

《良いんじゃない。軍隊持つよりは安上がりでしょ。》

《そういう事言っているからこの国は駄目なんだよ。》

 

 

流れるメール内容をどうでもするような、まさに"毒"を

意味する内容……映像に映る人物は仮面で隠れて良くわからないが、明らかに人間とは違う生物……マギウスと呼ばれる奴らとの十数年における闘いの映像だ。

マギウス達はスプライサーやバッフェと言う軍用兵器を使うも、赤い炎の竜の鬼は、アニメや漫画のように真紅の熱光線を縦横無尽に雨のように放ちその全てを完膚なきに蹂躙する……映像は全て日が完全に沈んだ夜……その圧倒的な身体能力と熱を使った能力で全て蹴散らせて、マギウスと呼ばれる奴は死んでいく。

(私は……一体…………何を見ているの……)

軽はずみだった……抗えない興味もあった……自分と似た境遇の人間かも知れないと思った……嫌な思い出を誘発する映像なら直ぐに切ろうと思った……色々と思ったが結局、私は……その映像を見てしまった……

最初は、顔をパーティーグッズのシマウマの被り物をした男がいた。いわゆるオタクの男性みたいな……色々な趣味に手を出してハマっている男性だ。映像では全て被り物をして素顔は見ていなかったが、直ぐに異常に気付く。

夜の時間になった瞬間、まるでアニメや漫画の超人のように、全身の姿を変えて異形の竜の鬼に変わり姿を透明にして、普通の人間と人間じゃない奴を"見抜き"人知れず"狩り"をする……殺人鬼と最初は考えたが、獲物のマギウスが人間に良い者か悪い者か尋問して判断して仕留めているマギウスは全て人間を餌として見ている連中と分かる。

《そんなに不死が自慢なら俺の不死の能力どっちが上か試そうじゃないか!!!!!?》

《アギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!》

《ようは再生する力が働く気が失せる程燃やせば良い話だ。骨も再生出来ずに灰となれぇぇぇぇ!?》

相手の首を掴み相手を炎で燃やし尽くして文字通りに灰に変える。

もう一人のマギウスが炎竜鬼の首筋に噛み付くも、歯が鬼の皮膚に通らず驚愕する。

《……噛み付く攻撃とはこうするのだ。【血鬼術 牙刃鬼乱舞】!!》

一瞬でガッキンと歯を複数鳴らして、もう一人のマギウスを瞬きの合間に全身大小穴だらけにして穿ち……仕留める。

《……コイツらに皮膚から噛まれると一発アウトなのは、他の人間が噛み付かれているのを見て知っているつもりだ……対策して正解だな……兪史郎。》

《お前は……吸血鬼を狩る吸血鬼ハンターか?》

もう一人の少年は姿を晒して異形の炎竜鬼に気さくにも呆れも含めて話し掛けている。この二人の関係性は友人関係だと思うが、

《……世界の裏側に在る者なのは勝手だが……生憎様、お前ら以上に俺たちは長生きして夜の時間を味方にしているんですよ。》

続いて映った映像にはマギウス達の、情報について映っていた。

《大昔……不時着して故郷に帰れない奴ら地球にいる為に他者の生き物を憑依して生きていたらしい……ここまでなら、別に狩りをする必要も殺す必要もなかったが、奴らは他者の記憶や生命を餌にするなら、マジもんの吸血鬼や悪魔らと変わらないだろ……》

