革命機ヴァルヴレイヴ 現代に欲望のまま生きる自分本位の鬼達   作:怪物怪人怪獣さん

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うん。今年最後の投稿。来年も宜しくお願いします。


第4話 夜の空に舞う竜鬼

無理やり搭乗口に乗り込んだ闘牙。

センサーがパイロットの搭乗を確認し、中央のコンソールパネルが自動的に闘牙の方にせり上がってくる。

目についたセンターコンソール中央の赤いカバーを開けて、中にあったスイッチを押すと、コンソールモニタにアニメチックな美少女の3Dキャラクターが現れた。

「よっ、妖精さん。お久しぶり。元気にしてたか?」

機体の中に住んでいる存在に気さくに声を掛ける闘牙。

「アナタ?ニンゲン?」

「否、鬼だ。何だ?鬼は乗っていけないのか?なら降りるけど……」

【………………………………………………………】

キャラクターは無言で俺を見つめて暫しの沈黙が互いの間に流れてキャラクターはモニタ内を住んでいるかのように動き回り直ぐに戻ってきて。満面な笑顔を闘牙に向けて

「イイヨ♪」

「いいんかい!……まぁ、出戻りなんかしたら犬塚先輩達に格好付けて搭乗した意味が無くなるからある意味安心したけどさ。」

関西のお笑い芸人のノリツッコミをモニタにして、

「アナタカワッテイルネ?」

「それ良く言われてるよ。」

(昔からね。)を心の中に付け加える闘牙。キャラクターと会話しながら機体の各部から、駆動音と小さな振動が生じてコックピットに伝わってくる。

「こいつか?あっこれか!間に合えよ。左よし。右よし。」

数秒後独りでにコックピット内部の全方位スクリーンが、外の景色を映し出す。

「ほえ~~こういうタイプね。」

剥き出しだった背中に繋がっていたコードが音と共に弾け跳び、開放されていたハッチが閉じ、ケージのストッパーが稼働して、機体の四肢を拘束から解き放つ。

巨大な金属の掌が大地を叩き地面をめり込ませそのまま上体を起こそうとし、ケージに阻まれるも、震えながら腕を伸ばして、力任せに支柱をへし折っていく。

「……後で本国に請求されない事を祈ろう……」

スクリーン越しに壊れて行く支柱を何とも言えない表情で見ながらもっと壊れ難い素材で造れよ。心の中で思うも壊れてしまったのは仕方がない。それだけこの機体のマニピューレーターの基本性能が高いと言う証拠だ。

(否、軍の機密がてんこ盛りの機体に一回でも乗ったんだ。最悪精密検査と言う名の実験場のモルモットはゴメンだ。)

【結論……勝っても負けてもロクな目に合わない……】

機体は残されていたケージを怪獣映画の怪獣のようにケージの骨組みを肩で破壊し、今度は膝を立てようとする。ほぼ残骸と化したケージの外枠に手をかけ、まるで赤ん坊のように頼りなく、ゆっくりと、しかし確実に、その身を起こしていく。

「コイツ。動くぞ。動きますぞ!?」

動力部のアクチュエーターの唸りを聞きながら、コックピットの内部で周りの様子を確認する闘牙。やがて、スクリーンに映る風景が、完全に安定する。

割れた天蓋の隙間から、天使の梯子のように夜を裂く人工太陽系の光。その鮮烈な光芒が立ち上がった血のような染まった赤と夜を現す黒の装甲を煌めかせる。

そしてその様子はジオール製のスプライサーを破壊したバッフェ達の目にも止まる

「人型?隊長!特一級戦略目標です!」

「失敗したのか……若造どもめ!だから!?」

学園に潜入した5人の任務失敗に声を上げるバッフェ部隊の隊長に、

「パイロットだけを引き摺り出します!……ちょっとだけ待ってな……」

 

 

 

「あっ、霊屋部長?今生きてますか?……えっ俺?ちょっと狭い場所に隠れているから大丈夫です。この通話が最後のやり取りにならないように何処か安全な所に避難して下さいよ。外はとにかく危ないみたいですからね!」

男子文化部の部長へ連絡をし終えながら、闘牙は機体の表面に己の鬼の血を黙々と流す作業をしていた。

外だと搭乗口を中心に赤と黒の機体に毛細血管、又は神経系統のように走り機体の全身を巡回して行く。自分の異能の血鬼術を機体越しにも使えるようにする為だ。

(まずはプラン1……機体に乗り込むは達成……プラン2…武装確認……)

 

ヴァルヴレイヴ。それは、今回のドルシア軍の侵攻の中で特一級戦略目標とされる、ジオールにとってジョーカーである。ヴァルヴレイヴを確保して出撃させない事が、エルエルフ達の最重要任務だった。だがその機体が学園内に起動しているのを見て、任務の失敗を悟ったドルシア軍のバッフェ達が、次々とヴァルヴレイヴの方に寄ってくる。

その状況下にあっても、ヴァルヴレイヴは走るでもなく飛ぶでもなく、武器を構えるでもなく……ただ突っ立っている。

「…良い子だから……出来る限り急いで動けよ!動け!」

 

ガ○ダムですらビームサーベルが付属してあったんだ丸腰で戦うのは構わないが、っと色々とコンソールモニタ内を調べていると東洋の刀を模した白兵戦用武器『ジー・エッジ』と左右胸部に収納された小鎌の『フォルド・シックル』見つける。

 

