ギャル&パンツァー/ガールズ&パンツァー:サイドストーリー「青師団高校編」 作:ミハイル・シュパーギン
「というわけよ」
エルがそう締め括ると、自分を半円に囲むように並んだ折り畳み椅子に座る隊員達…副隊長のバスクだけ所用で不在だ…の中で左端の隊員が挙手した。
「エル隊長!質問いいですか!」
「何?アルタ」
「どんな高校が他に参加しますか!?」
このアルタは2年生で次期隊長を担い立つ期待の星で、だからこうして真っ先に質問する積極性を見せているのだ。
エルやバスク、ヴィリディアナにトリスターナは3年生で、来年は卒業してここにいない。
従ってアルタのような人材の育成に注力してきたが、彼女も期待に応えようと奮闘しており、次第に実を結びつつある。
来年は一人前の隊長として先頭に立って、チームを牽引していっている筈だ。
…ただ、力み過ぎでもある。
「肩の力を抜いて、アルタ」
苦笑しながらエルはそう促し、「バスクが情報を貰いに行っているから、もうすぐ分かる筈よ」
直後に扉が開き、折り畳んだ用紙を右手に握ったバスクが戻って来た。
「遅かったかい?」
「ちょうど良かったわ」
「どうやらグループ戦みたいだよ」
エルに用紙を渡しながらバスクが言った。「あたしらのグループに見知らぬ高校が2つ」
エルが内容をざっと確認する。
「…なるほど、1グループ4校ね?」
「知らない名前が2つ。調査が必要だね」
「なるほど」
エルが詳細を確認する間、バスクが説明を引き継ぐ。
「聞いた通りだ。トーナメント戦じゃなくて、グループ戦だ。1グループ4校で、その中で総当たり戦をやって、勝ちが多い2校が来年の切符を掴むってさ」
「上位1校だけと思った」
ヴィリディアナが少し安堵したように言う。「でも2校なら…」
「まあ、油断はできないけど」
トリスターナはそう指摘しつつも、やはりヴィリディアナと同じ気持ちだった。
アルタや他の隊員達も同じ空気になりかけたが、バスクがその緊張の緩みを叱り飛ばした。
「なに今から弱気になってんだお前ら。そんなんじゃ予選すら突破できないよ!」
一同が我に返る間に一呼吸置き、バスクは語を継ぐ。「まだ今年の全国大会の初戦敗退が響いてるのだろうけどね、次を見据えな。まずは予選突破だ、みんなでね…分かったら返事しな!」
全員がほぼ同時にスペイン語で「Sí!」と返事すると、バスクは説明の続きに入る。
横でエルが苦笑している。
「で、試合に出せる上限は8輌。全国大会の第一、第二試合の上限10輌より少ないって感じだな」
「じゃあ」
エルが用紙を閉じる。「次は編成ね」
続く