《ここ十数年で良く調べたな……》狼の面を着けた虎縞模様の服を着た男が感心したように聞く。

《一枚岩じゃない組織……個人ではなく想像よりもデカイ組織があるな……世界の有権者や権力者という人形を裏から操作する人形使い達が……》

《向こうは俺を"マギウスの領域を荒らす者"と言っているが、生憎……先に鬼の領域にとっくに土足で滅茶苦茶に荒らしてくれたのは……奴らの方だ……》

《独特な価値観を持った連中だな……》

《コミュニケーションなんて元から星の数より多いんだ。なら俺は俺のコミュニケーション方法でマギウスの連中と戦うよ。……俺の欲望の為にな。》

再び映像が変わりモジュール77の夜の咲森学園の屋上から生徒達の様子を眺めている様子が映る。そして物思いにサングラスと白いマスクでモジュールの街を見る。

《…………戦争が起きるな。ジオールの秘匿された軍事兵器って奴を欲しがる為に……あの寮にいる奴らも、以前、人に恐怖していた赤い髪の女の子も……》

「……!?」

彼のその一言で、私は炎竜鬼の素顔が誰かわかってしまった……

《理由はどうあれ…………止めれないなら……戦うだけだ……とはいえ全員を守るのは流石に虫が良すぎるか…》

《……でもまっ、俺、知っているつもりだから……平和を謳歌した国が侵略者に突然侵略される様子は……》

「………」

《…………アイツらを死なせたくない……これじゃ、侵攻で殺される為に生まれたような物じゃないか……そんなのよ。あんまりだろ……》

《気掛かりなのは、色々あるよ……どいつもこいつも、

面白い奴らで……えっ?何か遺言の映像みたいって?違うよ。…………だってさ、もし何かの拍子で俺の秘密が暴露されて友達達に裏切られ拒絶させられたら、凄く凹むだろ………デビルマンの原作みたいに皆まとめて炎に還すなんて凶行をしない為にもさ。俺は結構繊細なんだぞ……えっ?自己PRが間違っている?否本当、俺繊細な男なんだから……だから今の内に……凹んだ自分を再び立ち上がらせる用の思い出の映像を……えっ?黒歴史の映像……なら、ちゃんとしっかりとした思い出映像を……》

《あれっ?闘牙君?》

《ヤバい!?リオン先生だ!?逃げよう!?》

男は屋上から躊躇なく落下して映像は途切れる。

 

「………」

グダグダである。何か……後半はグダグダ過ぎる………

すると再び映像が付き、

《カメラと持参したメンココレクションを生徒会の気弱生徒会長に没収されたのを回収するのに時間が掛かってしまった。己!?生徒会長!?ありゃ、絶対将来嫁に尻を敷かれるぞ……》

「ぶっ!?」

思わずギャグ漫画の顔芸をする男にアキラは吹き出す。

《とりあえず、俺は、人間ではない"鬼"だ。鬼について詳しく知りたい人は、昔書いた漫画の『鬼滅の刃』をチェック!?それが嫌なら簡単な概要……吸血鬼に近い物の吸血鬼とは異なる個体だ。藤の花の香りとかと日の光が弱い。……真水に付けるとその部分が硬直するとかは弱点じゃないからな。…………えっ?説明が雑?なら、もっとちゃんと考えて発言しろって……あのな……わかったよ。下準備とリハーサルとかロケ地とか企画とか考えてから録画するよ。とりあえず……この映像は全部、消しておいて?恥ずかしい黒歴史だから……NGしかないんだから……》

「あれ?」

これがNGなら消していない事となる。映っているのは、素顔は知っている人が素顔を隠してグダグダになりながら色々とヒントや新しい単語とか教えてくれる謎の映像だ。文化祭の映像ですらもう少しちゃんとしているのに

アキラはふと映像に映る喜怒哀楽を素直に見せる男に申し訳ない気持ちがこみ上げて来た。

「…………」

あの日の両手に着いた彼の血は、自分が彼の顔を躊躇なく恐怖から逃げる為に引っ掻いてしまった物だ…

自分が自分の身を守る為に他者を傷つけた……その事実にアキラは自分はどうしようもない奴と自分を自虐した……

「……力になる資格なんて私にはないじゃない……」

見慣れた自分の暗い暗いクリーンでジャスティスの世界は今だけは酷く醜い場所に見えた…

 

 

 

無限城の『童磨神社』

「あっ、『RAIEBOW』に渡す映像をNG版の奴にしてしまった……」

ヨーヨー片手に白怒火は、してしまった顔をして漸く気付くと飛燕が戻って来て右手でサムズアップをする。

「何やってんだお前……」

けん玉片手に呆れて言うのは、我らの狼牙丸。

「どうしよう……凄くどうしよう……今からでもきっちりとした奴送るべきだよね。」

ヨーヨーで超電磁ヨーヨーの真似をしながら言う白怒火

「それより、白怒火。お前も城を出て咲森学園に現れた5人の"転入生"の追跡をした方が良いぞ。……そこらの軍人よりは手練れのようだし、ガチの殺しも躊躇ない奴らのようだ。」

【サイド7にジオン来る】

白怒火はヨーヨーをしまい。

「本体は部活動に専念している最中だしな。とりあえず、本体と親しい連中の近くに俺はいるよ。」

予備の咲森学園の学生服を素早く早着替えして、琵琶を取り出して鳴らす。

【べべん。】

白怒火はこの分裂体達の中で一番の最年少、そして基本、お面を着けない事が多く性格も炎竜鬼と殆ど変わらない為、影武者ポジションでアリバイ作りに動いている。

 

モジュールの天蓋に投影された空が、定刻を迎えて夕暮れの空に切り替わり始める。

授業を終えて寮に帰宅する生徒や補習をする生徒達の時間だ……そしてその時間は部活動の時間でもあり、

闘牙も部活動に参加していた。

『真歴における文化思想研究ならびに討論部』と言う立派な名前を持っているもその正体は只の男子文化部……オタクの部活である。

 