「俺って…本当に……つくづく刀とかに縁のある人生だな……だが鬼の俺らしい得物だ。ってぐおお!!」

そうこうしてる内に一体のバッフェが正面に取り付き、コックピットから闘牙を引き摺り出すべく直接攻撃を開始した。

「さぁて!?敵は……し、正面だ!」

いざ応戦しようするがその時、闘牙のスマートフォンから明るいメロディが流れる

「こんな時に!?もしもし!!」

そしてそれに応対するのが闘牙だ。

《もしもし……闘牙。今何処にいるの?生きてる?》

「ノービ・ワン!生きてるYO!?」

まさかのバッドタイミングで野火マリエからの電話だ…

「俺が何処にいるかって?此処にはない何処か!」

《迎えにこようか?》

「来るなよ!絶対に来るんじゃねぇぞ!フリじゃないからな!」

《……焦っている?》

「今外がヤバい状況なんだよ!」

《知ってる……》

「近くに犬塚先輩と櫻井とボッチとハルトの馬鹿は見てないか?」

《ちょっと待ってて……》

トテトテと移動する音だけ残して………

「えっ!ちょっと!?マリエ?おい!?」

その間、マニピューレーターを装備したバッフェの腕が、一発、二発、三発と機体の顔面を遠慮無しに殴打する。

「ちょっと~~まだこっち戦闘開始もしていないのに!?第一鹵獲対象を損傷させるなんて脳ミソ筋肉で出来ているんじゃないんか!」

その度にコックピット内にスクリーンにノイズが走り、伝わる衝撃が闘牙に伝わる。

「おい!脆くないよな!柔くないよな!?」

バッフェの一方的な打撃が機体の外部装甲にぶつかる音だけが響きバッフェは右腕の爪の形をしたマニピューレーターでヴァルヴレイヴの首根っこを押さえ、左腕のビームガトリングを腹部に連射する。

「いやぁああああああああああああああ!!【三元鎮守】(さんげんちんじゅ)!!」

女のような情けない悲鳴を上げながら機体の周りに3つの咒札を発射して機体の前方に回転する三角形のエネルギーの盾を発生させてバッフェのビームガトリングの弾の雨を全て防ぐ。

「ぜぇ……ぜぇ……さすが○ッグだ、何ともないぜ!」

滅茶苦茶焦った顔をしてからドヤ顔をするとコンソールモニタ内から野火マリエ?が姿と見せる。

「御主はその機体の真の力を使いこなしていない」

「否、あんた何その格好!何その風景!そんなの準備する為にこっち色々とノーガード戦法を強要されていたの!」

聖徳太子の服装をし巨大なアイスの木の棒を両手に持つ野火マリエに似た人にツッコミを入れる闘牙!

「私は野火マリエの先祖……野火ノ真理麿(のびのまりまろ)……」

「へぇ……そうなんだ…マリエのご先祖って!否、嘘つけ!何でマリエのご先祖様が未来のロボットのモニタ内に姿見せるんだよ!色々とおかしいだろ!」

「私に問答している刻があるのかの?」

「否、ないけど………ご免なさいね。マリエのご先祖様。今凄く切羽詰まる状況なのや!」

「助言は一つ……」

「……。」

「心のままに己の鬼を使いこなせ。」

そう答えるとマリエのご先祖はモニタから姿を消す。

「否、あの!もっとこう具体的な助言を!!」

《闘牙…お待たせ。体育館にはハルト達は見てないって……》

「そうか……」

犬塚先輩達はまだ校舎の外にいるようだ。

《あれ?何か疲れている?》

「……色々疲れた………また掛け直すよ。」

《私は死ぬ最後まで七海先生のおっぱいを一回でも多く揉んでおくよ……シーユーネクストコナンズヒント!?》

「この淫獣が!?」

マリエからの変な宣言に逆キレ気味なツッコミを返すと電話が切れる。

そして再びスマートフォンが鳴る。

「今度は誰だ!?トキか!?ラオウか!?」

【warning!warning!】

スマートフォンの画面に無数のエラーを知らせるアラームが鳴り……

「ハッキングされた!一体誰が!っ!?(/´△`\)やめてえええええええええええええええ個人情報とか恥ずかしい履歴の数々を覗かないでえええええええええええええええ」

メール画面に強制的に移動させられてメールの送り主の名前に闘牙は視線を向ける。

『RAINBOW』っと

「裏番かっ!?」

顔を真っ赤にさせながらクラッキングした主犯の名を叫ぶ!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

モジュール77には、至る所に防犯カメラが設置されている。学園周辺のカメラはそのほとんどがドルシア軍の攻撃の余波で壊れていたが、無事だったカメラの一つが、まるで生きているようにぐりんと動いてヴァルヴレイヴの方を向いた。その映像は、学園校舎にある立ち入り禁止の空き教室の一室、その片隅にある段ボールハウスの中に設置されたハイスペックなPCのディスプレイに表示されている。如何なる方法か、そのPCの持ち主がカメラを動かしているのだ。

段ボールで囲まれたその部屋には、食べ物や飲み物、本に玩具に布団に服などが乱雑に放置されており、部屋の持ち主の無頓着振りを如実に現している。

この段ボールハウスこそ偶然無限城に迷い込んでしまった小さな魔女の通り名を持つ少女こと━━咲森学園二年生の連坊小路アキラの居城である。

 

周りが何を言おうと此処が彼女の絶対なる領域であり、何人足りとも侵入させて欲しくない聖域である。

 

しかし、今日その城に城主の無許可に上がり込む行儀の悪い客人に軽く視線を向ける。

「………。」

左右非対称の蝙蝠の外見をした機械『飛燕』は、右手の形に変形して器用に城主の部屋を掃除している。

燃えるゴミと燃えないゴミのそれぞれの袋に分別しながら入れては塵取りを置きプラスチック製の箒を持ってゴミ掃除を城主の周りに無許可でしている。

ゴミ袋を縛るのは片手では足りないのかたまに城主に手伝わせてる……勿論、断固拒否……するには、流石に何か申し訳なく感じた為に渋々……ゴミ袋を縛る作業をアキラはしていた。

