ギャル&パンツァー/ガールズ&パンツァー:サイドストーリー「青師団高校編」 作:ミハイル・シュパーギン
青師団高校はスペイン系の高校で、戦車道設置校の1つだ。
特徴の1つとして、戦車道チーム用の制服のデザインは胸の箇所が『開放的』だが、これはスペイン軍の外人部隊の礼装に由来するらしい。
さて、戦車道チーム用にあてがわれた一室の電話が鳴り、近くにいたショートヘアで赤バンダナを額に巻いた隊員が受話器を取る。
「はい戦車道…隊長に?あいよ」
赤バンダナの隊員が受話器を隊長に向けて差し出す。「エル隊長、生徒会からだよ」
「生徒会?」
ロングヘアですらりと背の高い3年生のエル隊長は立ち上がると、赤バンダナの隊員から受話器を受け取った。
エルと談笑していたヴィリディアナとトリスターナも、何事かとエルの動きを目で追う。
この2人はエル直属の部下であり、親友同士だ。
そして赤バンダナの隊員は副隊長であり、やはり互いに気心が知れた親友である。
「エルです」
暫く電話の向こうの相手が話す内容に耳を傾けていたが、やがてその表情が疑問から驚きに変わった。「は、はい…分かりました。チームに伝えます…では…」
「生徒会がなんだって?」
腕組みをしたままエルに歩み寄る赤バンダナの隊員。
「バスク。すぐみんなをここに呼んで」
赤バンダナのバスクは、エルの只ならぬ様子を見て取り、首をちょっと傾げて立ち止まった。
「なんだいエル…悪い知らせかい?」
「まあ…ある意味ではね」
「え、廃校じゃないわよね?」
確かに文科省による学園艦の統合政策で少なからずの高校がその政策の憂き目を見ている。
自分達もその対象になったのではないかと勘繰るのも無理は無かったが…
「縁起でもない事言うんじゃないよトリスターナ」
バスクがぴしゃりと言うと、エル隊長も頷く。
「ええ、そうじゃないから。だから安心して」
「じゃあ、それなら何だろう?」
ヴィリディアナが右手の人差し指を顎に当てて考え込んだ。
「でも、いい知らせじゃなのよね」
トリスターナがそう言った後、エル隊長が答えを言う。
「予選リーグの対象校に選ばれたの」
バスクの片眉が跳ね上がった。
「予選リーグだって?」
ヴィリディアナとトリスターナも互いにキョトンとした顔を見合わせている。
「予選リーグって…そんなのあったっけ?」
「いや知らないわよ」
「ここ数年なかったしねえ。まさかあたしらが当たっちまうとは思わなかったね」
「とにかく、みんなを呼んで」
エル隊長の言葉に従い、バスクは校内放送を利用して青師団高校戦車道チームの全員を招集した。
続く