ギャル&パンツァー/ガールズ&パンツァー:サイドストーリー「青師団高校編」   作:ミハイル・シュパーギン

12 / 17
第12話:準備

クルセイダー巡航戦車は更に3台滑り込んできた。

先頭車両の砲塔ハッチが開くと、元気者のローズヒップが姿を現す。

 

「只今到着しましたわ、ダージリン様!」

 

しかしダージリンは目つきが険しい。

 

「あのね、ローズヒップ。私は2輌でと言った筈だけど?」

 

きょとんと首を傾げるローズヒップ。

 

「あれ、そうでしたっけ?」

「全く…」

 

呆れたように首を横に振るダージリン。

そこへ遅れてフェレット装甲車が到着し、中からオレンジペコとアッサムが出て来た。

オレンジペコはダージリンの表情を見て察したようだ…ローズヒップを振り返り、

 

「だから2輌でいいですって言ったじゃないですか」

「え?クルセイダーを持って行くってダージリン様の指示に従っただけですわよ?」

「話は最後まで聞きなさいよ」

 

アッサムも呆れ顔だ。「ローズヒップのデータは読めなくて困るわ…」

 

「まあ、もういいわ」

 

ダージリンが話を進める。「調子の良い2輌を選んで、それをレースに使うわよ」

 

「ええ、折角4輌持ってきたのにい!?」

「あなたは少し黙ってて」

 

ピシャリと言い放つダージリンだったが、エルは突如として閃いた。

 

「いえ、4周にしましょう」

 

これはダージリンも少し驚いたようだ。

青師団高校伝統の戦車競走は3周だが、エルはそれを敢えて破って4周にしようと言うのだ。

 

「と、言いますと?エルさん」

「はい。1輌1周のバトンタッチ形式で勝敗を競うのです。今まで仲間内の戦車でしかやってこなかったので、こういうのも有りかなと」

「なるほど。新ルール適用という事ですわね?」

「こちらも新鮮ですし、面白いと思います」

「承知しましたわ。では、エルさんのルールでレースをする事にしましょうか」

 

そう言うと、ダージリンはオレンジペコに顔を向けて、「ペコ、私のタンクジャケットを用意して」

 

「あ、ダージリン様も?」

「確かレースを観戦される予定だった筈では?」

「気が変わったの。このルール、刺激的で楽しめそうですもの」

「ですが、ダージリン隊長のタンクジャケットは…」

 

アッサムが心配そうに言ったが、オレンジペコが苦笑しながら

 

「いえ、こうでもあろうかとダージリン様のタンクジャケットも持参してきました」

「用意がいいじゃない」

「あなた達は予定通り観戦しておいて良いわよ。じゃあ、早速着替えるとしますか」

 

数分後、ダージリンはワインレッドの上着と黒のスカートから成る聖グロのタンクジャケットを身に着けて現れた。

 

「では、エル隊長。始めますか?」

 

 

続く

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。