縛ったゴミ袋は『飛燕』は片手で悠々と持ち上げて何処かのゴミ捨て場に運んでいる。

「あっ、それは捨てないで!!」

時折、捨てられると困る物をゴミ袋に入れようとする為に取り合いになるも、人ではないし……喋らないから叱りもしない。服や下着も何処かへ運んでしまうのも止める為……引きこもりの敵【オカン】と呼んでしまいそうになる。否、私の実の母親より母親みが強い…自分も動く機械相手に何やっているんだろうとふと己を振り返ってしまう……

「……いっそ、私専用に改造しようかな……ってそれ私のブラジャー!!」

私の結論は、居ても邪魔な感じである……不満があるなら飛燕と同じ腕がもう1つ欲しいくらいだ。

「……っと、忘れてた……」

飛燕からブラジャーを何とか取り返して自分の用意したPC端末を操作に戻り同時に覗き込んでいるのは、ワイヤードお呼ばれる世界的にメジャーなSNSの画面だ。

今から数十年前。とある科学者が、量子もつれ状態における非局所性を示す『EPR相関』という現象を利用した、それまでSFの中のフィクションでしかなかった超光速通信技術を確立させた。今現在その技術はモジュール━地球間やでの通信の基礎となっており、遠く離れた場所ともタイムラグなし通信する事が可能である。SNS『ワイヤード』も多分に漏れない。ワイヤードは書き込まれた言語を自動で使用者個人が設定している言語に翻訳する機能もついており、宇宙のあらゆる場所で会員を増やし続けている。オープンメッセージの書き込み、プライベートメッセージのやり取り、音声通話や動画通話に加え、画像、映像、音楽などの各種ファイルの共有も容な、今や生活に欠かせないほどのツールである。そしてアキラはそのワイヤードを利用して、とある動画を全世界に発信しようとしていた。

《ドルシア軍によるジオール奇襲については未だ情報が錯綜し政府が対応に追われています。》

モジュールとジオールが奇襲されているニュースを見ながらアキラは言う。

「これで……拡散」呟き、リターンキーを押したその途端。テレビに。パソコンに。スマートフォンに。街頭モニターに。世界中のありとあらゆる情報端末画面に、アキラが用意した画面が映し出された。

【やられてるじゃねえか】

【何見てるの?】

【軍は何してるんだよ!】

【助けてたすけて!】

【援護いるだろ!】

【母さんにつながらない!】

【軍は何してるんだよ!】

【やられちゃってるじゃん!】

【避難所行け!避難所】

勿論普通は不可能な事。だが、それが出来るのが連坊小路アキラという人間なのだ。突然現れた謎の画面に道行き人達やテレビのニュースを見ていた人。スマートフォンで動画を見ていた人。パソコンで調べ物をしている人や仕事をしている人々は戸惑いながらも、黙って動画を見る。それが今まさにニュースで流れていた、ドルシア軍によるジオール奇襲のライブ映像である事に人々が気付くと、ワイヤードには世界中からのメッセージが爆発的に溢れた。世界各国の言語で書き込まれたメッセージは瞬時に使用者の設定言語に翻訳される。目まぐるしく流れていくそれらメッセージの横で動画の中のヴァルヴレイヴは相変わらずバッフェの一方的な蹂躙を許している。

【ジオールの機体か?】

【ふざけんなよ!】

【知らないよ。私】

【さっきのロボでしょ?】

【支援要望】

【熱い熱い熱い!】

【緊急コール誰かしろよ!】

【何だよ これ】

【戦争?】

【じゃあお前がやればいいだろ】

【ドルシア軍のバッフェだろArmy,s WaffeWEAPON】

【お前がやればいいだろ】

【じゃあ、こっちはジオールの?】

【学校から出たって見たヤツがいるぞ】

【足があるよ】

バッフェはヴァルヴレイヴのコックピットユニットを直接引き剥がすため、胸部ユニットをマニピューレーターの爪で挟み込む。

するとヴァルヴレイヴから五枚の紙が飛んできて☆の形になってヴァルヴレイヴを包み込み機体は点滅し初めバッフェは爪を更に突き立てるも弾かれてしまう。それでも諦めずに爪で何度も挟み込もうとするもヴァルヴレイヴはやはり動かず、メッセージはだんだんとジオール本国やその友好国からのものが占める割合を増してゆく。

【他の画像、ミニコミュに上がってる】

【勝てるわけないじゃん】

【リアルタイム?】

【じゃ誰が乗ってるんだ!】

【やられるぞ あれー!】

【左きてるぞ、左ー!】

【立って殴れ!それまで持ちこたえろ!】

【攻めてきてる!】

【誰でも良いから助けて!】

【やられちゃってるじゃん!】

【味方なの!】

「………あっ、メールしないと……」

アキラは闘牙にメールのやり取りを初める。

 

【裏番!今俺取り込み中!】

【知っている……飛燕の持ち主よ。】

【何の用だ。要件は飛燕に贈った贈り物の段ボールの箱の中にあった連絡用通信機器で連絡してくれても?】

【……否、これは試験だよ。炎竜鬼。】

「試験?」

九荷が用意した咒符(じゅふ)を五枚使った【五芒醒力】で30秒間強化無敵モードになって機体と自分を守りながらメールのやり取りをする闘牙。

【どういう意味だ?】

【……私は基本外が嫌いで表側に出ない人間だ。私と協力関係になるにはある条件を絶対にのんでもらう。でなければ協力は無しだ。】

【その条件とは?】

(外が嫌いで表側に出ない人間……どうやら『RAINBOW』は目立ちたがりの人間ではようだ。つまり……文官タイプだ。)

【……私の存在を誰にも言わない事だ…】

「……。」

この条件は一見簡単そうに見えて実はかなり危険な条件だ。相手はいつでもこちらの隠したい個人情報を全て知る事が出来るがこっちは逆に情報が筒抜けになる危険性が付きまといクラッキング能力を持つハッカーと協力関係になる……そして俺のクラッキング能力では情報の争奪戦では勝てない……敵に回すと危険過ぎる……情報と言う面で向こうは鬼の俺を封じ込めて王手を掛けているんだ。

(……すげえ…)

だが危険とわかっているのに、俺の心を支配したのは、『RAINBOW』のハッカーとしての腕だ。人のスマートフォンを躊躇なくクラッキングした実力……敵なら危険だが味方なら頼もしい仲間になる……

直ぐに返信しようとしたら

【ブツン。】

充電0%を知らせる数字……真っ黒なるスマートフォン。

「あっ、えっ?ちょっえっ!?…………」リアルタッチで何とも言えない悲しい顔をする闘牙。

(充電しとけば良かったあああああああああ!!)

