ギャル&パンツァー/ガールズ&パンツァー:サイドストーリー「青師団高校編」 作:ミハイル・シュパーギン
クルセイダー巡航戦車は更に3台滑り込んできた。
先頭車両の砲塔ハッチが開くと、元気者のローズヒップが姿を現す。
「只今到着しましたわ、ダージリン様!」
しかしダージリンは目つきが険しい。
「あのね、ローズヒップ。私は2輌でと言った筈だけど?」
きょとんと首を傾げるローズヒップ。
「あれ、そうでしたっけ?」
「全く…」
呆れたように首を横に振るダージリン。
そこへ遅れてフェレット装甲車が到着し、中からオレンジペコとアッサムが出て来た。
オレンジペコはダージリンの表情を見て察したようだ…ローズヒップを振り返り、
「だから2輌でいいですって言ったじゃないですか」
「え?クルセイダーを持って行くってダージリン様の指示に従っただけですわよ?」
「話は最後まで聞きなさいよ」
アッサムも呆れ顔だ。「ローズヒップのデータは読めなくて困るわ…」
「まあ、もういいわ」
ダージリンが話を進める。「調子の良い2輌を選んで、それをレースに使うわよ」
「ええ、折角4輌持ってきたのにい!?」
「あなたは少し黙ってて」
ピシャリと言い放つダージリンだったが、エルは突如として閃いた。
「いえ、4周にしましょう」
これはダージリンも少し驚いたようだ。
青師団高校伝統の戦車競走は3周だが、エルはそれを敢えて破って4周にしようと言うのだ。
「と、言いますと?エルさん」
「はい。1輌1周のバトンタッチ形式で勝敗を競うのです。今まで仲間内の戦車でしかやってこなかったので、こういうのも有りかなと」
「なるほど。新ルール適用という事ですわね?」
「こちらも新鮮ですし、面白いと思います」
「承知しましたわ。では、エルさんのルールでレースをする事にしましょうか」
そう言うと、ダージリンはオレンジペコに顔を向けて、「ペコ、私のタンクジャケットを用意して」
「あ、ダージリン様も?」
「確かレースを観戦される予定だった筈では?」
「気が変わったの。このルール、刺激的で楽しめそうですもの」
「ですが、ダージリン隊長のタンクジャケットは…」
アッサムが心配そうに言ったが、オレンジペコが苦笑しながら
「いえ、こうでもあろうかとダージリン様のタンクジャケットも持参してきました」
「用意がいいじゃない」
「あなた達は予定通り観戦しておいて良いわよ。じゃあ、早速着替えるとしますか」
数分後、ダージリンはワインレッドの上着と黒のスカートから成る聖グロのタンクジャケットを身に着けて現れた。
「では、エル隊長。始めますか?」
続く