「これが昭和の頃に博物館に展示するようにお願いしたのを親戚が断った大正時代の貨幣と紙幣だ。勿論、現物だぞ。」

ご丁寧に強固な箱にあった物の中身を部員に見せるのは闘牙だ。

「凄っ本物かよ!?」

「今だと幾らくらいの価値があるんだ?」

「そうだな……今のジオールの値段から考えてだいたい……」

 

部長の霊屋リョウスケは、ここ最近、部活動に参加し始めた部員の闘牙のコレクションを驚いていた。勿論、10前半の男子にとって闘牙のコレクションは、様々な種類もあるし本当の意味でレア物ばかりだ。

だがコレジャナイ感もするのだ。当然貴重な品だし、テレビの年季のある金庫に入ってそうな物と思うが、オタクの私物にしては、マニア過ぎる。歴史愛好家関係の……ここがそれだ。

「闘牙。お前のコレクションは良くわかった……次は、俺たちのコレクションを見せてやるよ。今回はお前も喜ぶ物だ……」

最初は曇りとか雨の時とかにしか部活動に参加しない顔が良いからかなりムカついたが、本当に多種多様のオタクグッズに詳しくて部活動に参加してくれると楽しいのだ。

「お願いします。部長!?」

オタクに対する偏見がない……周りの奴らは、オタクと聞いて変な奴とか気持ち悪い奴とか思っているし、実際にそういう奴もいる事を知っている……でもコイツは……闘牙は本当に楽しそうに……部活動を楽しんでいる。

只……まぁ、女子更衣室の覗きは全て闘牙が仕掛けた謎の仕掛け付きの罠で阻止されているのは、不満だ。

『流石に女子達が可哀想だから……』

との事でそのお蔭のせいか闘牙は女子に結構感謝されているのは、多い。

でもそんなに嫌な奴じゃないのは、わかった……だって俺が、コイツがいて心の底から楽しめているんだもん。

 

同時刻

場所は文化部から夕暮れの天蓋の空模様の元へ変わり

「……こんな感じにすれば、また一儲け出来ると思うんだよな」

「ふふっ。犬塚先輩ってお金の話ばっかり……」

闘牙の先輩の三年生の犬塚キューマと並んで歩いているのは、一年生の櫻井アイナだ。ハルト達2年の愉快な奴らと仲の良い後輩で、人当たりの良い性格やおっとりした雰囲気はいるだけで周囲を和ませる……闘牙がたまに孫に小遣い与える雰囲気を与える凄い後輩……ついでに平手打ちをした流木野サキも根が良い子と分かるから深い意味はなく小遣いを渡したくなる……本当に二人は良い子だよ~。

「いずれ、世界一の金持ちになるつもりだからな」

ここ数日後輩の闘牙に、通貨の価値が無くなった事を想定して現物の貴金属を収集しといたら……と縁起でもない事を言われても実行しないヘタレ先輩は夢のアイナとの時間を楽しんでいた……

「夢は大きく、ですね」

アイナが眼鏡の奥で目を細めてクスクスと笑うと、2つ結いの明るい髪が揺れる。キューマはその柔らかい物腰や優しい笑顔が好きで、よくこうやって言葉を交わす。なんでもない、いつも通りの小さな幸せ……

(うわっ、甘い空間作ってやがるよ……モゲロ!!)

気配を完全に消して風景と一体化した炎竜鬼の分裂体…

白怒火はキューマとアイナの桃色の甘々ラブラブ空間に凄く苦い食べ物が無性に食いたくなったが、鬼ゆえにそれは無理と悟り静かに見守る……

そんな風にのんびりと中庭を歩く二人に突然声が掛けられた。

(ぬっ、奴らか……)

九荷が見せた"転入生"の一人が彼女に話し掛ける。

「お嬢さん、よろしいですか?」

アイナとキューマが足を止めて振り向くと、そこには咲森学園の制服を着た、しかし見慣れない男子生徒が5人。声をかけてきたのは、微笑みながらも何処か相手を見下しているように感じさせる眼差しの髪を逆立てた男。

(……軽薄チャラ男と言うよりムードメイカー

続いて別の一人である眼鏡をかけた長身の男がアイナに話し掛ける。

(……インテリ眼鏡か……以下にも理詰めで堅実な地味で効率的な戦い方をしそうな面しているな)

白怒火の身も蓋もない言い方だがあながち間違えていないのは、仕草、喋り方、歩く癖等でまとめて観察して、

(生まれと育ちは悪いが何処かの軍学校で真面目に勉強したんだな……優等生というより、優等生になろうと努力した人間にあるタイプだ。……育ちが悪い時に良い出会いがあったんだな……)

(……有象無象が集まってきたな……)

あの奥にいる銀髪ショートのウォーズマンは咲森学園の校舎の方を何かを観察するように確認する。

白怒火は、相手の分析力と観察力がそこらの軍人より鋭い事を瞬時に理解して……小さくため息をするのだ……

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