コックピット内で両手で頭を抱える闘牙。その表情は絶望の表情だ。

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああおい!マジかよ。相手が返事を待ってこの始末!?どう考えても相手に俺への印象最悪だろ!」

悲鳴を上げ恐怖し最早RAINBOWに俺の個人情報がネットに拡散される絶望で俺は芋虫みたいに無限城の中にあるこたつに引きこもりたいのに、周りがそれを許してくれない。

俯き何かもう色々と心がボロボロになるも情けない顔でも正面にいるバッフェを睨み付けて……

「……でもここにまだ生きている連中の皆の命は……」

その時、脳裏に過ったのは酷く冷たい目をしたウォーズマンがハルトの言った燃えるように熱い一言だ。

『譲れないなら、戦うしかない』

「同感だ!?端から譲るつもりはない!?行くよ。激おこプンプン丸!!」

苦しくても悲しくても辛くても人はいつかは立ち上がり前を歩まないといけない……

半分逆ギレの啖呵と共に牙を持つ鬼が低く唸り声と共にアイセンサーを禍々しく光らせ正面のバッフェ達を鋭く睨み付け霊長兵器ヴァルヴレイヴが戦闘開始する。機体の各部から薄緑色の光を光らせる。

「この機体。動力はゲッ○ー線か!?この、バッフェめ!」

頭部に内蔵されたバリアブル・バルカンを発射して、

正面のバッフェ達を狙うも、突然の奇襲にも対応するとは流石は世界併合を掲げる国の軍人。バッフェ達はバルカン攻撃を回避したり大盾型のアイゼン・ガイストで防御しながらヴァルヴレイヴに一旦離れるも直ぐに接近してくる。

「くそ、やってやるぞ!プラモデルとアーケードゲームと殺された連中達の弔い合戦だ!?」

己を鼓舞して怒りの炎を燃やし自分の本来の能力を使う……機体の両肘部分から揺らめく炎を思わせる熱光刃を生やして

「……死ね。」

両腕で正面の有人式バッフェの装甲をΧ状に両断して、金色の爪を生やした両手で相手のコックピットを掴み。「燃えろ。」

両手の平から放つ金属を融解させる数千度の熱波、更に金色の爪から直線型の紅い熱線を発射してバッフェに向けて直に直撃させる。

「何だこの機体は!?あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」

鬼の異能の力に恐怖の断末魔を上げたドルシアの軍人は勿論、機体の計器すらドロドロの赤熱に溶かして、大地に落とす。泥のようにグチャと潰れ煙を上げ……

追従した無人機は指示信号をロスト、でたらめな軌道を描いて人工海の方に落ちて行く……

「……。」

無言で首を動かし無人機達の方向を見据えると、ヴァルヴレイヴは右拳を握り締め腕を一気に引き、落ちて行く2機の無人機に向かって全集中の呼吸。闘牙の口から呼吸音と共に鬼の呼吸の基礎を発動する。

「シィィィィィ……っ火速(かそく)!!」

機体の全身を通る紅い光が両足部分と両拳に集中して深紅の雷とも稲光とも言える閃光と共に機体の重さを忘れる程の瞬く間に無人機に向かって距離を詰めて……同時に腕の先、籠手の先端に取り付けられた『クリア・フォッシル』が紅く光る右拳の表面に赤い硬質残光を集め硬くさせて鈍器に変える、更に揺らめく炎の形状をした熱が無数の螺旋を描きドリル基"機巧槍"の形に変えて……

(…偶然なのかは、……必然なのかは知らないが機体の特性が俺の戦い方に近いのは、素直にありがたい……)

鬼の呼吸と共に放たれた【鬼闘術 螺旋槍】と呼ばれる貫通技が無人機達の装甲を瞬く間に削り穿ち無人機達爆発四散させ機体は格好良く爆炎を背にして勢い余って海にボッシュート。

「いかん。また加減出来ずに落ちた……」

さっきの技は足場がちゃんとないと高所からまっ逆さまになる諸刃の技……欠陥と隙が大きい技なのだ。

海に落ちたヴァルヴレイヴは平泳ぎしながら、残りの敵の攻撃を避ける。

「平泳ぎじゃ駄目だな……」

クロールに泳ぎ方を変えてヴァルヴレイヴは、泳ぎながら状況を確認する。

そうこうしている内に再びモジュール内部が激しく揺れて天蓋を壊して無数のバッフェ隊が侵入してくる。

すぐさま異常に気付いたバッフェの別働隊がやってきた。無人機と有人式バッフェらに残ったバッフェ達を合わせて海中を移動するヴァルヴレイヴに向かって一斉射。VLCポリマーという強化合成樹脂素材に掠れさせないようにクロールで移動しつつ。バッフェ達はひたすら追撃する。

「増援か……数は約20……9機のド○をアムロは3分足らずで全滅させたけど……5分も有れば充分だな……」

学園には生徒や先生達が避難している。極力学園から離れて戦う必要がある。あんだけいるなら学園や市街地を火の海と瓦礫の山に変えてもおかしくない。

バッフェ隊はヴァルヴレイヴの有効射程範囲外からの遠距離射撃を繰り返す。相手は所詮足つき、空を飛んでいる自分達には手も足も出ないと高を括る……

 

「……出し惜しみしている場合じゃないな。バァァルカン!!」

機体の首を動かして飛来するバッフェ達に向かって頭部に内蔵されたバリアブル・バルカンを発射。反撃に出る。

こちらに接近する有人式バッフェ一機と無人機一機に命中して穴だらけに破壊成功するも、息を尽かさず………

「よし。あっ、やべっ!」

バッフェ隊達の虎の子のビーム砲『デュケノワ・キャノン』の集中砲火で慌てて敵の攻撃をやり過ごす為、機体を海中に深くに沈めると両手足を纏っている紅い炎の揺らめきが弱くなっていき海の中では炎竜の竜人外装の能力は半分以下に下がる。

「なら……【血鬼術 竜人外装 海竜】!!」

全身を纏っていた炎状の異能の力が完全に消えて代わりの物を両の手の甲に出現させる。

「ふっ、連中に目に物見せてやる。」

血のような鬼の赤い両目をONE PIECEのド○ラミンゴの特徴的なグラサンを掛けて隠しニヤリと嗤う闘牙。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

海上から突然飛び出るのは水で出来た鋭い鰭が生やした触手が空を飛び回るバッフェ達を串刺しにして人工の海に叩きつける。海に叩き付けられた有人式バッフェはひしゃげて爆発四散する。

更に触手は鞭のように無人機の一つに巻き付けて引っ張り切断する。

「次っ!」

「何なんだ!?あの触手はっ!?」

突然前触れもなく人工の海から出現した二本の触手にうろたえる有人式バッフェの胴体を捕まえて海に引き摺り込む。

突然海中深くに引き摺り込まれたパイロットが最後に見たのは、自分の機体に肉迫し拳に抜き放つ戦略特級兵器ヴァルヴレイヴの姿であった……

 

水中から『クリア・フォッシル』のレイヴ・エネルギーによる硬質残光を集めて、光の投げナイフの形状にして、空を飛び回るバッフェ達に投擲する。

有人式は回避して無人機達に次々と直撃し撃墜させて、

海中の中で機体のアイセンサーが光る。

姿勢を低くしながら両の触手で再び有人式バッフェを海中深くに引き摺り込むと

「大雪山おろしィィィィィィ!?」

両手の甲から生やした伸縮自在の鋭利な鰭付き両触手を使い人工の海に水竜巻を発生させて竜巻状の空間で掴んだバッフェに高速回転を加えてダイナミックに投げ飛ばす。

「あっ、」

投げ飛ばされたバッフェは咲森学園の体育館の方向に向かっているのに気付き、触手でバッフェを串刺しにして体育館から引き離す。

「この技は意外に使えないな。」

モジュールの海が意志を持ったかのように独りでに激しく動き出し沸き上がる。巨大な水柱を出現させてその勢いを利用して地上に戻るヴァルヴレイヴ。

水で出来た触手を引っ込めて残りの相手を見据えながら両肩から全身を覆う内側を深紅に外側を漆黒の黒い貴公子が身に付ける大きな襟の立ったマントを羽織る。

【血鬼術 竜人外装 炎竜】

「…ヴァンパイア……」

誰かが体育館の二階の窓から見たヴァルヴレイヴをそう言った。

咲森学園の窓から見ている生徒達から見るとその姿は…夜の時間に美しい女の血を求めて現れる夜の貴公子……『ドラキュラ』その物に見えるのであった。

「戦争を知らない軍隊なぞに!?」

バッフェ部隊の隊長は声を上げて地上にいるヴァルヴレイヴを一斉射するも闘牙は声を上げて言う。

「そういう事を言う馬鹿なヤツ程、あっさり死ぬんだよ!!」

日の光と熱を遮断するマントでマントの形状で有りながら蝙蝠のように飛行可能の皮膜付き翼になる。更に腰から二対四枚の昆虫の羽のように展開された『センシズ・ナーブ』と言うセンサーだ。そしてその勢いで大地を蹴りバッフェ達のいる空へ駆け上がり、突然の飛翔に一瞬硬直したバッフェへ肉迫し

「ヒッ!」

「鬼狩りでもないのに夜の鬼に戦いを挑んだ事、後悔してから地獄に墜ちろ!!」

機体側胸部に収納された『フォルド・シックル』を展開。

小型の死神の鎌を両手に装備してマントを巨大な蝙蝠の翼のように大きく展開して両腕を動かして深く意識せず片腕を振るい黒いマントで硬直したバッフェを両断する。

「ああああああああああああ!!」

爆散した相手を無視して瞬く間他のバッフェ達に急接近し死神の鎌を振るうもバッフェ達はその散開して地上から飛んできたヴァルヴレイヴの攻撃を回避する。

「逃がさん!!【血鬼術 血鎌】からの【血鬼術 飛び血鎌】!!」

蝙蝠の翼を持つ悪魔の如く夜の空舞う機体の両手を赤い血に染め上げてフォルド・シックルの刃に滴らせて、鎌を禍々しくコーティングさせて散開したバッフェ達に無数にその場から放つ。『血鎌』に薄い刃のような血の斬撃を飛ばし無人機バッフェも有人式バッフェも飛来し追尾してくる無数の猛毒の深紅の血の刃に切り刻まれ爆発し墜落して行く。

「他所の国の機密たっぷりなこの機体をお手軽なデリバリー宜しくなお持ち帰り等させるか!!新手のナンパじゃあるまいし!そうは問屋は卸さない!!」

数機追尾してくる血の刃を利用して俺に向かってくるも、

(ん。)

自身の血で放った刃だから自身の意のままに操作可能。

ギリギリまで引き寄せて俺に血の刃をぶつけようとするも、刃は全てヴァルヴレイヴを避けてバッフェ達に追撃して撃破する。更に次々とバッフェに接近して遠慮なく血鎌を振るい次々と破壊する……

 

尚も俺の乗る機体を破壊しようとするバッフェ達の一斉射に対し同時に、腕の先、手首に取り付けられた『クリア・フォッシル』が赤く発光し。それは、ヴァルヴレイヴの背後に収納された動力源『レイヴ』から供給されるレイヴ・エネルギーの余剰分を排出するためのユニットであるをヴァルヴレイヴは素早く腕を振るうと、その腕の動きに合わせてクリア・フォッシルから放たれた残光が硬質化し、飛んでくる一斉射の銃弾の全て弾き散らした。クリア・フォッシルから排出されて硬質化レイヴ・エネルギーは、攻撃や防御に利用する事が出来る。バッフェには決して不可能か、ヴァルヴレイヴだけの特性。

残光を光の幕にして防ぎ、光の幕でバッフェ達の視界を封じて、有人式の一機に狙いを定めて蝙蝠のように夜の空高く勢いつけて舞い上がり真上から相手の頭上に目掛けて膝から揺らめく炎状の熱光刃を生やしてニードロップを叩き付けると同時に熱光刃で両断する。有人式バッフェが左右に切り裂かれるその隙間から緑色のアイセンサーを光らせ左右の足の裏を近くにいた無人機に見せると同時に裏から深紅の直線型の熱線を放射。熱光線が無人機を穿ち力無く墜落する様を見て……

「学園の敷地に落とさないようにしなきゃ……」

墜落する2機の無人機バッフェを両手の血鎌に突き刺して敵目掛けて勢い良く投擲する。

散らばった敵の奴ら投擲されたバッフェとぶつかり、

2本の血鎌を左手に持ち右手をバッフェ達に向け

機体のマニピューレーターに覆うように生えた赤い生体組織の先端にある金色の爪の部分を赤く発光させて拡散熱光線と手甲部分の対人用レーザー『ハンド・レイ』を発射してバッフェ達を塵も残さず焼き尽くす。更に反対側に向き直り反対側にいるバッフェ達に向けて左右両手の5本の金の爪と爪の間から高熱を帯びた赤い光の糸を形成し何処かの作品の糸使いの構えをして

「考えるな!感じろ!そして俺の家の前に腐ったイカを置いたのは、貴様らか!!【血鬼術 炎竜ノ髭】」

誰が何と言おうと濡れ衣である……でも相手は確実な侵略者……何を言おうと問題無いである!!

バッフェ達をまとめて熱刃の糸に巻き付け縛り上げると同時、焼き切り裂く……

【血鬼術 焔鎌】

ヴァルヴレイヴは遠距離攻撃する際に地面に落ちた血鎌を拾い刃に高熱の炎を宿して一種のヒート・サイスを作り出す。

白いモニタ内に映る35/100が激しく90近くまで上がっては10以下まで減少を繰り返すが……この数字が熱に関連する数字とは知ってるが、炎竜鬼の特性の一つ……外部から熱を吸収して血鬼術による炎の攻撃に排熱の手助けをしているとは、まだ誰も知らない……

機体の頭部、肩、胸から廃熱の煙が一つも出ないも、炎竜鬼が貯めて居ては次々と放つ血鬼術のおかげである。

両の手に高熱を帯びた血鎌を持ち自分に迫るバッフェ達を次々と両断、爆散。切り裂き、燃え上がらせる。

両肩に装備されている盾『アイゼン・ガイスト』を構えて近づいてきたもう1機のバッフェも、弾幕の間隙を縫って素早く回り込み、

「シックルブーメラン!!」

左手に持っていた焔鎌を回転するブーメランの如く投擲して風を切り裂きながら相手の正面に突き刺して、その隙に後ろに回り込み残った右手の焔鎌で背後から焼き切り裂き、爆風を背に投擲した血鎌を回収して更に上空にいる敵達目指して高く飛ぶ。

「はい。ステップ、ターン、んでのアクセル。」

なおも撃ってくるバッフェの攻撃を空中高く身をひねって回避してからの勢いを着けた飛び蹴りでバッフェの頭部を蹴り潰しその機体を足場代わりにして空中に跳び近くにいた別の機体にターンキックに速度を上げてからの追撃のハイキック。

空中で飛び交う残りのバッフェ達に硬質残光を拳に集めて打撃で叩き潰し別のバッフェのアイゼン・ガイストで防御する状態のまま金の爪を赤く光らせて軌跡と共にバッフェの装甲を引っ掻き焼き裂く。赤と黒の装甲の機体に爪と肘に膝から揺らめき燃える炎状の熱光刃が軌跡を描きながら夜の空を紅い流星が次々とバッフェ達を蹴散らす。

空中でターン。そのバッフェ目掛けて突っ込んでゆき、勢いに任せて空気を引っ掻くように金の爪で指先を振るう。

「鬼闘術 炎竜爆火爪!」

硬質残光の帯が光の爪となってバッフェを襲い、よろけたところに更に本命の高熱を帯びた爪でバッフェを一気に貫ら抜きそのまま引き裂く。

 

咲森学園の夜の空を縦横無尽にマントを蝙蝠の翼に変えて飛び回るロボットを私は憧れのアイドルを見るように羨望の眼差しで見てしまった…子供の頃……酒を飲んで親が寝てる合間に音を消してテレビに映った眩しい過ぎる綺麗な存在……孤独で惨めな日々の中で、死んだ私の目に光と輝きを与え小さな心臓にドキドキを教え、テレビの向こう側とテレビから離れて見る自分との違いに驚き音の無いにも関わらず楽しそうに、目に星の輝きがあると思ってしまうくらいテレビの向こう側の彼女は踊り歌う様子に私は向こうと自分の境遇の違いに悔しさを覚え酷く腫れた頬の痛みも合わせて声を押し殺し小さく涙を流しながら服の中に隠れた痛む身体で拳を握りながら………自分の世界を変える存在とその日出会った……その忘れられない日に匹敵する光景が私の目の前で繰り広げている。

「……。」

純然足る……圧倒的な……力が其処にあった……何もかも、自分を押さえ付ける世界の全ての障害を打ち砕く……自由に出来る力……その力が私にも有れば………冷たく氷の牢獄のようなこの日常を変えられる!孤独な無期懲役の日々が終わる事が出来る!私の名を世界に刻みつける事が出来る……世界に消されない……有名になれる!諦めた夢がまた叶えられる。誰も助けてくれない見向きもされない……存在しないも同然の者から開放される!皆が当たり前のように持っている……私が持っていない……何よりも本当に欲しい物だって……

「……手に入れられる。」

私の目はかつてない程のやる気に満ち溢れていた………大きな物語が始まる……そんな予感がしていた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

協力相手になる人物からのメールの返信が来ない中……

「……。」

この暗く狭い1人だけの世界の中で私は画面に映るソレに興味はうっすらとあった……近くの布団の上に乗っているのは、掃除を一段落しての休憩中に直ぐ近くで私のお気に入りのキモカワぬいぐるみと遊ぶ飛燕君?飛燕ちゃん?飛燕殿?飛燕様?飛燕さん……と色々と呼び方を考えるが、決まらないこの機械の持ち主の操真闘牙と言う高校二年生?アキラは得意のクラッキングで彼に関する事を自分なり調べていたが、まず夜に活動する……朝から昼間……日の出る時間に基本姿を見せない…何だか引きこもりの香り……同族の匂いがするよ。

学園への登校は基本1日中曇りや雨が降っている日。保健体育は基本サボっている……社交性は平均的で、所属している部活はオタクの集まる男子文化部……最近まで顔も出さなかった幽霊部員。何やら色々なガラクタとも呼べる妙な物を集めている収集家の一面もあり、夜の伝説の祠で1人趣味の琵琶を弾いている習慣がある。こうして見ると連れの人間と色々と暗躍しているようだ。

夜空を紅い光の軌跡を描きながら飛ぶ吸血鬼の映像に視線を戻し

(……にしても、滅茶苦茶強いな……)

ドルシアの兵器その物には詳しくないが、操真闘牙が現在操縦しているロボットの方が相手の数の有利を物ともしない圧倒的な質と手札の数……普段余り周りの物事に感心を覚えない引きこもり私ですらある種の爽快感を覚えてしまう。自分が開発したWIREDもお祭り騒ぎだ…

「ヒュ~~♪」

思わず口笛が出る程だ。そうこうしてる内に残りのバッフェが1機だけになる。

 

 

「何なのだあの光は!?」

有人式バッフェは、下部に取り付けられた虎の子のビーム砲『デュケノワ・キャノン』を放つが、ヴァルヴレイヴはバック転のような動きでこれを回避。手首と同じく踵にも装備されているクリア・フォッシルからレイヴ・エネルギーが放出され、その残光は硬質化してだんだんと大きくなり、バッフェへ撃ち出される。慌ててアイゼン・ガイストを眼前に構えて防御するが、ヴァルヴレイヴは踵から光の帯を引いたままバッフェの周りを縦横無尽に飛び回る。その残光は端から硬質化し、バッフェがビームガトリングで破壊するよりも速く移動、早く硬質残光が生まれる

「速すぎる……何だ!?何の光なんだ!?」

瞬く間に光の繭と黒いマントの隙間から無数に放たれる堕姫の帯がバッフェを包みこむ……

「……あれって!?」

流木野は見覚えがある着物の柄の帯がロボットが纏う黒いマントの隙間から出現したのを見て目を見開き驚き表情をする。

『種の仕掛けのない手品だよ……』

落ち葉拾いに落ち葉を一纏めに使っていた人はそう答えていたが、どんな手品を使えば、ドルシアの兵器を包むサイズを用意出来る……

「勝敗は常に機体の顔で決まる!戦争アニメ代表作のガ○ダム第1話を見なかったのが貴様の敗因だっ!?」

ソレに包まれたバッフェは、自らの培う経験が全て意味を成さない未知の現象に恐怖し、ビームガトリングを闇雲に連射し乱射する。

「来るな!来るな!何なのだ!何なのだ!あの機体は!?あの性能は!この帯は!」

光の繭と帯の中、ヴァルヴレイヴのアイセンサーの瞳が激しく光る。

「貴様が最後に見るには贅沢過ぎる美しい光と帯の光景だ………地獄に行く覚悟と準備は済んだか?済まなくても強制的に連れってやろう!!」

狂乱する有人式バッフェを前に鬼が舞う!

「シィィィィィ……火速っ!?全集中 鬼の呼吸 弐の型 鬼流舞爪斬(きりゅうぶそうざん)!?」

全集中 常中 で更に速度を上げたヴァルヴレイヴは左腰に帯びた太刀型装備『ジー・エッジ』と名付けられた片刃の東洋の刀を抜刀。

カタナに紅い血を流し込んだ瞬間、燃える爆血刀となったカタナを両手で握り締め失ったプラモデル達のモビルスーツやアメイン達の顔とさっき見た山田サンダーの親友のノブの顔が横切りながら振り向き、流れに身を委ねて怒りを込めた怒涛の高速の斬撃を燃える己の血と共に次々と叩き付ける。バッフェの背後から両断、更に勢いのまま回転し、切り上げの一太刀。そして更に、真一文字に胴を凪ぐ。無数の怒りが込められた鬼の燃える斬撃にバッフェの爆炎と、光の繭に照らされ、桜吹雪のように舞い上がる火の粉に蝙蝠の翼のように空を舞うヴァルヴレイヴの異形の姿が赤黒く一瞬美しく煌いた。そしてそれは……一つの小さな戦いの終わりを告げて……大きな戦いの始まりでもあった……

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

人工の海にその身を一度投げてからヴァルヴレイヴはゆっくりと飛び出て学園近くの浜辺へ着地した。

「……。」

やる気のない顔で敵の確認を終えて一度機体のコックピットのハッチを手動で開こうとする。

 

大きな騒ぎが終わり咲森学園の生徒達は窓から見える人型機体は動きを止めコックピットのハッチが開いて

「出てくるぞ。」

中から出てきたのは、ペンギンと白クマとパンダ……そして高○健の顔芸をする謎の年寄りと十字架に張り付けにされた凄くやる気の無いナマケモノの着ぐるみを着てアントニ○猪木の顔芸をする闘牙。

「えっ?何あれ?」

何やら会話をしているも生徒達は、一瞬戸惑うも守ってくれた助けてくれた存在にお礼の言葉を窓から次々と口にだす。

闘牙の顔を見せた映像は、やはり全世界に中継されていた。ワイヤードでその中継をずっと見ていた全世界の人間達と、学園校舎の窓から顔を出す学園生徒達。現実とネット、その両方で闘牙に対する歓声が爆発した。

【ドッキリ】

【サイコー!!!!】

【やった!】

【すげえぞ】

【ネットのニュース見た?】

【あの子カッコいい】

【マジすげーよあいつ!】

【助かったって事だろう】

【怖かったよ……】

【最高だよ!】

【軍人相手にだろ!】

【フレンドしとく】

【ありがとう!】

【性能さってやつか】

【あのロボットって結局誰のなんだ】

【それマジ】

【アップされてるって】

【何あのロボット~~】

【ロボットという言い方は正確ではない】

【写真アップしといたぞ】

【ジオールの機密兵器じゃん】

その中には勿論、マリエにアイナやキューマもいて、アイナ等は涙目になりながら「良かった」と闘牙の無事を喜んでいる。キューマ達と一緒に逃げてきたサキも、自分のスマートフォンでワイヤードに流れる書き込みを追っている。

【ウソだろ!】

【乗ってるの、子供じゃん】

【軍人じゃないの?】

【誰だよアイツ】

世界中の人々の反応を見てサキは何かを企んでいるかのように笑い、学園に登録されている闘牙のプロフィールにワイヤードアカウントもつけて拡散した。

(これで、種は蒔かれた……)

これは切っ掛けだ……かつてない程の大きな……あの頃のように…否、下手すればあの頃以上に自分の願いが叶うかも……

(次はまたあの変わり者の先輩に会いに行かないと……)

会うのは、正直悩むが、これは紛れもないチャンスだ。リスクを恐れては私の願いは叶わない……

(私の願いの為に利用させて貰うわよ。私の名字を間違いまくる操真闘牙先輩……)

聞きたい事が正直多過ぎる……夕方祠で見た帯も前に見た瞳の色が真紅のルビーのように変わる様も……あの謎の機体に迷う事なく乗って乗りこなす事も……

【高校生!?】

【何でロボット乗ってんだ?】

【かわいくない?】

【フレンド登録しようよ】

 

体育館では……

「撮影とかじゃなくて?」

「後で色々と聞かないと……」

(やっぱり乗っていたんだね闘牙。)

何やらあの通話の時に聞こえた焦りようからもしやと思っていたが……マリエは色々と考えながら隣で一緒に動画を見る七海先生の乳を無意識に触るのだ。

「おう……グレイト……」

何にだ……

「あいつ俺の友達だぜ!」

「でも良かった……」

でも男友達の無事の姿を見て素直に安堵の表情をするのだ。

 

「おおぅ……」

ワイヤードを見ていたアキラはとりあえず、連絡がなかった協力相手が無事だった事に安心して笑みを小さく浮かべる。何故かナマケモノの着ぐるみを着ているのは謎だが

猪木の顔芸をやめて張り付けされていたナマケモノの着ぐるみを着た闘牙は金属製の十字架を力技で根元から破壊してパンダやペンギン達を握手してキャベツ等を手渡して謎の高○健の顔芸をする年寄りにハリセンで顔を思い切り打たれて彼らを機体の片手に乗せてゆっくりと下ろして滅茶苦茶号泣しながら別れる一部始終を見ていた闘牙は無言でコックピットに戻り機体を大の字に寝かせて『RAINBOW』について頭を思い切り抱えて悩むのだ。

 

「どうしよう……」

充電器にまずはスマートフォンを繋ぐ事から初めないと……

キテレツ大百科のキテレツのあのサンバイザータイプの帽子を頭に被りながら闘牙は考える。

 

スマートフォンが真っ黒の状態の為に世間が自分を注目しているとは知らない闘牙。だが……

「っ!」

そして無意識に感じる敵意に闘牙は顔を上げて無言でコックピットから出て機体から跳び近くに着地して少し天蓋が投影する星空の下を歩きその足をぴたりと止める。自分の目の前に酷く冷たい目した銀髪男が立っていた。

「……。」

「……。」

【……………………………………………………………】

運命の邂逅……互いに無言で歩み出して……近づくが

闘牙は無言でジョジョの主人公の空○承太郎の顔芸をするのだ……

「??」

冷たい目をしたエルエルフは一瞬、歩みを止めてしまうだ。




注意、この小説は原作崩壊です。カオスです。何でもアリです。だからこの小説を見る前に皆さんはYouTubeで《マリグナントバリエーション》と検索して動画を見て下さい。
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